「匂いがするような気がした」パラサイト 半地下の家族 王様のねこさんの映画レビュー(感想・評価)
匂いがするような気がした
韓国の映画はグロテスクな描写が多いので、苦手意識があります。
今回は覚悟を決めての鑑賞。
序盤からテンポの良いストーリー展開と散りばめられた設定の対比にぐんぐんと物語の世界観に入っていけました。
気持ち的には上流階級とシンクロしたいな〜と思っているけど、主人公達までとは行かないにしろ困窮している生活環境に激しく共感してしまう。
中盤を過ぎたあたりから、物語の落としどころに考えを巡らせますが、やはりそこは十八番のグロ描写が。
私は一人で鑑賞していましたが、周りは年配のご夫婦が多く、平日の昼下がりということもあってか夫婦のイチャイチャシーンとラストのグロ描写で周りは凍りついていました。
まぁ、R指定映画だし。
最近の映画では反社会的な思想や行動を主軸とした作品が高く評価されています。
「ジョーカー」も正義やモラルを問う作品でした。
今作では格差社会、生活環境、価値観を問われます。
これを観たあなたの価値観は、作中の誰に共感しましたか?
私は「俺はこの場所に似合ってるか?」と聞いた主人公の台詞に共感しました。
自分が努力や偽らなければならない日常を平気な顔で過ごしている人がいる。
どんなに繕っても埋められない人間としての開きがあるように感じる。
上を見上げればさらなる高みが
下を見ればどこまでも深淵が広がっている
私は今の自分の位置を維持することで精一杯です。
精一杯と思ったら、あとは落ちるだけなのかも知れません。
そんな、なんとも言えない不安を身近に感じる映画でした。
@レモンブルーさん
私も共感と言うより嫌悪感が先でした。物語が進んでいくうちに、上流市民では無いけど下層市民でもない自覚が芽生え始めた感覚がありました。
こういう生き方は嫌だなぁと思いつつ、自分の生活にも近い描写が出てくる居心地の悪さを感じた作品でした。
私はこの作品がアカデミー賞を獲ったのが理解できないくらい、誰にも共感出来ないし、面白いとは思えませんでした。初日に観に行き?だったのですが、アカデミー賞をとったので、私の見方が悪かったかな?と もう一度観に行きましたが、感想は変わりませんでした。ただ、駄作か?というと決してそうではない!なんでそう思うのか?分からない…まま 今に至ります(笑)