罪の声のレビュー・感想・評価
全412件中、61~80件目を表示
テンポ良くあの事件が見えてくる
日本中を震撼させたグリコ森永事件。
毎日のようにテレビニュースで報道されていたのを子供心に鮮明に覚えている。
とっくに時効を迎え、その後どうなったのか。
この映画が分かりやすく、またその渦中の人間模様や生き様をうまく見せる。
自分が大人になって今この事件を見直すと、表現はチープでもなかなかおもしろい。
しかし利用された子供の人生はおもしろいでは済まされない。
大人に巻き込まれた被害者でもあり切なすぎる。
じっくり観ることのできる映画でした。
共闘とか反体制運動の延長としての事件
構成が上手く、登場人物をまとめる手腕も素晴らしい。
(脚本が野木さんだ! さすがです)
ずっと見たいと思っていたこれがNetflix にあって びっくりして即視聴。
本当に面白かった。
人の生きる道。人生。
何かをきっかけに狂う歯車。
「あなたはどんな風に生きて来ましたか」
その問いに対し、自分が今本当に幸せである事を噛み締めると共に、さらにその自分の幸福を自分の罪と思う苦悩。
「運が良いとか悪いとか、人は時々口にするけど
そう言う事って確かにあると あなたを見てて
そう思う」
無縁坂 の歌詞。これが最後に浮かんでくる。
ここ数年のコロナ騒動でも 運命を変えられてしまった人は少なからずいるだろう。
そこで体制批判をするのか
なんとか努力して持ち直す努力をするのか
人はそれぞれである。
自分の不遇を政治のせいにして、訴え続ける生き方や
その延長として警察や大企業に一泡吹かせたいと企てる。
それが他の人間や幼ない者の人生を狂わせる。
昭和はまだまだ、国家権力のもとに個人の幸福が踏み躙られる事も多い時代だったと言って良い。
今はもう 一国の総理であろうが
いや、総理こそが、
自分の身内や友人に少しでも有利な働きをすると
文春を始め様々な媒体がそれを追及し続け容赦がない。
そういう時代になった事が喜ばしい。
昔はスピード違反だろうが駐車違反だろうが
知り合いの警察官に言えば なんとかなったものだった。
行政機関や政治家に知り合いのいる強みというものがあった。
今 そんな事したら懲戒免職モノです。
私の知る限り、世の中は清廉潔白に向かっている。
少しでも間違うと、ネット上で総叩きにあい、そのミスはどんな事があっても消えない。
そして今では
能力さえあれば、様々な方法で金持ちになれるらしい。
親に金がなくても 能力と少しの運とそれなりの努力と
行動力と知識。
逆転が可能な時代である。
と言ったような事を見終えて思った。
深く考えさせられる内容
テーマが秀逸で、キャスト、演技、音楽、テンポも全て良かった。
自分がもし子供の時に、知らずに犯罪に加担させられていた事を大人になって知ったとしたら。。その罪の概念を拭う事は出来るのだろうか。
徐々に明らかになっていく過去の事件と関わった人物達。
考えさせられるテーマだけど重くなりすぎず、作品が秀逸だったのでまた観たいと思える作品でした。
原作よりわかりやすく
仕上がっているかな、ダイジェスト要素はあるものの観やすかったと思います。
しかし、最近ダイジェスト的なの多いなぁ、、深掘りできないならテレビドラマとかにしたらいいのに。
俳優陣は素晴らしく良かった。映像も音楽も編集も楽しめました。まぁ、関西弁は確かに気になるけど、それにOK出してる監督さんやスタッフの観客への甘えの方が気になる。ちゃんとやれないなら標準語でいいのに。
邦画の底力を見た
