あのこは貴族のレビュー・感想・評価
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人生のパートナー
結婚と友情と仕事の話
なかなか興味深い話でした。
自分にはなじみがないけれども、住む世界が違う人っているのですね。
家柄、お金、いろんな壁で出会えないけど意外と近くに居たりするのでしょうか。
この作品で振る舞いから生き方、考え方まで違う上級国民の人々が見れて勉強になった。
大人になってから気づいたけど、小学生の時とか育ちが違う子っていたなと思い出した。
家や親が偉いだけで、学校も遊んでる場所も同じなはずだけれど、無意識のうちに優劣がついていた。
小学校、中学校までは一緒でもその先、疎遠になってずっと会ってない友人、会いたくなくなってる友人が結構いる。
身分ってあるんだなって思った、悲しいけど。
いや、この作品のテーマは身分や貴族ではなくて、生き方や幸せについてだ。
主人公たちは貴族にかかわっていく話しですが、一般人にも共通する悩みが多い。
田舎暮らし、家族、同級生、将来、お金、結婚。
田舎は嫌だけど、東京の養分になっているだけの自分に感じる不安。
名家に嫁いで王子様のお嫁さんになれたけれど、存在意義が見いだせない不安。
二人の主人公にはそれぞれたくましい友人がいてとてもそれが魅力的だった。
自分の力で生きている、自分の意思を貫いている。かっこいい。
ひとりだけでは難しい道のりでも、一緒に歩んでくれる相方が居ればきっと道は開ける、希望の有る物語は見ていて心にしみるし勇気をくれる。
今の生き方に悩んでいる人はぜひ見ていただきたい、何かしら得る物があると思う。
いいシーンだと思ったのは、門脇麦と水原希子が石橋静河を接点に繋がり、レストランで会うシーン。
修羅場になるであろう場面が予想外の展開でいい意味で期待を裏切られてよかった。
高良健吾の王子様感よかったですね、クズな性格ではないけど、根本的に住む世界が違う人間って感じがぴったりでした。
門脇麦と水原希子は言わずもがなです。
主演二人よりもキャラクターとして美味しいかったのは石橋静河と山下リオですね。
芯のしっかりした人間性や頼りがい、人懐っこさとか素晴らしかったです。この二人を見るだけでもこの映画を鑑賞する価値ありです。
全体として雰囲気もキャストも素晴らしかったし自分の将来について考えるきっかけになったいい作品でした。
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劇中セリフより
「そう言ってくれるの、待ってた気がする」
自分に先頭を行く力がなくても、だれかの支えになれる。
互いが必要とされる関係、これが生きる意味ってやつですかね。
まんまの映画で、自分とは縁遠かったけど
まさにハイソな、いやそれ以上の天井人のお話で、自分とは異世界の事柄ながらも、非常に見入ってしまいました。
確かに、知らない世界への興味というところもあったけれど、細かな描写とか脚本の妙というべきなのか、演者の仕草や対話が相当良かったです。
演者の実際の出自など知っているわけじゃなかったけれど、まるで門脇麦とか高良健吾を筆頭に全ての演者の実際の出自が劇中と一緒のような印象を受けるくらいの配役とパフォーンマンスで、貴族という“設定”も違和感なく受け入れることができた気がします。
遠い存在の華子の気持ちがひしひしと伝わってくる感じが、何とも言えず、感動的でした。
終わり方も好きで、文字通りの作品なのに、意外と予想を超えた良作でした。
東京の クラース を描く
英国と違って日本には明確な クラース というモノがない
だから ケン・ローチの描く世界のシンパシーが少ないのだが、それを描こうとしたのが、この映画
差別のボーダーは 地方出身 東京に来ると、彼ら彼女らには あっちとこっち という棲み分けを意識させられる そこに起こる人生の交錯を描いていて、 芝居の妙味が楽しめる佳作
