パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
母さんが家政婦になって、寄生が完了し、作戦成功!とキャンプに出かけた金持ち一家の留守中に、ウイスキーで酒盛する貧乏な一家。この晩から計画が狂い出す。ストーリーが面白く、展開も早いので飽きさせない。しかし私の好きなシーンは大雨の中ずぶ濡れになりながら半地下の家に帰るシーン。セリフはなく、ひたすら走る。周囲の景色、一家のみじめな様子、映画らしい抒情的なところ。さらに待ち受ける浸水。もうやりきれないほどの落胆。恐らくここで、もう寄生なんかやめようと思ったのではないか。しかしストーリーの伏線はもう張られていて、破滅へと向かってしまう。その他にも脱北者、ツートン、トンのモールス信号、石、チャパグリ、桃など演出もおもしろい。3回観ました。今後も名画座で上映されたら観に行きたい。
エンタメとして楽しめる作品
お金持ちと貧乏人の対比が鮮明。
特に映画だと伝わらない「匂い」で違いを出す演出が印象的だった。
生まれと育ちで絶対に理解出来ないことや変えられないものがあると思うので、無理矢理身の程を超えようとすると悲劇が生まれる。
ラストはエンタメに振り切ってるけど、過激な演出は嫌いじゃないので悪くない。
で考えされるという点では「万引き家族」の方が心に残ったけど、映画としてすごく面白かったので、評価は「万引き家族」より高めです。
地上・半地下・地下
面白かったです。色々な事を考えさせられました。格差・線・臭い・比較・家族・幸せ・・・
前半はコメディ映画かと思ってしまうほどの雰囲気でした。息子の家庭教師から始まり、言葉巧みに金持ち一家を騙し、しまいには家族全員で転がり込んでいく様子が滑稽で笑えました。しかし、上には上(下には下と言うべきか?)の強者がいて、、、という展開に驚かされました。ここから急に物語の景色が大きく変化し、引きつけられます。
なぜ、あの父親はあんな悲劇を起こしてしまったのか?
そしてなぜ、自分の娘を刺した地下の男ではなく、社長を刺したのか?
お気楽でちょっと頼りないけど良い父親に見えました。でも実は積もり積もった恨みがあって...いや、実際、お気楽だけど善良な人間だったのだと思います。あの上流家族に出会うまでは。
初めは貧しいながらも家族仲良く、幸せと呼べるかわかりませんが、それなりに暮らしていたと思います。でも、あの家に潜入し、彼らの生活や考え方を目の当たりにする事によって、徐々に気持ちに変化が出てきます。うらやましい・妬ましい等の感情も生じたでしょう。彼らと比べ、自分はなんて惨めなのだろう。彼らと出会う事によってそんな自分を認識するようになったのかもしれません。でもどんなに努力しても、あちら側の人間になる事はできない。そこには越えられない線がある。その線をはっきりと見せつけられた。
’臭い’でもその線が浮彫にされます。見た目はどうにか取り繕えても、臭いは消えない。目には見えないけど体に染みついて消えない半地下の臭い。半地下にいた頃は気付かなかったけど、上流家族と接するようになって意識するようになった。あちら側とこちら側の間にある越えられない線を。
上流家族の地下で出会った男。地下の男は自分と同じ臭いがする。自分と同じ側にいる人間。娘を刺したのは地下の男ですが、その怒りの矛先は社長に向けられます。格差社会やその頂点に立つかのように見える社長に対するどうにもならない怒りや恨み。それがあの線の向こう側に突き刺さった。
あの父親は自分の手で自らを半地下から地下へと引きずり落とし、永久に出られなくしてしまいました。この結末をどう受け止めたら良いのかまだよくわかりません。
期待し過ぎてしまった。
めっちゃ面白いという評判だったので期待しすぎてしまったためか…。
たしかに地上、半地下、地下を比べる事で、貧困問題などを切り取っているとか、色々描写が上手かもしれないけど。
貧困から抜け出して、成功する人も恐らく世の中にはいて、そういう人は、貧しくても心が豊かであったりして、もしお金持ちに雇われたとしても、留守中のリビングでもあんなに汚して飲んだりとかしないだろうし…。
そこがリアルっぽいのかもしれないけど。
貧しさは半地下家族の品の悪さが原因だろうと思う所もあったりして。きちんとしていても、酷い仕打ちを受けた、とかなら、お金持ちを刺すのも心情的にはわかるけど、半地下家族の逆ギレに見えてしまいました。
どの家庭にも感情移入出来なかったのが、微妙に感じた原因かもしれません。
