9人の翻訳家 囚われたベストセラーのレビュー・感想・評価
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ミステリーの中にミステリー
翻訳している作品はミステリー
映画本編もミステリー
翻訳している作品が、監禁されているのに漏洩していく
少しずつ、明らかになる真実。
完全にスッキリしたとは個人的に言えない部分もあるが、作り込まれたミステリー。
犯人が途中で明かされても、方法が分からなかったり。
色んな仕掛けを楽しめた
最近はあまり事前情報を入れずに直感で観たいって思った作品を観てるので、
期待値も高くないからか、楽しく観れた。
私も翻訳された作品を本では読むが、出版社って色々大変なんですね
映画全体としての謎解きに唸らされる
強烈な印象が残る作品である。冒頭の手品師のネタに関するモノローグが映画全体の謎解きを暗示していることに暫く気付かなかった。本棚が燃える背景も、その時点では意味不明であった。
ストーリーは公式サイトにある通り、世界的なベストセラー小説の続編を世界同時公開しようと目論む出版社の社長が、9人の翻訳家を一箇所に閉じ込めて翻訳させるという話である。外部とのあらゆる通信手段が封じられ、社長のスマートフォンだけが外部に連絡できる。しかし翻訳がある程度進んだクリスマスの夜に、誰も持ち出せないはずの原稿をインターネットで公開するという脅迫メールが社長のスマホに届く。
オルガ・キュリレンコ目当てで鑑賞したが、ストーリーに引き込まれてしまって、彼女の美貌や伸びやかな四肢を楽しむどころではなかった。そういうシーンもあるにはあったのだが。
インターネットが世界中に行き渡った現代では、紙の本の出版は採算ベースで考えるとかなり難しい。60万部を超えた田中みな実の写真集など、例外的な大ヒットを記録する場合もあるが、大抵の新刊はあまり売れない。岩波文庫の古典は根強く売れているかもしれないが、それは小説家を志す人が主な購買層という皮肉な可能性もある。
ただどんなジャンルにもコレクターがいて、小説も本として買い揃えたい一定の層が存在する。人気の小説であればその層も厚くなり、売れない紙媒体の本でも数百万部という大記録を達成することがある。
本作品の「Dedalus」第三部はそうしたベストセラーの典型という設定で、なんとしても販売部数を伸ばして巨額の利益を得ようとする出版社社長の拝金主義、我利我利亡者ぶりが浅ましい。目的のためには手段を選ばずで、間違いなく人権侵害に相当する監禁の中で、9人の翻訳家たちはそれぞれの目的で翻訳作業を続ける。
ストーリーについては何を書いてもネタバレになりそうなので迂闊なことは書けないが、登場人物それぞれの視点での真実の吐露が、時間的空間的に重なり合ったり食い違っていたりと、観客が最後まで翻弄されることは間違いないと思う。長いジェットコースターに乗っているみたいに、左右上下に次々に現れる謎解きに息をつく暇もない。
世界観も広く、人間ドラマもあり、サスペンスも味わえて、映画全体としての謎解きに唸らされる。映画にこれほど心を揺さぶられた経験はあまりない。ドラマとしてもエンターテインメントとしても素晴らしい作品である。
オーソドックスな謎解きではなく、面白かった
ベストセラー小説を世界同時発売するために、主要各国の翻訳家を集め、スマホ回収、外出禁止の状態にしているのに、「大金を払わないと、原稿をネットで公開するぞ」という脅迫が届き、翻訳家たちが疑われる話。
最初は「誰?」、次に「なぜ?」、最後に「なるほど」と。推理小説とコンゲームが入り混じった話で、楽しめた。
フランス、ベルギー合作映画らしく、"痛快" ってわけではなく、考えることが多かったけれど、文学への愛が伝わってきた。起きることに対して、「そんなにはしないでしょう」と俺が思ってしまうのは、世界的ベストセラー小説から生まれる金額や、密室状態に置かれた人間たちのことを、実感としてわかってないからだと思う。
金を払った価値はちゃんとあった。
外国語の入り乱れ
実話であれば、もう少し大胆な展開にできた気がしないでもありませんが、実話に基づいて作ると、このスケールになってしまうのでしょう。
最後まで首謀者が当てられなければ楽しめ、最初から予想がついてしまう人にとっては駄作。
自分の目で確かめる価値は…ある、かな?
地上波には降りてこなさそうだし?
迷っているなら断然コチラ!