門脇麦もいいが水原希子の成長が感じられる。 様々な差別に遭って来たが、それを乗り越えて、女優への覚悟が座ったように感じた。
そんな虚実の皮膜に、この映画の不安定な面白さが根付いているようだ。
深淵に届くことなき視点
汚れや毒素を排除して描いては、感受性に作用する刺激は薄いのだ。貴族主義が主軸であっても、映画で「東京」を題材の一つに据えた時、描き方一つで“この街の何を見てきているのか”が露となり、印象も決定付けてしまうだろう。その意味では、危険なテーマである。住み分けされているが故に交わらない階級の人種、確かにそのことは存在する都市、TOKYO。何方にせよ、街の景観や社会構造は片一方の視点から構築され、路を隔てそびえ立つ。生きる場所が異なる者がこの街で交差する瞬間、其れ等の奇妙な合流が心に残り消えず、人生の変化に作用する。感情の起伏に影響するその刺激を、如何様にでも掘り下げられた筈だ。上層階級の視野がこの程度故に描き方としては満点なのだろうが、このキャスティングにしては平面一辺倒で退屈な小説の様だった。演者のみせる表情に惹きつけられる持味が映し出され、それなりに観入る事は出来るものの、原作に忠実ならば皮肉な話である。
貴族という偶像を生きる。
日本の中心。東京。
友人と高額なアフタヌーンティーを楽しむ。高級バッグも普段使いで移動はタクシー。医者の家系で育った箱入り娘の華子。
一方、地方から上京したものの学費が払えず大学を中退。捨て身で働き生きてきた美紀。同郷の友人と自転車でニケツ。大都会の夜空に愚痴を吐き出す。私達はこの街の養分だと。
華子の運命の相手、幸一郎。更にグレードの高い上流階級のご子息だ。家柄の良いお嬢様と結婚し跡取りを生み政治の道へと進むことが生まれた時から決まっている。誰かが決めた道を当然のように歩く幸一郎と華子。違和感に気が付きながらも目を背けて。
あることをきっかけに知り合った華子と美紀。まるで違う東京を生きてきた2人がビルに切り取られた東京タワーを並んで見上げている。力強く輝く美紀の言葉に自分自身を生きようと勇気をもらう華子。東京タワーがめっちゃ綺麗で素敵なシーンでした。
門脇麦と水原希子が好演!特に水原希子が都会で地に足をつけて生きる女性を体現していてかっこよかったです!
幸一郎も悪い人ちゃうけど打算的やなぁって思ってたけどラストの表情がグッときた。不器用だけど華子への愛情はちゃんとあったんやねって安心しました。
数年前東京へ嫁ぐ友人に「知らんけど、って言ったらあかんで!」「オチを求めたらあかんで!」「地下鉄が深いから気を付けてな!」「迷子にならんとってな!」ってみんなで送り出したことを思い出しました(笑)同じ日本なのにやっぱり東京って特別な気がする。
最後に「邂逅」が読めなくてちょっと損しました。そういう意味だったんですね(笑)あ~情けない。
男の種類
夕暮れや夜、雨の東京の空気を感じられる映画だった。
水原希子の時代時代の表情の違いもとてもよかった。『ココット』のミシェルファイファーみたいだなとも思った。影によって美しくも醜くもなれる。
結婚を焦って華子が出会う男たちの種類が、店や場面にそれぞれとてもよく合っていて、過去の自分の思い出ともマッチして苦笑した。
欲望を抱くのは、品のない行為なのだろうか。
自分で選んだり、選ばれたりしながら東京に居場所を作っていく美紀の部屋に居心地の良さを感じる華子は、欲望を持つことを尊く思わない家柄に育ちながらも、とても素晴らしい感性の持ち主なのだろう。
あと、華子のお姉さん(皮膚科医じゃない方)の居かたや、美紀の弟の「アピタ寄ってく?」もすごくよかった。
エンディングにもう少し余韻がほしかったが、そんな欲を抱くのは品がないのかもしれない。
「すばらしき世界」を観るつもりが、上映時間を間違えていた為、急遽こ...
「すばらしき世界」を観るつもりが、上映時間を間違えていた為、急遽こちらを鑑賞。
結果、観てよかった!
