「つながりをなくしたことで生まれた繋がりの話」フリーソロ 酷評zeroさんの映画レビュー(感想・評価)
つながりをなくしたことで生まれた繋がりの話
この作品を観ようとする人はどんな人なんだろう、とふと思った。怖いものが好き?じゃあホラーとかも好きなのかな、とか。
監督が言ってるように最悪の可能性をつねに想像させられた。彼の生い立ちを聞いた時には、周りに嫌気がさして独りを選ぶありがちなパターンかと思ったが、彼の周りには仲間がいて、帰るべきパートナーがいる。彼にとっては、フリーで登ることで得られる生の実感が全てで、そこに向かうことが彼にとっては自分らしくいられる唯一の手段なんだと感じた。周りは繋ぎとめたいがそれが彼の思考に影響を与えて、身体の動きを悪くするのを知っているから、言葉選びも慎重にならざるを得ない。
今の世の中、とりわけSNS界隈でありがちな相手の気持ちを煽るような言葉、そこから生まれる駆け引き⬅︎もちろん男女間の駆け引きも含まれる。は自ずとなくなりシンプルな気持ちのやり取りが生まれる。これは、今の時代に限らず見習わなければならないと感じる。
なぜなら、アレックスは文字通り岩山を登っているが僕らも見えない岩山を登っているから。それを冷やかしたり、石を投げたり、笑ったりしてしまったことで、精神的な滑落からリアルな死に繋がることもざらにあるからだ。
そんなことをこの作品から学んだ。
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