パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
全378件中、301~320件目を表示
素晴らしい映画だからこそ惜しい
見終わった後に重苦しさが残る。それは殺人が行われたせいなのか、クライマックスの展開が予想外だったせいなのか。
前半はテンポ良く進み、無駄なシーンも無いと思いました。キャンプに行った後4人で飲み食いするシーンや家政婦が再び出てきたシーンがテンポに欠けていた気がします。
ラストは上流家族を家から出したい、半地下の人はずっと半地下に居させたいという考えありきで話を作ったようで、受け入れるのに時間がかかりました
伏線も生かされていたし、タイトルの意味も考えさせられる。いい映画だからこそ、もっとうまいラストを期待してしまいました。韓国にはこのような事件があったのでしょうか
凄まじい映画だけど.......
※個人的な意見です。
衝撃を受けるやジェットコースターに乗ってる気分になるとかを聞いてとてつもなく楽しみにしていました。けれど、ホラー映画やサスペンスが大好きすぎる私にはちょっと物足りなかった。裕福な家族側にも重い秘密などあればもっとおおー!てなってたかも。
ジャンルは全然違うけれど同じ貧富社会を題材にした「US」や衝撃展開なら「告白」などの方が分かりやすく、衝撃だった。でもパラサイトはひとつひとつのことに全て意味があって最後の殺人シーンでギジョンだけが亡くなったのにも意味があったり、「US」と同様に見た後の考察は本当に楽しくなる映画です。
「なんじゃぁ。そりゃぁ」的なちゃぶ台返しをしたくなった一篇
監督はポン・ジュノ。
デビュー作『ほえる犬は噛まない』から『母なる証明』までは欠かさず観たが、どうにも好きになれない監督だなぁ・・・と思うことしきりなのですが。
ソウル(かどこかの大都市)に暮らすキム一家。
両親と息子・娘という四人家族。
暮らしているのは、下町。
文字通りの下町。
彼らが暮らすのは、坂の下の半地下の一室。
だが、ある日、息子の幼馴染が、海外留学するので後釜として、坂の上の金持ち一家の娘の英語家庭教師をしてほしい、という話が転がり込み、ひょんなことから妹も父も母もその一家で雇われるようになる・・・
というところから始まる物語で、ひょんなこととはいったものの、父・母の就職には悪知恵も働いている。
で、この序盤(といっても40分ぐらいあるか)は、いわゆる「なりすまし」映画で、なりすまし映画というのは、個人的に大好きな『街の灯』『独裁者』『トッツィー』に至るまで枚挙にない。
つまり、「伝統的」な映画のジャンルなわけで、このジャンルでは、この後の展開はおおよそ決まっており、なりすましたことがバレるかバレないか、バレることに対して主人公たちがどのような葛藤があるのか、バレた時にどのように落とし前をつけるのか・・・というあたりである。
この展開には図らずも善と悪の葛藤が盛り込まれており(いかなる理由であっても、なりすますことに主人公は葛藤を抱える)、そこがドラマチックなのだが、この映画では、そこんところをすっ飛ばしている。
結局、彼らの正体(つまり本体。アイデンティティともいえる)を見抜くのが、同じ立場の人間であり、なりすまされた側(こんな言い方があるかどうかは不明だが)は、なんだかイヤな気がする(においがする)んだとしか言わせていない。
どうにもこうにも、ここいらあたりの善悪観念というか理念というかが曖昧かついい加減なので、「もうひとつの家族」が登場してからが、まるで面白くない。
どうなるのかしらん・・・とは思いつつも、「どうでもいいよ」的な感じになって、クライマックスの修羅場に至っては、「またも、修羅場!(中盤の繰り返し)」と思ってしまい、鼻白む思いでした。
個人的には、大豪雨により「半地下一家」の部屋が水没するとともに、地響きを立てて丘の上の豪邸が崩れ落ち、半地下一家も富豪一家も、もうひとつの家族も大切なひとが生き埋めになって・・・ぐらいの形而上的な展開が欲しかったところ。
