マティアス&マキシムのレビュー・感想・評価
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ドラン監督の創る世界感に一目ぼれ
映画の一場面を取るために愛の無いキスをしただけなのに、そこから恋心が芽生えてしまう。これだけ読むと、良くある恋愛モノの始まりみたいだけど、マティアスとマキシムは同性。じゃあ、この映画はLGBTの恋愛の苦悩を中心に描いているのかと言うと、そうではない。LGBTをテーマにしているような雰囲気はあまりなく、好きになってはいけない人を好きになってしまった二人の純粋な恋愛物語が描かれている。
愛してはいけない人を好きになってしまった葛藤、それでも気持ちを抑えきれない衝動、マキシムの感情が叙情的な描写でスクリーンを通してヒシヒシと伝わってくる。
結局、告白の返事を直接聞くことはできなかったけど、最後に全てが分かる。それが直接の返事よりもマティアスの気持ちを如実に表していて切なくなる。成就しなかった、甘い切ない初恋物語を観たような気分。
今回、初めてドラン監督作を観たけど、監督の作り出す世界観にどっぷりはまってしまった。
”ジョン・F・ドノヴァンの死と生”もそうだが、音楽や映像はかっこい...
”ジョン・F・ドノヴァンの死と生”もそうだが、音楽や映像はかっこいいのだけど、何故か眠くなる。
ごめんなさい理解できなかった…
美しい映像と音楽と、少女漫画のようなボーイズラブの描き方。
もともと純粋なボーイズラブものが得意ではなく「君の名前で僕を呼んで」もハマれなかった私には、登場人物たちの心情や監督が伝えたいことがさっぱり理解できず楽しめませんでした…。
もうちょっと分かりやすくして頂けると助かるけど、それだとこの絶妙な空気感が壊れてしまうだろうことも分かるので、なんとももどかしいです…。
あと30歳にしてはパーティのノリが学生みたいでちょっと違和感。あれが普通なのでしょうか。。
空気感とか雰囲気がたまらなく好きです
原点回帰のような、マイ・マザーから続いているような作品に感じる。
とはいえ、正直、ストーリーはあまり・・・といった個人的な印象。
それでも、冒頭の音楽からして物凄い吸引力。
冒頭のイヤーな印象が強かっただけに、余計にラストのシーンが感動的だった。その感動や雰囲気を味わうために、音楽や愛に満ち溢れたこの映画を鑑賞し続けた!といった気持ちよさがありました。
わたしはロランスやマミーを見終わって音楽をソッコーダウンロードした如く、恐らくこの映画の音楽もかなり聴きまくることになりそうです。
完全にコメディ。
幼なじみのマティアスとマキシムがある日友達の妹の映画の撮影でキスシーンを演じる羽目に。そこからお互いを何となく意識してしまう2人の様子を描いた話。
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いやこれは、キスをしたあとのマティアスの動揺加減がひたすら面白い映画だった。まず撮影したその次の早朝、心がザワザワして湖に1人で泳ぎに行って必死になりすぎてめっちゃ遠いとこまで泳いできてしまって、全体力を使い果たして戻ってきたところを仲間に見られてドン引きされるっていう。
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そしてその後も奥さんに聞かれてもないのに勝手に言い訳し始めるし、マキシムが女とイチャイチャしてるのに嫉妬して急にキレ始めるし。
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「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」っていうチャップリン大先生の言葉のように、マティアス本人は大真面目なんだけど、客観的に見ると考えてることが丸わかりで馬鹿みたいに見える。
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で、この言葉をまさに体感出来るシーンが車内で爆音をかけてワイワイしてるシーン。車内の映像だとめっちゃ楽しそうで良いシーンなんだけど、それを引きで車を撮ると何もない住宅街で爆音流してるおかしな車でしかない。
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まぁでもそんなコメディっぽく見えてしまう話でもグザヴィエ・ドランの技術でオシャレに見えてしまうから不思議。あのキスシーンは私の映画史に残るぐらいのめちゃくちゃキレイで感動的なシーンだったよ。
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二人の不器用な距離感と、それを表現した映像が興味深い作品。
日本では『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』が公開されたばかりのグザビエ・ドラン監督の作品。登場人物がフランス語を話しているので、ヨーロッパが舞台…?と思ってしまうのですが、フランス語圏のカナダ・ケベック州が舞台だから、だったんですね(ドラン監督の出身地も同地)。それもあってかオーストラリアの会社との電話でのやり取りが、言葉やちょっとした習慣の違いのために実際以上に距離感を感じるところが不思議。
