「Sorry We Missed You ご不在で届けられません(ごめんなさい。あえなくて)」家族を想うとき abukumさんの映画レビュー(感想・評価)
Sorry We Missed You ご不在で届けられません(ごめんなさい。あえなくて)
ケン・ローチはやっぱりすごい!
ウーバーやアマゾンの配達に象徴される、奴隷のようなグローバル労働管理に本気で怒り、一方で家族の分断をなんとかしなくては、と訴える。
Sorry we missed you. we weren't able to deliver your package today.
原題の”Sorry we missed you”
運送屋の不在連絡票に書かれた形式的な常套句に深い意味(「もっと一緒にいたい」という家族への切実な想い)をもたせているところも、ケン・ローチらしい。
「こんな家族がいて君は幸せなんだ」と息子に諭す警察官の言葉もケンの本音だが、家族のために働けば働くほど家族を不幸せにしてしまう労働者のジレンマを厳しい目で見つめている。
孤立した労働者は、誤った強制労働に対処できずに、隘路にはめられてしまう。
よく、考れば、子どもが大変なときに仕事を休めないなんて不当なことは許されないはずなのに……。巧妙な自営業者という契約が自由と尊厳を奪っている。先進国でも、ブラックな奴隷労働が生き延びているのは、英国も日本も同じです。
私達も、ケンのように怒りを持って発言しなければいけないと強く感じました。
コメントする