劇場公開日 2020年1月10日

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「ユーモラスからシニカルへ雰囲気が大きく変わる!」パラサイト 半地下の家族 チャックファスナーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ユーモラスからシニカルへ雰囲気が大きく変わる!

2020年1月24日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

下層階級が住む町の貧しい家族(キム一家)が息子の友達から家庭教師の代役を依頼された事から物語が展開していく。
一家が住む家は半地下にあり汚れた家で夫婦と息子と娘がひしめき合って住んでいた。

息子の生徒は裕福なIT社長(パク)の娘で一家山の手の豪邸で暮らしていた。
家庭教師の息子(ギウ)はまずパク一家の母親(ヨンギョ)に好感を持たれさらに娘(ダヘ)に好意を寄せられていく。

さらにパクの息子の美術の家庭教師をキムの娘(ギジョン)がするようになる。

以降、人の良いヨンギョから信頼を得て次々と父、母とパク一家での仕事を得ていくがその過程での巧妙なやり方がユーモラスで周りの観客から聞こえないように笑いをこらえていた。

特に永く勤めていた家政婦を追い出す方法が滑稽であり結核患者に仕立てあげられた家政婦がトランクを両手に持って寂しく去る様子はS的性格ではないが笑ってしまいました。

パク一家が泊まりがけでキャンプに出かけてしまい羽を伸ばすようにくつろいでいたキム一家。
そこに雨に打たれたまた家政婦が訪ねて来てこれまでのユーモラスな展開からシニカルでありホラー的要素のある展開となる。

終盤の思いがけない展開から暴力的な描写が増えラストはネタバレになるので割愛するが豊かな生活を夢見たキム一家に不幸な事態となる。

物語中、パク夫婦のラブシーンも日本映画にはない直接的な描写がされており個人的には楽しめた。
ストーリーは違ってはいるが万引き家族と共通するものを感じた作品でした。

チャックファスナー