劇場公開日 2020年2月21日

  • 予告編を見る

「成田凌くんの怪演が見もの!」スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5成田凌くんの怪演が見もの!

2020年2月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

レビュー評価が低かったので、鑑賞を迷いましたが、前作がおもしろかったので、人柱覚悟で鑑賞してきました。結果、今作も普通におもしろかったです。前作未鑑賞でも楽しめるとは思いますが、前作とのつながりがわかった方が断然楽しめるので、先に前作を鑑賞することをお勧めします。

ストーリーは、丹沢山中で発見された遺体から、容疑者Mが浮上するものの、捜査に行き詰まった警察が、収監中の浦野に協力を仰いで真犯人に迫るというものです。ミステリーの性質上、ネタバレ厳禁なので、詳しくは書けませんが、真犯人をめぐって二転三転する展開はわりと楽しめると思います。そのための伏線回収も、鮮やかとまでは言えないものの、悪くはないといった印象でした。

物語の運び方もテンポがよく、ぐいぐい引き込まれる感じがよかったです。そこへ千葉雄大くん演じる加賀谷の生い立ちを、邪魔にならないように絡めた脚本は悪くないと感じました。また、序盤から周到に用意したミスリードも、きちんと機能していたように思います。

あと、細かいところですが、犯人の似顔絵のくだりは、絵がうますぎて見た瞬間に「音尾さんじゃん!」って感じで笑えました。ただ、終盤のサービスエリアのくだりは、文字どおりサービスシーンのつもりだったのかもしれませんが、蛇足だったように思います。白石麻衣さん自身の演技でもなさそうでしたし、テンポを悪くしただけのように感じたので、別の形でシンプルにラストにつなげてもよかったのではないでしょうか。

それにしても、成田凌くんの演技はいいですね。本作においても、彼の怪演が光りました。千葉雄大くんも悪くはないですが、完全に食われていた印象です。本作の興行成績いかんでは次回作もありそうな感じでしたが、その際はきっとまた成田凌くんが絡むことでしょう。

というわけで、前作を楽しめた方は、本作もまた楽しめると思います。「スマホを落とした」影響は、前作とは全く異なる意味を持っていて、ある意味このタイトルも、本作においてはミスリードとなっているのかもしれません。

おじゃる