終始登場時の画面が暗くて、あまりよく見えなかったけど、半地下の母役の人が、田中好子さんに見えて仕方なかった。
アマプラから視聴
「ファニーゲーム」のように一家を残虐していく後味の悪い映画だと勝手に思い込んでいたけど、全然違った。同じスリラーだけど、ブラックコメディスリラーだってね。
要所要所に散りばめられた笑い(家政婦を装ったお母さんが足で元家政婦を蹴飛ばして何も無かったように振る舞うシーン最高)、静かに進行していく父の怒りと息子の殺人計画の描写、控えめで静かな殺戮シーン…良いですね、品がありますね。伏線回収もお見事。
普通の家族でなく、上流階級と下々という格差が物語のスパイスとなり、コメディを取り入れることで大衆受けさせ、一段と印象的な作品に仕上がってます。
ただ、金持ちの息子くんのモールス信号読み解く特技とか、娘ちゃんの勘が鋭い所とか、もっと観たかったなぁ~。
視聴後物足りなさを感じたけれど、このモヤモヤ感を払拭するため、観返します。
差別は無いようで有る極端な例(大人向け)
差別しないようでも、自然と差別してしまっていることが有るんだ。この映画は極端だけど、人間って怖いなーと感じてしまいました。最後、息子が気づいたモールス信号、その後の叶わないであろう夢、何もかも虚しくなる。
この作品をジャンルはなんだろう
Netflixで追加されていたので嬉々として鑑賞させてもらいましたが、物語の変容には驚きを隠せない。
前情報を何も無い状態でみつけたのでコメディにカテゴライズされているところが不思議に思ってみ始めたのだけど、たしかにニヤリとするところは雪崩の様に流れてくる。
中盤一家がキャンプに出て行った頃は、いつ帰ってきて大変なことになってしまうのかハラハラしっぱなし。そして驚きの地下室が存在していたとなるともう、目を離せなくなりました。
韓国の住宅はこれほどまでに高低差が有るものなのだろうか。高台に住む裕福な人々は悠々と暮らしていて、最下層の人間は大惨事。色々な世界が表現されているいい作品でした。
私には、ムリ
何かと、話題作だったのでネットフリックスで観れるようになってたから見ました。
評価も高く、映画専門家の人にはすごいみたいですが、私のように普通の人にはいくら良さを解説されても理解できません。
はじめは、楽しくみてました。あの石もらったから金運が上がってきたということか?とかここで、みんなでお金を稼げたら半地下から脱出出来るの?とか普通に観てたんだけど、ラストぐらいからひどい暴力シーンとかの連鎖でホント見終わったあと、嫌な感じしか
しませんでした。
何故か、家族の絆という感じの温かさのある作品と思い込んでいて、コメディだと思っていたんだけど、
人を疑わない金持ちと、騙したり、おとしいれたり、
殺人さえも淡々と行う貧困層の人たち。
これが現実社会の縮図なのかと思うと、嫌な気分にしかなりません。
コロナ渦の今、家で楽しい時間を過ごそうと思ったのに観た時期も悪かった。
ギャグ表現抜きのこち亀
ポン・ジュノ監督が凄腕であることはこれまでの作品を知っていれば言うまでもない。しかし設定への細かいこだわりの割に脚本は結構粗があって、整合性がとれなかったり風呂敷広げたまま上手く着地出来ないこともあるタイプという印象が拭えない。今回もそう感じた。
今回の映画はやや引いたような画が多く、客観的・構造的に事の成り行きを眺めるようなつくりになっている。
コロコロとジャンルを変えながらジェットコースターのように話が進んでいく作りで、誰でもどこかは面白く感じるだろうという手数勝負な映画。破綻しやすいジャンルとジャンルの繋ぎ目、色々な要素の混ぜ方が自然で、監督の器用さ、技術力が光っています。
内容的には社会派映画みたいな評もあるが、そんな映画ではない。作品を貫く対比構図を象徴する装置として貧富格差を利用しているだけだ。
この映画に格差社会や新自由主義への批判なんて言葉が並ぶことに驚きを隠せない。これには監督も大統領も笑いが止まらないだろう。
基本的にはこち亀的な、どうしようもない連中が濡れ手で粟を狙って大成功→大失敗への転落モノ。こち亀と同じく度を越した強欲と、似た者同士で蹴落とし合う事で失敗する。
問題はこち亀はギャグだがこの映画はギャグではないという点。ギャグみたいな流れで繰り広げられるバイオレンスやエロが生々しく痛々しい。これをある種のスキャンダラスなリアリティ演出と捉えるか、下品と捉えるかは評価が分かれるところ。
個人的には如何にも韓国映画的だと理解しつつ、やっぱりくどく感じるのでマイナス評価。
