「ドスンときた」パラサイト 半地下の家族 tktさんの映画レビュー(感想・評価)
ドスンときた
クリックして本文を読む
ポンジュノ作品を観終わると、なぜか大きく息を吐き出してしまう。ドスンと現実を突きつけるが、ハラハラの連続でありつつユーモアもあって感情が揺さぶられまくった。
冒頭のシーンと最後のシーンの対比が好きで、明るさが違うところが印象に残った。物語冒頭は、貧乏でも将来は未知数で希望を感じる。(本人が優秀な子、好きな女の子と結婚する夢)
最後のシーンは、計画は決まるもそれが果たして幸せな結末になるのか不安と現実が押し迫る印象。(家族の為にが、今後の行動原理となる。それが果たして本当に幸せ?)
家や家内部の高低差が、貧富や社会構造の暗部の比喩となっており、わかりやすい上にスマートな語り口と感じた。
物語中盤で、主人公家族が豪邸から逃げ帰るシーンがあるが途中で話し合う位置。これでも、大分下がって来たのに家はまだまだ下にある。そして、下りきったら今度は浸水。
社会の下まで下りきっても、仕事も金も無く時間がある人間にとって計画とはあるだけ無意味と語る父の姿に、わかってしまう自分がいてハッとして現実を突きつけられた。
しかし、時折挟まれる笑いで重た過ぎる空気にならない点も好きだった。特に、時計回りと最後の刑事のドタバタは笑ってしまった。
コメントする