見えない目撃者のレビュー・感想・評価
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サスペンスドラマの傑作
故テレンス・ヤング監督のサスペンス映画の名作にして、永遠の名花オードリー・ヘップバーンの真に迫る演技で映画史に名を残す『暗くなるまで待って』(1967年)が、恐らく起源でしょう。犯罪に巻き込まれた盲人に次々迫りくる恐怖は、サスペンスドラマにとって絶好の素材で、本作はその系譜に連なる、間違いなく傑作です。
ある事件の唯一の証人である盲人が、協力者と共に事件を追及し、警察を巻き込んで真相に迫る、そのプロセスを昂揚させていく誘導手法は見事です。
ローアングルを多用し、基本的に寄せカットで迫ることで画面に自ずと緊張感が高まり、カットを小刻みに割ることで張詰めたテンションをハイレベルで継続させています。偶に織り込む遠景ショットは、引きカットで固定させず、パンさせることによってテンポよくストーリーは展開します。
映像の視点は三つに置かれています。
一つは吉岡里帆扮する盲目の主人公・浜中なつめ、二つ目が高杉真宙扮する協力者の高校生・国崎春馬、三つめが田口トモロヲ扮する定年間近の木村刑事、其々の見方と切り口で交互に描かれていきますが、盲目になった原因にトラウマがあるなつめは情動的で行動的、春馬はクールで気まぐれ、木村は論理的で着実・地道、と各々のアプローチのニュアンスが異なり、一巻のサスペンスドラマとしては、この趣の異なる三つの潮流がスパイラルに絡み合い、巧妙に紡ぎ合わされることで、物語の深長さが増し緊迫感を多重的に広げて沸き立たせてくれます。
中でも難役を鮮やかに熟した吉岡里帆の、飾り気のない素面に近い風貌での、毅然としつつ可憐で精悍な演技は、本作の妙味を大いに増していました。
これらによって、犯人が明らかになるまでは、得体の知れない戦慄と恐怖がスクリーンを覆い、主人公の一挙手一投足に、将に手に汗握らせる緊迫したスリリングな展開が息を着かせぬテンポで進み、サスペンス映画の醍醐味を堪能出来ます。
ただ犯人が判ってからはサスペンスドラマの色合いが一変し、猟奇的で嗜虐的な狂気に満ちた凄惨なホラー劇となったといえます。
「もし」が可能なら、『暗くなるまで待って』のように、なつめ視点だけで描いて、終始観客を暗闇の恐怖下に置いてみては如何かと思うしだいです。ただ脚本と演出、そして映像処理に格段の技量が求められるとは思いますが・・・。
主演の吉岡里帆さんの好演が光りました
吉岡里帆熱演! 是非 劇場で!
「R15+ギリギリの際どい映画」というふれこみもあり、公開前から注目していて、レビューの内容次第で観ようと思っていた作品。
「サスペンスやスリラーだけを推している映画ではなくて、未来を見い出だしていくヒューマンドラマとしてもあったかいメッセージ性の強い作品」と吉岡里帆が映画予告で言っていて、レビューの評価・書かれている内容が、かなりいいので迷わず観ました。
公開から2週でランキングBEST10圏外になってしまってますが、劇場はほぼ満員でした。
1996年公開の『セブン』は気味が悪くて後味悪くて”救いようのない”映画だったけれど、
この映画は単なる猟奇サスペンスではなく、人生や社会の「闇」や「孤独」についても描いています。
この事件を通じて、ある出来事がきっかけで盲目になってしまったなつめが、弟の死を乗りこえる成長物語にもなっています。
ただ、「サスペンス」として「犯人探し」を重視してしまうと肩透かしをくらいます。
スリラー度はか・な・り高いです。
(へたなオカルトよりも“容赦ないシーン”があるので、苦手な方は決してひとりでは観ない方がいいです...)
最後の20分に少し残念に思うところが散見され、そこが惜しいのですが、吉岡里帆の熱演もあり 少し”甘め”の採点。
安易に誰にでも勧められる映画ではないですが、こわい映画好きな方は「観て損はありません!」
【お勧め度】・・・ ☆☆★ (星2つ半)
ちなみに私は吉岡里帆のファンではありませんし、今まで彼女の出演した映画やドラマは見たことがありませんでした。
浜辺美波同様、今後注目したい女優がひとり増えました!
