パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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匂いがするような気がした
韓国の映画はグロテスクな描写が多いので、苦手意識があります。
今回は覚悟を決めての鑑賞。
序盤からテンポの良いストーリー展開と散りばめられた設定の対比にぐんぐんと物語の世界観に入っていけました。
気持ち的には上流階級とシンクロしたいな〜と思っているけど、主人公達までとは行かないにしろ困窮している生活環境に激しく共感してしまう。
中盤を過ぎたあたりから、物語の落としどころに考えを巡らせますが、やはりそこは十八番のグロ描写が。
私は一人で鑑賞していましたが、周りは年配のご夫婦が多く、平日の昼下がりということもあってか夫婦のイチャイチャシーンとラストのグロ描写で周りは凍りついていました。
まぁ、R指定映画だし。
最近の映画では反社会的な思想や行動を主軸とした作品が高く評価されています。
「ジョーカー」も正義やモラルを問う作品でした。
今作では格差社会、生活環境、価値観を問われます。
これを観たあなたの価値観は、作中の誰に共感しましたか?
私は「俺はこの場所に似合ってるか?」と聞いた主人公の台詞に共感しました。
自分が努力や偽らなければならない日常を平気な顔で過ごしている人がいる。
どんなに繕っても埋められない人間としての開きがあるように感じる。
上を見上げればさらなる高みが
下を見ればどこまでも深淵が広がっている
私は今の自分の位置を維持することで精一杯です。
精一杯と思ったら、あとは落ちるだけなのかも知れません。
そんな、なんとも言えない不安を身近に感じる映画でした。
貧富の差、顕著の韓国社会を象徴する作品
2/10アカデミー賞。作品賞ノミネートの中では圧倒的に『ジョーカー』推し。アジア作品で話題のノミネート『パラサイト』を鑑賞。ジョーカーも同じく貧富の差、格差社会の拡大は1989年ベルリンの壁崩壊によって資本主義社会が思考的勝利を飾ってから30年の当然の現実。それが顕著の韓国社会を象徴する作品。貧する社会が富める社会への羨望が憎悪に変貌し、その不幸を企図する。未来を見る自分の感情に切なく入り込み、染み入る作品。
想像を裏切られる展開がクセになる
エンドロールが始まったときに、
「うわぁ、これは面白いなぁ」と思わずニヤッとしてしまう感じの面白さでした。
ひょんなことから生まれた金持ちに寄生するための「計画」と、
想像もつかないような「無計画」の事件が何度も起きる。
想像しては裏切られ、の繰り返しを楽しめるとても見応えのあるストーリーでした。
どんな社会でも、状況でも、最後は人間のプライドが運命を左右するのかな。
ほぼ家で起きるあれこれが、あれやこれやでこりゃアカデミー賞ノミネートだわ。
なにごともやりすぎはよくない。
とてもよくできたコメディサスペンスだ。まったく予期せぬ展開を面白おかしく描いてる。まさに傑作。
ほんとの韓国はわからないけど、どの世界にもある貧富の差を韓国風の寄生という手法で描いた。
よくできてる、、、ホントに。
韓国映画ってよくできてる。日本映画も負けてられないよホントに。
脚本の勝利のようでいて、役者の力でもある。映画に感情移入は必要ない...
脚本の勝利のようでいて、役者の力でもある。映画に感情移入は必要ない、観客はいつも外側。外側だからこそ感じられることもある。それにしても、万引き家族、家族を想うとき、そしてこれ。カンヌは家族と貧困であふれているのか。
脚本のクオリティが低い。。
なんでこんなに高評価なんだろう。。
脚本でいったら、ジョーカーやアスの方が圧倒的にクオリティが高いよ。
伏線なのかなと思ったら、全然、回収出来てないし、
これおかしくない?と思ったことは、そのまま放置で、ご都合主義で話が進んでいく。
そのため、全体的に嘘くさい話になってしまっている。
社会問題を描くのは良いんだけど、エンタメ作品としての、最低限のシナリオのクオリティは担保してほしい。
以下ネタバレです。
裕福な家族が、なぜこんなに簡単に騙されるのか?
