スウィング・キッズのレビュー・感想・評価
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純粋に何かに情熱を注げることが最も難しくて尊い
ともすれば歴史やイデオロギーの深刻な側面に陥りがちなストーリーをあくまでタップの音色に満ちたリズミカルなドラマに仕立て上げた手腕に感服する。捕虜収容所内はいわば世界の縮図だ。複雑で重々しい関係性が交錯し、あらゆる個性が仲間の視線によって縛られる中、メインとなる5人の男女だけはタップダンスを通じて別の世界を見つめる。それは彼らにしか見ることができない唯一無二の景色だ。
その純粋で脆弱で非暴力的な存在、そして彼らのステージこそが、力強いメッセージとなって響いていく巧さ。周防作品や矢口作品でもよく見られる「リアルに習得された技」が卓越した映像の強度となって胸を打つ。スウィングすることで足元の困難や壁を軽妙に飛び越えつつも、彼らは腹の底から「自分は自分でありたい」と叫び続けていたのかもしれない。混沌とした世界では純粋に情熱を注ぐことがもっとも難しくて、尊い。その意味について考えさせられる力作だ。
ダンスをする彼らの真剣な眼差しに目を奪われる
前半は、個人的にはあまりハマらなかった。
シリアスな軍事映画、ヒューマンドラマとして観ればいいのか?音楽とダンスを楽しむミュージカル映画なのか?
どちらともとれないし、リアリティもイマイチだし、急に踊り出すし、ダンスは万国共通!みたいなメッセージ性も安直に思えるし、キャラクターもみなコテコテな印象を受けて、あまり好きになれなかった。
けど、後半、クリスマスコンサートに向けて…の怒涛の展開にはアッと言わされた。
真剣に練習やダンスに取り組んできたキャラクター達、必死に生きてきたキャラクター達の、精一杯のパフォーマンスに心奪われた。
この人たちのことを、私は思っていた以上に好きになっていたようで、最後の展開にはかなり感情を揺さぶられた。
独特なB級感があるのは、シリアスな舞台設定とダンスといい2つのギャップが激しいから?かな
戦時の最中に駆け抜けた時間
戦時下の捕虜収容所でのダンスチームの物語。
のっけからミュージカル感が一杯なタップの作品。
寄せ集めのようなチームが段々と形付いてくるのは、見ていて楽しいものです。
見どころはやはりタップなのですが、人々の力強さもこの作品の見どころでしょう。
収容所内という閉鎖的な場所であるものの、皆生き生きと輝いて見えるんですね。
それとミュージカルらしい流れるようなカメラワークが見事でした。
でも舞台は朝鮮戦争。これは戦争映画でもあるんですよね。
その闇を観客にも突き刺してくるようでした。
それでもラストの二人でのタップ、エンドロールの入り方、流れる「フリーバーズ」、みな晴らしかったです。
戦時の最中に駆け抜けた時間、それをこれ以上無いくらいに描き切っていました。
実在の捕虜収容所なのかぁ
魂ゆさぶり系
思想が違くても、相手が憎くても、祖国の英雄と呼ばれても、そうでありたいと思っても、強く心惹かれるものを見てしまったら?
この話はフィクションだけど、こういうことって実際あるんだと思う。
主演俳優の目の演技すごい迫力だった。
韓国のアイドルってなんでこんなに演技うまいの。
最初はめっちゃ笑った。
適当な通訳やオーディション最高!
途中から胸が締め付けられる。
最後はそうなるのか…。
タップが上達して、ダンスバトルしたり誘ったり、踊ってる瞬間は心が解放される見せ方、すごく高揚した気持ちになる。
北野武「座頭市」のラストシーンの幸福感を思い出した。タップやりたーい!ってなる。
こういう映画は大好き。
でも終わり方が現実的すぎるので3.5。
テーマ的にハッピーエンドは無理だよね。
リズムたっぷり
クソイデオロギー
作品の構成が見事!
タップダンス版風立ちぬ
生優しいコメディではない
僕はあまり好みではなかった。
と言うのもてっきり「フラガール」のような
急造の国も性別も違う者同士が一つの目的のために
タップと言う手法を使って、ハッピーエンドに向かって
行くものだと思ってたけど、
そうじゃなくて、戦争によって分断され、
戦争が無ければ掴めてた夢を戦争によって奪われた人たち
の話だった。
中盤まで収容所でも楽しくやってます。
みたいな軽いノリだったのに、段々重くなって来ての
ラストなのであまりにも酷くてついていけなかった。
好みだとは思うけど、戦争の悲惨さ
アメリカとロシアによって分断された悲劇を描くなら
もっとリアルな作りにしてほしかった。
序盤のアメリカ兵に倉庫に連れてかれて、
ボコボコにされるのかと思ったらダンスバトルを仕掛けられ
どう言う事?良い人なのか?と思ったら
足を折ろうとするとか、ちょっと意味が分からなかった。
言いたい事は分かるし伝わったけど、
監督の伝えたかった事と僕が期待して観たかった事との
解離があって感動と言うよりは唖然と言う感じでした。
fuck war.
「フリー・アズ・ア・バード」
朝鮮戦争中、北朝鮮兵や中国兵の捕虜収容所で、タップダンスチームを作ろうと言う話になる。
米軍の黒人将校がリーダーとなり、練習を始めるが前途多難で・・・。
ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」が流れたのには驚いた。
あの頃に比べて、いまはなんて自由だ
映画に乗れなかった私がいた。
朝鮮戦争(1950年〜53年)韓国側捕虜収容所内にて、世界的イデオロギー対立や人種差別の中、国籍や身分が異なる人間達がタップダンスチームを作る物語。
率直に言うと個人的に「その時代の割には作品に少し先の未来感出し過ぎやしませんかね。」と。
悪くは無いんすよ。ジャズ演奏やタップダンス面白いし。
それ以外の演出が舞台とズレている様な。
映画に未来のポップス感が出ていると言うか。
(未来からの贈り物の様な劇中歌デビッド・ボウイのモダン・ラブによるダンスシーンなども含め)
収容所の限られた束縛世界での話としては悪くは無いんですけど、「ライフ・イズ・ビューティフル」や「戦場のメリークリスマス」の様に収容所が舞台の映画は昔から沢山あるから新鮮味は無かったし。
その舞台の中で、描かれる内容が朝鮮戦争時の現地としてはハイカラに見える訳で、いやハイカラ過ぎてポップス過ぎて。
これがもう少し後の時代であるのならば納得なのですが、私的に乗れませんでした。
時代を意識しすぎて映画を観る私の様なタイプの人には向かないかも知れないです。
最後に「南北朝鮮の歴史を語る」様な韓国映画飽きてきました。北朝鮮が絡まない韓国映画お願いします。
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