Winnyのレビュー・感想・評価
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そこに山があるから登っただけ
映画化するなら描かなければならない背景が、まったく描かれていなかった。
本作のネタ元になった事件は大々的に報道もされましたし、映画自体としての本作も世評が低いものではないと承知はしているのですけれども。
(実際、評論子が入っている映画サークルの中でも2023年公開作品の年間ベストテンに挙げている会員は少なくない。)
しかし、評論子には、残念ながら大いに不満な一本になってしまいました。
それは、本作には、この事件の本当の「意味づけ」というのか、「構図」というのか、「背景」というのか、そういうものがまったくの描かれていなかったことで、個の事件の、いわば「上っ面」を簡単になぞっただけに終始していることによります。
つまり、本作のネタ元になった事件が事件化された背景には、「功を焦る警察」+「検察」とは言いつつも、ちっとも警察の捜査を「検じよう」としない検察当局+はんかくさい(北海道弁。馬鹿とか、思慮が足りない、とかいうくらいの意味)裁判官=本件の事件」という構図があります。
本作ではこの事件の、いわば上っ面をなぞっただけで、本来描かれるべきこと、描かなければいけなかったであろうことが、まったく描かれていなかったと思います。
本作の事件は、その実相において「法制度が技術の進化に追いついていない」とかいう単純な話ではないと、評論子は思うので。
その意味では「観終わって、がっかりした作品」というほか、なかったと思います。評論子には。
(追記1)
=京都府警の「勇み足」=
警察の仕事は、いま「曲がり角」にあります。
近年は年を追うごとに犯罪(刑法犯)の認知件数が減り、死亡交通事故も減っています。過激派も、暴力団も暴走族も、活動が鈍くなっています。
代わって、警察の仕事として新たに登場してきたのが、DVやストーカーといった生活安全の事件です
しかし、それは、従来型の警察には、もっとも苦手とするタイプの犯罪―。
それらは、被害者・加害者の生活関係に深く入りこまなければ解決は覚束ないタイプの犯罪で、これまで「警察公共の原則」、そしてそれ故に「警察は民事不介入」と教え込まれてきた現場の警察官には、もっとも不得手な犯罪ということになります。
そういう不得手な犯罪ということで、どうしても対応が後手に回っているうちに、警察は、桶川では手痛い失敗をして「大やけど」を負ってしまった。
その失地挽回とばかりに、どこの警察本部でもリキを入れているのが、コンピュータ化時代を背景として「サイバー警察」ということになっています。本件の京都府警を含めて、どこの警察本部でも。
とくにwinnyの開発者が住んでいた、つまり事件について管轄権を有する京都府警は、ここぞとばかりに勇み立ったことは、想像に難くありません。
(ここで大きな事件を摘発して名を挙げれば、京都府警は警察業界でも大きな顔ができるようになる。)
その「勇み足」が、winnyの無理な摘発だったことは、疑う余地がなかったことと思います。
(追記2)
=「検察」とは言いつつも、ちっとも警察の捜査を「検じよう」としない検察当局=
このことについては、今更、言い足すこともないので、詳細は割愛します。
(追記3)
=第一審のはんかくさい裁判官=
作品中で、いみじくも壇弁護士が指摘しているとおり、ナイフは飽くまでも肉を食べるための道具なのであり、それ以上のものでも、それ以下のものでもない―。
結果としては、それに尽きるのですけれども。
しかし、第一審の裁判官は、合議事件として三人も関与しながら、雁首揃えて起訴状(検察官の作文)どおりに考え、結果として自分たちの「はんかくささ」には思いが至らなかった(合議事件ですから、まっとうな裁判官が一人はいたかも知れませんが、結果が有罪だったということは、残り二人の裁判官は、はんかくさかったということ)。
