「羨と恨と焦~蜘蛛の糸」パラサイト 半地下の家族 森のエテコウさんの映画レビュー(感想・評価)
羨と恨と焦~蜘蛛の糸
訳あって半地下で暮らす一家に、山水景石が届いてから、運命の歯車が回り始める。
訪れたチャンスに「ある」計画が浮上する。
その先に待つのは、天国か地獄か?!
計画が狂い始めた時、一家の主は呟く。
「無計画。計画通りに人生はいかない。計画があるから失敗がある。無計画が一番だ」
計画を失ったストーリーは、ガードレールのないハイウェイを疾走していく…
何故か韓国らしい作品だと感じた。
それは、沸き上がる激情?バイオレンス?血沸き肉踊る衝動?故か…
キーパーソンは、ヤング&シンプルな社長婦人と最年少の男児。
婦人が意に反してトラブルメーカーを家に呼び込み、男児がそれを無邪気に嗅ぎ分けていく。
二人の間で、時のダンスを繰り広げる幾多の大人たち。
世界最低の出生率を更新し続け、国の行方が五里霧中な隣国から届いた作品は、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』さながらに、隣の芝生を羨む家の「恨み」と「焦燥」を内包し、物語のその先は観客に委ねられる…
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