劇場公開日 2020年10月30日

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「「事件をエンタメとして消費しない。」」罪の声 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「事件をエンタメとして消費しない。」

2020年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

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「グリコ・森永事件」をモチーフに、過去の事件を追う記者と犯行に使われたテープに自分の声が使われていた男2人が事件を調査していく話。
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話は結構淡々と進んでいくので、思ってたよりちゃんと社会派。事件の調査で色んな人に証言を聞いていくんだけど、その証言者がほぼ見た事ない俳優さんだからまるでドキュメンタリーを見てるみたいだった。
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ドキュメンタリーみたいだけど、脅迫テープに子供の声が使われていたことや、キツネ目の男、マスコミ各社に送られた脅迫状、などなど、「グリコ・森永事件」で報道されていること以外はフィクション。
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でもそれがフィクションとはいえ、映画で描かれてることはこうであったかもしれない事実だと思ってる。実際声を使われた子供たちは、普通に幸せに暮らしてるかもしれないし、悲惨な人生を送っているかもしれない。私達には分からないけど、それは全部事実だと思う。
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実録犯罪ものって、普段見てるニュースの見方を変えてくれる。その事件の裏にはどんなドラマがあって、どんな人達がそれを起こしたのか、それを考えられれば少しはこの社会のことがわかるようになる気がするんだよね。
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私的に小栗旬が犯人にかける言葉、ちょっと置きに行ったなという感じがした。正しいことを言ってるけど、その正しさだけじゃ根本の問題は解決してないのがなぁ。やっぱり有楽町から2駅のところに忖度してるような気が、、笑

せつこん