ちなみに、この事件について最終的に無罪を言い渡した最高裁の決定文(平成23年12月19日)は、誰でも最高裁のウェブページで読めるようになっています。
それを読むと、いかに第一審の裁判官が「はんかくさかったか」ということは、一目瞭然だと思います。
それ以上は、何も付け加える必要はないと思います。評論子は。
日本でもクルマにはねられて亡くなる方が跡を絶たなくても、クルマの開発者が逮捕されたという話は、ついぞ聞きません。
また、包丁で刺され殺される人も、これまで枚挙に暇(いとま)なかったことと思いますが、さりとて、包丁職人が立件されたということもありません。
(追記)
「検察」とは言いつつも、ちっとも警察の捜査を「検じよう」としない検察はさて置くとしても、もちろん、警察は、社会の中で必要欠くべからざる大切な仕事をしていることは、万人に異論のないところだと思います。
そして、その大切な警察の活動(捜査)が適正なものでなければならないことにも、異論の余地はないことだろうと思います。
それ故、その大切な警察が、いたずらに功を焦ることなく、地道な活動をしてほしい(公器としての組織なのですから、相手の認識不足を「もっけの幸い」として自分たちに都合の良い書面を書かせたりしない)と思っているのも、独り評論子だけではないことと思います。
法廷劇としても白眉の出来
出る杭は
TELASAで鑑賞。
原案の新聞記事は未読。
恥ずかしながら、事件に関する知識は全くゼロの状態で観ました。何故金子勇氏がこのような目に合わねばならなかったのか。事件を通して司法と権力の問題点を炙り出していく。
出る杭は打たれるしかないのか。しかしそもそも杭を打つにはたくさんの助けがいる。技術者の未来のために戦った金子氏の姿勢が尊い。見応え抜群の人間ドラマで、法廷劇でした。
エンドロールで流れた金子氏の映像を観て、東出昌大の役づくりの徹底ぶりに感銘を受けました。役者として一皮剥けた感があり、悪いイメージを払拭する活躍に期待です。
※修正(2024/05/13)
未来に向けて
エンドロールでのご本人のお言葉。
少し拝見しただけで、
コンピュータのより良い明日を見つめようと
する心のまっすぐな仕事に真摯に向き合う
お人柄、お姿しか感じなかった。
もし、警察での取り調べ方が真実に近いものであるなら、単純な私の頭では警察が悪としか
思えない。コンピュータ以外素人を手玉に取るように罪に嵌るようにしむけている描写、腹が立って仕方ない。
私なんかスッテンテンのスッテンテン、
コンピュータが不得手であるが、
こういう裁判になった時、味方の弁護士はもちろん、司法に携わる人々皆、コンピュータに精通して、本当の悪人を炙り出しても欲しいし、金子さんのような貴重な人の時間を奪うことが無いようにして欲しいと思った。
金子勇とオッペンハイマー
先日、戦後最大最悪の冤罪事件大川原化工機事件の判決が出たので思い立って本作を鑑賞。
物語は著作権侵害幇助の罪で起訴されたウィニー開発者金子氏と警察の裏金を告発した仙波氏の話が同時進行で描かれる。この二人が劇中絡むことはないが、ウィニーが二人の運命を共に左右する。
金子氏は支援者や弁護団と力を合わせて無罪を勝ち取り、仙波氏の告発もウィニーにより捏造資料が流出したおかげで認められ、観客はこの結果にカタルシスを味わえる。そして警察検察による違法捜査違法取り調べにより冤罪が生まれるシステムと国家権力によって貴重な科学技術の発展が妨げられたというメッセージもわかりやすく伝えられる。
ただ、本作は金子氏の弁護を務めた檀弁護士側からの視点で描かれていて、警察検察側が悪という典型的な構図だけで語られてる点に少々引っかかった。
特に劇中、著作権法119条は親告罪(平成30年に非親告罪に改正済)にもかかわらず原告が警察というセリフに違和感を覚えた。ちなみに原告とは民事裁判における概念であり刑事裁判では原告という概念はない。強いて言えば刑事裁判では検察が原告にあたる役割を果たす。この点は脚本上のミスだろう。
