あのこは貴族のレビュー・感想・評価
全237件中、41~60件目を表示
テーマの着眼点がいい!
日本の中にも「階級」が存在する。
平等なんて言葉だけだ。
この現実の中でそれぞれが生きている。
門脇麦さんが三女のお嬢様育ちを見事に演じこの映画をしっかり引っ張っている。
素晴らしい。
とにかく人は打算の中で生きている。
本性、本音は絶対に見せない。
そこに階級の違いは無い。
そんな事を見せてくれる実に深い作品だった。
上面だけの人々で苦手な世界だった!!
長い治腐敗とコロナというショック・ドクトリンで、上級国民はまた一気に資産を増やしたので、上級国民を題材にした映画なぞ観たくないですが、このご時世であえて作ったのは挑戦的だと思います。女性原作なので、あらゆる男性の描写が薄く頼りなく感じます。というか、どの人も表面的なので映画としての深みも無く、この世界は私はとても苦手でした。主人公は特に自分の考えや優雅な振る舞いなどは無く流されるままなので、タイトルはインパクトで付けただけで違うと感じました。学生時代の描写はまだ生き生きとしていました。特にオチも無く、え!?これで終わり!?という感じでした。「ココ・シャネル」(2008)もそうでしたが、貴族を題材にした映画に凛とした姿や思慮深さを求めるのは間違いだと思いました。
水原希子という女優
個人評価:3.8
ノルウェーの森以来、水原希子の演技を見た事は無かったが、なかなかいい女優だと失礼ながら再発見した。
演出もとても丁寧なので、会話劇をずっと見ていられる映画だ。岩井俊二的な雰囲気もあり、センスのある監督だと感じる。岨手由貴子の他作品も見てみよう。
田舎の学級委員長女子が都会の私立大学に進学する
レンタル110
よく見る動画サイトの2021年邦画のベスト10に入っていた
山内マリコの小説の映画化だと
同じ著者の ここは退屈…も映画化されているようだ
5回くらいに分けて観たが
そういう風に章が分かれていて見易かった
この監督の作品は初見
高橋ひとみのビンタ一発で経過を表現しているところとか
なかなかオシャレだと思った
原作をどう解釈しているのかも気になるところ
観る前は主役ふたりのイメージが逆だったがこっちでよかった
オラは田舎の平民なので
田舎の学級委員長女子が都会の私立大学に進学する様がリアル
そういうタイプに憧れがあった
その後の苦労も想像できた
ニュアンスは若干異なるが
オラが東京の会社に就職したときも貴族はいた
山手線の内側に家がある人とか桁外れな金持ち
貴族と平民の間の嘲りとか妬みとか
ぐちゃぐちゃな内容を想像していたのだが
いい意味で裏切られた こういう前向きなテイストが大好きだ
ラストも爽やか あぁいい映画だったなと
いわゆるエスカレーター式に人生のレールが決められている東京出身の良...
いわゆるエスカレーター式に人生のレールが決められている東京出身の良家の女性と、地方から上京してきた自分で決めた道をゆく女性2人の物語。
貴族と庶民
元々お嬢様の華子と地方から大学進学で東京に出てきた普通の女の子の美紀。2人の対比がハンパない。確かにお茶しない?と誘われて行ったら,午後のお茶で4200円。感覚違いすぎます。親のお金で進学しおぼっちゃまの幸一郎がノート貸してと言われて貸した美紀。美紀は親の仕事の都合で自分でバイトしながらの生活の中、きちんとノートをまじめに取っているのに。不公平だなあ〜後の2人の会話からそのノートは返さなかったようだし。幸一郎、とんでもないヤツです。
美紀と幸一郎は少しの間付き合っていたが、幸一郎は美紀の育ちをおそらくわかっていたのだろう、下にみて,本気ではなかったのだろう。華子の友達の逸子が華子と美紀を合わせなければ、美紀は何も知らず、幸一郎は上手く二股かけたんだろう。あの逸子の行動はなかなか男前で素敵でした。
幸一郎と結婚しても、すれ違いを徐々に感じる華子は結局離婚を切り出す。おそらく初めての自分の決断なのでは?おそらく、一人で暮らし、自分の物、自分の好きな物に囲まれて暮らしているんだろう。もし、実家に帰っていたのならちょっとずっこけます。
人間を幸福に導くもの
本作は、格差社会の頂点である富裕層で生まれ育った女性の成長記である。格差社会の底辺で苦悩する人々を描いた作品が多い中、本作は、格差社会の頂点である富裕層で生きる女性を描いている。自分の気持ちに向き合い目覚めていく女性の姿を丁寧に描いている。緩やかなテンポで物語は進行するが、格差社会や人間の幸福についての核心を突いた台詞を散りばめて、なかなか見応えのある作品に仕上がっている。
本作の主人公は、東京で暮らす裕福な家庭で育った20代女性・榛原華子(門脇麦)。彼女は恋人に振られる。同期生が結婚していく中で、彼女は婚活に躍起になり、良家出身の弁護士・青木幸一郎(高良健吾)と出会い結婚する。一方、地方都市で暮らす時岡美紀(水原希子)は、東京の有名私立大学に合格し上京したが、学費捻出もままならず、中退して将来の自分探しに苦闘していた。そんな、境遇が全く異なる二人は、意外な形で出会うことになる・・・。
物語は、格差社会の異なる階層で生きる二人の女性の姿を追っていく。作り手は境遇の違いが二人の生き方、考え方に色濃く反映していることを見せつける。富裕層のなかにいる主人公、外にいる美紀の視点で見せつけていく。
現代が格差社会であることもキッチリ描いている。美紀の通っている大学での内部生、外部生の違い、内部生と外部性が混じった時の違和感が端的に格差社会での序列を現わしている。
物質的な豊かさを享受している主人公が幸福かどうかは、その表情が示している。どんな時でも感情の起伏は穏やかであり、激高したり大喜びすることはない。美紀とは対照的である。周りに配慮して自分を出せない。出さない。
そんな主人公が変化していく。失恋、婚活、結婚を通して、次第に、自分の本心と向き合い、自分の意志で行動し、人を強く想うこと、人に強く想われることの大切さに目覚めていく。
本作は、意志ある行動、人との絆が人間を幸福に導くことを再認識させられる良作である。
特に大きな盛り上がりはなく、淡々と話が進んで行く。 良家のお嬢様と...
