あなたの名前を呼べたならのレビュー・感想・評価
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インド社会の差別問題を浮き彫りに
・メイドとは結婚できない
・メイドの部屋にはドアも無く出入りが自由にできる
・雇い主側はメイドに対して失礼な言動をしても構わない
・村では、配偶者が亡くなると女性は一生未亡人として生きていく
・村では、未亡人は腕輪を着けてはいけない
・未亡人は次の結婚ができない。もし破ったなら親戚によって罰を与えられる
・村では、未亡人は姉妹の結婚式に出席できない
・早く嫁入りさせたい、或いは持参金が要らないなどの理由で親が勝手に娘を結婚させる
違う社会で生きている私にとっては
人権を無視したばかばかしく悪しき風習だと感じられる
これらの身分差別や女性差別なども
当のコミュニティで生きているラトナたちは
受け入れて生きています。
でも、その中で幸せになれるよう
精一杯努力している姿にエールを送りたくなりました。
別のコミュニティで暮らした経験のある
アシュヴィンは
ラトナを未亡人メイドではなく
1人の女性として愛しますが
ラトナや友人らに説得されて
風習を打ち破る行動には出られませんでした。
ラストシーンでは
アシュヴィンが愛すべきラトナの幸せを応援し、
行く末に愛を実らせる種を蒔いたのではないかと感じられました。
映画らしい映画。 テーマも古典的といえるかもしれない。 だからこそ...
映画らしい映画。
テーマも古典的といえるかもしれない。
だからこそ、いいのか?
ヒロインが素敵すぎる。
未亡人で地方の因習に翻弄されたことも眼に影として宿る。
自分の夢を叶えようと動き出すと肉体が表情が生気を帯びる。
そりゃあ惚れるだろう。
美しいヒロインを描いた美しいインドの映画。
好き。
二本立て二本目。恐るべき格差社会。 メイドに恋する旦那様。その過程...
二本立て二本目。恐るべき格差社会。
メイドに恋する旦那様。その過程が実に丁寧に描かれている。が、見ようによってはやや長くてだるい。
格差を乗り越える意欲溢れる旦那様。しかし、その壁は厚い。ここが、超納得させられる。
どうなってんだ、インド。格差と女性蔑視。つい最近も獣医師がレイプ後、殺され、遺体に火をつけられるって事件がありましたよね。
旦那様の慰みモノになってるメイドがいっぱいいそうで怖い。この作品はまだましなのかも(怖)
この作品、ラストが良かったです。標準点+0.1です。特に女性に見てほしい。日本で生まれて良かったと思えるはず。
切ない恋愛映画
身分の違いや古い慣習に縛られ好きになってはいけないのに愛し合ってしまう切ない恋愛映画。インドの生活の様子や貧富の問題など日本とは違う文化に触れてよかった。。恋愛の行方まで描いていないが幸せな気持ちでした。主演の女優の演技が光っていました。
インド風に洗練された作品
相手にひたむきに思いを寄せ、純真無垢な心で夢を育むとても可愛らしい女性。
彼女の何気ない表情や少ない会話の合間から感情を想像することが、この作品の楽しみ方のひとつかもしれません。
切なく美しい禁断のラブストーリー
派手な演出も無くシンプルなストーリーですが観るものをグイグイ引き付ける素晴らしい作品。インドの格差事情は良く分かりませんが、それでもラトナとアシュバインに感情移入し二人の恋愛を応援したくなる。
2019-243
幸せエッセンスをありがとう!
久しぶりにこんな純愛映画を見た気がする。
しかもインド映画なのに基本、歌も踊りもなく、静かにストーリーが展開していくなんて、新しいインド映画の世界観。
身分制度や住む世界が違う二人の恋愛映画という点ではベタな展開だけど、それが可愛らしくて爽やかで心地よい。
また、ここで終わり!?という場面での終わり方だったけど、逆に言えばここしかない!という最高の終わり方であり、観終わった後、幸せオーラで包み込まれた。
また、その後の展開を思い描くことも出来(きっとニューヨークで幸せになったはず!)、それを含め素晴らしい終わり方。
エンドクレジットの曲も良い味出してるし、最近暗めの映画が多くて疲弊してた心の栄養になった気がする♪
おかえりなさいませ!ご主人様
またもやムンバイ映画。この2ヵ月で3本目の鑑賞となりました。それぞれ全く違う映画ではありますが、根底にあるのは古いカースト制度による身分の差が根強く残っているのが浮き彫りにされてるところ。今作では、メイドとご主人様がメインになるのだから、その設定の段階で格差社会が描かれているのです。
ところがもう一つのテーマとして、田舎の方では「未亡人」になったら未来がないと周囲から見られるしきたりがあること。完全に男尊女卑の負の精神までもが残っていることに驚かされました。ファッションデザイナーになるという夢を持ちながらも、田舎にいては就職さえ無理っぽい。都会に出て生まれ変わらなければ何もできないのだ。
そんな人生を半ば諦めているラトナと、結婚が破談となったご主人様の共同生活。寂しさを埋めるかのようにラトナにミシンを買ってあげたりするところで、もう涙腺が緩んできます。どこへ行くんだ?ラトナ・・・都会の人間が思いがけなく皆寛大で優しいことにも気づかされ、人生捨てたもんじゃない!と理解する。勇気をもって生きよう。そう思える映画でした。そう、braveは勇気があるだよ!