弁護団は親告罪でありながら被害者ではない警察が原告(告訴した)なのはおかしいと言う。
しかし、すでに正犯の二人は起訴されてることからわかる通り、著作権法侵害の被害者が告訴をしてるわけで告訴不可分の原則(刑事訴訟法238条)から親告罪の起訴要件たる告訴は共犯者たる幇助犯に及ぶため、金子氏を起訴することは可能だ。だからあえて警察が金子氏を告訴したかのような話はそもそもおかしい。
このセリフや愛媛県警の裏金疑惑の証拠たる捏造資料がウィニーによって流出した件と合わせることで、不正が流出するのを恐れて警察が金子氏を無理やり起訴したという印象を観客に与える狙いがあったと思われる。
また、弁護士は被告人の利益にという原則があるように被告人たる金子氏が不利益となる事実は表には出さないので、金子氏が清廉潔白であるかのように本作では描かれている。
確かに警察などの取り調べにおいて自白強要は今でも行われてるだろうし、金子氏のような世間知らずの人間が劇中のような調書を書かされるなんてことは十分あり得る。違法捜査違法取り調べはいまだにおこなわれてる。そういうさまをみせられ、また裏金問題も絡めて描かれてるので金子氏が善、警察検察組織が悪という構図はわかりやすく観客には受け入れやすい。
しかし、金子氏が完全に清廉潔白な人物だったかは疑問が残る。もちろん彼に悪気はなかったとしてもウィニーの危険性を十分理解しながら流布してしまった点に全く落ち度がなかったといえるのだろうか。結果的にそのせいで二人の犯罪者を生んでしまったわけだし、被害額も数十億円ともいわれている。悪用される可能性がわかっていながらそれを単に悪用せぬようにとのメッセージ付きで流したことで罪が全くなかったといえるのだろうか。
本作では金子氏は開発者でありことさらに純粋無垢な存在として描かれる、世間知らずで朴訥な人物として。確かに開発することが生きがいであり不当に利益を得る目的はなかったかもしれない。ただ、その世間知らずな純粋無垢さがあえて言えば罪といえるかもしれない。
オッペンハイマーは原爆を開発中はただ科学者としての知的探求心から、そして自分の能力を発揮できることにだけ喜びを感じて研究開発に没頭した。その結果それが何を生み出すかまでは考えずに。何万人もの人間を一瞬で殺せる兵器を開発してしまったことに生涯後悔の念で苦しむことになるとも知らずに。
純粋な科学技術開発への思いは確かに罪ではないかもしれない。しかしそれが時として大罪を生む結果となることも事実だ。
金子氏のウィニーは同様のソフトウェアと比べても悪用される可能性が特に高いものだった。それをわかっていながら流布したことに一切の罪がなかったといえるだろうか。
裁判では幇助の罪が問われた。これは幇助の故意があったこと、特に本件では未必の故意があったかが争点となっていただけに、それを検察側が立証するのはかなり難しい。そもそも立件さえ難しいのだ、だから警察は故意があったかのような申述書を書かせてまで逮捕している。
人の心の中はわからない、だから客観的な証拠が必要になる。本件ではそれを裁判で提示できなかった、だから結果無罪となった。これはあくまでも裁判上無罪ということに過ぎない。
本作は純朴で無垢な開発者が悪の国家権力から勝利を勝ち取るという単純な構図で描かれているだけだったので、金子氏の功罪についてもう少し掘り下げて描いてほしかった。
検察権力が犯罪事実を明るみにして法で裁くと同時に人権を侵害する危険性をはらんでるのと同様に科学技術の進歩が人の生活を便利にするとともに人の権利や命を奪ったりもする。そういった、テクノロジーも諸刃の剣になり得るという危険性が描かれていればよかった。
ちなみにもう一人の主役である仙波氏が暴いた愛媛県警の裏金事件。このせいで本作は松山市では公開されなかったらしい。
