「直線的な人生とその快楽」フリーソロ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
直線的な人生とその快楽
一般的な幸福とは違うところに喜びを見出す者はいる。一般的な幸福では全く満足出来ない特異な人種でもある。彼らは死を常に眼前にして、その先にある途方も無い快楽に酔い痴れる。恋愛が足を引っ張ることになる事実が、もはや一般的には理解されないだろう。アレックスがMRIに入って自分の脳ミソの状態を医者に説明されているシーンには思わず笑ってしまった。普通の刺激では物足りないという診断結果。医者のお墨付きを得た変わり者だということだ。しかし、アレックスの人生はとてもシンプルだ。垂直に切り立った花崗岩の壁に登る。それだけ。行動する詩人でもある。生きる意味も理由も別に大したことではない。自分を満足させられるかどうかだけなのだ。アレックスこそ、死ぬまで生きる直線的な人生をとても分かりやすくした人間でもある。
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