パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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"寄生虫"は悪なのか
ポン・ジュノ監督作品は「グエムル-漢江の怪物-」、「母なる証明」、「スノーピアサー」観賞済。
カンヌ国際映画祭のパルムドールを獲得した事や以前観た監督作も(色々な意味で)印象に残っていたので、公開後早めに観なければと思い観賞。
観賞後、個人的には今の時勢をテーマにしながらエンタメとしてもちゃんとまとまっている、名作と呼ぶに相応しい作品だと思った。
「パラサイト」ってタイトルから、序盤から中盤の展開は笑いと共に予想の範疇ではあったものの、元の家政婦が訪ねてきた辺りからは半地下家族と共に事態に巻き込まれていく様な感覚で加速していくストーリーを味わってた。
収入格差を金持ちは高台の一軒家、貧困にあえぐ主人公一家をトイレよりも低い半地下、家政婦の夫は光も届かぬ地下として、住む場所の"高さ"で象徴的に表す演出は一目でキャラクターの立場が解る素晴らしい演出だった。
貧困層のことを気にかけていない(豪雨の後の奥さんの会話が顕著)高台の一家や、そんな一家と触れ合う機会があるからこそフラストレーションが溜まっていく半地下の父親、そして光も届かない地下(触れ合う機会もない)だからこそ社長を崇拝している家政婦の夫を見ていると自分の立ち位置はどこなのかを考えてしまった。
作中で出てくる"半地下の臭い"って言う表し方も(一応作中で提示はされているものの)各々の想像の中の臭いを想起させる上手い表し方だと思った。
また、最後のシーンが父親との再会で終わるんじゃなく半地下の家で手紙を書くシーンに戻って終わるシーンが、(劇中の父親の言葉を思い返すと)おそらくその"計画"は実現しないんだろうなと思わせる、一度半地下に堕ちると(いくら一家の能力が高くとも)高台まで這い上がるのは難しい、哀しいけれどとても現実的な終わりだと思った。
「ジョーカー」を観た時にも思ったものの、あからさまに社会が悪いと作中で言わずとも、持てる者と持たざる者の関係を描いていく中で自然と問題が浮き上がってくる作品は素晴らしいと思う。
観賞後に調べてみると、北朝鮮からの核攻撃対策の為に防空壕として作られその後住居用に貸し出された"半地下"と、同様の目的で作られた"シェルター"、元々住んでいる場所も住居用に作られたものではない"パラサイト"しているものなのを知って驚いた。
また、地下に住んでいた家政婦の夫が半地下の父親が同じ"台湾カステラ"の店を経営していたのを聞いて呆然としたシーンがあったけれど、観賞時はその意図が解らなかったので観終わった後に調べてみると、"台湾カステラ"が2016~17年頃に韓国で大ヒットしていた中でとあるTV局のドキュメンタリー番組で「大量の食用油や添加物を混ぜていたり、安い粉ミルクや賞味期限切れの生クリームを使っている」と告発してブームが即座に終了。
その後番組の内容がフェイクだったと解るものの、その頃には消費者の興味はすでにゼロで「元台湾カステラ店のオーナー」の失業者が増えた=社会に踊らされたせいで高台の一家になり損ねた共通点だったってことを知って、実際の事件や事件がきっかけで今実際に韓国で起こっていることも舞台装置として組み込んである巧みなストーリーに驚いた。
全員の演技が素晴らしかったものの、個人的には半地下家族の父親役のソン・ガンホさんや妹役のパク・ソダムさん、社長一家の家政婦役のイ・ジョンウンさんが観終わっても印象が未だにこびりついてる位強烈で素晴らしかった。
また、社長一家の姉役のチョン・ジソさんは声優の花澤香菜さんに似ているのでアニメファン、声優ファンの人は変なバイアスが掛かっちゃうかもw
「ジョーカー」では持たざる者を描くことはあったものの、この作品はどちらかだけに寄らず3つの階層を描くことで、階層の高い人は高い人なりに、低い人は低いなりにお互いの理解と問題を深め観賞後に優しくなれる作品に感じられた。
いかにもパルムドールな作品
だいたい、世界的な映画祭の審査員に選ばれると、それだけで浮わついてしまい、なんとか自分の“爪跡”を残せるような作品に賞を与えてしまいがち(こんな作品を選んだオレってカッコイイ✨、みたいな)
なので、カンヌのパルムドール受賞作品はたいてい一般ウケしないものですが……
この作品にイマイチ入り込めないのは、社会的底辺家族のわりに明るく、団結力もあり、身なりもこざっぱりしていて、“悲惨さ”を感じさせないから
