「問いかけ」レ・ミゼラブル たろさんの映画レビュー(感想・評価)
問いかけ
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「悪い草も悪い人間もいない。ただ育てるものが悪いだけだ。」
冒頭のW杯、フランスのナショナルチームがプレーする様に連帯して興奮するシーン。しかしこの連帯は、本編で社会に根ざす分離の側面を炙り出す中で、見せかけのものなのではないかと、観終えた私に深く問いかけた。
一つ、特に印象に残ったシーンを挙げると、それは警官らが一連の少年にかかる諸々をひとまず終えて、彼らがそれぞれの家に帰って、彼らとその家族との関わりを描いた箇所である。
事をしでかした思いを、怒りを隠しながら家族とひたむきに向き合う者もいれば、泣きながら母親と話す者、少々癇癪を持ちながら子と接する者もいる。事の後のそれぞれの家族との向き合い方を通して、彼らがどのような意識を持っているのか、よくわかったような気がした(家族には人は正直になることが多いと思う)。
最後のシーン、出来れば、希望を持ちたい。
育てるものが悪く、ああした復讐に走った彼らである。育てるものを悪くしたもの、悪いものの源は一体何だろうか?社会に問いかける。
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