「ソンガンホなのに、笑えないし、ほっこりもしない」パラサイト 半地下の家族 知徳さんの映画レビュー(感想・評価)
ソンガンホなのに、笑えないし、ほっこりもしない
昨夜鑑賞。終了12時近いのに、会場はほぼ満員。
同じ貧困をテーマに扱った「万引き家族」が擬似家族だったのに対して、こちらは本当の家族で、逆に他人のフリをして富裕家族(しかもかなり善人で、お人好し。人として責められる点はあまりない。)に家政婦やら、運転手やら、家庭教師として潜り込む。ありえない展開だけど、いつバレるか、ハラハラドキドキして面白い。でも笑えない。主演がソンガンホなのに、笑えるシーンがあまりない。
ネタバレは出来ないのであまり多くは語れないけれど、先日観た「家族を想うとき」も同じで、貧困という負のスパイラルに入り込んだらなかなか抜け出せない現実とどう戦うか、本当に難しいことだと思う。幸い私たち50代は80年代から90年代初頭を学生や新入社会人として過ごし、職にも恵まれてきた。逆にその下の世代はいわゆる就職氷河期で、努力した割に報われにくい環境にある。所得も少ないから結婚もできない。結婚しても子供を持つ経済力も見込めない。年金だってもらえるかわからない。
私たち年長者は、若い人たちが希望をもって暮らせる社会、環境づくりをしなければいけないのにとつくづく思う。気がついたら、今回も貧困をテーマにした映画ばかり観ている。
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