こんな物語がインドに溢れますように。溢れて溢れて溢れて、日常になります様に。
ヤ ラ レ ターーー、また。最後の最後に。インドのインド人のインドなカースト格差純愛もの。なんなんだよ、この一瞬芸。瞬間爆泣。
原題は「SIR」。これに「あなたの名前を呼べたなら」なんて邦題つけた所にスケベ根性を感じました。泣かす気マンマンマンマン過ぎるって。で、まんまと引っかかってしまう俺。詳細は丸々割愛するけれど。
良かった、とっても!
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10月16日 追記
インドって難しい。憲法には、カースト差別の禁止が明記されていますが、厳しい差別は現存しており、深刻な貧困はもちろんのこと、時に残虐な殺傷事件を引き起こしています。
カーストの更に外側に置かれた、不可触民のことを「ダリット」と呼びます。馬を所有していたとして撲殺された若者。姉妹との交際を疑われ、首を斬られ焼き殺された青年。上層階級の女子と話しているところを見られ、リンチの末に殺された少年。容疑者の殆んどは、無実で釈放されています。これらはダリットと呼ばれる人々の生活の現実です。
カーストの内側であれば、はるかに幸せだと言える。
ラトナとアシュヴィンの格差の現実は分らないけれど。混ざってしまえばいい訳で。というか、混ぜこぜにしちぇえ、って思う訳で。100年掛けて。足りなければ200年でも300年でも掛けて。憲法では、歴史が築いた壁を壊せないから。
壁を壊せるのは、やっぱり「愛」だよね。って言う物語は、おフランスなサラサラとした演出で、見る人によっては「物足りない。盛り上がらない。」かも知れません。いや、これ、韓国や日本だったら、コッテコテでベッタベタなお話にしちゃうかも知れない。フランスとの合作で良かったと思わされる映画でした。
原題どおりがよいような
「Sir」が原題。
その意味が徐々に明らかになっていくのだけれど。
距離の近さがもどかしいぐらいに、ゆるやかで。
そして、なんとも切ない。
階級を超えて、人として相手を尊重するということの大切さが伝わってくる映画です。
押し付けるでもなく、怒るでもなく、静かな抵抗がそこには厳然とある。
その強さに圧倒されます。
ムンバイ出身のロヘナ・ゲラ監督がインド社会が抱える問題の重さに対する自らの意思を強い想いを持って映像化した作品。
農村出身で、ある事情でムンバイでメイドとして働くラトナが仕える建設業の御曹司”Sir"がとにかく、良い漢である。(飲み屋で流し目を送って来た女性と普通に一晩過ごしてしまう所なども、人間臭くて良い・・・(すみません・・))
彼は身分さのあるメイド(本来は彼のメイドではない、劇中で確認できる)、ラトナに対して、”有難う” ”ごめん”を随所できちんと伝える。接し方も(インド社会の身分差を考えると)ジェントルマンである。
彼の態度がアメリカに留学していた経験が基にあるのが徐々に分かってくるし、これが後半の彼の行動の理由になってくるのも上手く描いている。
この件はロヘナ監督自身の経歴を物語っているだろう。おそらく、ロヘナ監督は”Sir"を自らの今後のインドに求められる男性の象徴として描いているのではと類推する。
一方、ラトナも自分の不遇な境遇を嘆くだけでなく、前向きに生きる控えめながら強い女性であることがきちんと描かれる。(それにしても、ラトナさん、気持ちが表情に素直に表れ過ぎだろう!、まあそれに”Sir"は惹かれたのだろうが・・。)
徐々に惹かれ合っていく二人の前に聳え立つ壁の高さ。そして、それに対して、”Sir"が選択した行動と、彼からの電話にラトナが発した一言のセリフの素晴らしさが心に沁みる。素晴らしいエンディングである。
<現代アメリカでの教育の素養をベースにある強い想いを持って監督が描き出した、新たなインド映画の秀作>
実に巧い
基本的に会話劇と言っていいのだと思う。
扱うテーマは、インド特有の背景もあって、なかなか簡単ではないのだけれど。
そうした難しい事情も消化しつつ、主人公2人の生まれや家族の背景なども会話の中で説明され。
