ホテル・ムンバイのレビュー・感想・評価
全46件中、1~20件目を表示
ずっと手が震えてしまった
いつか観よう観ようと思いながらも、中々勇気が出ず観られなかった作品。
実話だというのだから、本当に恐ろしい。
恐怖のあまり123分間ずっと手が震え、心臓が痛いほどバクバク鳴っていて本当に辛かったけれど、実際に経験した方々は何十時間もその恐怖に晒され続け、しかも従業員の皆様は自身の安全だけでなくお客様の安全まで考え続けていたと思うと…言葉が出ません。
家族と民族を想い、吹き込まれた事を心から信じた若者達たった10人で、こんなにも沢山の犠牲者を出してしまったのですね…。
ほんとに怖かった…。
観て良かったです。
事実をもとにした群像劇
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イスラム教の首謀者が若い信者を使ってインドでテロを起こす。
舞台となったホテルにも10人ほどが乗り込み皆殺しを仕掛ける。
生き残った人々は何とか隠れるが、地元警察は手が出せない。
特殊部隊が田舎町にはなく、首都から来るまで待てとの指令だった。
ホテルの従業員は逃げ道を知っており、逃げることも出来た。
どうするか問われ、逃げた従業員も当然いた。
だが大半の従業員は客を救出する道を選択。
また地元警察も、指をくわえて待ってはおられず潜入。
そんなこんなで結局、一定数は生き残ることができた。
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ここでの評価が異常なほどいいから、劇場で見てみた。
確かにいい映画で、テロの恐怖が伝わって来る。
こんな事件が現実にあったってことも知ることができた。
だから見て良かったとは思ってるが、映画としては☆3つかな。
登場人物が多過ぎて、誰が主人公というわけでもない群像劇。
これは実際の事件をベースにしてんだから仕方がないが。
でもそれだけスポットを当てる点が分散してしまい、感動が少ない。
おれは主人公に感情移入しながら見たいタイプなんやなって思った。
そういう気付きも与えてくれた良い映画であることは間違いない。
凄惨!あってはならないこと
ホテル・ムンバイの事件は、覚えていなかった。正式には、ムンバイ同時多発テロと言うらしいが、172~174名の命が奪われたとWikiにあった。実際のタージ・マハルホテルへのテロは、12時間弱で鎮圧されたようだ。
自動小銃の犯人グループに、何も持たずに抗う、もしくは逃げるのは恐怖。まるで虫けらのように倒れていくスタッフや客。自分だったらどうするだろうか?非常口の場所はどこか?犯人グループが何人位で、どこで銃声がしているか?相手に対抗する手段はないか?警察や助けはいつ頃、どこからやってくるか?など、恐怖の張り裂けそうな中、判断ができるだろうかって思った。①犯人に絶対に気づかない隠れ場所を探す。②もうすでに襲撃した部屋に死体も運び込んで、自分は隠れる。もう探した部屋と思ってくれれば、それ以上は探さない。③非常階段が近ければ逃げる。④刃物やトラップで襲撃する。自分ができるとしたらそれ位か。廊下でみつかれば、ほぼ逃げられないように見えた。実話に基づいているっていう話だが、赤ん坊を助けに出ていくなんて危なすぎるって。武器もないのに。
ホテルのスタッフが、お客様は神様と思って、多くが残って力を尽くしたというのは、本当に頭が下がる。と共に、テロに対抗する警察の脆弱さがあまりにも酷い。日本なら機動隊とかが盾を持って対処するだろう。
逃げる時に声や足音が大きかったり、何か戦えるものを持っていなかったりっていうのは演出なのかなと。厨房を通っているのだから刃物でも殴るものでも、それ位は調達できるのでと思った。
このムンバイ同時多発テロは、パキスタンのイスラム過激派の犯行によるものらしい。貧しく明日に希望を持てない若者を使っては、アラーの神のためテロに扇動するのも悪魔のような所業だが、それも現実。暴力の連鎖。そのような過激派を産んだのは、英米のイスラム教徒の国々への搾取、侵略、圧制への支援だろうから、イスラム側だけが全て悪いと言えず複雑。どの国にも戦争で得をする者、権力を掌握する者がいるから、そいつらに対する怒りが湧いてくる。