(そんなこと、ありえない・・・ぐらいの展開がないと落ち着きが悪い、そう感じたわけで)。
個人的には、ジャンル映画の枠を超えようとしてがジャンル映画の定石も周到出来ず、かつ予想されたカタストロフィに落ち着いて、さらに、お尻がこそばゆい親子の情愛に落ち着く・・・という、ま、観ているうちは面白かったけど、「なんじゃぁ。そりゃぁ」的なちゃぶ台返しをしたくなった一篇でした。
クスッとし、ギョッとして、ハラハラできるエンターテイメント
馴染みの映画館で未上映だったので、日本公開2週目の鑑賞。
カンヌを制したので、若干小難しい社会派かもとの先入観もありましたが、予想以上にエンターテイメントに徹していて、めっちゃ愉しめました。
感想を以下の5点に分けて書きます。
1. コンゲームにクスッ
2. 過寄生にギョッ
3. バレそでバレないハラハラ
4. パラサイトからパラシトイド(捕食寄生者)に
5. 前評判は聞かないに限る
🎞️
1. コンゲームにクスッ
貧乏一家が、資産家のパク家に、あの手この手で取り入っていく様は、「スパイ大作戦」や「コンフェデスマンJP」のよう。
桃アレルギーを利用する辺りは、テンポも良く、映像もスタイリッシュで、単純に愉しかったです。
ただ、妹のギジョンが、資産家の奥さんを思いっきり馬鹿にしているのは気になりました。
運転手を陥れる際も、素人とは思えない手口で、貧困だからといって肩入れしにくいエグさがありました。
ギジョンが後に、悲劇的な報いを受けるのも、ここらへんのエグさから、さもありなんとなりました。
🎞️
2. 過寄生にギョッ
個人的な最大のピークは、元家政婦が隠された入り口から、更なる地下へ降りていった瞬間でした。
しかもそこに、真の寄生者が巣くっているとは。
生物学では、同じ宿主に複数の寄生者が卵を産み付けることを「過寄生」といいます。
キム家だけじゃなく、家政婦の夫まで寄生していた様は、まさに過寄生。
しかも過寄生では、異なる家系どうしで競争が生じ、殺し合うことも珍しくないです。
本作の展開も、まさにそのまま。
協力なんて、甘さは皆無。
互いのエゴのぶつけ合い。
行動生態学の予測通り。
🎞️
3. バレそでバレないハラハラ
パク一家が、キャンプから突然帰宅してからのバレそでバレないドタバタは、ハラハラしっぱなしでした。
ベタっちゃベタな展開だけど、緩急ある演出で、観てるこっちも緊張しました。
ただ、床に散乱してるはずのガラスや食べ物が、短時間で片付けられるすぎな感じは否めません。
そこら辺はファンタジーなんでしょうど、若干モヤモヤしました。
🎞️
4. パラサイトからパラシトイド(捕食寄生者)に
Parasite (寄生)とは、宿主を生かさず殺さず利用して、養分を横取りする行為ですが、寄生者の中には最終的に宿主を殺す者もいます。
生物学では、最後に宿主を必ず殺す寄生者を「parasitoid (捕食寄生者)」と言います。
本作でも、パラサイトだったギテクは、最終的にパラシトイドに。
繰り返される匂いの指摘で、いつかキレんじゃないかとフラグ立ちっぱなしでした。
そして、遂に卒倒してダソンを優先しようとする行為が、ダメ押しに。
刃に倒れた家族を無碍にされ、緊急時でも地下男の匂いに過敏に反応したドンイクに、イラッとする気持ちは分かります。
ただ、わざわざ刃物を拾い、確信をもって心臓に突き刺すのは...。
明確な殺意があるし、その後全てを投げ出して逃げてしまっては、重症の家族も救えない。
最終的に「よくこんな所に住めるな」と言っていた地下に、自ら閉じこもるのは象徴的ですが、パク一家は基本的に悪いことは何もしてないので、ただただ可愛いそうに感じました。
貧しさには同情するし、最下層をセーフティーネットが整った社会であって欲しいとは思います。
ただ社会主義ではなく、資本主義での自由競争を選択するなら、富裕層が一部突出するは仕方ありません。
パク一家が、悪事の限りを尽くして金儲けしてるなら、復讐の的になりえるかもしれません。