自分の実力で成功した会社経営者だったら、相当頭が切れる人のはず。
名刺渡されたり、紹介されても簡単に信じないで、すぐにスマホで検索したり、知人に聞くなりするはず。
奥さんから報告を受けたら任せっきりではなく、もっと的確なアドバイスをするだろう。
それに、彼らは、貧乏家族が付け焼き刃で覚えた教育知識よりも知識がないってどういうことだろう。
教育熱心な家庭は、普通は親自身もちゃんと勉強していると思うけど。。
実はこの裕福家族は騙されたフリをしている、というどんでん返しがあるのかと思ったら、そういうことも無いし。。
最初に紹介してくれた友人はお前なら信じられると言いながら、簡単に裏切られてるし、彼は何を根拠に信じたんだろう。。
友人にも裏があって、実はそんなお美味しい話ではないという伏線なのかと思ったら、そういうことでも無かったし。
他にもたくさんあるけど、リアリティの無さが気になってしまい、僕はそんなに良いと思えない映画でした。
題材は良かっただけに残念です。
計画と夢は似ている。
計画を立てるから失敗する、失敗しないためには無計画が一番というシーンで、私は計画という言葉に夢という意味を重ねて見てしまいました。
夢を見るから叶わない。
這い上がりたくても這い上がれない。
そんな貧困家族の姿と、自分自身の夢の叶わなさを重ね合わせて、とても切ない気持ちになりました。
でもラストでは計画を語り、叶うか分からない夢をまた見る。
恨んでいた訳ではないはずなのに家主を殺してしまうシーンも、とても切なく感じました。
生活の匂いは簡単には消せない。
どんなに見た目を取り繕っても、演技をして違う人のように振る舞っても、気付かれてしまう。
こんな生活になったのは誰のせいなのか、世の中のせいなのか…
やり場のない思いがたくさん詰まった作品だと思います。
私から見たら、シェルター地下室での出来事も含めてみんないい人に見えてしまいました。
いい人という言い方は語弊を生むかもしれませんが、みんな自分の事を自覚してると思ったからです。
いいシーンは半地下の家が水没していくところ。
どうにもできない現実をよく表していたように思います。その中で煙草を吸うシーンなんてまさに。
ちょっとなぁと思ったところは、
石というか岩というか、あれをフューチャーして出す必要性がよく分からなかったところ。
モールス信号を家主の子供が解読していたのに特に何もなかったこと。(ただの舞台装置だったのかな)
減点と加点を繰り返し、最終的には☆4.5くらいかなという感じでつけました。
とても重い内容の映画ではありますが、笑えるシーンもあり、
北朝鮮の朝鮮テレビものまね上手すぎて笑いました!
砲丸投げのシーンはどこのガラスが割れたのかとても心配です(笑)
圧倒的構成力とバランス感覚! 爆笑のトマトケッチャップがリアルトマトケチャップに!?
これはやられた・・・。
エンタメ作品としても充分に楽しめるのに、カンヌ(イニャリトゥ)をも納得させるだけの構成力 !!
映像美、ストーリー展開、笑い、狂気性、社会に対する問題意識・・・。 全てが絶妙かつ天才的バランスで調和・共存している。また、どの国でも、あるいはどの世代でも共感できる手法でそれらが表現されている。
やもすれば、よくあるブラックコメディーの枠に止まりかねないストーリーを、ここまでの絶品料理に仕上げるあたり、ポン・ジュノという監督の手腕には恐れ入った・・・。 ( トッド・フィリップス監督は、「ハングオーバー」で極上の笑いを、「ジョーカー」で狂気性と社会風刺を表現したが、たった1作でそれらを両立しようだなんて!)