幼なじみの二人が、成長してから互いの思いに気付くものの、取り巻く状況がくびきとなって…、という展開は、『ロニートとエスティ』を彷彿とさせますが、本作のマティアスらが身を置く友人達の関係性は、そもそもブロマンス的な色彩が強いため、もし二人の関係が明らかになっても、「おー、良かったじゃん」と祝福しそうな雰囲気なんですよね。それでも二人が思いを伝えられないのは、マティアスの婚約者の存在があるからなんですが、この心理的な距離感はちょっと分かりづらいため、この点に不満を感じる人がいるのも理解できます。
中盤から終盤にかけて、ある重大な事態が発生してしまいます。これまでの経緯からみても、この展開は予期できなくもないのですが、それでも観ている側の誰もが「それをしちゃダメだろ…」と頭を抱えたくなること必定です。それに加えて、登場人物が話している言葉がフランス語と言うこともあって、個人的にこの下りで映画『クライ(えへんえへん)』を連想してしまって、これから大変な惨劇が起きるんじゃないだろうか…、と勝手に動揺してしまいました。さすがにそこまではなくて、杞憂で済んだんですが。
本作のカメラは、主人公二人の不安定な心理を反映しているのか、常に不規則に動き、時に神経質さすら感じます。この意図の読み取りにくいカメラワークが、画面に緊張感を与えています。多くの商業映画がきちんとした作画文法を守ってカメラワークを決定していることを踏まえると、本作の表現は非常に個性的で、興味深いものです。これもまた、ドラン監督の作家性なのでしょう。
セクシャルマイノリティという言葉がなくなるかもしれない予感
お馴染みの爽快な画面と音楽のバランスで、グイッと世界に引き込まる感じは心地よい。
これだから新作は絶対に欠かせない、それが一番の理由になるくらい好きな瞬間。
相変わらずの言葉の羅列攻めにちょっと退屈したりするけど、ちゃんと2人の距離感でグッとまた画面に惹きつける。
男性同士の恋愛って感じじゃなく、親友ってより近い人。セクシャルは関係ない、これからの恋愛が描かれはじめたかもしれない。
ママの影から抜け出せないのも、らしくて愛おしい。
愛らしい、こじらせ男子
エキセントリックな母親(マイ・マザーのお母さんと被る)との暮らしに決別し、オーストラリアに長期滞在して職に就こうとするマキシム。出発までの2週間のああだこうだのお話だ。すごい事件は特に起こらない。小さな出来事がきっかけで、感情を小爆発させる青年たち。親子共々顔馴染み味だったりするケベックの街。マットは仲間の中ではすでに一番エリート(本人曰く、知的レベルが違う)で職場でも期待されている。だから今さら新天地を求
めない。だが、だからこそマティアスが発つあたっての彼自身制御不能な言動の数々は一番屈折したこじらせ男子っぷり全開で、最後までめんどくさく愛らしかった。終始映像美とマットの顔に見惚れた。
それにしてもこの映画だけじゃないけど、若者がパーティーで濃厚接触の画を見ると、「過去」な感じというか、欧米での感染者数が桁違いなのもうなづける。(蛇足)
ドラン作品
天才ドランの作品は余韻が残る。
心のザワザワ相手を思う気持ち、ドランならではの繊細さが丁寧に描かれていた。
マティアス役の俳優の巧さがひかるね。
ただドランの役が中途半端な印象、元々ドランは相手役を耀かせる巧さは凄いよね。
やっぱりドランの世界
ドラン監督の鮮やかな映像と音楽使い、全体を包む切ない雰囲気が独特で好きです!
室内で繰り広げられる会話多めのシーンが多く、舞台演劇のような緊張感が印象的でした。恋愛がテーマとはいえ、甘めではないところも素敵です。
タイトルなし
グザヴィエ・ドラン監督最新作
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「自分自身を探って見つけようとするのが20代前半ならば、20代後半になれば自分自身のことをもっと理解できているはず。
強く同性に惹かれたときどうするか…
ということを ───」
20代後半になってからできた本当の仲間たちと作りあげた本作
そこにどんな意味が込められているのか…
ドランの言葉から探ってみてください。
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素直な自分を描きたかったというドラン
30才だからこそ描いた
人生の一時
ドランがマキシムを演じています
濃い友情と愛情の狭間で揺れ動く感情
彼らの表情からは切なさが感じられます
それぞれの視線から愛情が感じられます
切なくて官能的。予想以上に良かった・・
ドラン作品で一番の共感。描かれるのは誰もが経験したことのある感情。予告に一瞬映るラブシーンは、めちゃくちゃ官能的で美しい。
ハリウッド進出を図ったであろう前作では色々思うところもあったが、、、今作では初期作品のような繊細さとセリフに頼りすぎない演出に魅せられ、とにかく切なかった。加えてドラン作品で初めて描かれるであろう青春(爽やか!)とど直球なロマンス(胸キュン!)。
『君の名前で僕を呼んで』に強く影響うけているらしいが、なるほど。あちらがギリシャ彫刻ならば、マティアス&マキシムは等身大なリアルな恋物語といったところか。
『マミー』も『わたしはロランス』も上回りドラン作品で一番好き。最高。
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