パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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確かにポン・ジュノの過去最高傑作
韓国の至宝であるポン・ジュノ監督が作った今作は、韓国の深刻な失業率や経済格差をベースに、その中でも必死に生きる人間ドラマに昇華している。
ユーモアやシリアスが絶妙なバランスで心地良く展開していく。多少強引な部分ももちろんあるが、それほど気にならないくらいの力強さがこの映画にはあった。スノーピアサーのように下手にアメリカで撮るのではなく、韓国を舞台に撮らせれば天下一品の腕を持つのだから、これからも韓国から良作を発信していってもらいたい。
作品は素晴らしかったが、隣の隣にスマホを頻繁に見る女がいて、途中集中することが出来なかったのが残念だった。
本当に上映中のスマホは辞めてもらいたい!隣であれば注意したが、間に他の方がいて最後まで我慢した。2時間強スマホが我慢できなければ、DVDやネット配信してから家で観れば良いと思う。
ネタバレ禁止の方が面白さマシマシのエンタメ+ドラマな作品です。
昨年末から公開の話題の韓国映画をやっと鑑賞。
ネタバレ禁止との事で、ネタバレが全然大丈夫な自分ではありますが、殆ど予備知識もなく鑑賞しました。
で、感想はと言うと面白い!
むちゃくちゃ面白いです。
観る前からポスターの意味深な画像で鑑賞意欲をそそられましたが、確かにこれはネタバレ禁止だわw
古くは「シックス・センス」的な感じのネタバレ禁止が中盤から怒涛の展開を繰り広げ、「カメラを止めるな!」的な流れでテンポが一気に良くなる。
富裕層と貧困層の絶対的な階級は生き方や振る舞いはその人自身にまで息づいている。
このカタルシスは息をする様に根付いていて、業の様にへばりついている。この辺りは「ジョーカー」を見る様な虚無感。
今年のアカデミー作品賞にも初の外国作品としてノミネートされてますが、その価値は十分にあると思います。
半地下に居住するキム一家は無職かも知れないが、働けない訳ではない。
それなりのスキルと適応力があり、仕事が無いのは国の経済状況と言うしかない。
だから、最初は小悪党な感じで社会に寄生するパラサイトで小銭を掠め取る様な感じ。
スマホは持っていても通信料は払っていなくて、家の中でフリーWi-Fiを探して、通信をやっている。
食うに困る程の貧乏でもない。
社会の弱者にはなるかもしれないけど、全て貧乏のせいにする程ではないから、どこかシニカルに笑える。
それが悪知恵と策略を張り巡らし、次々と仕事を獲得していく。
大富豪に寄生するパラサイトとはよく言ったもんだと高をくくっていたら、大富豪のパク一家がキャンプに行ってからが事態は急加速。
事件が起こる様なフラグが立ったと言えばそれまでだけど、よ~く考えるとなんとなく伏線はあった。それが“こうなるだろうなぁ”と思っていたら、物凄い展開。ここからは二転三転どころの騒ぎではない。完全にやられました。
個人的にちょっと引っ掛かるのはキム一家のそれぞれの持っている特筆すべきスペックはそれなり以上の物があるのに、それを描写する前振りが薄いかなと。
また、家庭教師のギウとダへが恋仲になるのが早くない?w
高校2年生の女の子を手玉に取るなんてお手の物かもしれないけど、そんなにギウは男前でもないしw、プレイボーイな素振りもない。
出来ればそこに至る過程を写す描写がちょっと少ない。
他の設定での伏線を張り巡らし、それを回収するのが実に上手い作品なだけに細かい所ではありますが、惜しいです。
韓国映画は国の経済情勢や南北での緊張関係、国家と民族性を訴えかける作品が多いですが、この作品はそう言ったテーマとのバランスが非常に上手いです。
あのラストはちょっとどうなんだろうか?と鑑賞後にいろいろと考えました。
ある意味目標を設定して、前向きになれる要素もあり、光を見出だせると思うんですが、これをオッケーとすると全ては貧乏と格差社会のせいとなってしまうのではないかなと。
いろんな伏線が貼られたラストとしてはアッと言わせるラストであるのは間違い無しなんですが、どうもいろいろと考えてしまう。
“エンタメ作品だから、そんなに考えなくてもいいじゃん”と思ったりするんですが、こんな風に感じられるのもこの作品の奥の深さかなと言うのにも気が付きました。
格差社会の現実を簡単に白黒に割り切れる物ではないからこそ、こう言ったラストにも様々な思いが出てくるのも、ポン・ジュノ監督の手玉に取られてるのかなw
人が生きる事で染み着く物。本来は当たり前な事でも無味無臭が尊ばれる中でそれは何かを失いかけていて、有味有臭が個性と文化と人格なのに、それを認めようとしない。
そんな格差社会の強者と弱者。歪みと隙間をライトにシニカルに描き、緩急を織り混ぜながら、一気に加速するスピード感。
いろいろと言いたいけど、この作品に関してはどれを書いてもネタバレになりそうで、それに面白さが半減するかもと思うと書くに書けないw
今回はそれくらい気を使って書いてみましたw
中東の貧困・移民問題を題材にした「存在のない子供たち」の様な何処か遠い国の様に感じる問題ではなく、日本でも起こりうる問題で決して他人事な話ではないと思います。
こう言った問題を真正面から捉えるとどうしても重くなりがちな所を楽しく緩急を織り混ぜながら製作されたのは見事。
この作品もある意味、観るべき作品なのかと思います。
先日鑑賞した「エクストリーム・ジョブ」や「EXIT」もむちゃくちゃ面白かったんですが、韓国映画はレベルが高い作品が非常に多い!