でも、本作ではそういった描写はなく、パラサイトの方がよほどエゴイスティックに描かれているので、階級社会への批判には感じられませんでした。
🎞️
5. 前評判は聞かないに限る
前述の通り、馴染みの映画館で未上映だったので、前評判を大分耳にしてからの鑑賞でした。
なので「予想できない展開」などの評も耳に。
「予想できない...」というフレーズがヒントになり、序盤がわりとお気楽でも、やがて悲劇に方向転換すんやろなという気がしてました。
地下パラサイトの登場にこそ、意表を突かれましたが、この時点で完全に崩壊フラグが立ちました。
家主の居ぬ間の我が物顔も、突然家主が帰ってきくるベタベタ展開のフラグ。
終盤の悲劇も、唯一の拠り所だった妻が殺されれば、夫が復讐の鬼になるのは必然。
ギテクの凶行も、匂いの指摘をあれだけ天丼すれば、想定されうる帰結。
なので、個人的にはそこまで意外な展開に、感じませんでした。
ということで、自分もこれから観る人には、なるべく情報を与えないように気をつけます。
「小難しい社会派映画じゃなく、単純にハラハラする愉しい映画だから、オススメだよ」ぐらいにしておきます。
"寄生虫"は悪なのか
ポン・ジュノ監督作品は「グエムル-漢江の怪物-」、「母なる証明」、「スノーピアサー」観賞済。
カンヌ国際映画祭のパルムドールを獲得した事や以前観た監督作も(色々な意味で)印象に残っていたので、公開後早めに観なければと思い観賞。
観賞後、個人的には今の時勢をテーマにしながらエンタメとしてもちゃんとまとまっている、名作と呼ぶに相応しい作品だと思った。
「パラサイト」ってタイトルから、序盤から中盤の展開は笑いと共に予想の範疇ではあったものの、元の家政婦が訪ねてきた辺りからは半地下家族と共に事態に巻き込まれていく様な感覚で加速していくストーリーを味わってた。
収入格差を金持ちは高台の一軒家、貧困にあえぐ主人公一家をトイレよりも低い半地下、家政婦の夫は光も届かぬ地下として、住む場所の"高さ"で象徴的に表す演出は一目でキャラクターの立場が解る素晴らしい演出だった。
貧困層のことを気にかけていない(豪雨の後の奥さんの会話が顕著)高台の一家や、そんな一家と触れ合う機会があるからこそフラストレーションが溜まっていく半地下の父親、そして光も届かない地下(触れ合う機会もない)だからこそ社長を崇拝している家政婦の夫を見ていると自分の立ち位置はどこなのかを考えてしまった。
作中で出てくる"半地下の臭い"って言う表し方も(一応作中で提示はされているものの)各々の想像の中の臭いを想起させる上手い表し方だと思った。
また、最後のシーンが父親との再会で終わるんじゃなく半地下の家で手紙を書くシーンに戻って終わるシーンが、(劇中の父親の言葉を思い返すと)おそらくその"計画"は実現しないんだろうなと思わせる、一度半地下に堕ちると(いくら一家の能力が高くとも)高台まで這い上がるのは難しい、哀しいけれどとても現実的な終わりだと思った。
「ジョーカー」を観た時にも思ったものの、あからさまに社会が悪いと作中で言わずとも、持てる者と持たざる者の関係を描いていく中で自然と問題が浮き上がってくる作品は素晴らしいと思う。
観賞後に調べてみると、北朝鮮からの核攻撃対策の為に防空壕として作られその後住居用に貸し出された"半地下"と、同様の目的で作られた"シェルター"、元々住んでいる場所も住居用に作られたものではない"パラサイト"しているものなのを知って驚いた。
また、地下に住んでいた家政婦の夫が半地下の父親が同じ"台湾カステラ"の店を経営していたのを聞いて呆然としたシーンがあったけれど、観賞時はその意図が解らなかったので観終わった後に調べてみると、"台湾カステラ"が2016~17年頃に韓国で大ヒットしていた中でとあるTV局のドキュメンタリー番組で「大量の食用油や添加物を混ぜていたり、安い粉ミルクや賞味期限切れの生クリームを使っている」と告発してブームが即座に終了。
