「面白かったけどちょっとだけ長い」パラサイト 半地下の家族 mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったけどちょっとだけ長い
一応のクライマックス、パーティでの無差別殺人で、臭いを嫌った雇主を殺す父親は、何故そこまでの狂気にたかぶりを感じたのか、イマイチピンと来なかった。
前家政婦の夫と自分の姿が重なったのかなとは思ったけど、大富豪に上から目線で見下されるのって殺したい程怒る事なのかな?
伏線はありました。テーブル下であいつ臭いんだよと本音を聞いてしまったり、家が浸水し大変な状態でパーティに呼び出され、これは仕事の一環だからと無理やりインディアンごっこをさせられる事になったり。でも、割とうまいことやってたお父さん、なんでそのタイミングで刺した??というビックリ感をはじめに感じてしまった。そもそもアンタ達の方が詐欺師だし良い寄生先だと思ってたはずなんだけど、そんな怒る?身バレ気味な展開があったからそれでいてまえー!ってなったのかな?その位しか思い付かない。
その後の逃走と潜伏、息子による発見と救出計画の夢想の展開から、最後にそれが計画であることを示す事で決して実現しないであろうことを示唆しているのかなと受け止めたけど、正直この辺りの話しは無くてもよかった気がした。
才能はあるがコネもカネもない人達の詐欺的反逆劇?とでも言うんですかね、就職もままならない世の中への警告も含まれる監督からの韓国社会へのメッセージ的な作品なのかな。富豪の家に入り込むまでの展開は面白く、コメディタッチな演出も好意的に見ることが出来た。その後はスリラー&サスペンス要素が強くなると共に計画にボロが出て最後は長女死ぬしお父さん雇主殺しちゃうしなんだかなぁっていう展開でした。
ユートピアの住人として描かれたからか、金持ち馬鹿すぎだし、もうちょっと骨がある相手だとよかった。
あと金持ちの子供達。なんかキャラ付け割としっかりしたのに活躍しなかった気がします。頭割られたお兄ちゃんをおぶって逃げる長女が唯一の活躍だった気がする。まあ、この長女、お兄ちゃんにベタついてたけど前任者にも同じ事してんだろと金持ちの遊び的なやつかなと思いきや、おぶって逃げる辺り意外と本気だったんだなと
不思議な演出に感じた。
ストーリー展開的にはどんでん返しというかビックリ展開が多く割と飽きずにみられる映画でした。