Winnyのレビュー・感想・評価
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歴史的事実を知るためには面白い映画
Winny 開発者の逮捕を巡る裁判に焦点を当てた作品。下手にエンタメを加えるのではなく淡々と開発者とその弁護士に焦点を当てている。
警察側の非道さを描いていたりと、善悪ははっきりしてはいるけど、それほど強烈に描くことはあまりなく、全体を通じて面白く見れた。
警察側がWinnyのあらゆる問題への対応の不手際を全て開発者に背負わせるような卑劣な方法を取ってはいるが、それは日本という社会の縮図でしかない。
日本という社会において、出る杭は打たれるかと如く、必然的な逮捕だったかもしれない。
しかし、開発者の金子さんや弁護士が人生をかけて戦ってくれたおかげで、そうした出る杭は打たれる社会も、少しはマシになっていることを祈るばかりだ。
世間知らずな偉人
警察は何を守ろうとしているのか
金子勇(東出昌大)さんのオタク度、少年のような純粋さに好感を抱きながらも、「なんでそれ署名する?」って思うんですよね、みんな。でも、彼でなくても署名してしまうんですよ。
20年ほど前です。私がある事件の参考人として警察で事情聴取を受け、しゃべった内容を元に、警官が作文しました。「私○○は、目撃した事実を、ここにご報告いたします」から始まるような文章(う~ん、古い記憶なのでちょっとはバイアスがかかっているか、どうかな)。安いドラマっぽいぞ、って思ったのは確かです。下々がお上にものを言わせていただく感全開。と思いつつもその場では、こういうもんなんだと納得するしかない。
でも、問題は事実。違和感ありありなんです。いかにも悪い印象を与えるよう、じょうずにじょうずに書かれている。間違ってはいないのですが、ニュアンスが微妙にずらしてある。
でも、やっぱりこういうもんなんだ、と思っちゃうんです。だから、署名してしまう。
映画の中にあったように、書き写すことはありませんでした。警官が書いたのに「私○○は~」で、私が書いた形式。こういうもんなんだ、世の中知らないことがいろいろあるもんだ、と思うんです。
冤罪などという大問題ではなかったのですが、処罰にどう影響したのか。後味がすっきりしない記憶です。
署名すれば早く帰れるとか、後で訂正できるとか、警官は嘘を言っても罪に問われないって、いったいどういう事なのか。「世のため人のためにお巡りさんになるんだ」っていう純粋さは、どこで豹変するのでしょう。小市民は犯罪者にされないよう、身の守り方を知っておく必要はありそうです。
私が知っている警察官は、いかにもお巡りさん、って感じの人。いい人はきっと多いと思うのですが。
役者陣の演技が良かった、東出さんも!
金子勇のメッセージ
金子勇はファイル共有ソフトのWinnyを作った罪を着せられてひどい目にあった…ということ以外、私は何も知らなかった。
長きにわたり研究に専念できず、そしてこんなにも早く亡くなっていたことを全く知らなかった。
国家権力を脅かしそうだから?警察や司法がITに疎かったから?それとも誰かの思惑が働いた?
悔しがってばかりはいられない。金子勇が戦い抜いた7年半を無駄にしないために、この作品は新たな光を当ててくれた。実在の人物を扱う際のリスペクト、丁寧さ、慎重さ、そしてエンドロールのメッセージが大変良かった。
既得権益者以外の新規参入者が儲けたり、ただ乗りすることをものすごく嫌う日本社会。それなのに、既得権益者が集団の利益にただ乗りして儲けることにはものすごく甘い。その矛盾を本件と愛媛県警の告発がうまく物語っていた。
東出昌大の法廷シーンが最高だった。
遅すぎた方が良かったのかな
東出昌大は大根役者とばっかり思い込んでいたが、18キロも体重を増やした(らしい)ことと、独特な声色が良いアクセントになってちゃんと機械バカの金子勇さんになっていた。
実際の金子さんの写真をみて「え、似てる…」と驚いた。
弁護士団たちが集まり夜遅くまで知恵を絞り策を練る様はまるでスポコン。働く大人カッケー。働くのは嫌いなのに働く人を見るのは好き。
仲間達のやりとりが温かくて良かった。
吹越満の覇気がすごい。できる弁護士オーラが見えた。
敵だと嫌だが味方だとなんと頼もしいことか。
ほんのちょろっとの吉田羊、満点の泣き演技でばっちり爪痕を残した。天晴れ。
金子勇さんがもし00生まれだったらどんなすごいものを自由に使っていたんだろう…と思うと本当に惜しい。
日本の停滞を招いたかもしれない天才技術者を殺した日本国家
この事件朧げに覚えており、
いい役者
タブーに触れられる「幸せ」を満たせてくれる作品
世の中の情報は、操作されている。いかにも陰謀論的言い方だが、私たちが「思う」ことはすべて誰かによって誘導されているのではないかと思ったことはあるだろうか?