貧乏娘はパンツ生脱ぎ、母は尻揉み、家政婦はゴム、金持ち長女は甘えたキス、奥様はネットリお触り。出て来る女性全員に性的な描写挿れるのも、最後にみんなで殺し合いするのも醒めるポイントで「よくやるね。でもこれ必要あるかな?」というツッコミと冷ややかな笑いが出てしまう。
象徴的な台詞や映し方、宙ぶらりんのメッセージでずっと深味を演出するが、私にはそれが噛んだ瞬間パッと味がするけどすぐに無くなる安いガムのようにしか思えない。それに噛み続けてみようと思わせるモチベーションも湧かない。
映画の技術的な巧さを重視する人は高評価になる映画だと思います。それは確かに素晴らしいです。しかしストーリーの一貫性や重みを重視する人にとっては低評価だと思います。
そんなに深くないのかな
見終わった直後の感想は「…で何が言いたいの?(笑)」。ドタバタしていただけだったような気がする。お金持ちだからといって性格が悪くて嫌なやつという事もなく、普通。貧しいけど心が清いこともなく、ずる賢くて、まんま醜い。かくれんぼからの、更に汚い夫婦の登場、エッチなシーン、トイレから溢れる汚水、最後のハチャメチャのさし合いなど、ある意味アクション映画。一つ一つはたいした事ではない。世界観、見せ方、テンポが良くてアカデミー賞なのかなぁ。話題作なので、この映画についてどの様な感想や評価があるのかを調べるのは楽しい。
これが受賞作ってやつなの?
イメージは胸糞悪い、演出は衝撃的、字幕だから役者のうまさはわからないかな。
一番衝撃的なのは半地下の父が豪邸の父を殺しちゃうとこかな、そこから伝わったことといえば「下にいる人ほど劣等感が強いということ」。
感想、受賞作ってこんなもんか、ブラックコメディとして星3です、
貧困層の武力革命
資本家からの肉体的屈辱は耐えられるが精神的屈辱には耐えきれなかった長い年月搾取され続けてきた男の無計画の突発的テロ。
結果は半地下ではなく地下に潜伏しても、なお地上に残るものに影響力を与え続ける存在になる。
他人と身内用のダブルスタンダード
「衣食足って礼節を知る」の格言どおり、境遇次第で人はどこまで浅ましくなるのかの手本のような映画でした。テーマ性と構成の妙は評判どおりですね。
格言は一面、真理ではありますが清貧を尊び人としての矜持を失わない魂の先人たちもいるので一事が万事と言う訳ではありません。逆もまた真とは限りません、功なり名を遂げて富に恵まれた境遇にいる人でさえ平気で嘘をつき権力を意のままに操ろうとする世の中。国家、政治体制に関わらず程度の差はあるものの残念な輩が後を絶たないのは嘆かわしい。
新自由主義者の功罪を持ち出すまでもなく弱肉強食もまた世の習い、結果、どんな卑屈で暴力的な人間が現出しても不思議ではないだけにことは厄介です。
ただ映画の一家は、運命共同体の家族の内では支えあって健気な生き方なので身内と世間用のダブルスタンダードを有しているところが現代性なのでしょう。
映画は時代の鏡でもあります、既存の体制や価値観に異を唱えたアメリカのニューシネマの台頭を思わせる、自虐的メッセージの込められた作品ですが各国で賞賛されたと知ると、この格差社会の歪、下層階級の閉塞感は、一国の問題ではなく世界的に蔓延している疫病のようなものかもしれませんね。
ただ、評判は聞くものの所詮、病んでいる世相の写し絵、映画にしてまで観ようと言う気にはなれず、今回、テレビ放映を知り観た次第です。
地下と地上の狭間で
金曜ロードショーで放映されていましたが、カットされていないフルバージョンを観たいと思い、Netflixで鑑賞しました。
Twitter等で様々な人が仰っている通り、富裕層と貧困層の対比を描くための様々な演出(時計回りと反時計回り・キム家とパク家が同画面に映るとき、両者の間に必ず縦線が入る・階段の昇り降りの描写など)は本当にお見事で、何度も見返したくなります。
ただ私がこの映画を見て一番恐ろしいと感じたのは、展開のシームレスさです。
序盤から中盤にかけての、悪知恵が働くキム一家が豪邸に寄生するまでの過程と、最終盤の庭のパーティーにおけるあのセンセーショナルなシーンが、ごく自然な形で同じ時間軸に並んでいるという恐ろしさです。
もちろん途中で「地下」の人たちとの出会いというイベントはありますが、コミカルでクスッと笑えるシーンもあった中盤までの展開からは想像もつかないラストでした。
