「疑問点がいくつか」パラサイト 半地下の家族 マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
疑問点がいくつか
家族は半地下で、父親は全地下で、地上は富裕層。
殺し合うのは地下の住人たちで、それが時折、地上にも波及する。
なるほど、パルムドールは
ケンローチ、是枝、ポン・ジュノを選ぶ流れにあるんだ、と納得しました。
でも、この映画を見終わってしばらくすると
いくつかの疑問も残っていることに気付きました。
なぜ、妹ギジョンだけを死なせたのか?
妹も生きたまま結末を迎える、という展開もありだと思うけど
ポン・ジュノ監督は、
どんな意味でこのストーリーを選択したのでしょうか。
なぜ、2度目の殴打が必要だったのか?
2度目には全く反応のないギウを見て
私は「1度目で死んだんだ」と直感してました。
だから、生きている展開にちょっと驚き。
生きていてもいいけど、2度目の殴打を描く必要はあったのか。
なぜ、ダヘは地下の倉庫部屋からギウを背負って逃げてきたのか?
高校生の女の子が
大学生の年齢の男を背負って階段を昇る選択には
ちょっと無理がある。
あの惨劇の中に、そうした2人を登場させる必要はどこにあったか。
なぜギウは、回復直後、ヘラヘラ笑っていたのか?
そうした障害が残ったのかと思い
『ジョーカー』のアーサーを思い浮かべたのですが
最後の最後にはヘラヘラもどこかへ行き・・・。
あのヘラヘラに、どんな意味があったのでしょうか。
なぜ、パク夫妻の夫婦の営みを詳細に描いたのか?
実は映画館で、前の席が親子づれでした。
ちょっとヒヤヒヤ。
「左回りにして」とかの台詞など、半端ないリアリティー。
濡れ場の名作だとひそかに感動はしたのですが。
この詳細な描写は、ポン・ジュノ監督の趣味なのでしょうか。
何か分かる方がお見えでしたら
教えを請いたい気分です。
どうあれ、良い映画だとは思うのですが。