ネタバレ禁止の方が面白さがマシマシになる、ドラマとエンターテイメントを織り混ぜた一級品な作品で勿論どころかむちゃくちゃお薦めです!
対比
なんだろう、韓国映画に出てくる、貧しいながらも仲良く、どつきあいながらも楽しく暮らしてる家族。今回もあの半地下の家族はそうだった。いつも四人で賑やかに食卓を囲んでいて、粗野だけど、ユーモアがあり、結束力があり、生命力を感じる。窮地に落ち入った時も、自分達さえ良ければいいのではなくあの地下の存在のことも気にかけて行動していた。最後は悲劇で終わってしまうけれど。一方あのお金持ちの家族は、あの広い家で、バラバラに過ごしている。でも愛がないわけじゃない。両親は子どもたちを愛していて、家族写真を撮ったり、豪勢なお誕生日パーティーやキャンプをしたり、子どものために家庭教師を雇うなど金に糸目はつけない。家族を愛する気持ちに嘘はないのだ。夫婦仲も悪くない。だけど、家族全員がお互い本当のことを言ってなかったり、表面的な感じは否めない。四人がそろって食卓を囲むシーン、夫婦が一緒に食事するシーンは一度も出てこなかった。贅沢で洗練されているけれどあまり体温が感じられない生活。そして大人のエゴも感じる。仮面をつけて生きているような。自分たちの家族は愛してるけれどそれ以外の存在には興味がないという態度。子どもたちはそれに敏感に感じとって、大人を欺く振る舞いをする。その対比を描きながら、時に笑わせ、手に汗握らせる展開に感情を揺さぶられながら観ていた。あのお金持ち家族がその富をもう少し社会に還元していたら、彼らの運命は違っていたかもしれない、とも思う。あんな生活は実はサステナブルではないのだ。貧しきものがどんどん下流に流されていくさまは見ていて切ない。そしてその解決策が、お金を稼ぐということに行き着くのも虚しい。前半はあんなにも笑わせ最後そんな重く虚しい気持ちにさせるポンジュノ監督の手腕に脱帽である。
社会派?単なるコメディだろ
全然深く無いしリアリティが無いんだけど、、、
絶賛する人って普段どの映画見てるんだろ
単に格差を対比したからって社会派と軽々しく呼ぶのはどうなんだ?
半地下やら完全地下やら高台やらその構図は面白い。この映画のアイコンでもあるし、見せ方や演出はエンタメの王道って感じ。
ただそれぞれが単なる事象で肉付けが薄いんだよね。
途中まではテンポが良くシンプルに進むので全く頭を使わないが半地下家族が詐欺を働く過程は批評家気取りのオタクだったら穴だらけて言うのでは?(この作品を観る層には居ないようだが)
特に前家政婦を陥れるには病院の写真てあれだけで信じるのか?裏取りしない金持ち妻の浅はかさ。
金持ち高台一家が越して来てからの付き合いの前家政婦との信頼関係を無視して、コネが一番だと言いながら、ぽっと出の運転手の言う事を鵜呑みにするのか?
金持ち妻は主人に相談できずにバレたら追い出されるみたいな言い方にも疑問符。
人の良い金持ち夫婦に見えてもそこにも上下関係が滲み出る。確かに家事が全く出来ないのに仕事もしてない顔が良いだけの奥さんとか完全下だけのペットと社長の主人が思ってても否定出来ない。無意味なエロ描写もあったしね。(会話は意味あったけどイチャつき程度で結構)
金持ち社長の主人についてはそこまで掘り下げは無かったけど、下の息子の遊び相手になるくらいには家族として成り立っているんだと思う。
そう言えば半地下長男は親友をナチュラルに裏切って金持ち娘を落とすのも天晴れだわ。
清々しく良心の呵責無し!