個人的に好きなポイントは、大きな展開は無いにしても、登場人物のやりとりが自然であること。
またお見合いでの連写シーンや、関西弁の居酒屋シーンは笑ってしまった。(芸人さん起用で関西弁のイントネーションにハラハラしなくていいのも、関西人からして高ポイント!笑)
なんてことないシーンの登場人物も、何だか愛おしいってイイ。
何より同じ女性から見て、主人公達が自分を見つけてゆく姿が、嬉しかった。
終盤、橋のシーンも、なんってことないんだけどね…自分が経験した事のある記憶みたいな気がして。
本当に些細だけど、何かを少し変えたり、踏み出せた時、なんだ、まだ頑張れるかも、ってフワッと思う、あの気持ちだ。
終わり方も好きです。
あんなコンサート行きたいなぁ
【時代の雰囲気、フィクションのピースを生きる人、生きたい人】
この作品のテーマは、女性の生きづらさなのだろうか。
このレビューは、実は、映画を観終わった後で考えれば考えるほど、堂々巡りになるものだった。
逆説的な意味もメッセージにはあるのではないかと考えたが、世の中の評価がどうなのかは全く想像はつかない。
実は、生きづらくさせているのは、もしかしたら、僕達自身なのではないだろうか。
僕達は、皆、それぞれのフィクションのピースを生きているのかもしれない。
この映画がフィクションだからと云う意味ではない。
都会、田舎、階層…。
これらのカテゴリーに応じて作り上げられたイメージがフィクションではないのかと思うのだ。
美紀が、東京タワー見上げるベランダで、華子に、あなたの世界とうちらの田舎はおんなじだね、と笑って言う。
そう、よく考えたら、大差ないのだ。
予告映像でも使われていた、華子が自転車の美紀を呼び止め、美紀がキッと急ブレーキをかけるシーンは象徴的だ。
一度立ち止まって、周りを見渡してみれば、きっと、自分たちの作り上げたフィクションの世界が、そこかしこに転がっていて、大した意味もないことに気付くかもしれないし、そして、自分自身を再び見つめ直すことも出来るかもしれないのだ。
「貴族」という言葉のギクっとさせられる響きの一方、日本には貴族なんて存在していない。
カズオイシグロの「日の名残」に出て来る執事が仕えているのは貴族だが、ここに出てくる貴族は、実は、ちょっとしたお金持ちっていう程度のはずだ。
玉の輿に乗りたいとか、セレブになりたいとか、そんな幻想の上に立ったイメージが、ここで云う貴族なのではないのか。
自分より裕福な人をいちいち貴族と呼んで、自分の境遇を蔑んでも意味はないように思う。
南禅寺界隈の別荘地だって、個人じゃ維持は出来なくて、企業所有になったり、外国人の大金持ちに売却されたりする時代なのだ。
僕はいろんな家族を見てきた。
余談も交えて話すと…、
具体的には言えないが、ものすごく長い歴史を刻んだ家族は極めて常識的な人達で、人を蔑むような発言をしたのを聞いたことはないし、世の変化に翻弄されながらも、必死で生きている気がする。
一方、政治に深入りした家族の方が、この映画でもそうだが、どちらかというと貴族的に振る舞いたがる傾向が強いように思う。
過去に事業で成功したものの、その後の新たな事業展開や投資など上手く行っておらず、政治に接近して、自らも政治の世界に足を踏み入れたような感じだ。
財産分与の争いもあるし、大事件に発展した事柄だってあった。
華子が婚約の挨拶で、会食の部屋に詰(にじ)り入るシーン。
あの作法は、もともとは茶道のもののはずだ。
茶道のお手前としてならまだしも、普段から、あんなので自分が値踏みされたら面倒臭いだろう。
まあ、僕のくだらない余談は横に置いておいて、この映画を観た人が、アフタヌーンティーをする人に、「貴族ぅ〜」とか言うようなことがないように祈る。
これは、女性や田舎出身者の生きづらさではなく、フィクションの世界を自分で作り上げて、その中で生きづらいと思っている人の物語だと、だから、踏み出してみなよというメッセージなのだと、僕は改めて思う。
作者の本当の意図が何なのか見えづらかったが、門脇麦さん、水原希子さん、石橋静河さん、山下リオさんは、なんか良かったのでプラス。
