劇場公開日 2019年6月28日

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「拳の重み、身体の痺れ」無双の鉄拳 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0拳の重み、身体の痺れ

2019年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

舐めてた奴が実はヤバかった。
でもあのガタイ、明らかに規格外のパワーを秘めてるって、一目で分かるでしょ普通。
人の良さに騙されるな。甘い話に騙されるな、甘い話の罠の罠に騙されるな。

肉まん兄貴の強烈な拳を浴びるにはもってこいの映画だけど、起こる出来事の重さ暗さに対してキャラがやテンションがあまりにも軽く、その落差に上手く乗り切れなかった。
闇組織に攫われてしまった妻を取り戻しに一体どこまで深く潜るのか、とハラハラするプロットは普通に面白いのだけど。

チュンシク&コムの吉本新喜劇レベルのコテコテのコミカルキャラにはしょっちゅう笑わせられる。
しかしもう少しシリアスに振ってくれた方が好き。とにかく事の重大性が半端じゃないので。

常にヘラヘラした態度で人を人とも思わないボスのギテ、言動の胸糞悪さに神経を逆撫でされる良いキャラだったと思う。
でもあまりにもヘラヘラしているから、ラスボスとしての威厳や狂気が少なかったのが残念。

見ているだけで鬱になる被害者女性のタコ部屋にて、ソヨンとジスの繰り広げる僅かなドラマが良かった。
絶望的な状況に陥っても手を取り合いもがく人間にはどうしたってキュンとする。
ほどほどの緊迫感も味わえる。

うだつの上がらない旦那から奪還に燃える執念の男に豹変した姿にはだいぶ痺れる。
ズンと響く拳を受けて全身に痺れが走った。
過去のヤバさはもう少しちゃんと実感したかったところ。

超絶無理矢理の大団円には笑った。
あそこまで振り切れられるともはや感服である。
全部詰め込んでポーイ!ジャジャーン!みたいなノリは逆に嫌いじゃない。
コムさんそこにいる必要なくない?とは思いつつ。
色々モヤモヤしていたけど、最後の最後に気が抜けてヘラヘラ絆されてしまった。ちゃんちゃん。

テンション上がったのがパク・ジファンとマ・ドンソクをコンビにしたキャスティング。
「犯罪都市」が大好きなので、イス社長…イス社長じゃないですか…!!!と感激してしまった。
トラックの荷台が開けられ、漁業市場の入り組んだ通路を軽やかに縫って行く二人を見てると自然と笑顔になれる。
あとイム・ヒョンジュン。また不憫な目に遭っちゃって可哀想に。

それにしても、マ・ドンソクの二の腕に挟まれて窒息したいものである。あとほっぺ超絶モチモチしたい。絶対パツパツに張りがあって気持ちいいと思う。

KinA