それは『ジョーカー』と比較すればよく分かりますよね(ま、あの作品はホアキン・フェニックスが凄すぎるのですが)
ただ、安易なハッピーエンドにせず、格差の負け組から抜け出すには金持ちになるしかない、という終わりかたは、作り手のプロ魂を感じて良いと思いました
怒りの映画
これは怒りの映画だと思った。
韓国映画らしい娯楽性に富んだブラックコメディで、笑わせたり、ゾクゾクさせたり、泣かせたりで楽しませてくれる。時計回り最高。
前半、コロコロと騙される社長一家に笑わされるが、後半の展開に、彼らは無知で無邪気な支配者の象徴なのだと分かる。まるで「パンがなければケーキを食べればいい」のマリーアントワネットみたいな。結局彼らにとって家政婦も運転手も家庭教師も、自分たちに仕える下民であって、信頼はしても決して友人にはなれないのだ。
怒りの引き金になる例の匂い。鼻をつまむ仕草がスローになった時は思わず笑ってしまったが、あの匂いというのはつまり、貧乏くささなんだろう。どんなに変装しても上手く演じても、消すことのできない貧乏くささ。主人公はそこに絶対的な断絶を感じて怒りが爆発するのだ。刃は、人はいいが紛れもない支配者である社長に向けられるが、そこにあるのは格差を生んだ社会への怒りなんだと思う。
あと、モールス信号の手紙の件は、インターステラーみたいなあり得なさで笑った。
衝撃、なにこれ、壮絶なかくれんぼ
寝不足状態で21時スタートでみましたが、眠気が一切こず、衝撃的。
序盤のパラサイトの過程には感心し、途中の元家政婦の真実からは、なにこれ状態に。
壮絶なかくれんぼにはハラハラドキドキでした。
半地下に残された希望とは
恥ずかしながら、ポン・ジュノ作品は初観賞。
序盤のコメディから後半のホラーまで、観ている間私の心の中にポン・ジュノ監督が寄生し、予想はことごとく打ち破られ、えもいわれぬ感情と興奮、すぐそこに同じような現実があると言う嫌な余韻が残された。
ただ意外性を出すためだけの捻りではなく、自然に必然的に物語のツイストを生んでいく見事な構成。
そして、序盤に下から見上げる階段のカットを何度も見せてある種のケイパーものとして観客を惹きつけておきながら、クライマックスの俯瞰のカットで一気に観客を引き離す。
キム一家に感情移入して見ていた私は、最後の父親の行動に戦慄を禁じえなかった。
何も理解していなかった。
完全なる地下で富裕層を崇拝する人々に同情を禁じ得ない心と、地上の人々と同じような生々しいプライドを併せ持つ彼らは、足掻いても足掻いても半地下という地獄から抜け出せない…。
その象徴であり、最後のトリガーとなるのがまさかの匂いだとは…!
これがエンターテインメントの真髄だ。
『ブラッククランズマン』『ブラックパンサー』は黒人が受け続けてきた差別を、『万引き家族』『アス』は貧困層を描いてきたように、観客を魅了し、混乱させ、痛烈な問いを投げかける。
半地下の家にさす窓の光は希望、それすらも失った彼は…。
もう今作を見る前には戻れない。この映画は生涯我々の脳裏に寄生〈パラサイト〉し、映画以上に悲惨な現実から目を背けさせてはくれないのだ。
半地下から地上を見る
吉祥寺のレイトで席がかなり埋まっていたので何故こんな人気あるんだと思ったらパルムドール受賞作だったとは。知らずに鑑賞。
韓国の上流階級と底辺の描き分けがエグい。
些細な異物でも上流から下に、そこからさらに下に、底辺に届く頃には抗えない大きな力になって命すら脅かす様はただただ無情としか言えない。
ただ、上には上がいるとも監督は言っている。
結局上に行くにも下に行くにも自分で決めないといけないんだ。
匂いがするような気がした
韓国の映画はグロテスクな描写が多いので、苦手意識があります。
今回は覚悟を決めての鑑賞。
序盤からテンポの良いストーリー展開と散りばめられた設定の対比にぐんぐんと物語の世界観に入っていけました。
気持ち的には上流階級とシンクロしたいな〜と思っているけど、主人公達までとは行かないにしろ困窮している生活環境に激しく共感してしまう。
中盤を過ぎたあたりから、物語の落としどころに考えを巡らせますが、やはりそこは十八番のグロ描写が。
私は一人で鑑賞していましたが、周りは年配のご夫婦が多く、平日の昼下がりということもあってか夫婦のイチャイチャシーンとラストのグロ描写で周りは凍りついていました。
まぁ、R指定映画だし。
最近の映画では反社会的な思想や行動を主軸とした作品が高く評価されています。
「ジョーカー」も正義やモラルを問う作品でした。
今作では格差社会、生活環境、価値観を問われます。
これを観たあなたの価値観は、作中の誰に共感しましたか?