個人的には、この「半地下」という感覚(センス)が、この映画を成功させている大きな要因だと思う。「地下家族」ではだめだ。「半地下家族」である必然性があるように感じる。( かろうじて地上がうかがえる半地下のうす汚れた小さな窓と、広々とした庭を一望できる豪邸の巨大なガラス窓、この二つが無意識にも、時に象徴的に対比されて描かれている。)
それから、臭いの表現。映画というコンテンツにおいて、あえて臭いによって格差社会をリアルすぎるぐらいにリアルに表現する・・・。 IT・情報化社会の現代において、表向きをつくろうことなどたやすいことだが、まさに「 半地下 」の「 臭い 」 は消せないということか。
最後に、改めてソン・ガンホという役者の魅力を再認識させられた。
名作、「タクシー運転手」を観てない方は、是非そちらも観るのをお勧めします。
( ソン・ガンホの魅力と、近くて遠い国、韓国に対する理解がより深まります。 )
コミカルな前半。怒濤の後半。
前半は内職暮らしで生計を立てている4人家族(子供成人済)がひょんなことからお金持ちの長女の家庭教師になるところから。善良な金持ち一家の信頼をかちとりながら、時に邪魔者を追い出しながら、あれよあれよと半地下家族全員が金持ち一家に雇われていく。
ずるい手口だけど仕事は真面目にしてるし半地下一家のチームプレーが爽快で楽しい気持ちで見れる。そのコミカルさの裏で「こんなのいつまでも上手くいかねーよ」というグラグラするジェンガを見守るような緊張感が高まってきた中からの、怒濤の展開がとても面白い。
何かが起こるとはわかっているのに予想外の展開ばかりで、観る人はネタバレに触れずにまっさらな気持ちで見てほしい。
日本人には創れない映画
やっぱり韓国映画は面白いですね。いつも予想の範囲を超えるものを見せてくれます。イケメン若手俳優を起用すればストーリーは適当でもなんとかなる、といった印象の日本映画は面白さではかなわんなあと思います。
皆様の感想も興味深く拝見しました。韓国社会の現実、格差、偏見を描いているという御意見には同感です。でもこの映画は日本人には創れないだろうな。日本にも、嘘も方便という言葉がありますが、基本的には嘘はいけない。その場を丸く収める、相手を傷つけないためにつく嘘は仕方ないよね、というニュアンスです。でも韓国では、昔から生き残るために嘘は必須のアイテムで日本人ほど罪悪感が無い、むしろついて当然でしょうという考えで、あのようにコロッと騙される上流一家こそ天然記念物、バカだよねえ、と映画の中でも妹に言わせてました。貧乏人の苦労を知らない、いい生活をしているところにからは掠め取ってもいい、騙してもいい。そう考えると上流一家は日本人を暗喩している様にも見えてきます。そうすると日本語の商品名が書かれた段ボールを一度チラッと見せているのは何故?あそこで敢えて見せる必要は無いはずなのに。考え過ぎかな。
大変面白い映画ですが、映画暗闇の子供たちで描かれた、最底辺で生きる人間のギリギリのところでの優しさ・人間愛、のような希望が感じられないため、星4つとさせていただきます。
2020-4
さっきパルパティーンを見たばっかだけど、もっと怖い人が出て来た。
パルムドール、昨年は『万引き家族』でしたが、今年は半地下家族。
ポン・ジュノ監督だから絶対一筋縄じゃいかない作品だろうなと思っていましたが、その通りでした。
まざまざと描かれる貧富の差。
途中まで、この対比を笑えばいいのか?これはブラックコメディなのか?と、よくわからなかった。
そして、狂気の沙汰が始まる。
決定的な事件も起きる。途中までこの作品をどういう方向に持って行きたいのかわからなかった謎は解けたけど、ここを見るのは辛い。
貧しい一家があの手この手で、裕福な一家の家政婦、家庭教師、運転手という職を得て、
彼らが外出する時はこっそり集まってパーティする、でもいつかバレてドタバタ、、、というストーリーなら、誰かを誘ってもう1回見たいかも。
もう一つの一家が地下に住んでいて、この夫婦と一家での争いが勃発し、三つ巴の惨劇が起きるというストーリーは、まだこの映画を見ていない誰かに話したい衝動に駆られる。
殺すつもりなんてなかったんでしょう。あの仕草さえなければ。
もしかしたら、机の下に隠れている時に夫婦の匂いに関する会話を聞いてなかったら、
奥さんを車に乗せている時、奥さんが窓を開けなかったら、、、。
「匂い」と「雨」が貧困の象徴として描かれているのは、現実的で生々しい。
折しも、本日の東京は雨でしたので、しんみりとしてしまいました。
下の人と上の人
下の人たちを描く。
上の人たちを対比に使い下の人達を描く。
ファーストシーンの地下からの眺めが全てと言わんばかりに下の人たちを描く。
匂いや感触が感じるほど下の人たちを描く。
薄っぺらな思考回路やチープな性癖。表面的で上滑りが暴かれていく程に、計り知れない下の人の底力が滲み寄ってくる。
セリフで表現するなんて邪道と思わせるようなシーンの数々、タイミングと表情で全てが伝わってきて、覗き見がバレる様な衝撃を感じた。
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