パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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映像と肉体
私には夫と娘と息子がいる。一人は勉強が得意で、一人は美大生だ。夫は車の運転ができるし、私は家事ができる。まるで我が家だ!と思った。
私だけじゃない。貧しくても裕福でも、誰が観ても自分の暮らしぶりを重ね合わせ、否が応でも色んな感情が沸き立ち、思考が揺すぶられる。
何しろ映像が力強いのだ。俳優陣の圧倒的な演技力は言うに及ばず。役者の肉体が放つオーラが完全にキャラと融合し、主要メンバーから脇役に至るまで、一人ひとり全員が生きていた。有機的な人間とガチンコで対峙する意気地。ポンジュノ監督の真骨頂か。
自分たちに染み付いた匂いに気が付かない貧しい者たちと、急に集まったパーティで自然に振る舞う金持ちたち。この差異は一体何か。答えは、地球上のどこの一点に生まれ落ちたかというただの「偶然」だ。もはや計画は意味がない。
下水道を完備した都市。金持ちは糞尿と悪臭を生活の眼前から消し去って、下水道に流し、あとは済まし顔でいる。現実からは見えにくいが、確実にどこかでつながっている下流のことなど想像すらしない。
そんな片割れの文明、片肺飛行の文明に、いつしか反撃を加えることはできるのか。
お姉ちゃんが汚水が溢れる便器の蓋に座って一服するところが、クソかっこいい。
匂う映画
見終わった後に、なんともやりきれない気持ちになりました。
最初は、金持ちを嘲笑うかのように次から次へと手玉に取って軽快に、コミカルに寄生していくのだけれど、
最後は、逆に育ちの違いを匂いで嘲笑われて、破滅へと向かう。
その破滅が救いの無い道で、登場人物の誰一人として幸せになった人はいないのだ。
楽しい映画ではないけど、ストーリーが進めば進むほど、目が離せなくなりました。
怖かった
ひとりひとりは善良な人なんだろうと思う。社会のしくみでこんな結末になるとは。
映画館を出ても、もやーっとした黒いテーマが脳を包んでるよう。格差社会は現実だから、ちょっと焦る気分。
とりあえず、暮らす環境は幸福度を上下するから、豪邸じゃなくとも清潔にしよう。と掃除を始める位しか今はできない。
コレが本当の韓国の現状なのかな...?
コレは絶対に映画館で観たい!と思って
観に行って来ました◡̈⃝︎⋆︎*
最初は笑いありで楽しく観ていたんですが、、
途中からガラッと変わりますね。
怖いし、重たいしで、
気軽にオススメ出来る映画ではありませんが^^;
観る人の心を離さない映画だと思います...!✨
前評判の雑音
正直、パルムドールとか高評価とかの雑音なしに観るべきだった感は否めません。いくら前情報を極力無くして観ても、どうしてもこれまで観てきた作品が作用し既視感否めない部分も。
もちろん、ふつうに観たら面白かったですし、他の方がコメントされていたように単純な富豪vs地下ではなく、半地下と地下の人々の言動と思考の差に着眼点を置く深みを感じられました。
人として同情すれども今より下はもう嫌だという嫌悪感、憧れの富裕層の何気ない言動にもキレてしまう感情が渾然一体となり恐ろしい世界が繰り広げられました。
あと
韓国の女優の美しさと強さには、いつ観ても感嘆すわ。
パラサイト
普通に面白かったけど言葉がなんか出てこない。
最後の最後まで金持ちの息子が謎だったのと留学してる友達めっちゃ簡単に裏切るやんって思いました笑。
観てて、金持ちの家族の方をめっちゃ馬鹿にしてるように感じた。地下に人が住んでいるのも騙されてるのも気づかない。何も考えないで生きてるように感じる金持ちの家族に対して半地下で暮らしている家族は計画を練って生きている。すごく計画性を主張していた。半地下の娘が「計画はなに?」とパニックになってるとこで計画がないと生きていけないように感じた。でも、後半お父さんが無計画の方が上手くいく、結局は計画通りにいかないからみたいな事を言ってて、確かに計画って何なんだろうなって考えされられました。
