パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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初めての感情
貧しいのに悲壮感がない。
悪いことをしているのに罪悪感を覚えさせない。
金持ちにも嫌みがなく、貧富の差を描いているのにお互いの格差に違和感がない。
自分自身の中で初めて覚える感情だった。
コミカルなのにクスリともしなかったし、スリリングなのにハラハラしなかった。
かと言って淡々と観ていたわけではない。
この先どうなるんだろう、と物語に引き込まれていった。
最後のパーティーのシーンは、そんな自分の期待を裏切らなかった。
凄惨なシーンにも関わらず、どこか淡々と進んでいるようにも見えるが、各々の感情や表情が見事に描かれていて、それぞれの立場を雄弁に物語っている。
徹底的に貧富の差を描いているはずなのに、どちらかに感情移入することもなく、かと言って理解できないわけではない。
時折見せる富裕層のこれ見よがしの態度や貧困層のやるせなさにも共感できる。
自分は映画評論家でもないしプロレビューワーでもない。映画マニアでもなければ通でもない。ただの映画好きの一般人なのだが、観賞後、感想を紡ぐのにこんなに苦労したのは初めてだ。
ハラハラドキドキ!?
この映画でハラハラドキドキするなんて、視点がおかしいと思う。
似たような映画「万引き家族」では感動したと言うのと同じ。
両内容共に貧困がベースになっており、犯罪も絡んでいるのだ。
この映画に関して言うならば、早く発覚してしまえと思う事が人の常、世の常な筈。
それを見つからないかどうかハラハラドキドキしながら観るなんて、どうかしてる。
そんな人達で世の中溢れたら、日本も末でしょ...。
これがリアルな生活を描いているのか否かは知るところには無いが、最低だと思う。
ここ最近貧富の格差を描く映画が多いが、全くプロレタリア的な美を感じない。
富裕層には絶対勝てないが前提で、せこい犯罪やら、犯罪まがいを繰り返し、社会の底辺から絶対に抜け出そうとも足掻こうともしないスタイル。
プライド持ったホームレスを描いた方がよっぽど美しく描けると思う。
殺さなくてもいいんだよ。
最初から引き込まれて、ワクワクしながら見ていた。
ソファーでヤルシーンもワクワクした。しかし、主人公一家の殺人や、韓国美人の妹が死ぬのは、やるせない。お父さんが家主を殺したのも良くない。息子、娘のエロイシーンがもっと、あって、主人公一家が殺人をしなければ、まあ、いいかな、
引き込まれている
最初から作品の中に引き込まれている。気づくと、この家族の一員になって応援したい気持ちが芽生えていた。
本当は、紛れ込まれた家族がかわいそうなのに、、、、
不思議とどんどん引き込まれている。
なんじゃこりゃ
クソつまらない。
半地下はカビのニオイ
海外の映画を見る楽しみは、その国の暮らし方や生活習慣、家族のあり方などを見られることである。
へー、韓国って、こんな半地下の家に住むのかとびっくり。対北朝鮮対策で防空壕として作られた物が、住宅不足により住宅として使用される様になったらしい。
日本で、住宅に半地下があると言えばちょっとオシャレな感じだが、全くの半地下に住むのは、居心地が悪そうだ。第一風が抜けて行かないし、何より、常に澱んだ空気が充満していそうだし、カビ臭そう。てな訳で、キーワードは、臭いである。
「良い」と言う形容詞の無い、ニオイがすると言われると、侮蔑的な意味合いになってしまう。それほど、そのヒトが醸し出すニオイには、色々な情報が含まれているからかもしれない。
自分では気がつかないが、それぞれの家庭には、それぞれのにおいがある。
そんなニオイを持つ家族は、父に対する敬愛の情、家族の結束の強さ、仲の良さが、満載で、同じモノを突っついて食事する様は、微笑ましい。
私たちは、画面を見ていて、ニオイを嗅ぐ事は出来ないが、観ている限りのカメラワークが唸らせる。
階段を上がる、下がるの対比。ローアングルで、屏風の様に見せるパク家の庭園の緑。
雨のシーンの中のセックスシーンは、万引家族のシーンを思い出す。
ニオイの情報と同じ様に、色々な事がてんこ盛りの映画で、時間を飽きさせなかった。
面白いが、深さ・鋭さには欠ける
格差社会をバックにはしているが、話がぶっ飛んでいるので社会派ではない。社会問題を取り上げている作品としてみたら、突っ込みどころは満載。エンタメとしてみたら、笑える場面も多いしスピード感もあってかなりいい。ただストーリー展開の半分は意外だが、半分は予想通りで、それほど怖くもない。人間の描写もそんなに深くはない。オスカーはもらっておかしくないレベルの作品だが、パルムドール向きとは思えないのだが。
普遍的不条理からの脱出
舞台演劇を鑑賞しているような錯覚は、パク家の居間の巨大なガラスが、映画の中のもう一つの映像スクリーンとして扱われているためか?家の中で移動する登場人物を距離を置いて捉えるカメラワークは、建物のスケールの大きな箱のような空間で起こるドラマに対して、見る者の客観性を際立たせる。しかし、人物の設定が、物語が進むにつれ一人一人の内面の葛藤を突き付けられるように大変うまく構成されている。そのため、客観性と主観性がうまくバランスを取り、映画の中に観客を引き込まずにはいない。誰もが気づいている社会の不条理を、明るい陽射しの庭でそれこそ、明るみに出し、最後に自分の本能のままにパク氏を刺した父親は、初めて家族に憤り、怒りを最も激しい形で表して見せた。俳優の演技力と配役の妙、人間の抱える矛盾、尊厳、いろいろなものが交錯し、人と人とをつなげるものとは何か、自分の力でといった時に感じる違和感のようなもの、結局人間は関係性の中でしか生きなれない、他者との比較を辞めることはないのではないかという悲壮な感想さえ持つ。この映画は、自分の人生を引き受ける勇気と責任を説いているのではないかといえる。
坂でも穴でもなく階段
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