「モブ」フリー・ガイ CBさんの映画レビュー(感想・評価)
モブ
モブ(mob):、群衆や野次馬、暴徒。語源は理性的でない群衆、何らかの主張や意思を持たずに行動する連中など、やや過激的な意味を持つ。ただゲームやコミックでは、たくさん集まっている人やただそこにいる人というニュアンスで多用される。(weblioより引用)
このモブ、つまりただそこにいる人、決まった行動を繰り返すだけだったはずの人が、あれこれ始めたために、世界が変容していく話。これまでも、最後に「え、(リアルかと思っていたのに)ゲームの中の話だったのか!」と落とす話は多かったが、本作は観ている我々が、最初からモブキャラの話とわかっている点が新鮮。
ミリーがAIエンジンを作り、キーズがストーリーを作った「ライフイットセルフ」というゲームが、ゲーム会社社長アントワンに採用されたが、売れないとお蔵入り。いまやアントワンの会社は、「フリーシティ」という名の、ゲームで大儲けしているが、ミリーは自分のAIエンジンが勝手にそのゲームに使われていると疑っており、プレイヤーとして潜入し証拠を探すうちにガイと出会うという話。
オープニングから派手な銀行強盗、銃弾撃ちまくりに激しすぎるカーチェイス!
優しい絵柄のドラクエですら、「勝手に他人の家に入り壺があったら割るのが仕事」みたいなところあるもんね。FPS(First-person shooter:一人称視点シューティングゲーム)じゃ、それこそ銀行は毎日襲われそうだ。わかるわあ、この世界観。
そして冒頭を始め、ふんだんで精密なCG!お見事!!テロップで流れたCG技術者の名前、各社あわせたら1,000人近くいたんじゃないだろうか。最近の映画って、CG部分への投入、すごいねえ。
彼女にほれたガイは、新しいフレーズをつぶやき、彼女は「あら?新しいフレーズ」とつぶやきながら歩き去っていく・・・ここからすべてが変わり始めるってことね。プチかっこいい内容オープニングじゃん。
かわりはじめたガイがいつもの喫茶店で「今日は(いつものコーヒーにミルクと砂糖2杯ではなく)カプチーノがいいな」と言った時の、周囲全員の驚愕、そして拒否。なにせ、道路にいた戦車の砲塔までガイに向けられるんだからね。モブキャラにとって、プログラムされた通りでないということをどれだけ拒否するかが、1シーンでわかって秀逸。
そしてなにこれ、純愛ものじゃん。俺、ガイの復活、めっちゃ気持ちよく観たよ。
ガイの落胆「ひどいよ、愛してるのに」「その感情もプログラムよ」「新しい人生があると思ってた。でも君は言った、僕らは違うって。君はリアル。では僕は? リアルじゃなくても少しの間、生きてると実感したのに」
「自分の人生の傍観者でいる必要はない」
「なりたいものになる。でも、勝ち取らなきゃ」
「与えられた人生だった。でも今日で終わり」
なるほど、たしかに最後は「レディプレイヤー1」を彷彿させるね。そして本作のが今っぽい。否めない。
「(キャッチフレーズ(決め台詞))はいいね。確かに開発途上だわ。
2つめはTBDだったけど、3つめはなんて言ったんだろう?
キャプテンアメリカ、ハルク、そして、ライトセーバー!!
この世界は作ったけど、君は暮らせない。愛してる、ミリー。これもたぶん僕のプログラムが言わせている。でも書いたのは外の人・・・
最後のリアル二人の恋愛シーンは不要だ。
現実を考えれば、世界中のほとんどの人が、メインキャラクターではなく、モブキャラなわけで、そんなこともこの話を痛快と感じる理由のひとつなのかな。「変えられるかも」って気持ちが生まれた感じ。
(注:「ほとんんどの人がモブキャラ」ってのは、あくまで第三者視点TPP:Third Person Perspective から見た場合です。自分視点FPP:First Person Perspetcive では、もちろん誰もがメインキャラクターで、だからこそ人生は面白かったり、時に悲しかったりするわけなので...)
おまけ:友人曰く
「お前は味方面してるけど、私は忘れていないぞ」
この映画、軽快だし、派手だし、ちゃんと収まるし、言うことなし。
なのに劇場は多いが「各劇場1日1スクリーン」が徹底している結果として、きょうも満員。前回チャレンジも満員で観られなかったし。こんな状態、絶対おかしい。いい映画、うける映画のスクリーン数は増えて当たり前だ。
ディズニーが「ムーラン」を配信のみにし劇場公開を直前でやめる、という荒業を行ったせいで、各興行主が怒って、ディズニー映画のスクリーン数を減らしているせなのだろう。(推測だけど)
ディズニーが猛反省するのは当たり前だが、興行主たちも少し考えてほしい。映画は観る人のためにあるのだと思う。
まあ、スクリーンが少ない代わりに1年じゅうずっと上映されてるなら、それはそれでいいかもしれないけど。
---- あとは、忘れないようにしておくためのメモです。気にしないでください。
「もし仮にだけど、自分がリアルじゃないって知ったらどうする?リアルじゃなかったら無意味だろう?」
「いや。俺はいま親友を助けようとしている。(それがすべてだ)これがリアルでなくてどうする」
「人生は選択できる、彼はその象徴なんだ」
パダワン、皇帝の隣までのしあがってみろ
ずっとおびえてきた。もう怖くない。最高の日だった。見せてくれ、俺たちも大事だと。
おい、あの警備員こそが、(俺の)主人公だ!
観察型ゲーム「フリーライフ」
みんな、元気か?=Hey, Guys!
さあ、みんな。ただの「いい日」ではなく、「素晴らしい日」にしましょう!!
ぼくらの人生違ってた。(サングラスを)かければ、それが見えるんだよ。怖がっちゃだめだ。気分がかわったら知らせて。
ガイ、トロールのジョークを使っちゃダメ。
俺はやらないからわからないけど、冒頭で親友の警備員がガイに言う言葉「月曜日はたいへんだよな」・・・みんなが月曜にゲームをやる率が高いのかな?
いつもありがとうございます。
私はゲームをまったくしないのですが、なんかおかしな事たくさん書いてしまいました。
恥ずかしくなって・・・。
でもゲームを知らない私にも楽しくて面白かったです。
『レディプレイヤー』を観た時の、訳わかんない感はなかったです。
お邪魔しました。