犯人が襲撃してからは、ずっと緊迫感で支配される映画だった。後味は良くない映画だが、世界では、こんな出来事を起こっているというのを知るために見てよかった。
Based on true eventsでありBased on true storyではない
本編を見ながらこれがどこまで本当の話を元にしているのか、と思いながら見ていた。実際、赤ちゃんのおしめを替えたり、ミルクを与えたりできない状態で長時間経過後、チェンバーズラウンジへ移動し、赤ちゃんが泣き声をあげる元気があったか??と思ったり。この辺は完全なフィクションだろう。
wikipediaなどのネット情報によると実在の人物は料理長のみであり、アルジュンは架空の人物だそうな。でもホテルのスタッフたちの勇気ある貢献があったのは事実だったようで、映画のラストはこのホテルのグランド・リニューアルオープン時の実際の映像が流れる。
ただ、残念なことに今回の作品を午後ロードで鑑賞し、その後ネットなどで本編のあらすじを確認したところ、テロリスト側が本当に報酬の支払いが自分たちの家族になされたのか、携帯で確認したが実際には支払いがなされていなかったことが判明するシーンがカットされていたようで、その挿入話を知って、ラスト近くのテロリストたちが死を待つ中の絶望感が腑に落ちた。全編カットなしで見たかったよ!
それにしても偶然この映画を観る前に同じ午後ロードの枠で「クーデター」という、海外赴任先で現地のホテルに到着した翌日に現地政権のクーデターに巻き込まれ、アメリカ人をターゲットにする反政権側に狙われるアメリカ人ファミリーのアメリカ映画を観ていて、同じような展開でありながら、あちらは突っ込みどころ満載の娯楽映画。ただ、どちらも子供(こちらは赤ちゃん)を救出するためのドキドキハラハラシーンがあり、緊迫するための演出に子供(赤ちゃん)を用いるところは発想が同じ。やはり自分を犠牲にしてでも助け出す必要がある要素には子供しかないのだね。
ラストは赤ちゃんが無事母親の元に戻り、アルジュンも家族のもとに帰る。『しかし首謀者は国外逮捕を免れ、現在も捕まっていないことが語られる』(wikipediaより)。wikipediaでは国外、と記載されているが国外とはパキスタン。パキスタンはいまだにこのテロリストたちを養成している。
実行犯たち
終始自分もその場にいるかのような臨場感。
信仰心からテロを起こす実行犯たちと、信仰心があり人に優しい主人公の対比があったように感じる。
あとは料理長のリーダーシップ、極限状態でも人が人を助ける。
実行犯たちは信仰心からテロを起こしたのだろうけど、かなり犯人側の心情も描かれており、信仰心よりも純粋な少年たちの家族愛や貧困につけ込まれたかのようにも見えた。
実話
優しいホテルのオーナー?が逃げ惑う人たちを無条件に入れてしまったことが発端。
銃声が響くホテルで他人のためにも自分のためにも行動を起こせる人がすごい。私なら動けずうずくまってすぐ殺されそう。
臨場感がすごくて見てて怖かった。
夫婦のシーンが見てて辛かった。勇気ある人はかっこいい。
アルジュンが階段のシーンでターバン外してなかったら射殺されてたのかな、、
ブルース・ウィリスは出てきません・・
2008年に起きたムンバイ同時多発テロの実話、駅や病院、映画館、ホテル、レストラン、造船所などが無差別攻撃を受けた、本作は襲われた2つのホテルの内タージマハル・ホテルにスポットを当てている。スクリプターは当時の料理長や生き残ったホテルスタッフへのインタービューをもとに脚本を書き上げた、したがって映画は料理長とウェイターが軸になって数十人の客の脱出までの葛藤を追っている。さしずめホテル版ポセイドン・アドベンチャーといったところでしょうか。できれば「ダイハード」のホテル版の方を期待したいのだが映画のようには行かないのでフラストレーションが溜まります。
ムンバイといえばボリウッドの拠点、文化、商業の大都市、おまけに隣国パキスタンとは未だにいがみ合う緊迫状況、事前に不穏な動きを察知した漁民からの情報を得て数日前にはテロ注意情報が沿岸警備隊から出ていたと言う、ホテル・オーナーにも伝わっており、警備を強化したと言っている。
