パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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面白いけど、評判高過ぎるて
期待高めで見ただけに、リッチなファミリーが捻りなしで騙されていく導入部分で少し興醒め。後半の展開も予想を裏切るほどではなかったなー 面白かったけど。
前評判の雑音
正直、パルムドールとか高評価とかの雑音なしに観るべきだった感は否めません。いくら前情報を極力無くして観ても、どうしてもこれまで観てきた作品が作用し既視感否めない部分も。
もちろん、ふつうに観たら面白かったですし、他の方がコメントされていたように単純な富豪vs地下ではなく、半地下と地下の人々の言動と思考の差に着眼点を置く深みを感じられました。
人として同情すれども今より下はもう嫌だという嫌悪感、憧れの富裕層の何気ない言動にもキレてしまう感情が渾然一体となり恐ろしい世界が繰り広げられました。
あと
韓国の女優の美しさと強さには、いつ観ても感嘆すわ。
パラサイト
普通に面白かったけど言葉がなんか出てこない。
最後の最後まで金持ちの息子が謎だったのと留学してる友達めっちゃ簡単に裏切るやんって思いました笑。
観てて、金持ちの家族の方をめっちゃ馬鹿にしてるように感じた。地下に人が住んでいるのも騙されてるのも気づかない。何も考えないで生きてるように感じる金持ちの家族に対して半地下で暮らしている家族は計画を練って生きている。すごく計画性を主張していた。半地下の娘が「計画はなに?」とパニックになってるとこで計画がないと生きていけないように感じた。でも、後半お父さんが無計画の方が上手くいく、結局は計画通りにいかないからみたいな事を言ってて、確かに計画って何なんだろうなって考えされられました。
金持ちの家で半地下の家族がお酒を飲んでる時、自分達のことをゴキブリって例えてて少し悲しい気持ちになった。でも、それを否定したい父。また、何も悪くない前の運転手を追い出した事に罪悪感を感じてるシーンも暗かった。後半はとくに重い話だった。半地下の臭いがしても伝えなかった金持ちの家族。臭いがしている事を知っている半地下の家族。臭いで表現しているとこが本当に良かった。これでもとても悪い人が一人もいないこと。
雨が降った時の2つの家族の差もすごかった。
半地下は下水で家が水浸し。金持ちの家族は息子が庭にテントを立てて雨の中楽しそうに遊んでいる。貧困の差をリアルに感じたとこでした。
また半地下の家族と地下に住んでいた家族の違いもすごかった。同じパラサイトなのに。なぜこんなにも考えとか生き方が違うのか。この差は何なんだろうなって思いました。なんていうか、半地下の家族はもっと上にいこうと行動するけど、元々地下に住んでいた家族はこのままでいいみたいな...。この対に何があるのか。
あと、金持ちのお父さんを半地下のお父さんが刺すとこの表情が良かった。金持ちのお父さんが地下に住んでいた男の人の臭いを嗅いで鼻を押える。それを見た半地下のお父さんの何かが湧いて金持ちのお父さんを刺す。貧困を臭いで表してる。
映像の感じもよかったです。
万引き家族みたいなのを想像してましたがサスペンスっぽくて、でも貧困がリアルで面白かったです。でもそれまでで、うわあすご!!みたいな感じが笑あんまなかったです。他の人のレビューを読むとこれは凄いみたいな感じなんですけど自分はなぜか普通に面白いぐらいで、
おかしいのか、映画観てなんも感じなくなって鑑賞力(?)みたいなのが無くなったのか...。
2人のパラサイト
半地下の家族がパラサイトというわけではなく、クビになった家政婦の夫と、彼の死後、主人公のギテクが新たなパラサイト、ということですよね?
息子が「みんな同じ匂いがする」とクンクン匂いを嗅ぐ場面が印象的。住んでいる場所、空気はそんなに染み込んでしまうものなのか、どうにもならないことなのになんか虚しいたいうかやりきれない。結局この「匂い」がギテクの心の根底に残り、元家政婦の夫が殺された時、社長の鼻をつまむ行為によって今までの鬱憤が爆発してしまう。
あまり情報を入れないようにして映画を観に行ったので、途中までは半地下の家族が社長家族を殺してあの家に住み着くのかと思った。それではありがちな話だから、元家政婦が嵐の夜にやって来た所からの怒涛の展開が凄く面白かった。
些細なことだけど、気になったのが、最初の方でみんなでピザの箱折りの内職の場面、消毒あんなに撒かれて、その箱にピザ入れて売られるの?イヤだよ!て。
最初から最後まで、楽しめた。パルムドール受賞納得の作品でした!