多少卑怯でだらしないけど、決して世間から悪人、極悪非道と呼ばれるわけではない。そんな人たちがあの悲惨なパーティーの現場に居合わせてしまう、そして父ギテクは殺人を犯してしまう。最初は自分たちよりも下の「地下」に住む人の存在に目を瞑っていたギテクも、自分たちよりも上の「地上」に住む社長のあの仕草を見て、自らの境遇に対するやるせなさが爆発してしまった。そんなギテクの心の動きに、『ジョーカー』との共通点を見出さずにはいられませんでした。(すでに様々なメディアでこの2つの映画の共通点については議論されているとは思いますが。)
とまあ色々言いましたが、私の語彙力では到底表現しきれないような感情が今渦巻いています。
あとギジョンが煙草を吸うシーン、何とも言えない美しさがあってとても好きです。
最初コメディ後々スリラー
展開がどんどん変わっていく。最初の金持ち家族に潜入する過程はコメディ。しかし予想外の展開が続き最後は惨劇となる。伏線がはられていて見ててとても面白かった。韓国が舞台だが、現代のあらゆる先進国家に通じる超格差がテーマ。上層はエベレストを超える高さ。そして底辺だと思っていた自分たちの境遇よりも更に下層の人間が存在する。
レンタル屋にあったら借りるかな。
韓国社会の貧富格差がわかりやすく匂いで描写されハラハラさせる場面やカメラワークが細かく監督の力量を伺えた。
地下室からの場面での自分より下の底辺と思われる登場人物への喜怒哀楽の表現は韓国人特有の醜さ劣等感が見事に描写されラストに大きく繋がっで行った。
家族で見る映画では無いが、賞を取る映画とはまた違う何か心に残る映画と感じた。
ただ、感服
国民性なんですか。
ここまでして寄生しないといけない執念、図々しさ、格差社会…
だから、韓国政府と反日の韓国人はこの『半地下精神』で日本に対して徴用工、慰安婦、竹島、五輪、放射能、知的財産権と色んな手段を使って『賠償金』という名前のお金をこれでもか思うほどふんだくってくるんですね。まさに『パラサイト』。日本に寄生して裕福になりたいんでしょうね。お隣は北朝鮮、かつての主は中国。それくらいの国民性・民族性を理解できるほどの名作です。
考えれば考えるほど難しい問題だ
話題になった2019年に原語である韓国語(字幕なし)で観始めたが、さすがについていけず、脱落した作品。映画などはなるべく原語で観て、必要であれば字幕ありでみる主義なのだが、これは字幕がつけられなかったため、観れなかった。
今回は日本語吹き替えのバージョンしか手に入らなかったので、やむなくそちらを観た。とても面白かった。よくできていた。韓国の社会が少しだけ観れたような感じがした。お金持ちの家族の様相や考え方がいかにもそうで、半地下に住んでいた家族と対比して考えてみたら、いろいろと思うことがあった。
最後は半地下の家族の父親が殺人犯になって、家族がバラバラになってしまう。でも結局、この家族はどこで踏み外してしまったのかと考えてみる。初めにギウが大学を偽って家庭教師を始めたところか、あるいは家族が既にいた運転手や家政婦を追い出したところか… でも、この家族が完全に悪者だとも思えない。貧乏だが、一生懸命に生きていたごく普通の家族なのではないか?よりよい生活を夢見るのは当然のことだ。結局、原因は格差なのかもしれない。アメリカや韓国のように成功者とそうではない人の格差が大きいところが抱える特有の問題なのかもしれない。もちろん、この家族がしたことは正しいとは言えないが、このように大きな格差があるからこそ起きてしまうのかもしれない。
日本は義務教育があるだけ、格差が少ないように思うが、それが必ずしもいいとは限らないようにも思える。もちろん格差がないことはいいことでもある。犯罪やホームレスが少ない。だがみな同じ、すなわち飛び抜けた成功者がいない。だから、日本だけで育って世界に認められるようなビッグな成功者は少ない。韓国はこのように格差があるのかもしれないが、優秀な人はこれ以上ないほど高い教育を受けたりして、結果的には国に貢献しているのかもしれない。近い文化を持った二つの国だが、いろいろと違う。アメリカで留学している身だが、日本人なんてほとんどいない。韓国人はたくさんいる。海外でしか学べないことは基礎的な教育以外にも数え切れないほどある。よく、日本がある意味で出遅れていることに恐れを抱く。努力家の韓国人がこのままいったら、国内で平和ボケしている日本人なんていとも簡単に抜かれてしまうだろう。っていうか、ある意味でもう抜かれている。
考えれば考えるほど難しい問題だ。
もちろん、これはまだ世間知らずの高校生の考えにすぎないのだが…
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