それにも関わらず、たった4人の狂信的な若者相手に警察も手が出ず1500人もの客やスタッフが危険に晒され、軍の制圧までに3日もかかるとは、お粗末過ぎて実話で無かったらありえない対処、展開でしょう。
もっともアメリカでも自動小銃をもった銀行強盗に拳銃では警察官は太刀打ちできないと小銃が配備されたのは1997年のノースハリウッド銀行強盗事件以降、日本の警察官では未だにお手上げかも知れません。
終わらない恐怖、葛藤
死者174人、負傷者239人を出したムンバイ同時多発テロの実話を元に再現された映画、「ホテルムンバイ」今もタリバン組織などのニュースを日々目にし、日本人にとっても他人事とは言えないテロの実在の意味を知るに相応しい映画。2時間が信じられないほど長く苦痛に感じるほど、その場のホテルの利用客として映画に入り込む様な作品だった。次の扉を開けられたら。と身震いしてしまう程だ。海外旅行経験の多い私だが、明日は我が身ではないけれど恐怖で救いようのない気分となった。しかしアンソニー・マラス監督は優秀だった、各々の正義の映し方が秀逸だったからだ。首謀者は別として、過激派集団の先頭に立つ少年兵士たちは洗脳教育、家族の為、英雄、名誉の為にその場に立つ、何度も葛藤する姿や、教育の乏しさ、経済難をしっかり映し出していたからだ。戦争やテロ、国の対立が消えることが望ましいが、また深くこの経験が溝をつくり、争いを生んでしまうのだ。それを象徴しているのは映画最後の「今も尚ホテルムンバイには多くの従業員 "戦士" がそこにいる。」と言うテロップだ。それらを止めるには "許す"という人間の懐の強さ次第と言ったところなのだろうと痛感したが、決して簡単では無いから虚しい。私達が簡単に別の国に行ける様にテロ組織も別の国に行ける。私ならあの場で何ができただろうか、そして働いていた側なら何ができただろうか。イスラム教徒のホテルマン、アルジュンに焦点を当てたシーンが多く出たが、実際の状況で多くの人々を導いた実在するオベロイに感無量である。自分の命のために心殺して客を売った従業員、死を覚悟してでも客を導いた従業員、子供のために立ち向かい死んだ父、息子のために死の間際でコーランを読み上げた母、誰かと自分のために死ぬ間際に足を噛み抵抗をしたロシア人、誰が味方かも言語の違いでわからず飛び出して殺されたアジア人…家族のために正義の為に人を多く殺し、殺された過激派少年兵士。銃声、怒声、悲鳴、戦争やテロを経験したことのない私でも痛い、痛い映画だった。感動はしない、今もどこかでこれが起きているからだ。
実際の事件を題材としているから緊張感が半端ない
実際のテロ事件を題材にした作品。高級ホテルにおける勇敢な従業員がお客様である富裕層を救いために奮闘をする。テロのリアルさが無残な暴力で描かれ、最後まで緊張感が続いた。
テロリストを含む人物の描き方も俊敏で、宗教や貧富の差なども考えさせられる映画だった。その中で私が一番気になったのは「お客様は神様」というシーン。Godといっている。日本でも三波春夫の曲で、お客様は神様であるというサービス概念が浸透しているが、テロリストであるムスリムや、シーク教の主人公、ロシア人客の十字架のネックレスとともに、この神という言葉が非常に心に引っかかった。
Dev Patel ハズレなし!
まず実際のテロ事件を元にしたってのが信じられない…
でも映画の中に、実際のニュース映像も映し出されていて
その場面をトレスして映画のシーンに繋げてたり。
ああ、本当なんだ、とリアリティーを持たせてる。
そして犯人達をただただ悪役非道な印象だけを持たせないようにしてるのもすごい。若くて勇敢な青年たちを神のためだと洗脳して。お金で釣って。本人達は家族のため、故郷のためだと思い込んで、訓練してきた事を指示された通りにやっているだけ。首謀者がまだ捕まっていないということにも戦慄を覚える…
犯人達に見つかったら、即銃撃される。
そして閉鎖空間。特殊部隊が来るの待つのみ。
これがとんでもなく来るのが遅い!!!!
