「すご〜〜く、よかった!!」スウィング・キッズ CBさんの映画レビュー(感想・評価)
すご〜〜く、よかった!!
すご〜〜く、よかった!!
朝鮮戦争の南側捕虜収容所、つまり北朝鮮の捕虜を収容しておく場所で、タップダンスに目覚める北側の主人公の話。
終盤、捕虜収容所内でのクリスマス講演の冒頭で、ダンスチームを作ったジャクソンが観客(兵士や捕虜や赤十字の人たちね)に告げたタイトルは、「ファッキン、イデオロギー!」 そりゃ所長も渋い顔しますわ。
本作を観ると、その思いは強くなる。思想や主義は必要なものだと思っているが、なぜ対立して互いを傷つけあってしまうのか。宗教も同じだと思うが、そもそも人間を幸せにするための手段であるはずの思想・主義(や宗教)であるはずなのに。(朝鮮半島は、第二次大戦の結果、日本の占領下から5年間の米ソによる分割信託統治を経て統一政府樹立をめざす米英ソによる協定があったが、それを知った朝鮮半島で左派と右派の抗争になってしまい、米ソが収拾に失敗した結果、現在も続く南北分断となっている。:Wikipedia「朝鮮統一問題」から抜粋)
一方で、音楽と踊りは、傷つけあわず、いろいろなものが共存できるんだなあ、とあらためて思った。タップダンスには興味はないし、本作観たから踊りたくなる、ということもないのだが、米国人であろうが朝鮮人であろうが関係のない、音楽や踊りへの共鳴を強烈に感じた。
音楽や踊りは嗜好なのに対し、思想・主義は、政治(つまりある領域がまとまって行動すること)の基準となるものなので領域内ではひとつに絞る必要があるのだからしょうがないことなのかもしれない。ただ、主義と主義が対立し傷つけあうことに必然性はないようにも思える。
・・・なんて難しいことにまで思いをはせる時間はない。十分、堪能しなければ損だ、と思わせる映画でした。
特に、軽快?な前半と重苦しい終盤のちょうど境い目に、収容所と街、離れた場所で、主人公 ロ・ギス と通訳 パス・ヘス のふたりが、見事に踊る「モダンラヴ」最高!! このシーンは、何回でも見たい! このシーンだけでも、みんなに観てほしい!!!
ラストソングは、ビートルズ ”フリー・アズ・ア・バード” まだ終わっていない朝鮮戦争への強烈な反戦映画ですね。
ストーリーはは、最初の方はややもたつく感があるのだが、133分の長編なので、後半観てるときにはそんなこと、とっくに忘れてる。
おまけ:ジャクソンは演技はそううまくないけど、タップダンスは凄いな、と思って観ていたら、アステア賞受賞者だったのね。納得。
CBさん、毎度どうもです。
分断された国家というのは悲劇がつきもの。住んでいる場所が違うというだけでイデオロギーも勝手に決められてしまう。ドイツもベトナムも・・・日本もそうなる可能性があったし、想像すると恐ろしいですね。
芸術文化だけはそんなものに関係なく愛されなければならないと、強い信念を持たなければ・・・
CBさんへ
何時もコメントありがとうございます!
デビッドボウイの曲は概念性が高いこともあり、映画でもよく使われてますが、これは最高のボウイ、最高のモダンラブでした!
結末を知ってから見ると泣けて来ますね。
モダン・ラブのダンスがハイライトですよね。別々の道に進み泥水を浴びながら汗だくで生きる北と南。歌詞内容がこの映画のキーメッセージになってるし、すごく良かったですね!