ドスンときた
ポンジュノ作品を観終わると、なぜか大きく息を吐き出してしまう。ドスンと現実を突きつけるが、ハラハラの連続でありつつユーモアもあって感情が揺さぶられまくった。
冒頭のシーンと最後のシーンの対比が好きで、明るさが違うところが印象に残った。物語冒頭は、貧乏でも将来は未知数で希望を感じる。(本人が優秀な子、好きな女の子と結婚する夢)
最後のシーンは、計画は決まるもそれが果たして幸せな結末になるのか不安と現実が押し迫る印象。(家族の為にが、今後の行動原理となる。それが果たして本当に幸せ?)
家や家内部の高低差が、貧富や社会構造の暗部の比喩となっており、わかりやすい上にスマートな語り口と感じた。
物語中盤で、主人公家族が豪邸から逃げ帰るシーンがあるが途中で話し合う位置。これでも、大分下がって来たのに家はまだまだ下にある。そして、下りきったら今度は浸水。
社会の下まで下りきっても、仕事も金も無く時間がある人間にとって計画とはあるだけ無意味と語る父の姿に、わかってしまう自分がいてハッとして現実を突きつけられた。
しかし、時折挟まれる笑いで重た過ぎる空気にならない点も好きだった。特に、時計回りと最後の刑事のドタバタは笑ってしまった。
受け取れなかったテーマ
個人評価:3.9
格差社会を半地下と高台にそびえる邸宅を比喩に描き、貧困層の臭いを消せない烙印と描写しているのか。
今まで韓国映画は、誇張し過ぎる演技と脚本が、肌に合わなかったが、本作は1コマ1コマがリアルな会話劇で、入り込める作風であった。
ただ前評判のような意表をつく脚本ではないと感じる。
半地下から地下へと堕ちる、計画を立てない事を美徳とする父親の哲学と、脚本の組立て方がリンクしているのだろうか。そしてその哲学は韓国では主流で、格差が生まれる要因なのだろうか。
韓国の社会性と、エンターテイメントも備えた作風ではあったが、パルムドールを受賞した要素を紐解く事は出来ず、きっと格差社会だけではない伏線や、伝えたいテーマを受け取る事を私が出来なかったのだろう。
パラサイト
面白かったー!
途中からミニョクが突然帰ってきて家族でやってるのがバレてゴタゴタになる展開を予想してたのに、まさか前の家政婦の旦那が地下にいるとは予想してなかった!
富豪層と貧民層の考え方の違いが最後お父さんがパク社長を刺しちゃったんだろうなー
バッドエンドのようなああなるしかなかったような。
私はあまり好きなタイプの映画ではなかった。
韓国映画はそもそもあまり好きではないんだけど、知人が韓国ドラマとか映画が面白いって言ってたのと、前回のエクストリームジョブのリベンジと、評価も高かった為、冒険で見てみる事にしました。
結果、すんごい微妙〜〜〜
つまらないって訳じゃないんだけど…
韓国映画ってグロいというか、エグいっていうのをスッカリ忘れてた💦
なんか内容もぶっ飛びだし、ちょっと度が過ぎてるというか…
そんなに上手くいく???ってのもあるし。
なんとも言い難い映画でした。
ビジュアルが好き!
期待が大きかった分観終わった後はあっけない感じもしたけど、うんやっぱり面白かったです。
全体を通してビジュアルが好き!♡
お金持ちのお家、素敵すぎるでしょ。
住みたい住みたい🤎⭐︎
対して半地下の方は…
対比がすごいですね。
ストーリーもはじめから引き込まれてずーっと熱中して見れます。
まさかの事態がどんどん起こって、あれよあれよと。
くすっとくるシーンもあるけど最後の方はハラハラの連続。
終わり方は個人的にもっと期待しちゃってたけど…
一言、おもしろいです!
終わってからポスター見てゾッとするのわかります。
格差社会よ
「ジョーカー」とちょっとテイストが似てる。
貧困層を描いてそれに共感する人に訴えかけるのが世界の潮流なのか?