金持ちの家で半地下の家族がお酒を飲んでる時、自分達のことをゴキブリって例えてて少し悲しい気持ちになった。でも、それを否定したい父。また、何も悪くない前の運転手を追い出した事に罪悪感を感じてるシーンも暗かった。後半はとくに重い話だった。半地下の臭いがしても伝えなかった金持ちの家族。臭いがしている事を知っている半地下の家族。臭いで表現しているとこが本当に良かった。これでもとても悪い人が一人もいないこと。
雨が降った時の2つの家族の差もすごかった。
半地下は下水で家が水浸し。金持ちの家族は息子が庭にテントを立てて雨の中楽しそうに遊んでいる。貧困の差をリアルに感じたとこでした。
また半地下の家族と地下に住んでいた家族の違いもすごかった。同じパラサイトなのに。なぜこんなにも考えとか生き方が違うのか。この差は何なんだろうなって思いました。なんていうか、半地下の家族はもっと上にいこうと行動するけど、元々地下に住んでいた家族はこのままでいいみたいな...。この対に何があるのか。
あと、金持ちのお父さんを半地下のお父さんが刺すとこの表情が良かった。金持ちのお父さんが地下に住んでいた男の人の臭いを嗅いで鼻を押える。それを見た半地下のお父さんの何かが湧いて金持ちのお父さんを刺す。貧困を臭いで表してる。
映像の感じもよかったです。
万引き家族みたいなのを想像してましたがサスペンスっぽくて、でも貧困がリアルで面白かったです。でもそれまでで、うわあすご!!みたいな感じが笑あんまなかったです。他の人のレビューを読むとこれは凄いみたいな感じなんですけど自分はなぜか普通に面白いぐらいで、
おかしいのか、映画観てなんも感じなくなって鑑賞力(?)みたいなのが無くなったのか...。
良くこれでカンヌ映画祭のパルムドールが獲れたな
脚本に一つもつひねりが無い(キム・チェンスクのハンマー投げのメダリストが何か在ると思ったら肩透かし)、韓国らしさ(徴兵制でしょうカブスカウトのモールス信号は無いよね。)も無いし、音楽も合って無い、社長宅のインテリア(ワインセラー付冷蔵庫は〇)が悪い、コスチュームデザイン(チョ・セヨン)と、ソン・ガンホの演技、朴社長役のイ・ソンギュンの声の良さと、妻役のチョ・ヨジュンの脹脛の筋肉が印象的でした。
韓国映画の到達点。
暗闇で後頭部をいきなり鈍器でなぐられたような、そんな強烈な1本だった。
見終わったあとは頭がクラクラした、こんな感覚いつ以来だろうか?
この映画の魅力をネタバレなしに説明するのは難しい。
が、なるべく情報を入れずに見る事をお勧めする。
言えることは…
下らないギャグにゲラゲラ笑って
あまりの緊張感の持続にドキドキハラハラして
現実のあまりの残酷さに涙して
エンディングロールでは、言語化できないほど複雑な感情が渦巻いていた。
…という事。
こんな体験が出来るだけでも、映画としてスクリーンで見る価値が存分にあると言える。
表層のエンターテイメントの完成度も非常に高い。
複線改修の鮮やかさ、後々のストーリーに効いてくるミスリード。
脚本、演出、カメラワーク、それらが全てが完璧に調和していて一切の無駄がない!
更にその奥底には深い人間ドラマ。
そして、現代社会に対する強烈なメッセージが内包されている。
エンタメとしても文学作品としても一級品。
まさに極上の映画といえるだろう。
アカデミーの賞レースなんて関係ない!
今絶対に見るべき映画だ!!
エンドロールを迎えての全てがないまぜになったあの感情は、見た者にしか分かるまい。
2人のパラサイト
半地下の家族がパラサイトというわけではなく、クビになった家政婦の夫と、彼の死後、主人公のギテクが新たなパラサイト、ということですよね?
息子が「みんな同じ匂いがする」とクンクン匂いを嗅ぐ場面が印象的。住んでいる場所、空気はそんなに染み込んでしまうものなのか、どうにもならないことなのになんか虚しいたいうかやりきれない。結局この「匂い」がギテクの心の根底に残り、元家政婦の夫が殺された時、社長の鼻をつまむ行為によって今までの鬱憤が爆発してしまう。
あまり情報を入れないようにして映画を観に行ったので、途中までは半地下の家族が社長家族を殺してあの家に住み着くのかと思った。それではありがちな話だから、元家政婦が嵐の夜にやって来た所からの怒涛の展開が凄く面白かった。
些細なことだけど、気になったのが、最初の方でみんなでピザの箱折りの内職の場面、消毒あんなに撒かれて、その箱にピザ入れて売られるの?イヤだよ!て。
最初から最後まで、楽しめた。パルムドール受賞納得の作品でした!
