スウィング・キッズのレビュー・感想・評価
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生優しいコメディではない
僕はあまり好みではなかった。
と言うのもてっきり「フラガール」のような
急造の国も性別も違う者同士が一つの目的のために
タップと言う手法を使って、ハッピーエンドに向かって
行くものだと思ってたけど、
そうじゃなくて、戦争によって分断され、
戦争が無ければ掴めてた夢を戦争によって奪われた人たち
の話だった。
中盤まで収容所でも楽しくやってます。
みたいな軽いノリだったのに、段々重くなって来ての
ラストなのであまりにも酷くてついていけなかった。
好みだとは思うけど、戦争の悲惨さ
アメリカとロシアによって分断された悲劇を描くなら
もっとリアルな作りにしてほしかった。
序盤のアメリカ兵に倉庫に連れてかれて、
ボコボコにされるのかと思ったらダンスバトルを仕掛けられ
どう言う事?良い人なのか?と思ったら
足を折ろうとするとか、ちょっと意味が分からなかった。
言いたい事は分かるし伝わったけど、
監督の伝えたかった事と僕が期待して観たかった事との
解離があって感動と言うよりは唖然と言う感じでした。
fuck war.
「フリー・アズ・ア・バード」
朝鮮戦争中、北朝鮮兵や中国兵の捕虜収容所で、タップダンスチームを作ろうと言う話になる。
米軍の黒人将校がリーダーとなり、練習を始めるが前途多難で・・・。
ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」が流れたのには驚いた。
あの頃に比べて、いまはなんて自由だ
映画に乗れなかった私がいた。
朝鮮戦争(1950年〜53年)韓国側捕虜収容所内にて、世界的イデオロギー対立や人種差別の中、国籍や身分が異なる人間達がタップダンスチームを作る物語。
率直に言うと個人的に「その時代の割には作品に少し先の未来感出し過ぎやしませんかね。」と。
悪くは無いんすよ。ジャズ演奏やタップダンス面白いし。
それ以外の演出が舞台とズレている様な。
映画に未来のポップス感が出ていると言うか。
(未来からの贈り物の様な劇中歌デビッド・ボウイのモダン・ラブによるダンスシーンなども含め)
収容所の限られた束縛世界での話としては悪くは無いんですけど、「ライフ・イズ・ビューティフル」や「戦場のメリークリスマス」の様に収容所が舞台の映画は昔から沢山あるから新鮮味は無かったし。
その舞台の中で、描かれる内容が朝鮮戦争時の現地としてはハイカラに見える訳で、いやハイカラ過ぎてポップス過ぎて。
これがもう少し後の時代であるのならば納得なのですが、私的に乗れませんでした。
時代を意識しすぎて映画を観る私の様なタイプの人には向かないかも知れないです。
最後に「南北朝鮮の歴史を語る」様な韓国映画飽きてきました。北朝鮮が絡まない韓国映画お願いします。
幾重にも重ねられた物語の多重構造に唸らされる
毎年、年始に仲間うちに公表している「マイベスト映画」の2020年版にこの作品を選びました。
封切りから時間が経過していますが、あらためてレビューします。
『スウィング・キッズ』は、宣伝のビジュアルに完全に騙された「スゴい」作品でした。
タップダンスも大好きで、予告編で紹介された劇中曲(sing! sing! sing!やデビッド・ボウイのmodern love)に魅かれ、ワクワクしながら途中まで観ていました。
舞台は朝鮮戦争下の捕虜収容所。タップダンスを通じてアメリカ軍と韓国の捕虜が敵味方を越える話…さぞ、音楽やダンスが架け橋になるいい話なのかと思いきや、そこからのすごい展開が待っています。
何度も「えっ」と思わされ、いい意味で裏切られます。最後には作り手からの強烈な反戦メッセージが込められています。
この、幾重にも重ねられた物語の多重構造に本当に唸らされ、圧倒的なストーリーテリングの巧さを感じました。
さすが、『サニー』を監督したカン・ヒョンチョル。次回の作品も楽しみです。
言葉は通じずとも心は繋げる!
