「何もかも違う二人の長い初恋」マティアス&マキシム 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
何もかも違う二人の長い初恋
序盤こそ「フランス映画か?」って感じてしまったが(言語は別にして印象がフランス映画っぽいと感じた)、徐々に登場人物たちの現実的な輪郭を捉えることができる。
格差ある2人の無自覚な恋
無遠慮なようで踏み込みすぎない男の友情
そういう言語化しにくい部分の表現に筋が通っていて等身大さを感じる。
無自覚かに思われたマティアスは実はずっと自分のマキシムへの恋に自覚があり、7歳の頃から現在に至るまで、彼のオーストラリア行きを妨害するほどに欲を持っていたことが分かる。
2人きりの納屋でキスをするシーンでもラインを突破するのは毎回マティアスから。
農場を2人で経営するっていうのは割とよく見かけるキーワードなんだけど、これって同性愛のテンプレートみたいなものなのだろうか?
本作では過剰に修飾された同性愛表現はなく、監督がゲイであるからこその目線で描かれた在り方であり、ようやくこの表現が出てきたか、という感じ。
もう少し知識が必要だなと感じたのは以下の2点。
・マティアスの婚約の扱い
・カナダ、ケベック州の知識
(私のケベックの知識は公用語フランス語であり、少し前に独立がギリギリ阻止されたことがあるのを知ってるくらい…)
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