「設定が理解できない?そんなバカな!」フリー・ガイ shunsuke kawaiさんの映画レビュー(感想・評価)
設定が理解できない?そんなバカな!
ふだんビデオゲームをしないが、『グランド・セフト・オート』くらいは知っていて、ゲームの中では悪いことしまくりだぜ、イェーイみたいなノリもわかるつもり。
暴力的なゲーム内で行われる、殺し、テロ、性犯罪などは、たとえヴァーチャルなことだとはいえ、人間の本能的な欲望を剥き出しにしたもので、プレイヤーは、それで快感を得られる仕組みになってる。
こういう設定は、ヴァーチャルな世界ではよくあることだが、あくまでもディズニー傘下の20世紀スタジオ映画でのこと。暴力礼賛のような表現をしないためにどうしたか?
答えを捻り出した結果、背景キャラ(モブキャラ)を主役にするということだった。
なぜ、モブキャラがいきなり、あんなことも、こんなこともできるの?という設定の面白さが笑いを誘いますが、そもそもなんでこんなことに?の謎の答えがさすがディズニー。
違和感なくドリーミングな話にうまくもっていく素晴らしい展開。
ここに、なぜ?なぜ?なんて考えてたらドリーミングされないまま意味不明な映画になってしまいますが、『SF』とか『AI』とか知ってれば全然楽しめるレベル。それにマーベルも少しは知ってたほうが楽しめます。
アバターを扱っているって意味では、古くは、そのもの『アバター』。そして、今やってる『竜とそばかすの姫』。それに『レディ・プレイヤー・ワン』。同じくディズニーでは、『シュガーラッシュ』シリーズが思い浮かびますがこういう設定の映画はたくさんあります。
でも、みんなから相手にされない寂しいおもちゃたちの活躍をファンタジーにした『トイ・ストーリー』の方が感情的な部分で通底する部分があるように感じます。ディズニーは寂しい思いをして、愛されたいと願う人、あるいは、人ではなくておもちゃやモブキャラたちの希望を、きっと叶えてくれますから。
でも、一緒に観に行った私の友人は、現実にありえない話だから話が全くわからないということでした。そんなバカな。みんな大好きなスターウォーズとか、ゴジラとか、マーベルとか全部その手のものなのに!
なぜ?はこの映画には不要です。
空想の夢物語を煌びやかにみせてくれてありがとうディズニー!