「二つではほどけてしまいます」ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形 たけ(c)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5二つではほどけてしまいます

2019年9月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

依頼主の先へ向かう列車の窓、繋ごうとする手、心が報われた水辺。
ヴァイオレットちゃんが人のためを思うとき、光が差すんですよ、この映画。

先の事件、先の報道、京アニ。
時に世界はとても残酷で、悲劇も見せられたりもするんですね。
僕たちは複雑な気持ちでこの映画を見に行ったはずです。

そして僕たちの知ってる彼女よりも成長し、ドジもせずに、最初から最後まで依頼主の役に立ち続けるヴァイオレットちゃんがスクリーンには居ました。
とても頼もしく、美しく、まるで母のように、女神のように優しいバイオレットちゃん。

「二つではほどけてしまいます、三つで結えばほどけません。」

劇中の彼女のセリフです。
正確では無いけれど、こんなセリフだったかと思います。

悲劇にも離れてしまった2人の家族の間を、バイオレットちゃん達が思いを届け、心が報われ世界が美しく輝き、未来が照らされる話だったと思います。

時に世界は悲劇的なんだけれども本作品は、僕たちと、製作者と、世界をの三つを繋げ、私達京都アニメーションはまだまだ素晴らしい感動を産み出します。
と語っているように見えました。

おそらく本作は事件前に完成していただろうし、製作者はそんなメッセージ込めていないのかも知れない。
でも映画は時代のものだと思う、今見るヴァイオレットエヴァーガーデンは、そんな姿に思えました。

ヴァイオレットちゃんの行く先には光が差すのです。
僕たちは安心して、少し期待してアニメーション作品や世界と向き合えばいいのかも知れないのです。

永田製麺