そういうのが整ってなかったんだろうけど
世界中のVIPやら偉いてさんが集う素晴らしいホテル。
この危機管理体制は甘すぎるやろ!と日本人の私は驚いた。
まあ2008年というのもあるんかな…
そして安易に扉を開けるな!
なんですぐ閉めへんねん!
いや我慢しろ!でてくな!言うこと聞け!
と何度も思いました。
でも実際自分があんな状況で追い込まれたら
血迷った行動とってしまうんやろうな、とも。
自分やったらどうする、
ホテルマンの立場だったら残るだろうか、
など。考えてもみないことを考えさせられる映画だった。
デブパデルはほんとハズレないね。
なんとなく全部見てきてることに気付いた。
これからも追いかけます✌︎
実話ベースということだけど、かなり創作されてるように思う。主人公は...
実話ベースということだけど、かなり創作されてるように思う。主人公はホテルマンだけど、サブキャストの建築家夫婦とベビーシッタ?と武器商人っぽいロシア人。
子供を探すと意気込んで出てってあっさり捕獲。縛られて監禁されて、手縄をほどいたのに立ち上がるタイミングがどんくさ過ぎて。。。そこじゃないだろって突っ込んだわ。こういうキャラの奴が生き延びたらご都合主義だなぁって思うけど、まぁ期待通りになって。。
最後まで見終わって、宗教の価値観の違いって怖い。と、改めて思い知らされた作品。
可もなく不可もなく!!
テロリストは市民ではなく官庁を狙えといつも思うのですが、CIAがスポンサーだろうから、それは決して無いのだと思います。特殊部隊等には終盤まで頼れず、ラウンジの客が生き残る事がまあ主題なのは、そこはリアルに感じました。銃声がいつも同じ感じなのが単調で、逆に怖さを削いでいると思いました。この手のテロでは、電話で安全な所から指示しているだけの奴がいるんですね。
リアリティ
インドで起こったムンバイ同時多発テロの実話を元に描かれているとのこと。
最近コロナ禍で映画を見る事が増えたが「実話を元に」という物も時々巡り合う。
これらの映画に共通して言えることはリアリティである事は言うまでもないが、
それ故に創作と違い、作り込まれたストーリーはないということだ。
主人公たちは居るが明確な正義感や行動、目的などはなく、状況により
流されていってしまうので、そこにキャラクターとしての魅力などはあまりないし、
大活躍などもない。
しかしながら、これが実話であるという知識を元に見ると、
これこそが現実の戦闘であるとわかる。
本当の戦場では映画の様なヒーローは登場しないものだ。
それゆえ理不尽に人が死んでしまったりするので、
展開は全く想像できない。
しかしここで、思うのはもしこの映画を事前の知識をもたずに
見たとしたら評価しただろうか?本当にあった事だからという
情報があるからこそリアリティがあると思ったのかもしれないと
感じているのかもしれない。
もし事前情報がなく創作と思っていたらもっと
ドラマチックな展開を求めていて物足りなさを感じたかもしれない、
なんてそんなことを思いながら見てしまった。
臨場感がすごい
2008年にちょうどインドに約1ヶ月滞在していた
テロが国内のどこかで起こると言われていた時期
インドを出てから約1ヶ月後に事件を知った。
その内容にショックを受け
衝撃的で心に刻まれたテロだった。
この映画には、
ジョンマクレーンも
イーサンハントも
ジェームズボンドも出てこない。
名もなき一般人が必死に逃げようとする奮闘する姿が
描かれている
被害者の追体験をする、息が詰まりっぱなしの臨場感あふれる作品。
これはすごい映画だ。
引き込まれる2時間
鑑賞する少し前に「ホテルを題材にした映画で英雄として描かれた人物を逮捕」のニュースを見て、この映画だと完全に勘違いしていた…
「英雄って料理長?違うか、給仕のほうか。何にしろほぼ嘘とか残念だわ」と思いながら鑑賞してしまった……それは『ホテル・ルワンダ』だった!しまったやらかした!!印象が全然違う!!!
