「本物の映画を観た」パラサイト 半地下の家族 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
本物の映画を観た
ネット等で評判を知って観賞
韓国映画は劇場で見た記憶はないかも
感想としては
いやこれは面白かった
韓国映画のレベルの高さは知ってはいたとはいえ
相変わらずの見応えでした
半地下の家に暮らす家族がひょんなキッカケで
上流階級の家に取り入りその優雅な生活を乗っ取って
しまおうと画策する冒頭はコメディタッチ
そこから思わぬ展開にどんどん突き進んでいき
一気に引き込まれてしまいました
面白いのは半地下の家族
決して能力が無くて仕事がないのではなく
実際はかなり優秀なのにふさわしい職場に就けず
千載一遇のチャンスを狙わざるを得ない状況
そして明るい日の当たる地上の富裕層
日もwifiも少ししか入らない半地下の人々
そのさらに地下に人知れず暮らす…人々
それぞれの誰の味方もするわけでもない視点で
三層を描き観た客ごとにそれぞれ移入する先が変わりそうな
描写には舌を巻きました
その中には共通して韓国社会の現実や市中の人々の
悩みを内包したものでした
他国の政治等にそう口出ししたくはありませんが
韓国の政権は今一心に南北統一を目指していますが
経済政策はハッキリ言って失策を繰り返し賃金や
失業率がえらいことになっています
いったん就職に失敗すれば定職に就けず
政府は財閥いじめをガス抜きだと思っているだけ
つまり能力のある人がその能力で世に出て社会的地位も得る
社会を実現出来ない現実を作中で訴えかけています
チャンスすら与えられないのなら倫理に悖ろうとも
飛びつくしかない悲壮に徐々にえぐり込んできます
そんな三層の人々が「同じ高さ」に会すると…
作中のセリフで父親のキムが
「犯罪であろうと国を売ろうと無計画なら失敗にならない」
というものがありましたが
もうコレ完全に政治を揶揄してるなあと思いましたし
この作品の中で事前に計画したことはみんな失敗しているし
しないでやったことは全部成功していることに気が付きました
こうしたメッセージ性の強い作品が映画賞もらいやすいのも
わかりますが韓国の映画だからなどで敬遠せず
観てみると映画を作ろうという志の高さが伺えました
これはおすすめしたいです