特に大きな盛り上がりはなく、淡々と話が進んで行く。
良家のお嬢様と、家が貧乏で大学を中退した女性のダブル主人公。
別に二人が深く交わるというわけでもなく、それぞれの人生を歩んでいくだけ。
それなりに楽しむことはできる。
お嬢様の突然の離婚には驚いたが。
最後はみんな好きになる
地方住まいのおっさんから見れば、今どきの若者たちの感性は最初どれも感情移入できない。
でも、少しずつそれぞれの人生に触れるにつれ、それぞれの感情が理解できるようになる。
そして、ステレオタイプと言いたがる人に向けての敢えての設定だと気づかされる。
簡単に言えば、時間はかかったけれども自分らしく生きる選択をした女性たちの話だ。
悲しいのは、自分を含めて男はなかなかそうはいかないと気づかされた今。
女性をたいへんうらやましく感じた映画でした。
そして、見終わった今、演じた四人の女優さん(門脇麦,水原希子,石橋静河,山下リオ)みんな大好きになりました。
知らない貴族の世界
貴族の中でも階級があって、あの人は一つ上の階級とか、そんなことを気にしながら生きているのね。田舎から頑張って華やかな都会に、一流の大学に進んだ彼女との対比。肩書きを捨てて自分の好きなことをやる友達との対比。今まで当たり前と思っていた世界が何か違うと気付く。幸せの考え方。離婚してからの彼女は顔つきが違った。そして三輪車で戯れ合う二人が、手を振ってくれた自転車で戯れ合う二人とリンクする。身分関係なしにまた新たに恋が始まるのかな。麦ちゃんが逸子ちゃんと言ってくれたのは光栄。石橋静河が逸子役をやってくれたのも光栄。勝手な自己満笑
資本主義が生んだ格差社会を描く
本作は貴族の女性と貧困の女性の2人を対比して描かれる。主人公は貴族の子だった。
貴族の女性は、今まで意識せずに上流階級を生きていたが結婚を機に違和感に気づく。財産分与、男尊女卑、結婚に対する価値観等々お金持ち特有の考え方に生きづらさを感じたが、気づいたタイミングが少し遅かったのかもしれない。ヴァイオリニストの友人のように早めに気づいていれば。
一方、貧困層の女性は高校時代に努力の末慶応義塾大学に入学した。しかし、父親の失業を機に生活費や学費の確保に困窮して水商売を始めた末に中退をしてしまう。彼女は在学時もランチに平気で5000円をかける内部生を見て、住む世界の違いを感じて惨めな気持ちになっていた。
この作品から得た教訓は、階級の違う人とは相性が合わない、幸せと自由は自分から行動を起こさないと手に入れることはできないということを学んだ。とはいえ、教育を受けるためにはお金が必須でありお金がないと学ぶ余裕もないので注意をしないといけない。
みんなの憧れで作られていく、幻の東京
映画「あのこは貴族」(岨手由貴子監督)から。
映画なのに「章」分けされていて、ちょっと違和感。
せっかくだから「章」ごとの気になる一言をピックアップ。
■一章 東京(とりわけその中心の、とある階層)
「東京って棲み分けされてるから。
違う階層の人とは出会わないようになっているんだよ」
■二章 外部(ある地方都市と、女子の運命)
「あんな馬鹿が今や土建屋の3代目だよ」
「えっ・・」「田舎って闇、深すぎ」
■三章 邂逅
「日本って、女を分離する価値観がまかり通っているじゃないですか。
おばさんや独身女性を笑ったり、ママ友怖いって煽ったり、
女同士で対するように仕向けられるでしょ。
私、そういうの嫌なんです。本当は女同士が叩き合ったり、
自尊心をすり減らす必要ないんじゃないですか」
■四章 結婚
「でも家にいたら、旦那さん嫌がらない?」
「うち、子供ができるまで、
しょっちゅう『ちょっと働けば?』って言われてた」
「周りに奥さん遊ばせてるって思われたくないんだよ」
「でも、しっかり働くのは嫌なんでしょ?」
「そうそうそう、家のことできる程度に働けってことなんだよね」
■五章 彷徨
(東京タワー観ながら)「こういう景色初めて見ました。
ずっと東京で生きてきたのに」
「みんな決まった場所で生きてるから。
うちの地元だって町から出ないで、
親の人生トレースしてる人ばっかりだよ。
そっちの世界とうちの地元ってなんか似てるね」
■「一章から五章まで」書き出してみたけど、選んだのは、
ラストシーンでの会話のワンフレーズ。
「田舎から出てくるとさ、こういうわかりやすい
東京っぽい場所ってやっぱり楽しいよね。
外から来た人がイメージする東京だけどねぇ。
そう、みんなの憧れで作られていく、幻の東京」
東京の人たちの生活って、私たちにはわからないことばかりだな。
身に染みる一本
内部生、外部生のあの感じ 身に染みるなぁ
知らない世界を覗き見る面白さもシンプルにあり、水原希子がかけるあの言葉 人生最高なときもどん底なときもあるけど、それを話せる人が一人いるだけでも十分だと思う にふっと救われる感覚があった
全237件中、41~60件目を表示