ドスンときた
ポンジュノ作品を観終わると、なぜか大きく息を吐き出してしまう。ドスンと現実を突きつけるが、ハラハラの連続でありつつユーモアもあって感情が揺さぶられまくった。
冒頭のシーンと最後のシーンの対比が好きで、明るさが違うところが印象に残った。物語冒頭は、貧乏でも将来は未知数で希望を感じる。(本人が優秀な子、好きな女の子と結婚する夢)
最後のシーンは、計画は決まるもそれが果たして幸せな結末になるのか不安と現実が押し迫る印象。(家族の為にが、今後の行動原理となる。それが果たして本当に幸せ?)
家や家内部の高低差が、貧富や社会構造の暗部の比喩となっており、わかりやすい上にスマートな語り口と感じた。
物語中盤で、主人公家族が豪邸から逃げ帰るシーンがあるが途中で話し合う位置。これでも、大分下がって来たのに家はまだまだ下にある。そして、下りきったら今度は浸水。
社会の下まで下りきっても、仕事も金も無く時間がある人間にとって計画とはあるだけ無意味と語る父の姿に、わかってしまう自分がいてハッとして現実を突きつけられた。
しかし、時折挟まれる笑いで重た過ぎる空気にならない点も好きだった。特に、時計回りと最後の刑事のドタバタは笑ってしまった。
考えさせられる。良かった。
あまりに評価が高かったので、予告編映像しか知らない状態で観賞。
途中までは予告編にある内容なので、うんうん、そうなるだろうねぇ、なかなか面白いね、と思いつつ。。。
あえて絶対ネタバレを話したくない展開が後半に。。!!
そうくるのか!!!と思うと同時に色々と考えさせられることが。
これは見て良かった。ネタバレ読まずに評価の高さだけを頼りに見に行って良かったです。
貧富の差はお金だけではない。
最初は貧富の差をテーマとしたコメディか?と思いましたが、後半に社会的な内容へと深まります。
最初はお金があれば、、という気持ちが合った主人公である家族は、段々それはお金だけではないということを自覚していきます。特徴に父と息子はそのことに気づきはじめ、そして事件は起きました。
韓国の問題提起をしており、それは日本も含む全世界に共通する話でもあります。この傾向はジョーカー、アイリッシュマンといった映画のきっかけでもみられ、ひとつのトレンドとも思えます。ジョーカーはその思いが爆発する、この映画は現代的に爆発してのその後も描かれているという違いはあります。ても、このテーマの映画が続くのは、世界的な問題なのだと改めて認識出来ました。
とても興味深いストーリーで、コメディチックもあり、楽しめます。オススメします。
受け取れなかったテーマ
個人評価:3.9
格差社会を半地下と高台にそびえる邸宅を比喩に描き、貧困層の臭いを消せない烙印と描写しているのか。
今まで韓国映画は、誇張し過ぎる演技と脚本が、肌に合わなかったが、本作は1コマ1コマがリアルな会話劇で、入り込める作風であった。
ただ前評判のような意表をつく脚本ではないと感じる。
半地下から地下へと堕ちる、計画を立てない事を美徳とする父親の哲学と、脚本の組立て方がリンクしているのだろうか。そしてその哲学は韓国では主流で、格差が生まれる要因なのだろうか。
韓国の社会性と、エンターテイメントも備えた作風ではあったが、パルムドールを受賞した要素を紐解く事は出来ず、きっと格差社会だけではない伏線や、伝えたいテーマを受け取る事を私が出来なかったのだろう。
面白いけど「万引き家族」の方が好き
チェ・ジウ主演の「真実」という金持ち一家とそこの地下に住む貧乏家族のテレビドラマを思い出す。韓国ドラマには確かに坂道の住宅街がよく出てくるが、韓国では地下の家というのが結構あるのだろうか(北朝鮮からの攻撃に備えたシェルターという説には納得)。
貧富の差を描いているといってもエンターテインメント性も強く、人気になるのも当然か。金持ちパク家の主人イ・ソンギュンの声が渋くて素敵、あんな声の日本人はそういない。社会性という意味では「万引き家族」の方が上。
パラサイト
面白かったー!
