パリに見出されたピアニスト
劇場公開日:2019年9月27日
解説
夢を持たずに生きてきた不良青年と、彼の才能を見いだしピアニストに育てようとする2人の大人たちの物語を描くフランス製ヒューマンドラマ。パリ、北駅に置かれた1台のピアノ。マチューの楽しみは、自分を追う警察官の目を盗んでそのピアノを弾くことだった。そこへ通りかかった音楽学校のディレクター、ピエールはマチューの才能に強く惹かれ、ピアニストとして育て上げたいと声を掛ける。乗り気ではないマチューだったが、実刑を免れるため無償奉仕を命じられた音楽院で、ピエールや厳しいピアノ教師エリザベスの手ほどきを受けることに。生い立ちに恵まれず夢など持たずに生きてきたマチューは、周囲との格差や環境の壁に直面しながらも、本気で音楽と向き合うようになっていく。主演は「アスファルト」のジュール・ベンシェトリ。マチューを見守り導いていく2人の大人を「神々と男たち」のランベール・ウィルソンと「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマスが演じる。
2018年製作/106分/G/フランス・ベルギー合作
原題:Au bout des doigts
配給:東京テアトル
スタッフ・キャスト
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2023年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ジュールベンシェトリ扮するマチューマリンスキーは、警察から追われる中でストリートピアノを弾いていた。ランベールウイルソン扮するパリ音楽院ディレクターピエールゲイトナーは、マチューのピアノの見事さに思わず声をかけた。
野放図に弾いていたピアノが良かったのに音楽院にしばられると苦しいんだな。リズム無しに物語は生まれない。努力しない天才を開花させるには根性がいるね。それに一番の強敵はピエールの妻だったとは。音楽は心を現すもの。荒れた気持ちで集中出来るのか? 生きてきた環境も重要かな。それらに負けずに強い気持ちを持てれば勝ちだ。ちょっと気を持たせ過ぎの感はあるが、良く頑張ってたよ。
2021年10月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
もっと天才肌らしく表現させてあげれば良かったと思う。音楽の天才は、何はともあれ音楽最優先するはず。それこそが天才。ちょっと中途半端だったかも。もう少し設定年齢を下げていたら良かったかな。
マチューは泥棒を働いている最中に(駅のヤマハではなくスタインウェイのグランドピアノを見つけてしまい)ショパン弾き出す。逮捕されるまで我を忘れるほどなのだから、音楽院でピアノだけやってろと言われて嬉しくないはずがなかろう。ピアノ弾きたくてウズウズする雰囲気なんだから。
また、何故彼のピアノが素晴らしいのか?
"子どもの心を持った大人"という表現をするのなら、その辺のところをもっと伯爵夫人なりがセリフで伏線として出しておかないと。
天才を表現するのは難しいかもしれない。だって吹き替えは素晴らしいピアニストのではあるかもしれないが稀有な天才ではないのだから。だからこそ、その辺の天才であることの説明は映画の中で必要なのではないか。手解きのお爺さんのエピソードはもっとあって良かったはず。
フランスの抱える問題を表現したかったのだろうが、不良グループやセレブな黒人の女の子とのやり取りで散漫な感じになってしまった。埋もれていた天才の苦悩、天才だからこその苦悩をもっと掘り下げてほしかった。
でもね、こんなサクセスストーリーは見ていてやっぱり元気になるよね!
2021年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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パリ北駅に置かれた駅ピアノが引きあわせた運命の出会い。
ピアノをひく青年マシュー(ジュール・ベンシェトリット)とそれに聞き惚れるコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽院)の学部長のピエール(ランベール・ウィルソン)。
まさに音楽版「グッド・ウィル・ハンティング(1998)」といったハートフルなヒューマンドラマです。
マシューの才能を見出したのはピエールより先に、マシューと同じ団地に住む老人でした。
幼いマシューに老人は「ピアノは心で弾くのだよ」と教えます、ピエールもまた「天才とは子供の心を取り戻した大人のこと」とボードレールの名言を引用します。
いくら天性の感性に恵まれたと言っても素人ではいきなり国際コンクールを目指すのは無理なのでコンセルヴァトワールでの特訓が始まります。学部長の進退をかけた懇願とは言え編入が出来てしまう所は凄いです。普通ならよそ者扱いで揉めるところですが学生たちも温かいのは意外でした。
先生の伯爵夫人は気難しそうなので「セッション(2014)」の二の舞かと冷や冷やしました、他にも気を揉ませる出来事を散りばめていますが、この手のドラマの定石でしょう。個人的にはアンナとのベッドイン、ピエールの奥さんの辛辣なセリフ、弟の事故などは余計に思えしっくり来ませんでした。
パリは格差社会の坩堝なのですが移民の母子家庭の子のマシューより黒人の恋人のアンナの家がブルジョアというのもパリの縮図なのかもしれません。道を外さぬ為にも友達は選ぶべきと思いましたが終幕に来て悪友たちがマシューを助けるくだりといい、代役のミシュレが笑顔で席を代わるシーンも痺れました。
マシューの演奏の指導と吹き替えはショパン国際コンクール他受賞歴多数のジェニファー・フィシェさんという女性、リストのハンガリー狂詩曲は聞き惚れました、ラフマニノフ ・ ピアノ協奏曲第2番はもう少しエネルギッシュな方が好みですが表現がマシューの天才ぶりを伝えるという重要な役どころを上手に演奏していましたね。
2021年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
展開はまさに王道のストーリーです。
貧しい暮らしの青年が、音楽院の教授に見込まれて成功を目指す流れです。
展開は、ベタベタですが、こういう映画は元気をもらえますし、自分自身もやる気になれるので好きです。