その後番組の内容がフェイクだったと解るものの、その頃には消費者の興味はすでにゼロで「元台湾カステラ店のオーナー」の失業者が増えた=社会に踊らされたせいで高台の一家になり損ねた共通点だったってことを知って、実際の事件や事件がきっかけで今実際に韓国で起こっていることも舞台装置として組み込んである巧みなストーリーに驚いた。
全員の演技が素晴らしかったものの、個人的には半地下家族の父親役のソン・ガンホさんや妹役のパク・ソダムさん、社長一家の家政婦役のイ・ジョンウンさんが観終わっても印象が未だにこびりついてる位強烈で素晴らしかった。
また、社長一家の姉役のチョン・ジソさんは声優の花澤香菜さんに似ているのでアニメファン、声優ファンの人は変なバイアスが掛かっちゃうかもw
「ジョーカー」では持たざる者を描くことはあったものの、この作品はどちらかだけに寄らず3つの階層を描くことで、階層の高い人は高い人なりに、低い人は低いなりにお互いの理解と問題を深め観賞後に優しくなれる作品に感じられた。
いかにもパルムドールな作品
だいたい、世界的な映画祭の審査員に選ばれると、それだけで浮わついてしまい、なんとか自分の“爪跡”を残せるような作品に賞を与えてしまいがち(こんな作品を選んだオレってカッコイイ✨、みたいな)
なので、カンヌのパルムドール受賞作品はたいてい一般ウケしないものですが……
この作品にイマイチ入り込めないのは、社会的底辺家族のわりに明るく、団結力もあり、身なりもこざっぱりしていて、“悲惨さ”を感じさせないから
それは『ジョーカー』と比較すればよく分かりますよね(ま、あの作品はホアキン・フェニックスが凄すぎるのですが)
ただ、安易なハッピーエンドにせず、格差の負け組から抜け出すには金持ちになるしかない、という終わりかたは、作り手のプロ魂を感じて良いと思いました
怒りの映画
これは怒りの映画だと思った。
韓国映画らしい娯楽性に富んだブラックコメディで、笑わせたり、ゾクゾクさせたり、泣かせたりで楽しませてくれる。時計回り最高。
前半、コロコロと騙される社長一家に笑わされるが、後半の展開に、彼らは無知で無邪気な支配者の象徴なのだと分かる。まるで「パンがなければケーキを食べればいい」のマリーアントワネットみたいな。結局彼らにとって家政婦も運転手も家庭教師も、自分たちに仕える下民であって、信頼はしても決して友人にはなれないのだ。
怒りの引き金になる例の匂い。鼻をつまむ仕草がスローになった時は思わず笑ってしまったが、あの匂いというのはつまり、貧乏くささなんだろう。どんなに変装しても上手く演じても、消すことのできない貧乏くささ。主人公はそこに絶対的な断絶を感じて怒りが爆発するのだ。刃は、人はいいが紛れもない支配者である社長に向けられるが、そこにあるのは格差を生んだ社会への怒りなんだと思う。
あと、モールス信号の手紙の件は、インターステラーみたいなあり得なさで笑った。
衝撃、なにこれ、壮絶なかくれんぼ
寝不足状態で21時スタートでみましたが、眠気が一切こず、衝撃的。
序盤のパラサイトの過程には感心し、途中の元家政婦の真実からは、なにこれ状態に。
壮絶なかくれんぼにはハラハラドキドキでした。
半地下に残された希望とは
恥ずかしながら、ポン・ジュノ作品は初観賞。
序盤のコメディから後半のホラーまで、観ている間私の心の中にポン・ジュノ監督が寄生し、予想はことごとく打ち破られ、えもいわれぬ感情と興奮、すぐそこに同じような現実があると言う嫌な余韻が残された。
ただ意外性を出すためだけの捻りではなく、自然に必然的に物語のツイストを生んでいく見事な構成。
そして、序盤に下から見上げる階段のカットを何度も見せてある種のケイパーものとして観客を惹きつけておきながら、クライマックスの俯瞰のカットで一気に観客を引き離す。
キム一家に感情移入して見ていた私は、最後の父親の行動に戦慄を禁じえなかった。
何も理解していなかった。
完全なる地下で富裕層を崇拝する人々に同情を禁じ得ない心と、地上の人々と同じような生々しいプライドを併せ持つ彼らは、足掻いても足掻いても半地下という地獄から抜け出せない…。
その象徴であり、最後のトリガーとなるのがまさかの匂いだとは…!
