Winnyのレビュー・感想・評価
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遅すぎた方が良かったのかな
東出昌大は大根役者とばっかり思い込んでいたが、18キロも体重を増やした(らしい)ことと、独特な声色が良いアクセントになってちゃんと機械バカの金子勇さんになっていた。
実際の金子さんの写真をみて「え、似てる…」と驚いた。
弁護士団たちが集まり夜遅くまで知恵を絞り策を練る様はまるでスポコン。働く大人カッケー。働くのは嫌いなのに働く人を見るのは好き。
仲間達のやりとりが温かくて良かった。
吹越満の覇気がすごい。できる弁護士オーラが見えた。
敵だと嫌だが味方だとなんと頼もしいことか。
ほんのちょろっとの吉田羊、満点の泣き演技でばっちり爪痕を残した。天晴れ。
金子勇さんがもし00生まれだったらどんなすごいものを自由に使っていたんだろう…と思うと本当に惜しい。
日本の停滞を招いたかもしれない天才技術者を殺した日本国家
この事件朧げに覚えており、
いい役者
タブーに触れられる「幸せ」を満たせてくれる作品
世の中の情報は、操作されている。いかにも陰謀論的言い方だが、私たちが「思う」ことはすべて誰かによって誘導されているのではないかと思ったことはあるだろうか?
実話の金子さんがなぜ逮捕されたのか? これがこの作品の重要なパートだ。
警察による尋問で行われた「誓約書」。裁判で勝つための工作。無知な金子に対する彼らの手法はどんな事件に対しても行われているのだろうか?
警察の裏金工作は、愛媛県警の「一不祥事」としてのみだされているが、これがすべての警官によって為されていたというのが衝撃的だった。
余談だが、この裏金が何に利用されているのか? それは、現署長が異動する際に渡される「退職金」である。 以前私は東京都職員で某機関に勤務していたが、その際聞かされた事実だ。警察ともなれば全職員がそれに加担しているというのは衝撃的だった。
当然すべての「議員」が自分のためにそれをしているのも、理解できる。
さて、
事件は警察内部の機密情報がWinnyによって漏洩したことで、その開発者が「悪い」と「決められた」。
すべてのメディアも警察発表通りに記事にして、Winnyが悪いと決めつけ、その報道が私たちの「思い」にすり替えられているのだ。これが陰謀論界でいうところの「TVは洗脳道具」だ。
似たような事件は当時の安倍首相のときに、官邸の屋上で発見されたドローンだ。
このとき、政府もその話を鵜呑みにしているメディアも一旦はドローン禁止路線に走ったものの、その後の経済団体の圧力でルール設定することで落ち着いた。この事件の背景に、このWinny裁判の影響はあったのだろうか?
作中に出てくるWinnyとウィルス。問題はWinnyではなく、ウィルスだ。そして当時のアナログ長老たちはそれが何かさえ理解できていない。
「ナイフによる刺殺事件で、なぜナイフを作ったものが裁かれるのだ」というセリフはとてもこの事件の争点をわかりやすく説明していてよかった。
警察は何を事件とし、何を裁きたいのか自らで決めている。
「事件は会議室で起きている」あの有名な映画のセリフは正しいと思う。
警察の中にもいる正義。仙田警察官は、愛媛県警の裏金問題をリークした。
これによって一般警察官が裏金作りを加担させられることはなくなったと思いたい。しかし、議員同様、おそらく「総務主任以上」のレベルでそれは今でも行われているはずだ。
そして「トカゲの尻尾切り」 「いつでも真実は闇の中」こそが真実だろう。
このようなタブーを映画として広く世の中に出せるのは、自由報道ができる国第80位の日本において、まだ希望のあることだと感じた。
東出さんの使い方が上手い
情熱ある弁護団が繋げた
もう20年以上も前の話になるんですね。
当時のことで覚えているのは、Winny≒情報漏えい。会社でも自宅でも使用禁止になったことで、悪い印象しかなかった。
それで見たかったこの映画。金子勇という人の実直さに驚く。そして当時では画期的な技術であり、世界に誇れるコンセプトであったことも分かった。技術に罪はないことも。そして、その技術者を殺してしまった状況も。
しかし、情熱のある弁護団が凄かった。最後の記者会見の映像で感じた。あの映像は壇弁護士ですかね。金子さんが亡くなる直前に壇さんの話ばかりしていたというお姉さんの話も実話なのかもしれない。そうやって繋げた。
「これでソフトウェア作って捕まることはなくなったと思いますので、若い人は頑張ってください。」
確かに繋げた。
社会における匿名性、表現の自由について論じた映画
そこに山があった。だから登った。
知らなかったことが恥ずかしい
東出すごいな
ただただ悔しい
天才
事実に基づく映画の難しさ
著作権違法に関する裁判の経過を表現したものであるが
警察側のトカゲのしっぽだけわかり本当の逮捕の意図を
はっきり表現されてませんでした。
別件で愛媛県警の裏金問題の告発がちりばめられているがそちら側は
不完全燃焼な内容になってました。
映画のエンドロールの後に最後の本人がコメントしていたのが良かった点です。
優秀な人材を裁判で疲弊させ時間を奪い早く亡くしてしまったのが悲しいですね。
そこだけは強く思いました。
著作権を放棄したクリエイターは何故起訴されたのか?