脚本、監督、演技、主題歌、とにかく全てが素晴らしかった。
1つの未解決事件と向き合って生きている人達の人生を覗かせてもらったような感覚だった。犯罪の片棒を担いでいたことを知った自分はこれからどう生きるべきなのか、罪悪感を背負って生きていかなければならならないのか。また、新聞記者とはジャーナリストとはどう在るべきなのか、何がジャーナリストたらしめるのか。ということを、この1つの未解決事件を通じて葛藤する様が素晴らしかった。
罪なき犠牲者
巻き込まれた子供のことを思うと‥ほんと涙が止まらない。罪の意識を感じたたつおはどこへ行ったのか。結局学生運動って何だったんだろう。何をしても日本の社会や警察は変わらない。1番の被害者は3人の子供だ。幸せな家庭をきづいた彼も、他の2人の生い立ちを知り、一生の罪として今後の人生を歩んでいく。間違った正義。確かにその通りだ。総一郎と母ちゃんが、残された人生を少しでも幸せに過ごして欲しい。そう願うばかりだ。
子供に焦点を当てたことは素晴らしいアイデア
時効になった大事件の真相に迫る物語。
グリコ・森永事件をモチーフにして、その真相を暴く映画です。
想像以上に良作で驚きました。
実際に死傷者が発生しなかった為に、私的にはそれ程興味を持てなかった事件。
その事件に、脅迫声明の声を充てた子供たちの苦難を付け加えたことで、とても深みのあるストーリーとなりました。
犯人の特定と、子供たちを探す道程・・・二つのテーマが無理なく共存し、サスペンスの面白さを盛り上げます。
また、犯人像の設定も秀逸でした。元々あった犯人像に、不可解な出来事の解釈を埋め込んだ設定は、現実の答えだとしても納得がいくものでした。
小栗旬や星野源をはじめとした俳優陣も素晴らしく、見応えのある2時間22分でした。
気になったのは、30年前の事件の真相に届くのが簡単過ぎるように思えたこと。
また、邦画あるあるですが、エンディングがくどすぎますね・・・星野と母親のやり取りは不快にすら感じられたし、娘のシーンも全カットで良かったように思えました。
配役が…
小栗旬さんも星野さんも嫌いじゃないんです。
むしろ好きなんですが…
違う人がやったら、もっとハマったかもって思う映画でした。
小栗さんの役はもっと知性的(見える)人
星野さんの役は高橋一生さんとか、、
(なんとなくふと今出てきた…)
良かったかな。
内容は、株?!!っていうのは
ちょっと斬新だったし、
やっぱり警察関係者が犯人中にいたのかな
って思ってしまった。
久しぶりに引き込まれるようにしてみた。
邦画にこんなに引き込まれたのは久しぶりだ。
俳優の演技力も、脚本も、京都 イギリス 明石大橋の背景の取り方も、子供たちの人生も、メディア側の勝手な理屈も、全て興味深い。
私は、学生運動は冷めた目でみていたけど、裏世界と政治経済の癒着には腹だたしい思いを感じていたし、マスコミの正義を振りかざしているつもりの自己正当化は、悪徳政治以上に大嫌いだけど、この映画は、そのどこに寄り添うでなく否定でもなく、そこを淡々と描いている所の新しさに引かれた。
令和の映画は、人に優しい。そして、ちゃんと考えさせてくれる。
実際にあったグリコ森永事件も、ひょっとしたらこの「罪の声」に近いところまで本当はわかっていたのかもしれない。
答えを知りたいと思い続けている私達にその裏側に近い世界を見せて描いてくれたのかもしれない。
そう思わせてくれた。
映画として面白いかと言うより
とにかく、グリコ森永事件にこんなに興味を持たされるなんて・・・原作の凄さを感じ映画そのものが面白いのかは?
