罪の声のレビュー・感想・評価
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あの事件は一体何だったのか?
高校生のころに起きた事件「グリコ・森永事件」をモチーフにした作品。
大阪に住んでいる自分にとって、この事件は今までにない大事件でした。
その当時、指定場所を指示する子供の声がすごく心に残り
「この子どもは意味が分かっているのか?」「犯人グループとのような関係があるのか?」と
思っていたことを思い出させられました。
あの事件は一体何だったのか? あの事件で何が起こっていたのか? が
この映画で自分の中で幾分か納得させてもらったような気がしました。
ひとの人生を大きく変えてしまうであろう出来事に
今はどのようになっているのかがすごく気になりました。
見ごたえある群像劇
2時間半近くある長編ですが、時間を忘れて最後まで観ることができました。
主人公の一人である星野源の「普通の人感」が物語に非常にマッチしており、何気ない日常を送れることの大切さを訴えかけてきます。
未解決事件の真相解明というよりは、事件によって人生が変わった・変えられてしまった人々に焦点が当てられており、話が進むにつれて段々と胸が苦しくなっていきます。登場人物が多いので少し疲れますが、最後までダレることなく纏められた脚本は見事です。
欲を言うならば、もうひとひねりというか、衝撃の事実みたいなものが欲しかった。全体的に淡々と話が進むので、映画的に盛り上がる場面が少ないのが残念。また、作品の元ネタとなった「グリコ・森永事件」をある程度知っていることが前提で面白い部分(キツネ目の男とか)もある思うので、元の事件を知らない人が観たら少し物足りないかしれません。
正義のための犯罪の浅はかさ
「正義のための犯罪」、「誰も傷つかない犯罪」。しばしばドラマや映画で肯定的に扱われるモチーフである。
しかし、嬉々としてその犯罪の素晴らしさを説く犯人の、いかに浅はかなことか。愚かなことか。視野の足りないことか。考えの足りないことか。
それらの犯罪の愚かさをテーマとした『ファーゴ』やら『復讐者に憐れみを』やら『古畑任三郎の江口洋介回』やら、その系譜の中でも特にシリアスな映画である。
実際、元のグリコ森永事件でも、焼身自殺が出ている。
学生運動を嬉々と美談として語る世代に怒りと見下しを隠さない信念ある映画である(『相棒』とは大違い(笑))
純粋なサスペンス、ミステリーとしては普通
グリコ森永事件を詳しくは知らない世代です。まさに作中で、平成に生まれて事件を忘れ去ろうとしている人々と同じ。
そういった観点で観ると、この作品は社会派として非常に重要な意味を持つのかもしれない。
ただ、我々の世代(と語ってしまうと怒られるかもしれないが)にとっては、どうしても過去の事件。純粋なストーリーを評価してしまう。
その点では、特別優れているところはないと感じてしまった。事件をよく知ってからまた観てもよいかと思う。
悲哀
コチラはね… 凄かったですよ。
見応え十分。
テーマも興味深いし、役者は実力者揃いだし、
2時間半近い作品だけど、食い入る様に観てしまいました。
罪を犯す者の身勝手さ
それに翻弄される近親者たちの悲哀
それらを調べて記事にすることに確たる意義を見出せない記者の苦悩
それぞれがとてもリアルで…
機会があったら観てください。オススメです。
72点
主演・助演共にわかりやすい役柄じゃないからこそ難しい役だったと思う。
2020年の話題作の中でも良い作品の上位にくるがあともう一歩二歩足りなかった印象。
でも充分な名作。w杯で例えたらベスト8くらい(?)