途中からミニョクが突然帰ってきて家族でやってるのがバレてゴタゴタになる展開を予想してたのに、まさか前の家政婦の旦那が地下にいるとは予想してなかった!
富豪層と貧民層の考え方の違いが最後お父さんがパク社長を刺しちゃったんだろうなー
バッドエンドのようなああなるしかなかったような。
オメラスのような構造
―オメラス―
この映画を観て、それを思い浮かべました。
オメラスとは、「オメラスから歩み去る人々」という物語に出てくる街であり、豊かで楽しい、平和なユートピアと呼ばれていた。
しかし、その街の地下には一人の子供が鎖で繋がれた状態で放置されている。
すなわち、その街は縛りつけられた子供が犠牲から成り立っている街。
…しかし、街の人々はそれを知らない、目もくれない。
この映画における富裕層側の登場人物は、そんなオメラスのように下層に暮らす人々(すなわち貧困層)に目もくれずに生きているように感じました。
下層の人々を知ろうともしない。
気づきもしない。
関心も持たない。
故にあの家族には気付かぬうちに「寄生虫(つまりはパラサイト)」が入り込んでしまう…
さて前置きによる考察が長くなりましたが、心から素晴らしいと言える映画を観てきました!
フォードvsフェラーリに続いてアカデミー賞作品になりましたが、これは自信をもって傑作と言えます!
さすが、カンヌ映画祭でパルムドール賞といったところです。
恐らくポン・ジュノ作品としては「殺人の追憶」以来の素晴らしい作品と言えるでしょう。
半地下で暮らす失業中の家族は、家族全員に仕事を与えるために富裕層の家族に"寄生虫"のように付け入って働く話。
ソン・ガンホ演じる父の息子が最初、娘の家庭教師として付け入るのですが、この息子がキレ者!
話が物凄く達者で、どんどん自分の家族を雇わせる力はなかなかのものです。
家庭教師に入った時からそれを感じることが出来て、「こいつはプロの詐欺師になれる」と感じました。
そこからはもう話が二歩、三歩先を読むかのように伏線を敷かれて予想出来ない展開をさせる脚本は本当に素晴らしいです!
また、この映画は貧困層の家族を扱った作品なので一見地味に思われがちですが、「万引き家族」や「ジョーカー」よりも比較的娯楽要素が強いです。
と言うのも、意外とコメディ色が強いです。
自分の家族を雇わせるためにいくつも策を仕掛けたり、半地下での場面も結構笑えます。
また、ハラハラ感も強いです。
良い意味で常に予想の斜めいく展開があるので、そういったハラハラ感も堪能出来ました。
ただ常に予想出来ない展開であったのですが、終盤の展開に関してはある程度予想が出来てしまいました。
宣伝に「ネタバレ注意!」と書かれてたので衝撃的な感じになるのかと思ったら、さほど衝撃的でも無かったです。
なので、正直少し肩透かしを食らいました。
その他にも突っ込みどころはあると言えばあるのですが、完成度は非常に高いです。
撮影もカメラワークがハリウッド映画のように拘りがされていて、半地下の汚くさせてる美術も本当に素晴らしいです。
また、ソン・ガンホも名俳優だけあって今回も冴えない汚ならしい感じの役を見事に熱演していました。
彼はまさに、韓国の役所広司です!
今年早くもベスト級の映画が来ました!
本当に観れて良かったです。
この映画はあまり日本では儲かってないので、観てない方は是非観に行ってほしいです!
貧富格差の表現力、ストーリーの展開力
世界で広がる『貧富格差』を背景とした韓国の映画。
『「金持ちなのに」じゃない、あの人は「金持ちだから」優しいのよ。』
登場人物のふとした発言ひとつひとつに、
貧富の文字通り資金力の格差というより、
染み付いた互いへの軽蔑の意識が表現されている。
■良い点
・貧富格差の描き方
→ミステリーに目が行きがちだが、半地下の両親のふとした発言や仕草に、格差社会への諦めや埋まらない溝を感じさせます。
・ストーリーの展開力
→前半はコメディ、後半はとあるタイミングから急にミステリー要素が加わる、メリハリのある120点の展開力でした。
・パクダヘちゃん
→かわいい
■惜しい点
なし
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