「計画と夢は似ている。」パラサイト 半地下の家族 すずきあすかさんの映画レビュー(感想・評価)
計画と夢は似ている。
計画を立てるから失敗する、失敗しないためには無計画が一番というシーンで、私は計画という言葉に夢という意味を重ねて見てしまいました。
夢を見るから叶わない。
這い上がりたくても這い上がれない。
そんな貧困家族の姿と、自分自身の夢の叶わなさを重ね合わせて、とても切ない気持ちになりました。
でもラストでは計画を語り、叶うか分からない夢をまた見る。
恨んでいた訳ではないはずなのに家主を殺してしまうシーンも、とても切なく感じました。
生活の匂いは簡単には消せない。
どんなに見た目を取り繕っても、演技をして違う人のように振る舞っても、気付かれてしまう。
こんな生活になったのは誰のせいなのか、世の中のせいなのか…
やり場のない思いがたくさん詰まった作品だと思います。
私から見たら、シェルター地下室での出来事も含めてみんないい人に見えてしまいました。
いい人という言い方は語弊を生むかもしれませんが、みんな自分の事を自覚してると思ったからです。
いいシーンは半地下の家が水没していくところ。
どうにもできない現実をよく表していたように思います。その中で煙草を吸うシーンなんてまさに。
ちょっとなぁと思ったところは、
石というか岩というか、あれをフューチャーして出す必要性がよく分からなかったところ。
モールス信号を家主の子供が解読していたのに特に何もなかったこと。(ただの舞台装置だったのかな)
減点と加点を繰り返し、最終的には☆4.5くらいかなという感じでつけました。
とても重い内容の映画ではありますが、笑えるシーンもあり、
北朝鮮の朝鮮テレビものまね上手すぎて笑いました!
砲丸投げのシーンはどこのガラスが割れたのかとても心配です(笑)