職人のしごと
圧倒的に面白い。ふだんわたしは天才や鬼才などと称されている日本映画・監督をけなしてばっかりだが、祈りの幕が下りる時や本作のような職人の映画を見ると、溜飲がさがる。つくづく日本映画に天才・鬼才は要らない。どこがなぜ面白いかというより映画づくりを知り・解っていて、かつご自身の映画づくりにたいして職人的忠勤よりほかの自負心がない人たちが、賞と賞賛を狙わずに映画をつくっている。アーティストよりも前に技術者=職業監督として映画をつくっている。
ぐいぐい展開する、スコセッシのような余裕の演出力と、めまぐるしく時代と場所を跨ぐ、心地よいスピード感。撮影がきれいで、場面転換の都度、空から全景・絶景がぐわーっとパンする。予算も潤沢で、グリコ森永事件を完全に置き換えた、気の遠くなるような、小道具とエピソードの数々。新旧の俳優たちの競演。フレッシュな躍動と、ノスタルジーを同時に提供する、舌を巻くほど豊かでサスペンスフルな映画だった。
宇野祥平が良かった。ギロッとするときの小栗旬もいい。星野源は悪くないけれど、プロパーで固めてもいい──ような気はした。
役者が泣くシーンばかりが印象に残る
グリコ森永事件をモチーフに、犯人側の人間模様を掘り下げて物語を編み出した原作はたいへん面白いし、立派な仕事をしたと思う。
ただ、映画にするなら、もうちょっとポジティブな要素で見せ場を盛り上げる工夫が欲しかった、
結局のところ、不幸を背負わされた人が、過去を振り返って家族を想ってむせび泣くシーンを映画の見せ場にしてしまっている。そこじゃないでしょう。
原作よりも明快
原作よりもわかりやすいストーリーで、片時も目が離せない展開に仕上がっていた。
映画の尺に抑えるとパーフェクトな映画であったと思う。
個人的には社会部の鳥居さんと阿久津さんのやりとりが原作では深く描かれているので、それをもう少しフューチャーしてもらいたかった。
野木マジックの素晴らしい人間ドラマ
ようやく観ることができました。原作のエッセンスを損ねることなく、見事に映画ならではの魅力あふれる作品に昇華されていました。何よりも、個々の人物の葛藤や苦悩が深く描かれ、素晴らしい人間ドラマになっています。モチーフは暗めの作品であるはずなのに、見終わった後には、なぜかじんわりと心の中に温かみがわき起こってきます。野木亜紀子さんの脚本がなせるマジックでしょうか。感服です。
明るい話ではないが面白い
主人公2人の各々の推理が最後合わさり、点と点が結ばれる、そういうストーリー展開。
こういうの好きです。
題材もミステリーものとしては映画作品の中であまりなかったテーマなので少し新鮮味もあり、店舗も良く、面白い作品でした。
当時、子供ながら、、
覚えてる事件です。
あまりにも話が良く出来ていて
事件が本当にそうだったのか調べてしまいました。
それくらいリアルに感じたから
凄く良く出来てる映画だと思います。
でもこの映画を観たことで
実際の事件もこんな感じだったんだろうな
と思う自分がいて、
でも、いやいや未解決なんだなって
納得したらダメって思う、、所に
うーん、何かジレンマを感じて、
ちょっと点が低くなりました。
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション...
二本立て二本目。未解決グリコ森永事件の真相に迫る。ノンフィクション好きの私にはたまらない作品。原作、監督、脚本が素晴らしいのか、かなり魅せます。確かに脅迫に使用された子どもの声、本人なら分かりそうなもんだ。
ただ、次々明らかになる新事実にはやや違和感。そんな上手くいく?だいたい、あんたら、誰かが警察に話せばすんなり解決やん(笑)
非常によく練られており、見応え充分。…なのだが、真実はもっと深い気がする。そろそろ真犯人の1人でも出てきて語ってもいいのに…そこがまた面白い。
劇中では1円も手に入れてないことになっているが、私は思う。真犯人はかなりの金額を企業側から手に入れているはず。
深い深すぎる❗️
声を使われた3人の子供の人生と、使われた理由、それに関わった多くの人間模様。これほど深い作品は久しぶりです。アカデミー賞の最優秀脚本賞をとりましたが、納得です。
新聞記者の仕事という凄さも感じられる作品です。刑事より優秀かも(^^)
宇崎竜童、火野正平しぶかったな!
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