とりあえず一番びっくりしたところから。この主役の方アイドルだったんだね!演技上手くて全然気付かなかった。それにアイドルでも丸坊主にできるんだ。ジャニーズの丸坊主とか見てみたいな。無理かなー。カッコいいと思うんだけど。
ストーリーも良いんです。
凄く明るい序盤からどんどん暗くなっていく様子には目を奪われました。なんか「ジョジョラビット」と似通ったものを感じたりもしました。また女性解放映画、成長映画、ミュージカル映画、反戦映画としても良い線を行っている盛り沢山の映画なので是非見て欲しいです。先生を全く言葉の通じない存在として描いているのもダンスでの繋がりがみれて良かったです。
そしてタップダンスをテーマとしていることもありそこは文句の付け所が無いくらい素晴らしいです。いやー劇場で見たかった!爆音上映で見た人はすごく羨ましいです。爆音上映って凄まじいですからね。まあこのすばの劇場版でのしか知らないんですけど。
見終わった後タップダンスをしたくなる映画でした。実際上靴でやっちゃいましたからね。放送室は良いよ。防音だし。部員少ないし。
いやー実に良い映画でした。是非ご覧ください。
Free as a bird
テーマと演出の解離
映画館で観て正解でした
爆音映画祭で上映するとのことで観に行ってきました。
いや〜行って良かったです。
最初は爆音だけにタップの音がうるさいな…と思ったのですが笑、終盤の舞台のシーンは圧巻でした。
ダンスチームとオーケストラとの掛け合いが楽しく見ていて胸が躍りました。
エンディングでFree as a birdが流れるのですが、この優しい音楽とともに映し出される写真に泣かされました。
D.O.は大丈夫、愛だの頃に比べめちゃくちゃ成長していてびっくり。
ラストのジョンソンとのタップもすごかったです。
オ・ジョンセさんもよく頑張っていたなぁ。
テンポがいい 涙が流れたシーンが何度か 不条理の中での信念と衝動、...
鳥のように自由だ、が主題曲に聞こえた
たぶんD.O.を他の韓国映画で見たことがあると思う。
EXOのことは知らない。
強い眉。キッとした眼力。みなぎる躍動。アジア枠を超える俳優だと思う。
オジョンセはドラマ/映画でひんぱんに見かける愉快な中年俳優。
ジャクソンとぽっちゃりの青年は初めて見た。
パクヘスは韓流ドラマで見たことがある。
ぷくっとした頬が特徴。
上背がなく小粒。
映画女優というよりアイドルの印象だった。
踊れるとは想像もできなかった彼女を、映画はしっかり輝かせていた。
リンダ姉さん役の女優も楽しかった。
悲劇を描写したかとおもえば、コミカルなタッチを挿入する。
イデオロギーや非情が、観る者の気分を覆ってしまう前に、さっと転換する。
──映画は押すばかりでなく、しっかり引いてくれた。
演出をわかっている人がつくっている。
過酷な宿命だがギラギラにはしない。
お涙へ振らない。
被害者自慢をしない。
結末に反して後味はすがすがしい。
Free as a birdがまるで主題曲のように染み入った。
このエネルギー。
キャスティング。
サウンドプロダクション。
自在に走るカメラ。
めまぐるしい編集。
見終えて、落ち着くと、なんていうか、その情熱を思う。
世界をあっと言わせてやろう。
映画もビジネスだが、それをまだ魔法だと信じている人たちがつくっている。
技術も出来もさることながら、その意識がうらやましかった。
比較するつもりは毛頭ないが・・・(以下割愛)。
リアル感なのかもしれないけど
ちょっと無理あるコザックダンス
色んな映画で使われているベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」ですが、ついつい思い出してしまうのが『スウィング・ガールズ』です。ラストの一番盛り上がる場面でバンド演奏とともに5人がタップダンスを踊りまくるのですが、ガールズだったらここで絶頂感を味わい、あースッキリ♪という気分にさせてくれるのに、まだ続きがあった・・・