私は「俺はこの場所に似合ってるか?」と聞いた主人公の台詞に共感しました。
自分が努力や偽らなければならない日常を平気な顔で過ごしている人がいる。
どんなに繕っても埋められない人間としての開きがあるように感じる。
上を見上げればさらなる高みが
下を見ればどこまでも深淵が広がっている
私は今の自分の位置を維持することで精一杯です。
精一杯と思ったら、あとは落ちるだけなのかも知れません。
そんな、なんとも言えない不安を身近に感じる映画でした。
脚本のクオリティが低い。。
なんでこんなに高評価なんだろう。。
脚本でいったら、ジョーカーやアスの方が圧倒的にクオリティが高いよ。
伏線なのかなと思ったら、全然、回収出来てないし、
これおかしくない?と思ったことは、そのまま放置で、ご都合主義で話が進んでいく。
そのため、全体的に嘘くさい話になってしまっている。
社会問題を描くのは良いんだけど、エンタメ作品としての、最低限のシナリオのクオリティは担保してほしい。
以下ネタバレです。
裕福な家族が、なぜこんなに簡単に騙されるのか?
自分の実力で成功した会社経営者だったら、相当頭が切れる人のはず。
名刺渡されたり、紹介されても簡単に信じないで、すぐにスマホで検索したり、知人に聞くなりするはず。
奥さんから報告を受けたら任せっきりではなく、もっと的確なアドバイスをするだろう。
それに、彼らは、貧乏家族が付け焼き刃で覚えた教育知識よりも知識がないってどういうことだろう。
教育熱心な家庭は、普通は親自身もちゃんと勉強していると思うけど。。
実はこの裕福家族は騙されたフリをしている、というどんでん返しがあるのかと思ったら、そういうことも無いし。。
最初に紹介してくれた友人はお前なら信じられると言いながら、簡単に裏切られてるし、彼は何を根拠に信じたんだろう。。
友人にも裏があって、実はそんなお美味しい話ではないという伏線なのかと思ったら、そういうことでも無かったし。
他にもたくさんあるけど、リアリティの無さが気になってしまい、僕はそんなに良いと思えない映画でした。
題材は良かっただけに残念です。
計画と夢は似ている。
計画を立てるから失敗する、失敗しないためには無計画が一番というシーンで、私は計画という言葉に夢という意味を重ねて見てしまいました。
夢を見るから叶わない。
這い上がりたくても這い上がれない。
そんな貧困家族の姿と、自分自身の夢の叶わなさを重ね合わせて、とても切ない気持ちになりました。
でもラストでは計画を語り、叶うか分からない夢をまた見る。
恨んでいた訳ではないはずなのに家主を殺してしまうシーンも、とても切なく感じました。
生活の匂いは簡単には消せない。
どんなに見た目を取り繕っても、演技をして違う人のように振る舞っても、気付かれてしまう。
こんな生活になったのは誰のせいなのか、世の中のせいなのか…
やり場のない思いがたくさん詰まった作品だと思います。
私から見たら、シェルター地下室での出来事も含めてみんないい人に見えてしまいました。
いい人という言い方は語弊を生むかもしれませんが、みんな自分の事を自覚してると思ったからです。
いいシーンは半地下の家が水没していくところ。
どうにもできない現実をよく表していたように思います。その中で煙草を吸うシーンなんてまさに。
ちょっとなぁと思ったところは、
石というか岩というか、あれをフューチャーして出す必要性がよく分からなかったところ。
モールス信号を家主の子供が解読していたのに特に何もなかったこと。(ただの舞台装置だったのかな)
減点と加点を繰り返し、最終的には☆4.5くらいかなという感じでつけました。
とても重い内容の映画ではありますが、笑えるシーンもあり、
北朝鮮の朝鮮テレビものまね上手すぎて笑いました!
