「喜劇であり悲劇である世の無情」パラサイト 半地下の家族 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
喜劇であり悲劇である世の無情
クリックして本文を読む
半地下に住む家族が金持ち家族にパラサイトしていく過程は喜劇。
そして闇に触れることになり喜劇は一転して悲劇に。実は秘密の地下室があり、そこには更に過ごす人がいた!
予想を良い意味で裏切られた衝撃作でした。こんな展開予想できない。
まさに、韓国社会、ひいてはこの世界が抱える格差社会の縮図。地下に住む人たちと高台に住む人たちの構図がありありとしていておもしろい。
びっくりするほど階段を降りて、更に降りて、またまた降りて、最下層の更に下の下の下に住んでる家族と、上流家庭の格差に、無慈悲さを感じざるを得ない。
悲劇的な終わりでしたが、たしかにこの格差社会を伝えるためには喜劇では語れない。とはいえ、全くの悲劇として描くよりも、もはやこの不幸な状況すら笑わずには折れないほどのやりきれなさ。
あまりに絵に描いたような物語ではあるが、それがまた象徴的でもある。もがいてもがいて、この状況から脱するしかない。
彼は父親を救うことができるか。それは韓国、いやこの世界の切なる想いと重なる気がするのだ。地下に潜った、いや潜らざるを得なかった人々を救えるかどうかは、僕たちに課せられた課題でもある。
コメントする