今いる世界から一歩踏み出す
原作未読ですが、主演の門脇麦さんが気になり、それなりに注目していた作品です。彼女を知ったのは何年か前のテレビドラマです。不思議な空気感をもった女優さんで、以来ずっと気になってました。最近では大河ドラマにも出演していましたが、そこでの役は彼女のよさが生かされてない感じで、いささか残念な出演作となってしまいました。さて本作では、貴族の令嬢役で、主演としてどんな演技を見せてくれるのかと、不安と期待混じりで鑑賞してきました。
失礼ながら、正直、門脇麦さんは令嬢のイメージとはちょっと違うなと思っていたのですが、これがなかなかどうしてよくハマっていました。話し方から立居振る舞い、細かな所作まで、きちんとしていて一部の隙もありませんでした。一方、田舎から上京して必死で生きる女性を、水原希子さんが演じます。これまたイメージとのギャップを跳ね除け、ピタッとハマっていました。都会で気を張って踏ん張る姿と、田舎で素顔の自分に戻ってリラックスした姿との演じ分けが絶妙でした。
そんな主演二人の見事なキャスティングのおかげで、大きな事件も起きずに静かに展開していくストーリーなのに、いつのまにか作品世界に引き込まれていきます。本来なら出会うはずのない華子と美紀は、着飾って料亭で高級料理を楽しむ上流階級と、ジャージに身を包み自宅で煮物を頬張る庶民。その生活は天と地ほどの差があります。
しかし、本質的な部分では同じなのかもしれないと思わされました。生まれた場所や立場によって、求められるものや制約があり、階級は違えど何かに縛られながら生きていることに変わりはありません。それが女性であるなら、なおさらなのかもしれません。そんな現代女性の生きづらさをリアルに描くとともに、同じような思いを抱える女性の背中をそっと後押ししてくれるような作品だと感じました。東京を舞台に描かれるため、田舎者の自分には想像で補うしかないところもありましたが、共感できる部分が多かったです。
互いの生き方に触れ、新しい一歩を踏み出した華子と美紀を心から応援したくなりました。
素敵な作品(あと、三姉妹描くの上手すぎる岨手由貴子監督)
これは傑作だった◎
これまで全く違う人生を歩んできた、都会に暮らす女性2人のそれぞれの人間ドラマ。お金持ちの部類に属するお嬢様育ちの華子を門脇麦、地方から上京し頑張って勉強して入った大学で学生生活を送るが実家の金銭面が逼迫し、中退を余儀なくされた美紀を水原希子。この設定と予告だけじゃどんな映画かあまり予想出来なかったけど、岨手由貴子監督の最新作なんて滅多に観れないから、もう大興奮でいきましたよ…
私が溺愛している「グッド・ストライプス」の岨手監督。大好きだから。そりゃ待ち望んでましたよ。グッド・ストライプスとは、内容も全然違うしそもそも原作のある映画だから勿論ジャンルやテイストは違ったけど…丁寧に作られた愛すべき作品だった…!
立場の真逆な2人を描く作品って、金持ちと貧乏人とかアイドルと一般市民とかこれまでも沢山あったけど、その中でもなんか新しいし観ていて気持ちの良い、それでいて可愛らしいところや信念のある2人で、魅力的だった。
2人を取り巻く周囲の人達も良かったなぁ。まず親友が◎過ぎる…!華子(門脇)の親友逸子(石橋静河)も、美紀(水原)の親友里英(山下リオ)も、それぞれすっっごいすっっごい良き友。この2人を比較したとしてもかけ離れた人生だけど、そもそもの人間性が良くて…性格も良くて、人柄も良くて、かわいらしいところも沢山あるし、強さと優しさが同居しているし、好き。個人的に、石橋静河さ…「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」の時も(あれは新人を起用する事に意味があったから)もちろん新鮮さが良かったんだけど、ここ最近演技めちゃくちゃ上手くなってるし、表情とか仕草が可愛いしきれい。ぐんぐん素敵になってて目が離せないうちのひとりになった。