日本より色々と深刻な社会的な問題が進行している韓国。
初めてちゃんと韓国映画をみました。(韓流ドラマは見てましたが。)
日本人は隣の国の高品質なエンタメを反感抜きでもっと見るべき。
最後は「まあこうなるよね…」という終わり方。
障がい者になった息子があの豪邸を買い上げるなんて夢のまた夢(あるサイトでは8億と見積もられていた)、だとしたらお父さんがあそこにいるのを知りながら、なにもできずに一生暮らしていくなんて、ホラーすぎる。
怖すぎる。
でも脱出したとしても犯罪者&賠償金?がえげつないだろうし。
半地下から半地下への移住が最適解なのかもしれない…と思うと陰鬱。
一つ不思議だったのが、男の子はなんでモールス信号をスルーしたんだろ??
あのシーンはなんの意味があったのかな?
2020/2/11追記。
アカデミー賞作品賞をとった!とラジオのパーソナリティーの男性が話してた。
で、続く言葉が
「日本にも可能性があるってことですよね!」ってコメント……。
は?なにいってんだ。
100年かかっても日本には無理じゃね?って思う。
アシスタントの女性が「そう、ですね……」って引いてたのが印象的。
時間がたってからじわじわ心を侵食してくるある意味トラウマ映画。
半地下の意味に。。
観てきました。パラサイト。
まず、、音楽がとてもきれい。
そして、建築がカッコよくて、大きな窓からみるお庭が
とても素敵でした。
パク・チャヌク監督の世界観が炸裂しているそんな映画。
カメラワークも良くて、貧富の差がすごくよくわかる映画。
あるコメントに線で分けられてると書いてあったけれど、大きな隔たりがある。
そして、なんだか最初からなんとなく
いやーな気分。お金持ちを騙すって、こんな感じなのかなー。。怖い世の中です。
貧富の差が描かれる本編。
韓国でも、こんな貧富の差があり高台にある富裕層のお家と、低層にあるお家の対比が描かれて。
雨も高台から低層に流れて。。
ひどい洪水に家が汚水に浸かって。。臭いのことがキーワードにも。
洪水の被害で体育館に避難するひとがいる一方で行われるガーデンパーティ。
富裕層の一部のひとは災害に苦しんでいることには無関心。
ただ、雇っているお手伝いさんが留守の間にこんな風に過ごしてるとしたら、本当に嫌だ、、と思いました。
ネタバレになるのでなかなか書けないけれど
予想もしない展開に最後まで目が離せませんでした。
その場にまるでいるような、すごい体感でした。
今もまだその世界から抜けられず。。
その映像がフラッシュバックして、はっとなり、、観なければ良かった。。とも。苦笑
わんちゃんもかわいそうで、愛犬家としては何とも。
どうかこんなに悲しいことが実際に起きませんように。
社会問題に鋭く切り込む内容に、観客のひとりのわたしは深く考えさせられるそんな映画でした。
小さな男の子の描いた絵にもキーがあり、、いま考えるとぞくっとします。インディアンにはまっている意味にも、小さなテントに隠れる意味も、、考えるとすごく深い。
また観たい?と聞かれたら わたしはもういいかな。
でも、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。
気になる点が多かった
日本公開前からスゴい映画と評判だったので観に行きました。
評判通りすごく面白かったし、格差社会についても考えさせられました。
しかし、気になる点が多かった。
以下に挙げます。
・キム家の長男、あんだけ優秀なら大学行けてるはずやのになぜ4浪?行く大学こだわってるのか?
・妹もバイトでも良いから働けば良いのになぜ働いてないのか?母も同様に内職じゃなしにパートで働けるのでは?
・家政婦さんの桃アレルギーあそこまでひどくなるかな?食べたとかならともかく。
・地下室の一件があって、元家政婦さんにマウント取られるけど、よく考えたら元家政婦さんだって夫の件がバレたらヤバいんだからあの流れはおかしい気がする。北朝鮮のアナウンサーのマネは似てたし面白かったけど(笑)
・パク家の息子がモールス信号解読出来る設定だったのにランプの点滅に気付いても結局何もしなかった。
・パク社長がキム家主人によって殺されるが、殺す動機がいまいち分からなかった。いくらプライドが傷ついたとしても殺すか?