実話の金子さんがなぜ逮捕されたのか? これがこの作品の重要なパートだ。
警察による尋問で行われた「誓約書」。裁判で勝つための工作。無知な金子に対する彼らの手法はどんな事件に対しても行われているのだろうか?
警察の裏金工作は、愛媛県警の「一不祥事」としてのみだされているが、これがすべての警官によって為されていたというのが衝撃的だった。
余談だが、この裏金が何に利用されているのか? それは、現署長が異動する際に渡される「退職金」である。 以前私は東京都職員で某機関に勤務していたが、その際聞かされた事実だ。警察ともなれば全職員がそれに加担しているというのは衝撃的だった。
当然すべての「議員」が自分のためにそれをしているのも、理解できる。
さて、
事件は警察内部の機密情報がWinnyによって漏洩したことで、その開発者が「悪い」と「決められた」。
すべてのメディアも警察発表通りに記事にして、Winnyが悪いと決めつけ、その報道が私たちの「思い」にすり替えられているのだ。これが陰謀論界でいうところの「TVは洗脳道具」だ。
似たような事件は当時の安倍首相のときに、官邸の屋上で発見されたドローンだ。
このとき、政府もその話を鵜呑みにしているメディアも一旦はドローン禁止路線に走ったものの、その後の経済団体の圧力でルール設定することで落ち着いた。この事件の背景に、このWinny裁判の影響はあったのだろうか?
作中に出てくるWinnyとウィルス。問題はWinnyではなく、ウィルスだ。そして当時のアナログ長老たちはそれが何かさえ理解できていない。
「ナイフによる刺殺事件で、なぜナイフを作ったものが裁かれるのだ」というセリフはとてもこの事件の争点をわかりやすく説明していてよかった。
警察は何を事件とし、何を裁きたいのか自らで決めている。
「事件は会議室で起きている」あの有名な映画のセリフは正しいと思う。
警察の中にもいる正義。仙田警察官は、愛媛県警の裏金問題をリークした。
これによって一般警察官が裏金作りを加担させられることはなくなったと思いたい。しかし、議員同様、おそらく「総務主任以上」のレベルでそれは今でも行われているはずだ。
そして「トカゲの尻尾切り」 「いつでも真実は闇の中」こそが真実だろう。
このようなタブーを映画として広く世の中に出せるのは、自由報道ができる国第80位の日本において、まだ希望のあることだと感じた。
東出さんの使い方が上手い
情熱ある弁護団が繋げた
もう20年以上も前の話になるんですね。
当時のことで覚えているのは、Winny≒情報漏えい。会社でも自宅でも使用禁止になったことで、悪い印象しかなかった。
それで見たかったこの映画。金子勇という人の実直さに驚く。そして当時では画期的な技術であり、世界に誇れるコンセプトであったことも分かった。技術に罪はないことも。そして、その技術者を殺してしまった状況も。
しかし、情熱のある弁護団が凄かった。最後の記者会見の映像で感じた。あの映像は壇弁護士ですかね。金子さんが亡くなる直前に壇さんの話ばかりしていたというお姉さんの話も実話なのかもしれない。そうやって繋げた。
「これでソフトウェア作って捕まることはなくなったと思いますので、若い人は頑張ってください。」
確かに繋げた。
社会における匿名性、表現の自由について論じた映画
そこに山があった。だから登った。
知らなかったことが恥ずかしい
東出すごいな
ただただ悔しい
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