これがエンターテインメントの真髄だ。
『ブラッククランズマン』『ブラックパンサー』は黒人が受け続けてきた差別を、『万引き家族』『アス』は貧困層を描いてきたように、観客を魅了し、混乱させ、痛烈な問いを投げかける。
半地下の家にさす窓の光は希望、それすらも失った彼は…。
もう今作を見る前には戻れない。この映画は生涯我々の脳裏に寄生〈パラサイト〉し、映画以上に悲惨な現実から目を背けさせてはくれないのだ。
半地下から地上を見る
吉祥寺のレイトで席がかなり埋まっていたので何故こんな人気あるんだと思ったらパルムドール受賞作だったとは。知らずに鑑賞。
韓国の上流階級と底辺の描き分けがエグい。
些細な異物でも上流から下に、そこからさらに下に、底辺に届く頃には抗えない大きな力になって命すら脅かす様はただただ無情としか言えない。
ただ、上には上がいるとも監督は言っている。
結局上に行くにも下に行くにも自分で決めないといけないんだ。
匂いがするような気がした
韓国の映画はグロテスクな描写が多いので、苦手意識があります。
今回は覚悟を決めての鑑賞。
序盤からテンポの良いストーリー展開と散りばめられた設定の対比にぐんぐんと物語の世界観に入っていけました。
気持ち的には上流階級とシンクロしたいな〜と思っているけど、主人公達までとは行かないにしろ困窮している生活環境に激しく共感してしまう。
中盤を過ぎたあたりから、物語の落としどころに考えを巡らせますが、やはりそこは十八番のグロ描写が。
私は一人で鑑賞していましたが、周りは年配のご夫婦が多く、平日の昼下がりということもあってか夫婦のイチャイチャシーンとラストのグロ描写で周りは凍りついていました。
まぁ、R指定映画だし。
最近の映画では反社会的な思想や行動を主軸とした作品が高く評価されています。
「ジョーカー」も正義やモラルを問う作品でした。
今作では格差社会、生活環境、価値観を問われます。
これを観たあなたの価値観は、作中の誰に共感しましたか?
私は「俺はこの場所に似合ってるか?」と聞いた主人公の台詞に共感しました。
自分が努力や偽らなければならない日常を平気な顔で過ごしている人がいる。
どんなに繕っても埋められない人間としての開きがあるように感じる。
上を見上げればさらなる高みが
下を見ればどこまでも深淵が広がっている
私は今の自分の位置を維持することで精一杯です。
精一杯と思ったら、あとは落ちるだけなのかも知れません。
そんな、なんとも言えない不安を身近に感じる映画でした。
脚本のクオリティが低い。。
なんでこんなに高評価なんだろう。。
脚本でいったら、ジョーカーやアスの方が圧倒的にクオリティが高いよ。
伏線なのかなと思ったら、全然、回収出来てないし、
これおかしくない?と思ったことは、そのまま放置で、ご都合主義で話が進んでいく。
そのため、全体的に嘘くさい話になってしまっている。
社会問題を描くのは良いんだけど、エンタメ作品としての、最低限のシナリオのクオリティは担保してほしい。
以下ネタバレです。
裕福な家族が、なぜこんなに簡単に騙されるのか?