・終盤主人公が山に登るが、劇中に登るシーン何回かあったか?息子がパク家を見下ろせる山に登る習慣があって、かつその事を父が知らなければモールス信号は読み取って貰えないはず。息子が山を登って家を見下ろし、ランプの点滅に気付いてくれる確信がなければ意味が無い。後付けな感じがした。
気になりだしたら、キリが無いのでこれくらいにしときます。
映画自体は本当に面白かったので、確認がてらまた観たいです。
素晴らしい映画だからこそ惜しい
見終わった後に重苦しさが残る。それは殺人が行われたせいなのか、クライマックスの展開が予想外だったせいなのか。
前半はテンポ良く進み、無駄なシーンも無いと思いました。キャンプに行った後4人で飲み食いするシーンや家政婦が再び出てきたシーンがテンポに欠けていた気がします。
ラストは上流家族を家から出したい、半地下の人はずっと半地下に居させたいという考えありきで話を作ったようで、受け入れるのに時間がかかりました
伏線も生かされていたし、タイトルの意味も考えさせられる。いい映画だからこそ、もっとうまいラストを期待してしまいました。韓国にはこのような事件があったのでしょうか
凄まじい映画だけど.......
※個人的な意見です。
衝撃を受けるやジェットコースターに乗ってる気分になるとかを聞いてとてつもなく楽しみにしていました。けれど、ホラー映画やサスペンスが大好きすぎる私にはちょっと物足りなかった。裕福な家族側にも重い秘密などあればもっとおおー!てなってたかも。
ジャンルは全然違うけれど同じ貧富社会を題材にした「US」や衝撃展開なら「告白」などの方が分かりやすく、衝撃だった。でもパラサイトはひとつひとつのことに全て意味があって最後の殺人シーンでギジョンだけが亡くなったのにも意味があったり、「US」と同様に見た後の考察は本当に楽しくなる映画です。
「なんじゃぁ。そりゃぁ」的なちゃぶ台返しをしたくなった一篇
監督はポン・ジュノ。
デビュー作『ほえる犬は噛まない』から『母なる証明』までは欠かさず観たが、どうにも好きになれない監督だなぁ・・・と思うことしきりなのですが。
ソウル(かどこかの大都市)に暮らすキム一家。
両親と息子・娘という四人家族。
暮らしているのは、下町。
文字通りの下町。
彼らが暮らすのは、坂の下の半地下の一室。
だが、ある日、息子の幼馴染が、海外留学するので後釜として、坂の上の金持ち一家の娘の英語家庭教師をしてほしい、という話が転がり込み、ひょんなことから妹も父も母もその一家で雇われるようになる・・・
というところから始まる物語で、ひょんなこととはいったものの、父・母の就職には悪知恵も働いている。
で、この序盤(といっても40分ぐらいあるか)は、いわゆる「なりすまし」映画で、なりすまし映画というのは、個人的に大好きな『街の灯』『独裁者』『トッツィー』に至るまで枚挙にない。
つまり、「伝統的」な映画のジャンルなわけで、このジャンルでは、この後の展開はおおよそ決まっており、なりすましたことがバレるかバレないか、バレることに対して主人公たちがどのような葛藤があるのか、バレた時にどのように落とし前をつけるのか・・・というあたりである。
この展開には図らずも善と悪の葛藤が盛り込まれており(いかなる理由であっても、なりすますことに主人公は葛藤を抱える)、そこがドラマチックなのだが、この映画では、そこんところをすっ飛ばしている。
結局、彼らの正体(つまり本体。アイデンティティともいえる)を見抜くのが、同じ立場の人間であり、なりすまされた側(こんな言い方があるかどうかは不明だが)は、なんだかイヤな気がする(においがする)んだとしか言わせていない。
どうにもこうにも、ここいらあたりの善悪観念というか理念というかが曖昧かついい加減なので、「もうひとつの家族」が登場してからが、まるで面白くない。
どうなるのかしらん・・・とは思いつつも、「どうでもいいよ」的な感じになって、クライマックスの修羅場に至っては、「またも、修羅場!(中盤の繰り返し)」と思ってしまい、鼻白む思いでした。
個人的には、大豪雨により「半地下一家」の部屋が水没するとともに、地響きを立てて丘の上の豪邸が崩れ落ち、半地下一家も富豪一家も、もうひとつの家族も大切なひとが生き埋めになって・・・ぐらいの形而上的な展開が欲しかったところ。
(そんなこと、ありえない・・・ぐらいの展開がないと落ち着きが悪い、そう感じたわけで)。
個人的には、ジャンル映画の枠を超えようとしてがジャンル映画の定石も周到出来ず、かつ予想されたカタストロフィに落ち着いて、さらに、お尻がこそばゆい親子の情愛に落ち着く・・・という、ま、観ているうちは面白かったけど、「なんじゃぁ。そりゃぁ」的なちゃぶ台返しをしたくなった一篇でした。