周囲の人達の話に戻るが、華子の家族がまた良い。花子の立場になったら色々縛られててキツいなぁと思う事も沢山だけど、冒頭の正月の家族での高級ホテルでのお食事シーンで既に心鷲掴みにされた。一人一人、皆金持ち育ちだからベースはそうなんだけど、個性が割とあってくすくす笑いはじめて気付いたら沢山笑ってた。2人の姉、特に長女最高◎石橋けいキャスティングはずるいよ…!石橋けいやっぱり好きだわ。山内ケンジ作品を見返したい。てか岨手監督、三姉妹を描くのあまりにうま過ぎやしません?笑。グッド・ストライプス然り。両作品ともに面白い三姉妹が出ててどちらもめちゃくちゃ良いキャラした人達集まってる…特に長女笑。出会ったことがあるようで出会った事ない、妙にリアルで妙に面白いこの感じ。素晴らしい。
今回は、この石橋けいさんの旦那の山中崇もすごい好きな役どころだった!山中崇そもそも好きだけど、今回の役は好きですね〜。家族にも恋人にも緊張しがちな華子だけど、この義理の兄さんには割とナチュラルに接してて、この2人が話すシーンは何か好きだったなあ。癒された。劇中にて、華子は長女と歳が離れててちっさい時に長女と義兄さんが結婚したから義兄さんとは一緒に居る時間が長いと言ってて、納得したけど、にしても良かった。
そして観た人みんな思ったろうけど、華子と美紀の出会い方。意外だし、出会ってからの関係値への流れも意外と新鮮さが入り混じってて…結果凄く良いなと思った。展開がいちいち良いのよ。(2人の出会いとか、あとそれ以外にも、華子が幸一郎と出逢うまでの色んな男との出会いや…多分人と人との出会い方がいちいち色んな意味で面白い◎)
また、2人を出会わせた逸子ちゃんの言い放った「世間は女同士を戦わせようとし過ぎ」みたいな発言も、目からウロコだったな。パンフに寄稿してたきょんきょんの感想がまさに私や皆んなが思ったこのえもいわれぬ感情を言葉にしてくれてて、凄く良い感想だったよ。
原作ありきの良さかもしれないけど、一見普通に見えるこの作品の他とは違うところのひとつは、この状況の2人が次に言うセリフや展開…これまでの映画ドラマセオリーを考えりゃあどっちかが叫んでそしてもう片方も泣き叫ぶね…と思うようなところで、叫ばないし怒らないし変なドラマティックなキレ方もしない。ところ。リアリティを追求とかじゃなくて、それがなんか心地良くて好きだなと思った。そう、人間って、(国民性もあるかもだけど)思ってる以上に言いたい事ばんばん言える人ばかりではないし、思ってる以上に簡単に人に向かって叫んだらしない。結構本当の気持ちを飲み込んでしまったりするけど、ひょんなところで吹っ切れて次へ進めたりもするもんなんだなと。
上手く感想がまとめられない上に内容にはあまり触れてないのだけど…
華子も、美紀も、色々あったけれど、心の底から応援したくなる人達だったなあ。周りの人たちもそう思ってるでしょう。映画の中ではラストシーンが終わったけれど、これからも応援し続けたい2人だなと思いました。
予想外の秀作!
重い退屈な映画と思いきや、重い雰囲気の中、興味深く観させて頂きました
最近は良家が廃れてきている感がありますが、もっと上の方々は安泰なのかな?
そんな上流っぽい家の微妙な関係が上手く表されているのが素晴らしい
女性二人とその友達の人間関係も良かった
あー、慶応に行かなくて良かった、と
輪郭
華子がなにも違和感なくまわりに合わせて生きていた生き方から、自分の輪郭をはっきりとさせて自分自身で決めていく生き方に変化していく。その変化をすごく丁寧に、ゆっくりと、いろんなひととの関わりや環境の変化から描いていく。じんわりと心に響く、いい映画でした。出てくる人みんな良かったなぁ。。
最後までグイグイ引き込まれました。
自分から遠すぎて想像も出来ない別の世界。
いや、そんな世界がある事すら知らず、知らなくても何ら困らず一生過ごせたかもしれない。
上流階級と一般庶民。
息が詰まりそうな人生は辛そう。
しかし、生活に追われて息が詰まるのはもっと辛い。
本当の幸せってなんなんでしょうか?
ラスト近く、何気ない事で見せる主人公の心からの笑顔。
本編以降、主人公元夫婦の関係性は変わるのでしょうか?