「殺人事件で凶器として使われた包丁を作った人間を裁けるのか」違法ダウンロードによる著作権侵害を助長した罪に問われた伝説のプログラマー金子勇(東出昌大)を主人公にした法廷ドラマである。この金子勇が開発したWinnyとは、p2p技術を使ったファイル共有ソフトだそうなのだが、金子を起訴した警察や裁判官同様、IT素人の私がその何が画期的なことなのか、東出昌大扮する金子の話を聞いてもちんぷんかんぷん。フィンテックの基本技術であるブロックチェーンも、金子の作ったこのWinnyを元にしていると聞いて、初めてその凄さが実感できたのである。
ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがこのソフトを手にしていたのならば、すぐさま特許申請してガッポリ著作権料を稼いでいたと思われるのだが、技術力はあっても金儲けには疎い他の日本人技術者同様、短時間で開発した画期的なWinnyをこの金子、よりによって魑魅魍魎が跋扈する“2ちゃんねる”にアップロードしてしまうのである。予想どおりこのWinnyが公開されるやいなや、若者の間で違法ダウンロードが急増、ソフト業界も大ダメージを受けたとか。おいおいITオタクの分際で余計なことしてくれやがって、というのが金子を起訴した警察の本音だったのではないのだろうか。
映画自体は、その金子勇と弁護士(三浦貴大)の友情を軸に敗訴になるまでを(実話ベースで)描いているのだが、オチに警察の横領事件との関連を匂わせている程度で、金子自身の発言「著作権の概念に風穴を開ける」という点についてはまったくの説明不足、ほとんど触れられていないといってもよいだろう。この裁判実は、著作権侵害による被害者が(ソフト業界以外)誰もいないというところがミソなのである。ことWinnyに関していえば、2ちゃんにアップロードした段階で金子自身の著作権は放棄されているわけで、その著作権利者の存在しないソフトを使って誰かが法を犯したとしても、その開発者の罪を問うことはできないのではないか。映画はむしろそこに切り込むべきだったのである。
ところが金子勇の人畜無害な性格にばかり焦点を当てすぎたあまり、ナイーブなITオタク養護のための(一般人の共感が呼べない)作品になり下がってしまったのである。ジム・ジャームッシュは『オンリー・ラバーズ・レフト・アライブ』の中で、映画監督と観客とのダイレクトな流通システム構築を夢想していたが、このWinnyの技術をもってすれば、一対多のシームレスな配信システムの構築ももはや夢ではない気がする。そこは、ネトフリやアマプラなどのポータルも不要となる、究極の中抜きシステムといってもよいだろう。金子の言う“風穴”とは警察などの公権力ではなく、著作権保護という名目でクリエイターを雁字搦めにするマーケットに対して開けられるべきものだったのではないだろうか。
“47がんばれ”のコメントとともに、2ちゃんねるユーザーから善意のカンパが多数振り込まれたように、才能あるクリエイターは、政府の援助金や配給会社の出資金に頼らずとも、クラウドファンディング等によって映画などのソフト作りを自由に行うようにならなければ、いずれ日本いな世界の文化は(商業用途やプロパガンダ作品ばかりとなって)すべからく滅び去ってしまうだろう(既に滅びかけている気がしないでもないが)。「プログラムは私の表現方法なんです!」金子のこの言葉は、プログラマーのみならずすべてのクリエイターの心境を代弁した、悲痛な叫びだったはずなのだ。
科学者の倫理観
なぜ金子氏の死後10年も経ってから、winny事件をドキュメンタリーのように蒸し返したのか、最高裁で無罪判決だから、京都府警の冤罪事件なのかもしれないが真実は分からない。
winnyというソフト名は既に人気のあったファイル共有ソフトWinMXのM→n、X→yと一字進めたもので匿名性を高めたソフトでたちまちコンテンツの違法流通に更なる拍車をかけることになりましたから悪用を予見できなかったとは言い難いですね、道具に罪はない、誤った使い方をする人の方に罪があるというのは一理あるが、ダイナマイトを発明したノーベルのような心境だったのか?、期せずしてアカデミー賞をとったオッペンハイマーにも通じる科学者に倫理観を問うべきかの深い問題にも思えますが、脚色っぽい構成、ほぼ同時期とは言え愛媛県警の裏金事件まで添えて警察の横暴ぶりを一緒くたにして強調しているようにも思え、後味が今一、すっきりしませんでした。
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