アニエスによるヴァルダのレビュー・感想・評価
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それは感覚なのか、計算なのか。
アニエス・バルダの語る映画のこと。
自らの映画に関し
彼女は何をどう表現したのか
解説され蘇るシーンの数々。
商業的な映画では無いが
芸術性を重んじる人は必見。
あるのは日本人には無い感性。
監督は苦労もするが
好きでこそ出来る仕事。
素晴らしい職業と思う。
幸せである。
※
チャーミングで真摯で情熱的で闘う人のいま昔
新文芸坐はアニエス・ヴァルダ特集へ。
「ラ・ポワント・クールト」「アニエスによるヴァルダ」という、氏の最初と最後の作品を同時に。
こんなにチャーミングで真摯で情熱的で闘う人がもういないのかと思って、色んな思いで胸を熱くしながら鑑賞。
きちんと視点を定めて撮るから一見不思議に見えても芯が通って感じられるんだなと思った。そのための彼女なりの手法がきちんと確立されている。
そして、これは残しておかなければ、という熱意。根気強さ。
何度も過去と今を循環しながら広がっていく作品たち。
どうしてあんなに、市井の人々の生き生きして、それでいてそのままの表情をフィルムに納めることができるんだろう。
氏の豊かな内面を、撮影した人々からも伺い知れる。よく鏡が出てきたけど、氏と映画はそんな風に表裏一体なんだろうなあ。
まだ観ていない作品があるのが幸せと思おう。
クリエイティブ。彼女のような人生はそうそうおくれない。何か歯に物が...
クリエイティブ。彼女のような人生はそうそうおくれない。何か歯に物が挟まったような印象もあるけれど。
アニエスからの最後で最高の贈りもの
昨年3月、90歳で逝ったアニエス・ヴァルダが自身を語る貴重なアンソロジー。映画を観続けてきた我々へのご褒美のような作品だった。
彼女が作品に込めた思いを知った。彼女の芸術家としての生き様を知った。彼女の人生を知った。
ホント宝物のような作品。どれだけ教えられたことだろう。
自己の履歴の講義とコラージュ
自身の履歴を講義のように淡々と語る序盤はかなり退屈だったけれど、徐々に内容が入り組んで来るにつれて、アニエス・ヴァルダという芸術家のクリエーティビティがよく理解できてきて、映画監督とか映像作家というような狭い枠に収まりきらないアーティスト像に驚きの連続。
ヴァルダ作品は、「~クレオ」「落穂拾い」「顔たち~」の3本しか詳細に覚えていなかったけれど、それでもかなり参考になったし、より一層作品を理解できた気がする。彼女の作品を知っていればいるほどに、このセルフドキュメンタリーともいうべき作品は意味をなすような気がした。
アクティブで感動的、時にチャーミングで時にファニー、年齢を重ねるとともにその創造物が力強さを増しているように思えた。まさしく燃えに燃えて燃え尽きた印象、いやこれからも作品の中でヴァルダは輝き続けていくのだろう、あの猫のズググのように─
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