同じ東京タワーを観ている
岨手由貴子×門脇麦×水原希子「あのこは貴族」2人が初めて同じ光景を観るシーンで美紀(水原)が華子(門脇)に語る言葉がこの映画の全てを表していたと思う。ジェンダー、家長制度、地縁、血縁、因習、人を抑圧して可能性を奪うシステムに対して、抵抗のスタートラインに立つ人たちの物語。
当然、門脇麦と水原希子は素晴らしいんだけど、「朝が来る」でも光っていた山下リオが素敵でした。あと、「キッズ・リターン」「佐々木、イン、マイマイン」に続く、チャリ2ケツ名シーンが誕生していたことも記しておきたい。
もうひとつ書くと、「関西人はまたこんな扱いかよ!」と某シーンで少し泣いた。
平民の世の中に。
色々と考える、考えさせられる映画。
東京にある階級という見えない壁の区分け。
見えないからこそ
お互い疑問に思うところは
それぞれあるという
世の中の生き方。
貴族は生まれながらに
貴族としての人生の路線に沿う。
そんな中の
大学という人間交差点。
ステルス ソーシャル ディスタンス
大半が平民の世の中に、
貴族として生まれたからこその
立ち振る舞いや仕草が
時々出てくるのですが
とても細かくて面白かったです。
役者のキャスティングは
見たくなる役者さんばかりで
演技は勿論、最高でした。
あとは、
私は途中の漢字が読めなかったので
もっと勉強したいと思ったw
赤いスカート
そんなにめかしこんでどこに行くの?
そんな格好で行くの?
同じ赤いスカート一つでも真逆の反応をする、そんな環境格差の表現は絶妙で見ているだけでその家族の物語が見えて来て面白い。
環境や階級に無抵抗な華子が、違う生き方の広がりを感じる。そのきっかけが美紀だった展開は、なんだか彼女たちの視野の広さみたいな、お互いを尊重するような、知性の様な凛とした印象でとても良かったし心に響いた。
埋没しない彼女たちの物語に大いに涙し、スッキリし穏やかな気分に落ち着く、最悪な日があっても持ち堪えられそう。
金持ちと貧乏の生きづらさ
東京の名家と、それよりも格下の金持ち=「貴族」たちの生きづらさと、地方下層庶民の生きづらさを重ね合わせて、端正に描く。知らない世界というより、旧態依然の世界(女=専業主婦・子育て・内助・性欲処理係)にあきれる。女性達が階層を超えて、男の作った世界を乗り超えていこうとする志向がとても良い。奇をてらわない脚本で最後まで飽きさせない映画の好例。
閉塞感からの解放で開いた優しい世界が"繰り返す日々を過ごす我々"への賛歌に
正直言って、映画を観ているときは、ぼんやりとしか掴めていなかった。しかし、見終わった今、無性に彼女たちの背中を追いかけたくなった。そして気づいた。彼女たちが主人公の映画は、たった今始まったのだと。
何よりこの作品が素晴らしいのは、ダブルヒロインでありながら、互いから見ると、人生のひとピースに過ぎないところである。松濤に住処を構えるお嬢様の華子と、富山から上京するも大学中退を余儀なくされた苦労人の時岡美紀。青木幸一郎が唯一の接点であったはずなのに、ふたりの異なる物語が並走し、互いの人生賛歌へと昇華されていく。都会に暮らしていても、田舎から出てきても感じていたのは、狭くて身動きの取れない息苦しさと、独り立ちも許されないような環境。富山では親の仕事を次ぐ人ばかり、都会では生まれながらのレールから外れることを許されない。そんな閉塞感を否定するのではなく、彼女たちの手でユートピアを拓いていくような優しさで包み込んでゆく。都会の景色は他人事で、自分の足で立てずにいた彼女たちは、ひゅるひゅると変わっていく環境に流されてしまう。そこから自分の足で立つ方法を身に付けた時、初めて見える景色がそこに広がっている。それこそ本当の都会の景色なのではないか。門脇麦を都会のお嬢様、水原希子を田舎の苦労人として描くアンバランスさは、作品内で見事に意味を成して熟れてゆく。そこがまた深くて優しい、この作品の凄みだと思う。
彼女たちを知りたくなって、ついパンフレットも買ってしまった。この作品は、単なる女性賛歌ではない。"日々を繰り返す全ての人"に次ぐ人間賛歌なのだ。山内マリコ原作にハズレなし。さて、いつもより軽くなった足で、新宿を歩くとしよう。
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