金持ち娘と親友の本当の関係は定かでないが、親友の言う通りなら娘は簡単に浮気するし、違くても簡単に落とされ過ぎだがテンポ重視でリアリティ無視だね。
金持ち息子はキーになりそうなネタを振り撒きつつも全くネタ回収しないし全然キャラ立ちしなかった。
半地下娘との初対面をキッチリ描ければ脚本に信頼性が出たのに描けなかったのかテンポ重視かカットだし、面白さ減だね。
まあでも初っ端から半地下家族はクズ一家だよね〜
貧乏だから許される?
何で家族全員で前のめりに詐欺をするんだ。誰も止めもしないし、全員全く良心の呵責は無いらしい。映画で語られる優しいか冷たいかという金持ちか貧乏かの次元でなく、犯罪かどうかの別枠で一線など見えないかのように軽々しく越えていく。
半地下長男の大学証明書の偽造なんて「そのうち合格する(決意)んだからちょっと早く証書を受け取っただけだ」とか何カッコいい風に言ってんだ?常人からすると詭弁を垂れ流すなて総ツッコミするところ。
これに共感してたら人としてヤバイ…
まあここまでは受け入れたとしても、金持ち家主の不在中に半地下家族が総出で不法侵入してここは俺らの家発言とかも下衆いな〜とか。
職にありつくだけじゃなくやり過ぎるのもリアルよりコメディだなと。
家主不在で勝手に前家政婦を家の中に入れる半地下妻も家政婦として駄目。まあそうしないとストーリー繋げられないし韓国内ではままあるものとして問題無いのだろう。
正直まだ前家政婦の方がスキルも評価も高いように見えたが低レベルな半地下妻は飼い犬への扱いも雑で人間的にも駄目。
ジャージャー麺でスキルの低さを露呈するかと期待したがそう言う綻び方面には行かず。
そして完全地下夫婦も出て来て二転三転するけど、そっちも結果狂人だし。
ただ狂う要因も察せられるし、こちらの方がまだ人間味あり。
前家政婦も結局庶民の出で借金だるまの夫を匿うのに不法侵入してるのは夫婦愛が間違ってるがやむを得ない事態に迫られてと思える。
前家政婦のほうは仕事は評価されるほど真面目にやって来たのに陥れられて同情すらする。
ただすったもんだの挙句、前家政婦の死が確定する前に完全地下夫が殺人し始めるのはいきなりの暴走に見えてしまった描写が悪い。あの時点で死んでたのが明確なら半地下家族への恨みの発露とは分かる。暴走前に亡き妻に号泣するカットでも入れれば良いのに。
殺人or未遂描写が前家政婦=半地下息子=半地下娘=完全地下夫=社長
が大差ない描写でコイツ死んだとは現場で不明。息子あれでよく生きてたなとか。
まあ文脈では分かるがそれじゃつまらないね。淡々と描いてるから何がしたいのか冷めた気分で見てた。
ただ半地下主人が成り行きで金持ち社長を殺害するのは酷すぎる。臭い差別で人殺しに至ったと文脈に納得できるなら世の中安易な殺人だらけだ。
もし結果が逆なら、半地下主人は逃れられない殺人に直面してパラサイトの露見を悟りその罪を家族に押し付けて自分は逃れたい→完全地下を隠れ屋にするよう自分が成り変われば良い→元中古物件なら殺人現場は売り出される→社長が死んだら資産が無くなり確実に売り出される、とここまで逆算しての殺人ならクレバーだったけど、度々の無計画発言や隠れ屋は思いついたとの言葉から社長へは衝動的な殺人以外の何者でも無く超ガッカリ。全く共感できない。
ちょっと悪口言われた子どもの逆ギレと同レベルで殺人するな。
こんなのに貧乏を言い訳に使うな。臭いと言う視点は斬新だが社会派と言う言葉は値しない。
まあ最後は半地下長男の妄想で終わったけど、日本ならどう考えても将来は無い。
絶対的貧困での格差では無く、前科者になったことによる自業自得でしかないが。
普通に努力して有名大学進学して一発逆転する一縷の望みがあったのに阿呆なもんだ。
最後はコメディとしても失速だったな。
まあ口直しに誰か本当の絶対的貧困を描いた作品を教えてください。
パラサイトはある
ハラハラドキドキのコメディ多めの密室ドラマでこのまま終われば笑って映画館を後に出来るのに。
地下から出てきた妻を殺された夫の殺意には同情の余地があるが、父の殺人の動機に格差社会が温床とまで同意できるものが無かったのが1番のモヤモヤ。
最近の映画は終盤の殺人に道徳をぶつけてくる。
落ちに皆殺し痛快な映画は沢山あるが、動機に必然性を考えさせるエンターテインメント映画が最近増えている。
何ハラスメント?とか考えながら見る映画。これも一つのムーブメント。