砲丸投げのシーンはどこのガラスが割れたのかとても心配です(笑)
2020-4
さっきパルパティーンを見たばっかだけど、もっと怖い人が出て来た。
パルムドール、昨年は『万引き家族』でしたが、今年は半地下家族。
ポン・ジュノ監督だから絶対一筋縄じゃいかない作品だろうなと思っていましたが、その通りでした。
まざまざと描かれる貧富の差。
途中まで、この対比を笑えばいいのか?これはブラックコメディなのか?と、よくわからなかった。
そして、狂気の沙汰が始まる。
決定的な事件も起きる。途中までこの作品をどういう方向に持って行きたいのかわからなかった謎は解けたけど、ここを見るのは辛い。
貧しい一家があの手この手で、裕福な一家の家政婦、家庭教師、運転手という職を得て、
彼らが外出する時はこっそり集まってパーティする、でもいつかバレてドタバタ、、、というストーリーなら、誰かを誘ってもう1回見たいかも。
もう一つの一家が地下に住んでいて、この夫婦と一家での争いが勃発し、三つ巴の惨劇が起きるというストーリーは、まだこの映画を見ていない誰かに話したい衝動に駆られる。
殺すつもりなんてなかったんでしょう。あの仕草さえなければ。
もしかしたら、机の下に隠れている時に夫婦の匂いに関する会話を聞いてなかったら、
奥さんを車に乗せている時、奥さんが窓を開けなかったら、、、。
「匂い」と「雨」が貧困の象徴として描かれているのは、現実的で生々しい。
折しも、本日の東京は雨でしたので、しんみりとしてしまいました。
(・・?)ドタバタコメディ、ちょっとホラー。
パルムドール、、、パルムドール、、、、パルムドール
どうしてこの映画が?何が良かったのか?
“コミカルに、スリリングに、そして恐ろしく“格差”を視覚化した世界熱狂の快作”と論評していますが話が飛躍しすぎてありえない話にl。全てがありえないのでそれを実感できませんでした。苦笑してしまいます。リアルがないので現実の格差社会を思い浮かべません。カンヌがこの映画を選ぶとは?テンポが良すぎるのでアカデミー賞受けはするかも知れませんが。。。。
決して『万引き家族』と比べたりしないでください。できが違いすぎる。
万引き家族では最後に少女に会いにきた人は?で映画が終わります。私はリリーフランキーとお兄ちゃんに決まっていると今でも信じて疑いません。それだけインパクトのある終わり方でした。この映画の終わり方は将来親父が隠れ続けている家を購入して親父に再会できるか?という終わり方でした。会えるはずもないと思いました。かすかな可能性もありません。ひょっとしてこの監督は格差問題が好転する可能性が全くない事を言いたかったのか?
それだったら合点が行きますが、、、、、、。
あなたの家はどっちですか?
