「彼らには敬意と感謝」名もなき生涯 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
彼らには敬意と感謝
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ニッショーホールにて試写会鑑賞。
実話ベースということもあり、またエンドロールでもあったように彼らの様な世間に知られることなく、正義を貫き命を落とした者の存在があるからこそ、今は当たり前にある正義や平和といったものが存在しているんだと改めて実感させられた。その実感と同時にやはり彼らには敬意を表する気持ちになる。本当にありがとう。
映画作品としてはマリック監督らしい会話が少なく、詩的な言葉や背景描写が多く時折退屈に感じてしまった。
特に今作は会話がかなり少なく感じた。3時間はやはり長さを感じてしまうのは否めない。
今の時代を生きる自分と考えや価値観を比較するのは難しい。上にも書いた様に彼らの様な存在がいたからこそ、今ある平和や正義の価値観を下に彼らの姿を見てしまうからだ。その視線で見ると理解はできても共感はできないところがやはり出てしまう。
例えば、命あっての信念だとどうしても考えてしまう。罪なき人を殺す事を拒否し、徴兵を拒否するまでは理解できても、その先の口だけでも国(ヒトラー)に忠誠を誓うことすら拒否して命を断つ事を選ぶ信念にはやはり共感することはできなかった。
彼の場合妻や娘といった家族もあり、中々言葉で自分の気持ちをあれこれ表現することもないため強い信念はもちろん感じたが、今を生きる自分にとってはやはり共感する事は最後まで出来なかった。
もちろん作品自体は素晴らしいものであり、とても貴重な時間を過ごすことができた。
ただ作品の長さや詩的な表現が今作は多かったことから個人的には疲れてしまったというのも同時な感想である。
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