自分の実力で成功した会社経営者だったら、相当頭が切れる人のはず。
名刺渡されたり、紹介されても簡単に信じないで、すぐにスマホで検索したり、知人に聞くなりするはず。
奥さんから報告を受けたら任せっきりではなく、もっと的確なアドバイスをするだろう。
それに、彼らは、貧乏家族が付け焼き刃で覚えた教育知識よりも知識がないってどういうことだろう。
教育熱心な家庭は、普通は親自身もちゃんと勉強していると思うけど。。
実はこの裕福家族は騙されたフリをしている、というどんでん返しがあるのかと思ったら、そういうことも無いし。。
最初に紹介してくれた友人はお前なら信じられると言いながら、簡単に裏切られてるし、彼は何を根拠に信じたんだろう。。
友人にも裏があって、実はそんなお美味しい話ではないという伏線なのかと思ったら、そういうことでも無かったし。
他にもたくさんあるけど、リアリティの無さが気になってしまい、僕はそんなに良いと思えない映画でした。
題材は良かっただけに残念です。
計画と夢は似ている。
計画を立てるから失敗する、失敗しないためには無計画が一番というシーンで、私は計画という言葉に夢という意味を重ねて見てしまいました。
夢を見るから叶わない。
這い上がりたくても這い上がれない。
そんな貧困家族の姿と、自分自身の夢の叶わなさを重ね合わせて、とても切ない気持ちになりました。
でもラストでは計画を語り、叶うか分からない夢をまた見る。
恨んでいた訳ではないはずなのに家主を殺してしまうシーンも、とても切なく感じました。
生活の匂いは簡単には消せない。
どんなに見た目を取り繕っても、演技をして違う人のように振る舞っても、気付かれてしまう。
こんな生活になったのは誰のせいなのか、世の中のせいなのか…
やり場のない思いがたくさん詰まった作品だと思います。
私から見たら、シェルター地下室での出来事も含めてみんないい人に見えてしまいました。
いい人という言い方は語弊を生むかもしれませんが、みんな自分の事を自覚してると思ったからです。
いいシーンは半地下の家が水没していくところ。
どうにもできない現実をよく表していたように思います。その中で煙草を吸うシーンなんてまさに。
ちょっとなぁと思ったところは、
石というか岩というか、あれをフューチャーして出す必要性がよく分からなかったところ。
モールス信号を家主の子供が解読していたのに特に何もなかったこと。(ただの舞台装置だったのかな)
減点と加点を繰り返し、最終的には☆4.5くらいかなという感じでつけました。
とても重い内容の映画ではありますが、笑えるシーンもあり、
北朝鮮の朝鮮テレビものまね上手すぎて笑いました!
砲丸投げのシーンはどこのガラスが割れたのかとても心配です(笑)
2020-4
さっきパルパティーンを見たばっかだけど、もっと怖い人が出て来た。
パルムドール、昨年は『万引き家族』でしたが、今年は半地下家族。
ポン・ジュノ監督だから絶対一筋縄じゃいかない作品だろうなと思っていましたが、その通りでした。
まざまざと描かれる貧富の差。
途中まで、この対比を笑えばいいのか?これはブラックコメディなのか?と、よくわからなかった。
そして、狂気の沙汰が始まる。
決定的な事件も起きる。途中までこの作品をどういう方向に持って行きたいのかわからなかった謎は解けたけど、ここを見るのは辛い。
貧しい一家があの手この手で、裕福な一家の家政婦、家庭教師、運転手という職を得て、
彼らが外出する時はこっそり集まってパーティする、でもいつかバレてドタバタ、、、というストーリーなら、誰かを誘ってもう1回見たいかも。
もう一つの一家が地下に住んでいて、この夫婦と一家での争いが勃発し、三つ巴の惨劇が起きるというストーリーは、まだこの映画を見ていない誰かに話したい衝動に駆られる。
殺すつもりなんてなかったんでしょう。あの仕草さえなければ。
もしかしたら、机の下に隠れている時に夫婦の匂いに関する会話を聞いてなかったら、
奥さんを車に乗せている時、奥さんが窓を開けなかったら、、、。
「匂い」と「雨」が貧困の象徴として描かれているのは、現実的で生々しい。
折しも、本日の東京は雨でしたので、しんみりとしてしまいました。
(・・?)ドタバタコメディ、ちょっとホラー。
パルムドール、、、パルムドール、、、、パルムドール
どうしてこの映画が?何が良かったのか?
“コミカルに、スリリングに、そして恐ろしく“格差”を視覚化した世界熱狂の快作”と論評していますが話が飛躍しすぎてありえない話にl。全てがありえないのでそれを実感できませんでした。苦笑してしまいます。リアルがないので現実の格差社会を思い浮かべません。カンヌがこの映画を選ぶとは?テンポが良すぎるのでアカデミー賞受けはするかも知れませんが。。。。
決して『万引き家族』と比べたりしないでください。できが違いすぎる。
万引き家族では最後に少女に会いにきた人は?で映画が終わります。私はリリーフランキーとお兄ちゃんに決まっていると今でも信じて疑いません。それだけインパクトのある終わり方でした。この映画の終わり方は将来親父が隠れ続けている家を購入して親父に再会できるか?という終わり方でした。会えるはずもないと思いました。かすかな可能性もありません。ひょっとしてこの監督は格差問題が好転する可能性が全くない事を言いたかったのか?