韓国では一千万人動員したそうで世界的に大ヒットしてる作品で、それにふさわしい素晴らしい作品でした。
前半はコメディチックで、クライムサスペンス感を漂わせて展開していきます。
この時点で十分面白いのですが
後半にかけてはまるでホラー映画のようにはらはらドキドキします
ネタバレになってしまうので控えますが
俳優さん、女優さんの演技力、シナリオ何も素晴らしい
そして、貧困や格差社会に対する痛烈なメッセージを是非とも受け取って欲しい
個人的にはパク・ソダム(貧しい娘)好きでした
死ぬ人たちへ
安易に人を死なせていく必要があるのだろうか。人が死ななくても、いい作品を作ることができたのではないか。悪者はだれでもないのだから。 例えば"Sting"のようにできたら最高。
緩急への寄生
Wi-Fiへの寄生から始まる本作は、さまざまな寄生(パラサイト)を実感させる
貧困層家族が富裕層家族へ寄生していく軸がメインと捉えられがちだが、その富裕層家族もまた家政婦やドライバーなどの貧困層家族へ寄生している
彼らがいないと何もできないのだ
もう一つ印象的なのが、緩急の付け方
コメディ・ラブストーリータッチをふんだんに入れつつも、その映像の中であらゆる情報を伝える
キャンプで不在となった家で騒ぐシーンでは、楽しい場面のはずなのにどこか観客を不安な気持ちにさせる
前家政婦がインターホンに映ったとき、"悲しい殺人鬼が現れた"と思ったのは私だけだろうか
だが、その予想も裏切られた
急
半地下生活で底辺にいたと思っていた家族に、そのさらに下である最底辺の地下空間が徐々に広がっていく様は、さらに観客をスクリーンの中へと吸い込んでいった
急
緩 急 緩 急 急 急
私たちも緩急に寄生していた
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アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞・外国語映画賞
本当に感動した
おめでとうございます
「ジョーカー」、「天気の子」との同時代性
定職につけず、日光があまり届かない半地下の家で暮らす家族。
長男が金持ちの家の家庭教師として雇われたことをきっかけに、父親も母親も妹も、家族全員が金持ちの家に入り込んで生活を始めた。すなわちパラサイト、寄生。
雨の夜、金持ち一家が不在のすきに広いリビングで好きなだけ飲み食いすれば、かりそめながらリッチな気分になる。半地下の家から脱出できたように感じる。
しかし、当然と言うべきか、物語は暗転する。
金持ちの家には地下室があり、闇金に追われる男が隠れ住んでいた。
半地下の住人と地下の住人との戦い。そして、地上の住人と半地下の住人とを隔てる格差。格差の見えない壁は「におい」として何度も示される。
そして地上の住人がにおいに露骨な嫌悪感を示した時、半地下の住人は地上の住人を殺し、自らは地下に下りていく。
格差があからさまになり、壁を乗り越えて向こう側に行く希望も抱きにくい時代。「ジョーカー」や「天気の子」との同時代性も感じる。
予備知識なしで見たので展開が予想できず、退屈する暇がなかった。
評判通りではあるが...
あまりの評判の高さに、そこそこハードル上げて観に行きました。はい、確かに面白かったです。だが、私的に何かこう入って来ない事もあり。結論として気分が滅入りそうになる映画だった、という理由もあるのだが...
半地下生活という環境の慣れない違和感と、こんな住居ならこんな不運がありそうだな、あ、やっぱり....安易に予想的中がね。詐欺の連鎖での家族全員就職達成や、他にも総じての有り得ない感も。ブラックユーモアからシリアスに変化し、そのままラストまで行っちゃう...何か寂しさ。素直に喜べない希望感少ない話。
ま、それらがちょっと自分の肌に合わなかったかなと。
ただ、出演者全てのキャラ立てと演技力は凄いし、ストーリー展開も見事。似た映画があるかと考えても、すぐに出てこないくらい斬新且つ引き込まれる良作である事は間違い無い。ここへ来て、やるじゃん韓国映画と素直に思った。
ラスト近辺からの夢物語からの絶望感ラストには、『未来世紀ブラジル』のそれに近い...も少し希望をくれよ感があった。
格差社会を描く傑作コメディ
本作の面白いところは、「下」の者が、「上」の者を蹴落そうとするのではなく、
「下」の者同士(正確には、「半分だけ下」が「全部下」を)がお互いに足を引っ張り、その結果、全てが崩壊することだろう。
「下」の者同士が協力すれば、「上」から更に搾り取ることも可能であるにも関わらず、
現状を守ろうとして、自爆していく。
それほど大した「現状」でもないんだけどね。
嘘で塗り固められた不安定な「現状」に過ぎないんだから。
そんな「現状」を守るために必死になる姿が、滑稽であると同時に悲しくもある。
無数のメタファーがあるんだろうが、
(石とか、犬とか、トイレとか、臭いとか、日記帳とか…)
1回見ただけでは、それらを「解明」するには至らない。
これは何度か見るべき作品だろう。
孫にも衣装 特におばちゃん達の変わりようは凄い!
貧民も着飾れば、少しはマシに見えるが
それでも富裕層は美男美女。下層階級はブス・ブオトコ。
判りやすいリアル。
家政婦の眼鏡が家政婦として鋭い眼鏡、雨の中の普通の眼鏡、そして何故か後半の丸眼鏡と3回代わり?