他者を意識し共存していくのが人間社会。パラサイトとは共存。この映画から学べることがあるとすれば、自己と他者に優劣をつけ一方が悪意をもつと共存が成り立たなくなるということ。
貧富の差は無くならないかもしれないが、共存していくことがハッピーエンドのコツかもしれない。
もう怖いって…
鑑賞後、見たくなかった、と率直に思った。
それくらいに現実を見せられた。
放心状態が30分ほど続き、その後思ったのは「もう一回見たい」
すごい映画だ、やはりポンジュノは怪物だ。
ストーリーは目が離せない展開で進んでいく。
ドキドキハラハラ、びくびくするシーンもある。しかし、最も怖かったのは、半地下から抜け出せないことに気づいた時だった。
我々は人生で何度境遇を呪うだろう。
この映画を観たあと、強く自身の現実を悲観し、呪った。
こんな気持ちにさせられる映画を観るべきではなかった。
面白いのひとことで済ませてくれないのが、ポンジュノなんだ。
この映画が社会風刺的に、世の中を変えてくれることを望む。
人生において計画することなど無意味だ。
無計画こそ、失敗しない唯一の方法だ。
わたしはあんな父のようにはなってはいけないのだった。
家族を光へ導ける存在でいなければいけないのだ。
あ~ジャージャー麺が尋常じゃなく食べたい。
残酷なエンタメ
すごかったー。レイトショーで観て、興奮して眠れない。。
韓国映画をちゃんと観たのが初めて、というのもあるかもしれないけど、かなり衝撃的でした。
最初は、ポップな「万引き家族」みたいな感じかな?と軽い気持ちで見てたけど、ええ、そうなるの?!後半、怒涛の展開。
荒唐無稽かもしれないけど、振り切ってていい。エネルギーがすごい。
でもけして大味の作品ではなくて、いろんな複線が、人物描写が丁寧に織り込まれている。
そして貧困の描き方がえぐい。
大洪水で、半地下の家族たちは避難所にいる中、お金持ち一家は「雨のおかげてPM2.5もとんでない」って上機嫌で豪華なパーティーの準備してる。
人並みに働いても、見た目を取り繕っても、染み付いている地下の匂い…とか。
「もしこんな広い家で暮らしてたら、私だって優しくなれる」っていうのは、本質をついていると思った。
うまいなー
面白いからレビュー読まずに観に行って!
パラサイトはどっち?
笑いあり緊張ありで満足
家族愛の深さ
地下に潜れば潜るほど家族愛と家族共有のにおいが強くなる構造が階層社会を良く表していました。家族仲が良いのが貧困をテーマにしたコメディを暖かい笑いにしていて好きでした。
製作した人々も観ている我々も、彼らと同じ「層」にはいない
パク・ソダムの不思議な魅力
ネタバレになるので、ストーリーには触れられないけれど、ジョーカーといいパラサイトといい、泥棒家族といい、映画は貧富の差の現実に大きな疑問を投げかけて問題提起をしている。
ジャーナリストたち、ちょっと映画を見て反省しろ。現実の厳しさをもっときちんと報道してほしいと言いたくなる出来です。そんなリアリティがある。
でも、映画としての出来も1級品です。独特のユーモアとスリリングなスピード感で、最初から最後まで楽しめました。
そして、韓国女優の新しい星、パク・ソダム! ソン・ガンホも素晴らしかったが、娘役の彼女の不思議な魅力に圧倒されました。1970年代のヌーベルバーグ女優のようにタバコのシーンが決まっていた。明らかに整形していないモンゴロイド少女のみずみずしい風貌。
東アジアの映画界にまた、新しいヒロインが生まれましたね。日本映画にもぜひ登場してほしいです。是枝さんオファーしてください。
豪邸と半地下の狭間で
ものすごく速いジェットコースターに乗ったような感覚。ジェットコースターって上る時のドキドキ感もすごいけど、下りるときが一番怖い。地に足をつけて生きているからなかなか体が浮いてることなんてないから慣れてなさにハラハラする。そんな感じ。テレビや雑誌で豪邸を見るのが大好きな私にはたまらない広くて綺麗な豪邸と半地下で暮らす貧しい人々。めちゃめちゃ怖かったし面白かった。感情がおかしくなる。悪夢を見て起きた朝のようにどっと疲れました。脚本が複雑に入り組んでいて、心をぐっと掴んで離さない。何が起こるかわからないのって怖いけど面白いんだな。ネタバレ厳禁だから詳しいことは話さないけど、パラサイトという恐ろしいジェットコースターに乗った人と語りたくなりました。
いつの日か・・・
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