「タイトルはファッ〇・アイディオロジー!」の言葉に集約された北と南の思想問題。しかし、朝鮮戦争そのものは次第にソ連とアメリカの代理戦争の様相を示しており、北の人たちにも思想が浸透していなかったからこそ、こういう言葉が出たのでしょう。『ブラザーフッド』(2004)を観たときにもそれを感じました。いきなり分断された国家。家族さえも分断されるほど38度線は冷徹で、市民には何の関係もないところで起こったこと・・・
巨済島収容所はアメリカ人の所長によってかなり自由な雰囲気の収容所だったけど、今にも暴動を起こしそうな北朝鮮人もいた。主人公ロ・ギスの兄も英雄扱いされていて、突如現れたときは怖かったです。身長差もすげー。
ピアノも弾けるタップダンスの名手M・ジャクソン軍曹。え、マイケル・ジャクソンの伝記?などとも一瞬勘違いしてしまいましたが、彼がまた上手い!フレッド・アステア並みというか、スピード感では彼を超えていますね。クライマックスではもう1曲くらい欲しかったところです。
ギョンスも役者もいいけど脚本良くない…
ギョンスのダンスすごい。
役者さんも良い感じ。
しかし、脚本が色々詰め込みすぎでは…
兄さんと悪役が漫画キャラみたいだし、
登場人物たちの背景の描きこみが浅くて、
色々な出来事も雑な展開に見えてしまう。
ラストの出来事自体については良いと思うんだけど、
それまでが浅く感じられたため、
その力が弱まってしまった気が。
色々ともったいない気がしてしまいました。
ダンスの曲名に込めた強烈な意志。
本作では、朝鮮戦争当時の、しかも捕虜収容所という、政治的に極めて錯綜した状況を舞台としています。その複雑な舞台設定とは裏腹に、少しレトロなデザインのポスターは非常に明快で、主演の二人の笑顔と躍動感に溢れた姿が、強い印象を与えています。
もちろん複雑な時代の複雑な舞台設定のため、ポスターが与える印象のように物語は直線的には進んでいきません。何かの技芸がバラバラだった人々を一つにまとめていく、という定型化した物語を踏襲するようで、次の場面ではその期待をあっさりと裏切ってくれます。本作のもうひとりの主人公と言っても過言ではないタップダンスは、まさに彼ら夢と生きがいを体現しており、そのリズミカルな振動を体感することで、登場人物と観客は文字通り一体化し、彼らの幸福感、熱意をまさにわがこととして体験することを可能としています。
見所の多い作品ですが、とりわけみごとなのは主人公、ロ・ギスが、ある事情で心ここにあらず、という状態でタップダンスを披露する場面で、技法的には素晴らしいダンスなのに、そこに全く心がこもっていないことを感覚的に理解させていたことです。この場面があるからこそ、稚拙でも心のこもったダンスと、そうではないダンスとの違いが際立っています。演技、演出の見事さにはひたすら感心するばかりでした。
意外な結末と、その後エンドロールに挿入される写真の対比がひたすら胸を打つ一作です。
好きなことを好きなだけやれる世界は尊い
ファック、イデオロギー
ジャクソンの言う、パフォーマンス・タイトルだ。
「共産主義も資本主義も知らなければ争わなかった。」パンネの言葉は重い。
第一次世界大戦後、民族自決をベースに多くの国家が独立したり、新しく出来たりしたが、それは結局、第二次世界大戦を引き起こしたことで失敗に終わり、今度は、イデオロギーの争いが世界を飲み込んでいく。
人間の本性は、民族やイデオロギー云々の前に、争うことなのではないかと思ってしまう。
この映画は、楽しくも悲しく、そして切ない。
ただ、人間の本性は争うことではなく、きっと、共生することだと思わせてくれる。
娯楽作品としてもいい映画だと思う。
パンネがかわいい。踊る姿にグッとくる。
日本も世界を相手に映画をもっと作れればいいのにと心から思う。
ネット右翼のエセ民族主義は、時代遅れだ。
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