追い出されて、豪邸からの退場時には裸眼にまでなるが、眼鏡でキャラクターの立ち位置を表現しているようだが、服装も変わっているので、この演出は必要だっただろうか?
大雨の中、主人公達がどこまでも降りていく階段シーンは悲しく貧困を表現する
この映画を象徴するとても印象的な名場面となった。
主人公がボーイスカウト、家庭教師先の弟がカブスカウトで嬉しくなった。
関係してモールス信号を出したところまではいいが、展開を上手く納められていない。
モールス信号は長文は不可能だし、連絡タイミング設定きない。
設置箇所の非必然性もないミス小道具となった。
インディアンに関する最初の翻訳はミス。
お陰で、鑑賞中に混乱してしまいましたが
「落ち着きがないから、カブスカウトに入れるつもり」ではなく、最初から入っています。
キーになるスマホも調理台に置きっぱなしで、その内消えてしまうし。。。
展開した数々の伏線が、回収・活用しきれなかった点が多々。
脚本の煮詰めが足りない。
身長差とは逆に 主人公と富裕妻の関係を表すようにカメラの高さを変えたり、
撮影時のカメラ位置をいろいろ考えている点は何ケ所かあった。
最初にインディアン子を慣らした理由を別シーンで説明する必要はある。
あの石はどうみても普通の石にしか見えないし、彼が避難する時に石のみを1点選んだ事により、
彼のそれまでの人生がすべて打ち消されてしまった。
ストーリ内で、もう少し石をいじる冪だ。
家政婦の旦那が刺す冪相手が違うのではないか?
性格が1番悪そうな娘を刺すのだが、そうではないでしょう。
刺すなら、妻を蹴ったおばさんか その旦那
家政婦旦那と娘はあまり顔を合わせていなかった筈なので、展開に無理がある。
スタジオ撮影が多いので、照明は完璧
スロー撮影もうまく機能していました。
若干展開に無理があるのと、家の外装と内装(スタジオ)の個々が1つの富裕家として、結びつかないのは
リアリティに欠けたが、そのスタジオ家は見事なインテリアデザインだ。
スタジオで撮ったから、 洪水シーンを入れたのだろうが
かえって、”におい”の意味合いを薄くしてしまったので、もったいない。
今のご姿勢、ストーリーに必然性がないのに鳴梁海戦をだし、日本を敵視していた点は不快だった。
カーテンもない貧民トイレは実用を考えると凄まじい! こんな環境で育つと、こういう子に育ちます。
ラストはどう結ぶのか気になったが、気休めにもならない夢で終わるのは、もう少し練った方が良かっただろう。
買い物帰りの車で裕福奥さんが裸足を投げ出している行儀の悪さは
何を意味しているのだろうか? 監督に聞いてみたい。
タイトル以外 エンドロール共にスタッフ出演者名にハングルは出てこず、
ローマ字表記のみな点は、この映画の意気込みを感じるし、
貧困問題扱えば、パルム・ドール
いかにも監督が”賞取り”を狙った本作品
汚点ばかり書いてしまったが、面白くてとてもいい作品です。
しかし僕はポン・ジュノ監督「母なる証明」の冒頭の存在感がたまらなく好きだ。
格差 コリア 教育 良い出来の映画
格差社会を実際の上流と下流に見たてて、
韓国の問題点を描き出している。
半地下の生活水準とは、現実にどんなものかわからない。
が、大学受験に4回トライ出来る、
娘は、芸大受験出来るレベルくらい。
日常生活を犠牲にしても、学歴を求めているのか?
学歴があり、サムスンに入社すれば上流で、
それ以外は、下流なのか?
財閥の家系に生まれれば、上流なのか?
日本も、他の国も、
所得水準で敎育水準が決定しないで、
能力のあるものが、出世する世の中であって欲しい。
安倍首相の桜を見る会も問題だとは思うが、
それ以上に問題なものがある。
それは、野党だ。
桜問題なんかは、弱小野党が問題にすれば良い事。
最大野党なら、もっと大事な問題を国会で議論して欲しい。
今、世界的な問題はいくらでもある。
そういう議論を国家で出来ていない事が、最も税金の無駄だと思う。
そんな議員ばかりだと、ホントにヘルコリアならぬ、
ヘルジャパンになっちゃうぞ。
映画レビューでなくなり、すいません。
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