「何を以て戦争というのだろう」ぼくらの7日間戦争 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
何を以て戦争というのだろう
30年前の実写映画を観たことがあり
なつかしいなと思い視聴
事前に復習してみました
その30年前版は理不尽なほどの学校での
教師の抑圧からの子供たちの反逆であり逆襲でした
そこには戸塚ヨットスクール事件など
世相も反映していたと思います
では現代の大人と子供が同じYouTube動画見てるような
時代にこんなテーマの作品がどう展開されるのか
興味が出て来ました
で見てみると・・
やっぱり無理があったように思います
まず田舎のようで田舎に見えない
だがどうやら都会ではないらしい規模の街の
お隣の主人公が好意を寄せるヒロインが
親の都合で転校しなければいけない
でもそれが受け入れられないから
誕生日が来るまで家出しよう
・・・?
同じクラスの奴をとりあえず呼んできて家出しよう
・・・??
その家出先に不法入国滞在者の子供(マレット)がいたけど
かわいそうだから匿って捕まえに来る大人を追い返そう
・・・???
もうこの辺からテーマとの関連性はあまり考えないようにしました
前述の通り30年前の実写版は職務以上に過激で暴力的な教師が
抑圧してくることでこいつらを懲らしめようという図式が
とりあえず戦争として成立していました
それに対し今作はあくまで大人側の事情や都合といった事に対して
子供が承服しかねて反逆する程度のものです
加えてイリーガルな問題を内包してしまっています
マレット匿う子供達が法的な事情を知り得なければいいのですが
生憎頭の良い仲間が居ますので確信犯になってしまいます
これをかわいそうという理由だけで善きことと捉えていくのは
ちょっと辛い感じがしました
仲間の構成もよくわかりません
主人公とメガネが正直キャラが被ってますし
ツインテールの子は居ても居なくてもあんま関係なかったでしょ
しかも加わってきた動機がなんとなくとか
しかもネットに拡散して大人に立ち入らせないようにしよう
という今っぽい部分も抑えていますが
それも逆にネットの怖さという形で返り討ちにされますが
それを拡散した奴がなんか子供らの行動を理解してそうな
雰囲気のある奴なのも謎です
そのせいで最後に格好つけますが全然つきません
結局ヒロインも追い詰められて
とんでもないカミングアウトで客を当惑させます
タイムリーではありますがもうこの映画は
オチを投げ捨てているようにしか感じませんでした
オヤジの秘密まで明かす必要なかろうし
結局当初のどうやって誰と戦争するのか
と言う部分は全く表現されずに終わっていき
やっぱり今ではムリなテーマだったなと思わされました
戦争するほど大人が子供より強くないからです
いっそ大人が子供に7日間戦争仕掛ける話の方が
面白くなったかもしれません
あと根本的に作画が映画レベルじゃなかった
人物よりユンボとかの作画の方がしっかりしてたのは
どうゆうこっちゃと
あの締め方も原作ファンの人はどう思ったか
やっぱりムリだったなと思っていた自分には
とどめを刺された気分でした
話のスケール的にも実写で良かったんじゃと
思います