燃ゆる女の肖像

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劇場公開日:

燃ゆる女の肖像

解説

18世紀フランスを舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像を描く女性画家の鮮烈な恋を描き、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞したラブストーリー。画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。エロイーズは結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。キャンパスをはさんで見つめ合い、美しい島をともに散策し、音楽や文学について語り合ううちに、激しい恋に落ちていく2人だったが……。「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマが監督・脚本を手がけ、エロイーズを「午後8時の訪問者」のアデル・エネル、マリアンヌを「不実な女と官能詩人」のノエミ・メルランが演じた。

2019年製作/122分/PG12/フランス
原題または英題:Portrait de la jeune fille en feu
配給:ギャガ
劇場公開日:2020年12月4日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第77回 ゴールデングローブ賞(2020年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第72回 カンヌ国際映画祭(2019年)

受賞

コンペティション部門
脚本賞 セリーヌ・シアマ

出品

コンペティション部門
出品作品 セリーヌ・シアマ
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映画評論

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映画レビュー

4.0私は振り向かずにいられるだろうか

2024年12月11日
Androidアプリから投稿

ミニマムな舞台設定で、よくぞここまで描ききったなと感嘆する。 18世紀のフランスの辺鄙な田舎の館は、登場人物が身につけているコルセットと同じように彼女たちを閉じ込める。 自然の音以外で唯一耳に聴こえてくるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲。「夏」だろうか。まさに二人の人生の短い夏を象徴するかのように時に気だるく、時に激しい。 本作は二人とも女性であるし、その必然性は理解できる。しかし、二人がいかなる性別の組み合わせであったとしても…。いや、二人ともが女性であることがメッセージとして大切なのだ。 これをきちんと言語化できないことがもどかしい。

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イズボペ

4.5描くこと、振り返ること=想い起こすこと

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他
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まぬままおま

4.0完璧かよ。

2020年12月31日
PCから投稿

正直、語りづらい映画だと思った。というのも、どこの瞬間を切り取っても完璧にしか見えなくて、もはや付け入るスキがない。もう、伝えるべきことはすべてそこにあるので、観てくださいしか言いようがない。一応ライターという名目で仕事をしてる者として、かなりの敗北と言わざるをえない。 かといって、説明的なのではない。むしろ説明は極力省き、なんなら登場人物も極力絞り、人物や物語の背景に関する情報も最小限に留められている。静かに、淡々と進むようで、とても熱い。そして、静けさを一気に打ち破るのが、炎と、人海戦術による歌声というあまりにもダイレクトなぶっ込みであり、「繊細かつ大胆」みたいなあまりにも陳腐な言葉をついつい書いてしまう。やはりこれほどの敗北感を味わう映画にはなかなか出会えない。完璧か。 🔥🔥

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共感した! 23件)
村山章

4.0憤怒に満ちた愛の讃歌が観客に与える不思議な感情

2020年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

萌える

18世紀のブルターニュの孤島で暮らす貴族の娘、エロイーズは不機嫌極まりない。母親が気の進まない結婚をゴリ押しする上に、お見合いのための肖像画を先方に送らなければならないからだ。なぜ、当時の女性たちは相手の顔も知らないのに自分だけ肖像画を差し出さなければいけなかったのか?ヒロイン一家に仕えるメイドが置かれた状況も含めて、甚だしい女性蔑視に対する押し殺した怒りが背後に横たわっていることは確かだ。しかし、そんな重々しい背景を凌駕して、エロイーズと肖像画家マリアンヌの恋が、孤島という閉ざされた空間を舞台に堂々と燃え盛っていく。たとえ人々に広く告知され、祝福されなくても、否、だからこそ秘めた思いは強く、エロチックな香りを放つもの。監督がエロイーズを演じるかつての恋人に捧げたという物語は、無駄なカットを極力削ぎ落として、憤怒に満ちた愛の讃歌を観客に向けて奏で続ける。だからだろうか、見終わった後、なにかに憑かれたような気持ちになるのは。

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共感した! 10件)
清藤秀人