ブルーノート・レコード ジャズを超えてのレビュー・感想・評価
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「裁かず、新たな価値を見出す」
全編、ブルーノートに関わった人たちの貴重な証言によって構成されており、黎明期から、現在に至るまでの流れを85分でコンパクトに描き出す。 ウェイン・ショーターとハービー・ハンコック2人のセクションがとてもよい。 ハービー自身、「瞬時に自分のミスを、顔も向けずに修復してくれる」と歳下のミュージシャンに頼られる圧倒的な存在なのだが、実はその根底には「マイルス・デイヴィスに、プレイ中の言い訳できないミスを、新たな価値ある表現として正当化してもらった」経験があったという。 その場面が、自分的には、一番胸熱だった。 一人一人の独自性を持ちながら、互いに影響し合って新たなものを生み出すブルーノートのミュージシャンたちの熱気と、それを「自由にやれ」とリハーサル料まで払って支えた創業者の2人の在り方が、JAZZからヒップホップへ、そして公民権運動からBLMへという流れまでつながっている。 単なるブルーノートというレーベルの歴史に留まらない年代記の秀作だと思う。
ノラ・ジョーンズ?
ノラ・ジョーンズ? 僕の時代は リー・モーガンとかホレス・シルヴァーはJAZZ(ブラックミュージック)って言わなかった。だから、ヒップホップを少し俯瞰して見ていた。この映画見て、それは誤りであるのかなぁって思ってはいるが、ノラ・ジョーンズが登場して、ちょっと、混乱している。ノラ・ジョーンズも悪くはないが、うーん(+_+) 僕はフリー・ジャズが好きだが、ドン・チェリーとかアルバート・アイラーとかエリック・ドルフィー(フリー?)とか、だが、エリック以外ブルーノートには参加していないと思う。また、チャールズ・ミンガスやオーネット・コールマンもそうじゃないかなぁ。 兎に角、ユダヤ系であれ、白人。当時は、白人が黒人のブラックミュージックをJAZZと称して、食い物(商品化)にしていると言う一派もいた。ブルーノートレーベルは悪くはないが、ほぼスタンダードミュージックになってしまっている。即興演奏の醍醐味は無い。 また、ブルーノートに限った事では無いが、レコードは、同じ曲を別テイク取りする訳だから、即興演奏どころの話ではなく、ブラックミュージック本来の姿ではないのかもしれない。
【信じるモノを背後から支える姿勢】
"ジャズ界のクラシック"ブルーノートレコードの創業から現在に至る歴史を数々のミュージシャンのインタビュー、写真 そしてブルーノートレコードが生み出した、数々の名曲で綴る。 自由を求めた貧しき若者達から生まれた、ヒップホップとの繋がりも、面白い。 ノラ・ジョーンズとの出合いのエピソードも知ってはいたが、本人の口から語られるとインパクトが違う、当たり前だが。 実に豊穣な時間であった。眼福、耳福。 〈久しぶりに、"ブルートレイン"を聴こうかな。優れた音楽は"自由"から生まれる、という事を再確認した作品でもある。〉
ちょっと判断難しい
ブルーノートと一口に言っても ビバップ以前〜ビバップ期〜ハードバップ期〜ソウルジャズ期〜リバイバル期〜現在 とあってその時々のミュージシャンなどがいるので これを一緒くたに語るのは少々難しいと言うか 無理なんじゃないかなと思う。 保守本流が好きな人達にとってソウルジャズ期なんて洟もかけられないだろうし 現代のラップを中心としたシーンでは ハードバップ期以前はかったるく感じる事もあるだろう。 自分は正直リバイバル期までは理解できるが ラップ中心の今の感じは 説明があってもどうも納得いかない感じ。 言っちゃ悪いがブルーノートと言う御旗を使いたいだけなんじゃないの?とまで思ってくる。 いやラップが嫌いなんじゃない。 でも先輩方の諸作品に匹敵する作品を現在出したのか? アルフレッド・ライオンのセンス、フランシス・ウルフの美的感覚、ルディー・ヴァン・ゲルダーの音作り それらに比肩する物を今の作品群は作っているのか?と言うとなんとも言えない。 映画自体は悪くない。 淡々と歴史を追うだけだから。 でもブルーノートと言う素材自体に昔日の輝きはあるのか?と言うと…。 でもあくまでもコレは自分の意見。 新しいブルーノートに光を見出す人もいるだろう。 故に4までは行かずとも3.5をつけておく。
コマーシャルorアーカイブのダイジェスト
レーベルの歴史とかは意外とあっさりしていて、アーティストがメインになっているドキュメンタリーだった。 しかしながら、登場する面々があまりにも多く、しかも一つ一つがショートで連なっているため、まるでコマーシャルをずっと見せられている、もしくは、アーカイブのダイジェスト版を見せられているような印象だった。だから、知った曲や画像が多く流れてきても、実際にじっくりと音楽を聴いている面白味に比べたら、かなり見劣りしてしまうと個人的には思ってしまったのだが…ハービーの演奏中のエピソードとか非常に興味深かったけれど、エンジニアの思い入れなどはあまり心に響いてこなかったし…。 盛りだくさんの内容を覚えていられなかったし、知らないアーティストも結構出てくる。だから、パンフとかカタログを買って済まそうと思うが、売り切れ。まぁ同じ思いの観賞者が多いということなのだろう。 上映館も上映回数も少ないので、頑張ってスケジュール調整までして見に行ったけれど、そこまでする必要はなかったかもしれない。コンサートで生の演奏を聴くか家でじっくりレーベルの音楽を聴いていた方がいいかもしれない。
長年の思いと重なる瞬間に涙があふれた
ブルーノートの80年の歴史を駆け足で俯瞰するドキュメンタリー。現在のブルーノート・オールスターズとウェイン・ショーター、ハービー・ハンコックのセッションをプラスし、DNAの継承をうたった。 まず生い立ちに感動する。1939年のニューヨーク、ナチスから逃れドイツから移住したアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフが立ち上げたのですね。そして史上最高のエンジニアのひとり、ルディ・ヴァン・ゲルダーと出会う奇跡! いきなりピアノを弾くモンクの姿に落涙。モンクスタートとは不意をつかれた。バド・パウエルが後に続く。もう有り難過ぎます。25歳で逝った天才クリフォード・ブラウンの姿にまたもや落涙。動くブラウニーが拝めます。 特筆すべきは当時の事情を知る生き証人ルー・ドナルドソンのインタビュー。ホント楽しいし、めちゃためになった。 コルトレーン、マイルス、ジョー・ヘンダーソン、アート・プレイキー、リー・モーガン等を軽くさらって、ウェイン・ショーターの天才を語るくだりでまた落涙。やはり長年の思いと重なる瞬間は感動するし、自然に涙が出る。 70年代はドナルド・バードやボビー・ハンフリー等のヒット作のジャケ写のみ。80年代以降はヒップホップからノラ・ジョーンズまでを駆け足で。 ということで、しあわせな気分に浸れる必見作ではあるが、85分では尺が足りない。贅沢な不満とは思いつつ……。
あまりにもてんこ盛りで、あっという間。
個人的には、マイルス・デイビスの映像から流れる音が若々しくて、胸が熱くなった。 エピソードも同様。 僕みたいなにわかジャズファンじゃなくて、どなたかのレビューを待った方が良いかも。
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