そして、ラストも絶妙かつ、納得度が高い。
安易ではないし、主人公2人のどちらの想いも汲んだものになっている。
ラブロマンスって、基本的にファンタジーなんだと思うんだけど。
あまりにご都合主義だと観ているほうはシラけてしまう。
本作は、ほんとうに主人公2人の言動を積み重ねて必然でストーリーを運んでいる。
すべて、さりげなくおこなわれているが、なかなか出来ないこと。
ブレスレット、お酒をこぼしたお姉さん、妹のこと、亡き兄のことなど、すべての伏線が意味を持ち、何一つムダがない。
脚本、演出の巧みさに唸る。
ラストのシークエンス、屋上で、かつて2人でいっしょにここに立っていたことを、ヒロインが想うシーンが秀逸。彼女は、あのときと同じ場所に立つ。忘れてはいない。忘れようもない。それは、想いの深さを表している。セリフもないが、静かに、しかし強く胸に訴えかける。
邦題も巧い。
タイトルなし
意外に星の数多いですね。
ロケットマンでバカ感動した後だったから余計かもしれませんが、淡々と進みすぎて途中で寝落ち〰️。
肝心なご主人様に襲われる?だかのシーンを見落としてしまいました。
少女漫画にありそうな夢物語ですね!
繊細な映画
パーティのシーンでラトナが料理を手にゲストの周りを歩くが、誰もメイドになど目も止めない。
料理を手に取ってもだ。メイドとはそういうものなのだろう。
ご主人様が優しすぎて夢物語のようだが
どの辺りから恋が始まったのかよくわからなかった。
もう一度ジックリみてみたい。
ラトナは貧しく化粧気もないが、着ているものは鮮やかで美しく部屋の小物も可愛いらしい。女性監督の気配りやセンスが感じられた
完璧だと言える映画のひとつ
壮大な音楽や壮大な景色などの、他のエンタメから強いカードを切らずに、映画としての良さ、映像作品にできる表現を用いてこの物語を表現し切っています。
映画という媒体の美しさを感じさせられました。
物語が始まったことに気付かせない程自然な冒頭。
わざとらしく物事の説明をするシーンなど全くなく、お伽噺のような魔法もありません。
見ているうちにラトナと旦那様を好きになり、インド社会の厳しさを垣間見、夢を抱くことの素晴らしさに胸が踊ります。
ラトナ役の方の表現力が素晴らしいです。旦那様がラトナのどんなところに惹かれたのか、描写の積み重ねできちんと伝わります。
そういったものにあまり詳しくありませんが、映画的技法にもかなり優れているのではないでしょうか。テクニックが秀逸だと感じる部分が多くありました。
自然体でありながらも、観ている者を深く引き付け続ける約90分でした。
日常は目まぐるしく変化し、社会は相変わらずしがらみが多く、友人はいい人で、旦那様はわからず屋だけど、素敵な人でした。
いわゆる身分違いの恋
現代でも明確な身分制度が存在するインドで、結婚したばかりの妻に出ていかれたアメリカ帰りのエリートインド人と、彼に雇われている未亡人で田舎にいられなくなった若い住み込みのお手伝いさんが、徐々に心を通わせていく。しかし当然、容易には壁を乗り越えられないが…。
身分違いと言っても、アメリカナイズされた価値観を持っている男性と、身分が低いといってもまだ若い女性、ちょっと壁低し。また男性役の俳優も白っぽい人だと思ったらシンガポール人らしい。つまりコテコテのインド人同士ではない設定である。
良いなと思うのは、女性が自立の夢を追うところ。
また、もし2人が気持ちを優先させて一緒に渡米してハッピーエンド、になったところで、2人のアメリカでの生活が数年後も変わらずハッピーとは言い切れないと想像してしまい、この結末は正解かも、と思ってしまった。
男と女が1つ屋根の下で
若い男と若いそれなりに美しい女が1つ屋根の下で住むと、そりゃ、そうならない訳がない。
自分がもし彼女の立場なら、、
そのまま、男女の関係になったでしょう。
ただ、in japanの場合。
インドでは、やっぱりこうなるよね。
切なすぎる。
最後のシーンに希望があります。
個人的には、最後は彼が迎えに来て一緒にアメリカまで行って欲しかったなぁ。
全61件中、21~40件目を表示