名探偵と刃の館と どちらを観ようか迷っているならコチラが断然オススメです
好みにもよるんでしょうけど アチラは作り物の謎解きで コチラは血のかよった人が出ている謎解きです
アチラ星3つにしましたけど この星半分の差はけっこう大きいです
まぁ結局は好き嫌いの問題なんですけど
関心はするが、感動には至らない
知人がやたら推していたので見てきました。
前半がとにかく退屈でしたが、中盤からはそれなりに楽しめました
しかし最後まで見て、満足感が残ったかと言えば、そうでもなく。
いえね、ミステリーとしてよく考えられていると思います。
本編でもちらっと出てくるように、アガサ・クリスティー的でもあるし
前半の退屈さが後半で覆されるのは「カメラを止めるな」を想起させます。
2転3転する終盤の展開、言葉のレトリックのみで相手を破滅へと追い込んで行く手法などは、西尾維新の戯言シリーズ(「クビキリサイクル」「クビシメロマンチスト」等)を思い出しましたよ。いや、うまいです・・ほんと。
ただ・・「で?・・それで?」ていう感じなんですよね。
「ミステリーのいいアイディア考えついちゃった」と言う以上のもの・・言い換えれば、映画的魅力を本作からは感じなかったんですよね。シナリオで勝負するなら、序盤から謎とフックを散りばめて牽引するべきだし、後半のちゃぶ台返しで前半の退屈さの帳尻合わせをするなら、せめて登場人物たちのキャラクターで牽引したいところですが、どうにもキャラが弱い。9人の翻訳家も、彼らを集めた社長も、ちょっと魅力に乏しいなと感じました。
過度な期待をしなければ、見る価値は間違いなくあります。
2回見たら評価がまた変わりそうな映画ですが、2度みたいという気にならなかった時点で、わたしには合わなかったのだろう・・という事でこの点数でご勘弁を
普通に面白い。
普段ミステリーをあまり観ないので、私は楽しく観れました。テンポも早く、まさかの展開に思わず唸ってしまった。
一度に9カ国語を聞けるのは楽しい。
可もなく不可もなく、無難に観れるミステリー映画です。
タイトルなし
ミステリー作品なので何かは起きる
だろうとは思ってましたが
ぐぐぐぐっとのめり込ませてくれる
なかなか面白い作品でした。
世界的ベストセラー小説「デダリュス」
このミステリー小説を各言語に
翻訳するため9ヵ国から翻訳家が
集められるんですが、
翻訳を行うのに隔離され、
制約もあるっていうこの設定が面白かった。
観た後で知りましたけど、
「ダ・ヴィンチコード」で有名な
シリーズ小説の4作品目の翻訳の際に
各国の翻訳家を地下室に隔離して
翻訳をさせたっていう
事実をベースにした設定なんだそう。
出版前に内容が流出したら、
売上に打撃があるでしょうし
出版元としては色々大変なんですね~
まぁそんな状況下でお話しは
進む訳ですけど、これ本当に面白い
作品なのかなぁ?なぁんて思った
部分も正直あったんですが、
ミステリー性が展開しスリラーな部分も
含んで加速度的に進むあたりがどんどん
面白くなって目を離せなくなりました。
9人の翻訳家っていう位なので
様々な言語が入り乱れるシーンは
ドキドキ感とスピード感があって
見応えありました~。
知らない役者さんが多かったですが
「テリーギリアムのドンキホーテ」にも
出演していたオルガ・キュリレンコさん、本作でも美しかったです😍
楽しい終末世界へ。
質の良い推理小説を読んでいる時の感覚、あの快感を味わえる映画作品だった。
小説を書く者、翻訳する者、小説を売る者、登場人物の全員が本に関わり、物語の全てが本に関わっている。
読書が好きで好きでたまらなかったあの頃を思い出しながら観ていた。
ミステリーっていいな、と再確認。
「誰が、なぜ、どうやったのか」「一体何のために、何をしたのか」を少しずつ推し図りながら読み解いて鑑賞する楽しさと刺激。
私の考えなど簡単に外れ、物語が遥かに越えてくれる喜び。予想外の展開、ひっくり返る思考。
奥深い真実が示された時のどうしようもない切なさ。
美しく構成と鋭いストーリーの前にひれ伏すしかない。
文学への愛と執着、人間への愛と執着。
曲者キャラが揃う中、「原稿の流出」という事件はなんだか地味に感じてしまい、最初はローテンションだった。
しかし、「種明かし」が幾つも連なるごとに驚愕のテンションが重なり、後半はもう高まる一方。
行ったり来たりする舞台と時間の演出もお見事。