それだったら合点が行きますが、、、、、、。
あなたの家はどっちですか?
韓国では一千万人動員したそうで世界的に大ヒットしてる作品で、それにふさわしい素晴らしい作品でした。
前半はコメディチックで、クライムサスペンス感を漂わせて展開していきます。
この時点で十分面白いのですが
後半にかけてはまるでホラー映画のようにはらはらドキドキします
ネタバレになってしまうので控えますが
俳優さん、女優さんの演技力、シナリオ何も素晴らしい
そして、貧困や格差社会に対する痛烈なメッセージを是非とも受け取って欲しい
個人的にはパク・ソダム(貧しい娘)好きでした
死ぬ人たちへ
安易に人を死なせていく必要があるのだろうか。人が死ななくても、いい作品を作ることができたのではないか。悪者はだれでもないのだから。 例えば"Sting"のようにできたら最高。
緩急への寄生
Wi-Fiへの寄生から始まる本作は、さまざまな寄生(パラサイト)を実感させる
貧困層家族が富裕層家族へ寄生していく軸がメインと捉えられがちだが、その富裕層家族もまた家政婦やドライバーなどの貧困層家族へ寄生している
彼らがいないと何もできないのだ
もう一つ印象的なのが、緩急の付け方
コメディ・ラブストーリータッチをふんだんに入れつつも、その映像の中であらゆる情報を伝える
キャンプで不在となった家で騒ぐシーンでは、楽しい場面のはずなのにどこか観客を不安な気持ちにさせる
前家政婦がインターホンに映ったとき、"悲しい殺人鬼が現れた"と思ったのは私だけだろうか
だが、その予想も裏切られた
急
半地下生活で底辺にいたと思っていた家族に、そのさらに下である最底辺の地下空間が徐々に広がっていく様は、さらに観客をスクリーンの中へと吸い込んでいった
急
緩 急 緩 急 急 急
私たちも緩急に寄生していた
______________________________________________________
アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・外国語映画賞
本当に感動した
おめでとうございます
「ジョーカー」、「天気の子」との同時代性
定職につけず、日光があまり届かない半地下の家で暮らす家族。
長男が金持ちの家の家庭教師として雇われたことをきっかけに、父親も母親も妹も、家族全員が金持ちの家に入り込んで生活を始めた。すなわちパラサイト、寄生。
雨の夜、金持ち一家が不在のすきに広いリビングで好きなだけ飲み食いすれば、かりそめながらリッチな気分になる。半地下の家から脱出できたように感じる。
しかし、当然と言うべきか、物語は暗転する。
金持ちの家には地下室があり、闇金に追われる男が隠れ住んでいた。
半地下の住人と地下の住人との戦い。そして、地上の住人と半地下の住人とを隔てる格差。格差の見えない壁は「におい」として何度も示される。
そして地上の住人がにおいに露骨な嫌悪感を示した時、半地下の住人は地上の住人を殺し、自らは地下に下りていく。
格差があからさまになり、壁を乗り越えて向こう側に行く希望も抱きにくい時代。「ジョーカー」や「天気の子」との同時代性も感じる。
予備知識なしで見たので展開が予想できず、退屈する暇がなかった。
評判通りではあるが...
あまりの評判の高さに、そこそこハードル上げて観に行きました。はい、確かに面白かったです。だが、私的に何かこう入って来ない事もあり。結論として気分が滅入りそうになる映画だった、という理由もあるのだが...
半地下生活という環境の慣れない違和感と、こんな住居ならこんな不運がありそうだな、あ、やっぱり....安易に予想的中がね。詐欺の連鎖での家族全員就職達成や、他にも総じての有り得ない感も。ブラックユーモアからシリアスに変化し、そのままラストまで行っちゃう...何か寂しさ。素直に喜べない希望感少ない話。
ま、それらがちょっと自分の肌に合わなかったかなと。
ただ、出演者全てのキャラ立てと演技力は凄いし、ストーリー展開も見事。似た映画があるかと考えても、すぐに出てこないくらい斬新且つ引き込まれる良作である事は間違い無い。ここへ来て、やるじゃん韓国映画と素直に思った。
ラスト近辺からの夢物語からの絶望感ラストには、『未来世紀ブラジル』のそれに近い...も少し希望をくれよ感があった。
全378件中、301~320件目を表示