仙波氏いわく裏金作りのために冤罪が生まれているという。犯人をでっちあげなければ捜査費用の名目で裏金づくりができないからだ。愛媛県警の過去の冤罪事案など検索して見てみるとそれは酷いものだつた。公にされてないだけで全国の警察で裏金づくりがなされていることから同じ様に冤罪も全国で生まれているのだろう。正直、この国に暮らしてることにかなりの恐怖を覚えた。仙波氏の闘いはこれはこれで一つの作品に十分なりうるものだと思う。
朴訥なキャラクターを演じた東出君を筆頭に役者さんたちの演技がすごくよくて娯楽作品としては完成度が高い作品だった。ただ前述のように引っかかる部分があって純粋に感動したとまではいかなかった。
大川原化工機事件の映画化を是非とも望む。
本作を見終わった後に金子勇氏のWikiの批判を見ると思う所はある。
作品自体は当時子供の頃だったので曖昧にしか知らなかったことを知れた気がして面白かった。
作中で何度か「ナイフで人を殺した場合、ナイフを製造した者が罰せられるか?」という例が出てくる。作品を見ている最中は確かにそうだと思った。
しかし、批判を見ると考えが覆った。
金子氏が行ったことは、自身が製造したナイフをナイフ協会やナイフコミュニティに披露して技術研鑽するのではなく、闇市で「俺の作ったナイフはあのナイフより優れてるから使ってみてくれ」と提供したようなものと考えることが出来る。これだと話が変わってくる。
P2PのソフトウェアであるNapsterの運営会社が2001年にアメリカ連邦裁判所で著作物に関して違法判決を受けているという情報をP2Pの勉強をしている者が知らなかったのかという疑問が残る。知っていた場合、未必の故意なのではないか。
金子氏は性善説の上、Winnyを提供したのかもしれない。もしそうならば、人間が余りにも愚かであるということを考えなかったのだろう。
自身が積極的に参加しているコミュニティ(2ちゃんねる)で自身の実力を見せつけたいという今で言う承認欲求があった可能性も否めない。2ちゃんねるの技術部長などのように祭り上げられることに快感を得ていた可能性も今となっては知る由もない。憶測の域を出ないが良くも悪くも想像というものは膨らんでいく。
意図的に織り込まえている無能な年長者たちの描画が気になった。
冒頭でP2Pの説明をしている時に話を聞いていないおじさん弁護士、裏金の主犯格のおじさん警察官、ITが全く分からないおじさん裁判官。
愛媛県警の裏金問題はWinnyによって暴かれたがどうも関連性が薄く感じてしまう。
「無能なおっさんが未来ある若者を潰す」というメッセージをねじ込んだのではないかと個人的には感じた。
当て書のような役者東出昌大
坦々と流れるストーリー展開で盛りあがりもなく、「で、何?」と言いたくなる作品、全然面白くなかった
Winnyの功罪について考えさせられる
誰かのせいにしたくて僕になった。
2023
87本目
東出さん演じるwinny開発者の金子勇氏。
個人的にかなり良かった。
むしろ怪演だったと感じた。
さて、実話なんだよな。
さわりしか知らない輩で、無罪まで7年かかって…
コレって大々的に報道された??
この映画はwinnyの技術的な部分ではなく、いかに日本が閉鎖的で司法まで影響したかを描いた作品。
ひろゆき氏、ホリエモン氏、、、
日本は新しい物が発明すると、守ってきた物が壊れるのを恐れ衰退した国なのか…
裁判を審議する側がパソコン素人で公平差なんてあったもんじゃない。
また相手は古き良き時代を守ってきた人達…
警察の裏金問題は当時はTVや新聞が信憑性が高いと信じてたから、ウソの表現だと大衆コントロールをしやすかったはず。
現在では無理だろう…?
いや、隠すのか???
映画の内容から、色んな事を考えさせる映画でした。
…
誰かのせいにすればいいってもんじゃ無い。
前向きに今出来る事を最大限やっていくべき。
惜しい人を亡くしちゃった...