(^^)
思っていたものとは少し違うかもしれない
まず、この映画は犯人探しモノという点では少し物足りないと思います。
というのも、犯人の姿は顔が隠されているとはいえ割と序盤からちょくちょく登場しており、その姿に当てはまる"犯人候補"はごく限られており、その上この作品はミスリードはほぼ行わない親切設計なので、大半の方は劇中の主人公より先に犯人がわかるのではないかと思います。
ですのでこの作品のメインはやはり犯人との直接対決の部分ということになるかと思います。
これに関してはとても楽しめました。
緊迫感あふれる攻防、気持ちの良い伏線回収・・・
ただ、対決シーンでもちょいちょいご都合主義的でちょっと引っかかってしまう場面はありましたが、
それでも、対決の山場のあのシーンの素晴らしさのおかげでそのあたりのマイナスポイントは帳消しになりました。あのシーンはぜひ劇場で他の観客と共有していただきたい。
人間ドラマ・社会ドラマ的な要素に関しては、あるにはありますけど、個人的にはあくまで添え物程度かなと感じました。むしろこれに関してはこのぐらいがちょうどいいのかもしれません。
ちなみにR15の割にそんなにグロくありません。
グロが苦手で敬遠している人でも見れるレベルだと思います。参考までに。
盲導犬も頑張ってましたね。
この大傑作を観ないで死ねるか!
この映画は韓国の映画「ブラインド」の日本版という事です。私は韓国版も中国版も観ていません。
まじ!クソ使えねえ!クソ虫が!
すみません。これから言う事はかなり恣意的に
なります。
韓国映画はその圧力が凄いです。我が国の映画はレイテングとか、スポンサーへの忖度とか、
テレビ局へ慮ったり、芸能事務所のバーターとか・・・
空気を読みすぎる!
韓国映画は違います。クリエイターの思いが一番です。邦画では表現しきれない部分まで描かれます。本当に尊敬します。
例えば「海にかかる霧」残酷だし、エグい映画です。その圧力に圧倒されっばなしでした。正直面白い!
これから本作について語ります。
まず吉岡里帆の熱演!凄い!
朝ドラ「あさがきた」の、のぶちゃんのイメージ。ユーアールであーるのイメージ。コメディエンヌ。違います!
いつも笑ってねえよ!このタコ!
本当に上手い!途中から吉岡里帆じゃなくて
なつめにしか見えなくなりました。心理の機微の表現。襲われる恐怖。犯人と対峙する度胸。
伝わりました。大女優です。
いつもは脚本については言及しませんが、ささやかなネタバレをします。全体の20%位します。いやな方はここでやめて下さい。
この映画の肝は最初の15分です。 そこが終盤で回収されていく。快感です。「バック ツゥーザ
フューチャー」に匹敵する名脚本!凄いです。
過去の名作「羊たちの沈黙」「暗くなるまで待って」などのオマージュも感じました。
はっきり言って今年の邦画で一番面白かったです。
この大傑作を観ないで死ねるか!
言葉が汚くてすみませんでした。
この内容の濃さで2時間でまとめたのすごい
正直言うと吉岡里帆が苦手だった。なんか媚び売る役が多いイメージがあって…でもこの作品はそんなものは微塵もなく、むしろ彼女が好きになるくらい良かった!
前半はそんなに緊張することもなくテンポよく進んでいくんだけど、その中に作品の根幹となる情報が無理なく詰め込まれてて。転じて後半は犯人との攻防が色濃く描かれている。
ただしツッコミ所は多々ある。犯人さっきまで容赦なく人殺してたのにこいつは殺さないんかい!とか、いや行くの!?そこは警察待っとこう!?とか。心の中でめっちゃ叫んでた(笑)
人間ドラマあり、サスペンスあり、グロテスク(しかも結構なグロさ)あり、アクションあり、と様々な要素があるのに約2時間で見事にまとめあげられた脚本は見事!韓国モノかぁ…と観るのを迷ってたけど観て良かった!
吉岡里帆は良かったが傑出した作品ではない
(ネタバレ無し)引き込まれました…
元ネタの韓国映画の方は観ていませんが、ストーリーも起承転結も分かりやすかった。
グロテスクなショッキングなシーンがとても多いので、耐性が無い人にはきついかも。
邦画ではここまでのショッキングなシーンはあまり見たことがない(内容の無いB級映画は除く)
特に犯人との絡み(地下鉄で逃げるシーンや、犯人と対決するラストシーンなど)は、臨場感・緊張感があり、息つく暇もないようだった。
映画館でも、「危ない!」とか「キャー」とか声が上がってしまうのを度々聞きました。
最初から最後まで、1秒も退屈にもならず、眠気も襲ってこないほど、引き込まれました。
主演の吉岡里帆さんは、よくネットで演技のことを叩かれているのを拝見するが、
この映画を観て尚、演技にケチをつけられる人が居たら、俳優になったほうがいい。
他、周りを固める俳優陣も、ベテランはもちろんだが、高杉さんや、女子高生役の子たちもとてもよかった。
恐すぎる❗
ハラハラドキドキが続きっぱなし。
最近のサイコサスペンス映画の中ではかなり骨太な作品
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