クスッとし、ギョッとして、ハラハラできるエンターテイメント
馴染みの映画館で未上映だったので、日本公開2週目の鑑賞。
カンヌを制したので、若干小難しい社会派かもとの先入観もありましたが、予想以上にエンターテイメントに徹していて、めっちゃ愉しめました。
感想を以下の5点に分けて書きます。
1. コンゲームにクスッ
2. 過寄生にギョッ
3. バレそでバレないハラハラ
4. パラサイトからパラシトイド(捕食寄生者)に
5. 前評判は聞かないに限る
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1. コンゲームにクスッ
貧乏一家が、資産家のパク家に、あの手この手で取り入っていく様は、「スパイ大作戦」や「コンフェデスマンJP」のよう。
桃アレルギーを利用する辺りは、テンポも良く、映像もスタイリッシュで、単純に愉しかったです。
ただ、妹のギジョンが、資産家の奥さんを思いっきり馬鹿にしているのは気になりました。
運転手を陥れる際も、素人とは思えない手口で、貧困だからといって肩入れしにくいエグさがありました。
ギジョンが後に、悲劇的な報いを受けるのも、ここらへんのエグさから、さもありなんとなりました。
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2. 過寄生にギョッ
個人的な最大のピークは、元家政婦が隠された入り口から、更なる地下へ降りていった瞬間でした。
しかもそこに、真の寄生者が巣くっているとは。
生物学では、同じ宿主に複数の寄生者が卵を産み付けることを「過寄生」といいます。
キム家だけじゃなく、家政婦の夫まで寄生していた様は、まさに過寄生。
しかも過寄生では、異なる家系どうしで競争が生じ、殺し合うことも珍しくないです。
本作の展開も、まさにそのまま。
協力なんて、甘さは皆無。
互いのエゴのぶつけ合い。
行動生態学の予測通り。
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3. バレそでバレないハラハラ
パク一家が、キャンプから突然帰宅してからのバレそでバレないドタバタは、ハラハラしっぱなしでした。
ベタっちゃベタな展開だけど、緩急ある演出で、観てるこっちも緊張しました。
ただ、床に散乱してるはずのガラスや食べ物が、短時間で片付けられるすぎな感じは否めません。
そこら辺はファンタジーなんでしょうど、若干モヤモヤしました。
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4. パラサイトからパラシトイド(捕食寄生者)に
Parasite (寄生)とは、宿主を生かさず殺さず利用して、養分を横取りする行為ですが、寄生者の中には最終的に宿主を殺す者もいます。
生物学では、最後に宿主を必ず殺す寄生者を「parasitoid (捕食寄生者)」と言います。
本作でも、パラサイトだったギテクは、最終的にパラシトイドに。
繰り返される匂いの指摘で、いつかキレんじゃないかとフラグ立ちっぱなしでした。
そして、遂に卒倒してダソンを優先しようとする行為が、ダメ押しに。
刃に倒れた家族を無碍にされ、緊急時でも地下男の匂いに過敏に反応したドンイクに、イラッとする気持ちは分かります。
ただ、わざわざ刃物を拾い、確信をもって心臓に突き刺すのは...。
明確な殺意があるし、その後全てを投げ出して逃げてしまっては、重症の家族も救えない。
最終的に「よくこんな所に住めるな」と言っていた地下に、自ら閉じこもるのは象徴的ですが、パク一家は基本的に悪いことは何もしてないので、ただただ可愛いそうに感じました。
貧しさには同情するし、最下層をセーフティーネットが整った社会であって欲しいとは思います。
ただ社会主義ではなく、資本主義での自由競争を選択するなら、富裕層が一部突出するは仕方ありません。
パク一家が、悪事の限りを尽くして金儲けしてるなら、復讐の的になりえるかもしれません。
でも、本作ではそういった描写はなく、パラサイトの方がよほどエゴイスティックに描かれているので、階級社会への批判には感じられませんでした。
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5. 前評判は聞かないに限る
前述の通り、馴染みの映画館で未上映だったので、前評判を大分耳にしてからの鑑賞でした。
なので「予想できない展開」などの評も耳に。