わずか42歳で病死したWinnyの作者、金子さん。一説ではビットコインの作者、サトシ・ナカモトではないかとも噂のある方。自分も技術屋として非常に興味がありました。
Winny事件で理不尽に被告人となって、多分、メシよりも好きなプログラム作成を禁じられた金子さんは気の毒としか言いようがなく、日本にとっても大きな損失だったと思います。
冤罪事件でよく描かれることですが、誓約書を書いてほしいとかの警察からの甘言。本当に腹立たしい。「認めたら家に帰したる」みたいな人質司法は本当に許しがたく恐ろしいです。結局は最高裁で無罪。そりゃそうでしょう。ナイフで殺人が起きた時にナイフを作った人を殺人ほう助で起訴したようなものですから。それでも地裁では罰金150万円という有罪判決が出てるのだから驚きます。
彼のような天才プログラマの時間を数年奪ったことは大きいです。劇中の内容を信じるなら彼はAIにも興味を持っていたよう。今の生成AIの隆盛をみると、生きておられたらきっと何らかの貢献をしておられると思います。もし噂の通り、ビットコインの作者であるならば経済の世界にも大きな影響を与えています。
映画としてはWinny事件と並行に愛媛県警の捜査費汚職が描かれています。
Winnyが役立った実例として描きたかったかのかもしれませんが、
正直に言えば愛媛県警の話は不要だと思います。
もっとWinnyそのものと金子さん自身について時間をかけても良かったのではないかなあ。とかく技術の話は難しいと思われがちですが、一技術者としては、その部分をもう少し知りたかったですね。金子さんの残したメールや書き込み、手記などでもっと人柄や考えを知りたかったです。
東出さん、好きになりました
警察、メディア、開発者、
「Winny」が誰に潰されたのか。Winnyを使い映画・文書など著作権を持つデータの流出が問題となった。警察は、アップロードした複数人を逮捕し、警察は面子を保つために「開発者」という大看板を逮捕した。逮捕したはいいが(これ何の罪だ?アメリカでは開発者の逮捕はないぞ…)と、警察は自白まがいの誓約書を金子氏に書かせ強引に罪を認めさせた。
一方、愛媛県警の偽造領収書問題でWinnyから証拠が流出。
金子氏を逮捕した京都府警の内情が描かれていないのは、当然京都府警が取材を許可するはずなく=取材できなかったからだと思うので憶測に過ぎませんが、本映画で伝えたい一つとして、警察は「面子を保つためには何でもする」ということを描かれていました。
取材できた愛媛県警を告発した仙波氏について描けたのは「取材できたから」であり、その取材をもとに描かれた愛媛県警の描写は、所々ですが具体的であり、組織を守るという体裁で若い警察官も偽造領収書に加担する。劇中で、若手警察官がニセ領収書に協力しない仙波氏に対し「仙波さんなんで辞めないんですか」と聞いたら、仙波氏が「山本、やめるのは簡単なことやぞ」と、2つの意味で若手に苦言を呈する場面が印象的でした。
Winnyを潰したのはアメリカだという諸説もありますが、劇中では「出る杭は打たれる」という例えの中で、出る杭を支える者・打つ者・指示する者という、そこには複数が関わっているというセリフがあった。ここは警察組織の中で、または警察(支える=逃がさない)・報道(打つ=叩く)・裁判所(指示する=判断する)という意味合いにもとれる。
お亡くなりになっている死因も長い裁判で無罪を勝ち取るまでに相当なストレスを抱えられていたのだと、警察の取り調べの様子、報道によって印象づけられた世間の中で生活する気苦労を察するに、相当な気苦労があったかと思われます。
日本の悪いところがとてもよく出ていて学べます。これを「そんなことないんじゃない」という風に鑑賞する、思考をやめるのは簡単なことです。
日本のIT進化を10年遅らせた事件
「ナイフを作った人」
2002年、ファイル共有ソフトWinnyを作り、公開した金子勇。しかしそれは著作権侵害に利用され、さらにウイルスが入ってしまったWinnyによって社会問題に発展していく。そのため彼は、社会を混乱させたとして逮捕されてしまう。壇俊光らの弁護士団は、それは不当な逮捕として裁判に挑む。
近年の題材が映画化されたことに好印象、邦画ではあまりこういう作品が少なく、見応えがありました。Winnyは、騒動で知ってるだけでした。確かに悪意を持って作成されたなら、罪に問われてもしょうがない。しかし金子は、「ナイフを作った人」。愛すべき人柄と申し分ない才能があり、裁判で失われた七年という時間は大きな損失。さらに結末を知り、今の日本の遅れにつながってしまったのでは、と悔やまれます。
三浦貴大が良かった、こういう役があってるのかも。裁判傍聴芸人の阿曽山大噴火が目立ちすぎて笑えます。
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