洒落にならない悲劇も起きていくけれど、振り返るとロマンに溢れた物語でもある。
謎に包まれた著者に会いたいと、最新作を一早く読みたいと、を素直に吐露した彼女。
アニシノバの狂信的で純粋なファン心理は非常に人間らしくて良い。
しかし「デダリュス」の表紙がかなりダサいのがずっと気になった。
もう少し品があってスタイリッシュなデザインにすればいいのに…と、本が映るたびに思ってしまう。
大学で研究されるほどのベストセラーなら尚更。
存在しない小説だとは知りつつ、デダリュスを読んでみたい気持ちは抑えられない。暗証番号は覚えた。
しっかりしたミステリー
久しぶりにしっかりしたミステリーが見たい、というならば適作。話の展開は一癖つけつつ、わかりづらい部分もなく、確かな感触。役者の芝居や演出も安定感あり。
見終わってトリックを振り返ると「そういうことなら、あれはなんだったのか?」というところはあるけれど、まぁミステリーにはつきものの、惹きつけるためのアレってことで。ご愛敬。
ミステリーを見たなー、って感じで映画館を後にできます。意外とないですよね、こういう直球ミステリー。
ノレず…
今ひとつノレず…
まったくのフィクションで設定された作品の文章を引用されたり、作中人物にそっくりにしている、とか言われても「ふぅん」としか思えないし。
いざ事が起こってからのエリックさんの行動も極端過ぎるし。
動機が明らかにされても、それでなんでこんなやり方?としか思えない…
面白そうだったのに、残念…
もう一度観たくなる!芸術的で上質なミステリー
巧みな伏線と仕掛けが散りばめられた上質なミステリー。ベストセラー小説の翻訳にまつわる話なだけあって、とても文学的であり芸術的だと感じました。
9人の翻訳家と出版社のパワハラワンマン社長&振り回される秘書、そして謎に包まれた小説家。この12人しか容疑者はいないし、出来る事が限られた空間という条件下にあるため、「こいつか⁈違うか…」の繰り返し。ミステリーの楽しさを存分に味わえる2時間でした。
種明かしや各人との関わり方、伏線の貼り方も小説の文章から引用したりと一見では追いきれない複雑さも好きな要素。もう一回観たい!
好みでした!
翻訳する人は複数の言語がそれなりにできるので、皆がそれぞれ色んな言語で言葉をかけあう場面にしびれました。その中で、フランス語しかできない彼が「フランス語話せ!」と言う箇所に、フランス語中心主義者め~!と思いました。が、この映画はフランス語だからこそと思います。
イギリスの作家デュ・モーリアの小説『レベッカ』は、映画(ヒッチコック)やミュージカル(ウィーン・ミュージカル)にもなっています。その作品がこの映画で意識されているのかは、私はわかりません。一方、彼らが翻訳する小説中の人物、レベッカは何度も言及されていました。デュ・モーリアのレベッカも、白いドレスを着ていて、水中での死を選んでいます。私の「レベッカ」愛ゆえ、プール=水の場面も気に入りました。だから、頭の中で色んな世界が混淆してあっちこっちに行けました。
リッカルドが翻訳家の役?と思いましたが、それなりに…。イタリア人、からかわれてちょっと可哀想だった。いいキャラクターの翻訳家が沢山いたので、彼らをもっと深く描いて欲しかったのは事実です。でも、見てよかった映画でした!
苦手なミステリーもの…
以前から怖い酷いミステリーは昔から苦手でしたがアガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件のリメイクや「捻れた家」など見終わったあとのモヤモヤとストレスがたったけど…今回は物語の入口から出口まで中々でられない感じで出た!
…と思ったら出口ではないと言う…
なるほどね!…と言う最後で僕は面白かったと思いました!
自分のものは、自分で守れ。
監禁された9人の翻訳家。
正体不明のベストセラー作家。
爆売れ必至の期待の新作。
強欲な出版社社長。
まず、このあたりがはじめに映画を観る客に示されたカード。
当然起こるであろう事件と、犯人と、結末を想像する。おそらくどこかにフラグはあり、作為ある伏線で煙に巻くであろう。そしてそれが気持ちよく覆される展開に食いつく。
ほう、そうきたか。
のあとの、それか、動機は!の見事さ。
映画の思惑に、思いっ切り振り回されるのが吉です。
なお、9つの翻訳には日本語は含まれませんが、どこかで日本製が活躍します。
全140件中、101~120件目を表示