「予想できない...」というフレーズがヒントになり、序盤がわりとお気楽でも、やがて悲劇に方向転換すんやろなという気がしてました。
地下パラサイトの登場にこそ、意表を突かれましたが、この時点で完全に崩壊フラグが立ちました。
家主の居ぬ間の我が物顔も、突然家主が帰ってきくるベタベタ展開のフラグ。
終盤の悲劇も、唯一の拠り所だった妻が殺されれば、夫が復讐の鬼になるのは必然。
ギテクの凶行も、匂いの指摘をあれだけ天丼すれば、想定されうる帰結。
なので、個人的にはそこまで意外な展開に、感じませんでした。
ということで、自分もこれから観る人には、なるべく情報を与えないように気をつけます。
「小難しい社会派映画じゃなく、単純にハラハラする愉しい映画だから、オススメだよ」ぐらいにしておきます。
"寄生虫"は悪なのか
ポン・ジュノ監督作品は「グエムル-漢江の怪物-」、「母なる証明」、「スノーピアサー」観賞済。
カンヌ国際映画祭のパルムドールを獲得した事や以前観た監督作も(色々な意味で)印象に残っていたので、公開後早めに観なければと思い観賞。
観賞後、個人的には今の時勢をテーマにしながらエンタメとしてもちゃんとまとまっている、名作と呼ぶに相応しい作品だと思った。
「パラサイト」ってタイトルから、序盤から中盤の展開は笑いと共に予想の範疇ではあったものの、元の家政婦が訪ねてきた辺りからは半地下家族と共に事態に巻き込まれていく様な感覚で加速していくストーリーを味わってた。
収入格差を金持ちは高台の一軒家、貧困にあえぐ主人公一家をトイレよりも低い半地下、家政婦の夫は光も届かぬ地下として、住む場所の"高さ"で象徴的に表す演出は一目でキャラクターの立場が解る素晴らしい演出だった。
貧困層のことを気にかけていない(豪雨の後の奥さんの会話が顕著)高台の一家や、そんな一家と触れ合う機会があるからこそフラストレーションが溜まっていく半地下の父親、そして光も届かない地下(触れ合う機会もない)だからこそ社長を崇拝している家政婦の夫を見ていると自分の立ち位置はどこなのかを考えてしまった。
作中で出てくる"半地下の臭い"って言う表し方も(一応作中で提示はされているものの)各々の想像の中の臭いを想起させる上手い表し方だと思った。
また、最後のシーンが父親との再会で終わるんじゃなく半地下の家で手紙を書くシーンに戻って終わるシーンが、(劇中の父親の言葉を思い返すと)おそらくその"計画"は実現しないんだろうなと思わせる、一度半地下に堕ちると(いくら一家の能力が高くとも)高台まで這い上がるのは難しい、哀しいけれどとても現実的な終わりだと思った。
「ジョーカー」を観た時にも思ったものの、あからさまに社会が悪いと作中で言わずとも、持てる者と持たざる者の関係を描いていく中で自然と問題が浮き上がってくる作品は素晴らしいと思う。
観賞後に調べてみると、北朝鮮からの核攻撃対策の為に防空壕として作られその後住居用に貸し出された"半地下"と、同様の目的で作られた"シェルター"、元々住んでいる場所も住居用に作られたものではない"パラサイト"しているものなのを知って驚いた。
また、地下に住んでいた家政婦の夫が半地下の父親が同じ"台湾カステラ"の店を経営していたのを聞いて呆然としたシーンがあったけれど、観賞時はその意図が解らなかったので観終わった後に調べてみると、"台湾カステラ"が2016~17年頃に韓国で大ヒットしていた中でとあるTV局のドキュメンタリー番組で「大量の食用油や添加物を混ぜていたり、安い粉ミルクや賞味期限切れの生クリームを使っている」と告発してブームが即座に終了。
その後番組の内容がフェイクだったと解るものの、その頃には消費者の興味はすでにゼロで「元台湾カステラ店のオーナー」の失業者が増えた=社会に踊らされたせいで高台の一家になり損ねた共通点だったってことを知って、実際の事件や事件がきっかけで今実際に韓国で起こっていることも舞台装置として組み込んである巧みなストーリーに驚いた。
全員の演技が素晴らしかったものの、個人的には半地下家族の父親役のソン・ガンホさんや妹役のパク・ソダムさん、社長一家の家政婦役のイ・ジョンウンさんが観終わっても印象が未だにこびりついてる位強烈で素晴らしかった。
また、社長一家の姉役のチョン・ジソさんは声優の花澤香菜さんに似ているのでアニメファン、声優ファンの人は変なバイアスが掛かっちゃうかもw
「ジョーカー」では持たざる者を描くことはあったものの、この作品はどちらかだけに寄らず3つの階層を描くことで、階層の高い人は高い人なりに、低い人は低いなりにお互いの理解と問題を深め観賞後に優しくなれる作品に感じられた。
全373件中、281~300件目を表示