もっと泥臭いキャスティングがいいのではないのだろうか。小栗旬さんの演技はこの映画全体を分かり過ぎていて自分が引っ張ろうとしている芝居になってしまっているのが気になるし、星野源さんにはもっとただの親父だったのにの感じが欲しかった。
出てきて凄い!っとなったのは宇崎竜童さん。最後の最後に全てを回収するに相応しいキャスティングでした。
この映画賞取ったりしてますが、それは原作の強さだと思います。ドラマで観る土井監督好きですけど何か足りない。
原作ファンの納得。
2017年のNo.1作品。なので、脳内のイメージが崩れるのが怖くて観てなかった。
そんな自分に空手チョップ級。
ボリュームあった原作を、どう2時間半ほどに作るのか。
映画では「脅迫電話に使われた“子供の声“の主たち」の今に焦点を当てる。
ここがわかりやすかった。
自分の過去を調べる声の主と、事件を調べる新聞記者。
二人目的は同じなので、だんだん訪ねていく場所が重なり。
「このまま事件を埋もれさせていいのだろうか」。
たくさんの証言者が出てきて、これは映像の方が格段イメージしやすい。
終盤大人の都合で、人生を変えられてしまった子供たち。
その姿が、痛ましすぎました。
原作と映像。2つで初めて「罪の声」という大作が完成した。
そんな気がします。
俳優陣も豪華でした。「ええ!」ってね(省略)。
もしかしたら今年のお家邦画No.1かもしれん。
あっという間の2時間半でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「「知らん方が、ええ時もある」。
フィクションだけど…
実際の未解決事件をモチーフにしたフィクションだけど、真実味があり、実は所々に真実が含まれているのではと思うほどでした。
そして、あの時に実際に、使われた声の主だった子供達は…今頃どんなふうに生活しているのでしょう。
それにしても、キツネ目の男の再現率半端ない😃
グリコ森永事件を題材にしているが、なぜ今?という感が否めない。 「...
グリコ森永事件を題材にしているが、なぜ今?という感が否めない。
「知らない方が良いこともある」
まさにこれだと思った。
幸せに暮らしている主演の星野源にとっては、知る必要など全くなかった事実。
観ていてやり切れない思いの方が強かった。
あと、小さな声でボソボソと話す人が多くてイライラする時間帯も多かった。
あの事件は一体何だったのか?
高校生のころに起きた事件「グリコ・森永事件」をモチーフにした作品。
大阪に住んでいる自分にとって、この事件は今までにない大事件でした。
その当時、指定場所を指示する子供の声がすごく心に残り
「この子どもは意味が分かっているのか?」「犯人グループとのような関係があるのか?」と
思っていたことを思い出させられました。
あの事件は一体何だったのか? あの事件で何が起こっていたのか? が
この映画で自分の中で幾分か納得させてもらったような気がしました。
ひとの人生を大きく変えてしまうであろう出来事に
今はどのようになっているのかがすごく気になりました。
見ごたえある群像劇
2時間半近くある長編ですが、時間を忘れて最後まで観ることができました。
主人公の一人である星野源の「普通の人感」が物語に非常にマッチしており、何気ない日常を送れることの大切さを訴えかけてきます。
未解決事件の真相解明というよりは、事件によって人生が変わった・変えられてしまった人々に焦点が当てられており、話が進むにつれて段々と胸が苦しくなっていきます。登場人物が多いので少し疲れますが、最後までダレることなく纏められた脚本は見事です。
欲を言うならば、もうひとひねりというか、衝撃の事実みたいなものが欲しかった。全体的に淡々と話が進むので、映画的に盛り上がる場面が少ないのが残念。また、作品の元ネタとなった「グリコ・森永事件」をある程度知っていることが前提で面白い部分(キツネ目の男とか)もある思うので、元の事件を知らない人が観たら少し物足りないかしれません。
正義のための犯罪の浅はかさ
「正義のための犯罪」、「誰も傷つかない犯罪」。しばしばドラマや映画で肯定的に扱われるモチーフである。
しかし、嬉々としてその犯罪の素晴らしさを説く犯人の、いかに浅はかなことか。愚かなことか。視野の足りないことか。考えの足りないことか。
それらの犯罪の愚かさをテーマとした『ファーゴ』やら『復讐者に憐れみを』やら『古畑任三郎の江口洋介回』やら、その系譜の中でも特にシリアスな映画である。
実際、元のグリコ森永事件でも、焼身自殺が出ている。
学生運動を嬉々と美談として語る世代に怒りと見下しを隠さない信念ある映画である(『相棒』とは大違い(笑))
全412件中、61~80件目を表示