…世の中で起こるテロの実行犯が少年だった、といった話は目にしていても。
こうして作品としてじっくりみると、やるせないなぁ…
どの人も、ほぼなんのためらいもなく、次から次へと射殺したり爆弾投げたり。
しかもなんかよく分からない首謀者の指示で。お金のためにやった少年もいるけど、それは一生振り込まれることもない…。
観てるときは被害者たちのほうに注目したり「無事でいて」と思うけど、終わって感想書こうとするとテロリストに対する感想が湧き出てしまう。
ザーラ、生き残って良かった…。目の前で夫が殺されてしまったけど、大切な娘(泣き声で犯人に見つからなくて本当に良かった)とともに強く生きてほしい(涙)。サリーほんとにありがとう(涙)
アルジュンの靴の描写、意味あるようであんま無いな?という点だけ気になった。
料理長役のアヌパム・カーさん、インドの国民的俳優さんなんですよね。「ニュー・アムステルダム 」で観てたので、彼の母国インドが舞台の映画で拝見できてなんだかすごく嬉しかった。
100人もの客がホテルの奥にあるチェンバーズから脱出します
映画「ホテル・ムンバイ」(アンソニー・マラス監督)から。
ハイジャックや爆破、銃殺など、多くのテロ事件が、
事実に基づいて映画化されるけれど、作品にしやすいのか、
犯人たちの動機が、単なる宗教や差別などの問題だけなのか、
どうして繰り返して起こるのか、私には理解できない。
自分たちの想定した敵に対して、一心不乱に突っ込むなら、
どうぞ、勝手におやりください、と言えるけれど、
それまで普通に真面目に生きてきた一般人をターゲットとした
無差別の殺人については、何度同じようなテロ作品を観ても、
感情移入もできなければ、解りたいとも思わない。
さらに、こういった事件の被害を拡大させるのは、
金持ちのわがままか、現場にいないマスコミ、と決まっている。
「落ち着いて静かにしてましょう。ここが犯人にバレないように」
そう説明しているのに、その静けさを破るのは、
「家族に会いたい、開けて」「ドアを開けろ」と威張り散らす
金持ちの人たち。
外に連絡を取るのは「居場所がばれる」と心配していたのに、
「私は客だぞ!」と大声をあげ、罵倒する。
それを受けたマスコミも「脱出作戦の情報が入りました。
「100人もの客がホテルの奥にあるチェンバーズから脱出します」
テレビを見ていたテロの首謀者が、実行犯に無線連絡、
「チェンバーズに行け、大勢が逃げる」と。
そして、逃げ遅れた何人かが銃殺されてしまうシーン。
本来なら、テロ事件の犯人を憎みたいのに、逆になってしまった。
もしかしたら、監督が伝えたかったのは、
金持ちとマスコミに対する警鐘かもしれないな。(汗)
映画の醍醐味。
ニュースだと自分には関係ないと思ってた事件が、
自分にも起こりうる事だと、
同じ地球で起こってる事だと体験させてくれる。
素晴らしい映画だったと思います。
演出は多分に入ってると思うけど、
そのヒーローチックな演出が自分をその場に
引き込んでくれる気がした。
演出は入ってるけど、
被害者側の過剰な正義感だけではなくて、
被害者側にも悪い奴はいるし、
(乳首のサイズを聞くって強烈だった)
加害者側にも生い立ちや立場、宗教の解釈なども
描かれてて映画的演出は入ってるけど、
リアリティもあった。
アーミーハマーと言う端正な、見るからにヒーロー面の
なんとかしてくれそうなキャラの死が、
この事件の重大さを分からせてくれた気がします。
現実にヒーローはいないし、普通に生きててもある日事件に巻き込まれて死ぬ。助けての声は届かないし、
ベラベラ喋ってピンチを脱出したり、
アクションシーンなんて起こらない。
この不条理さが現実なんだなと痛いほど分かりました。
あの場にいたら、自分も何も出来ずただただ誰かに従い
逃げるだけだったろうな。
巻き込まれたら最後。
とても辛い話だったけど、
エンターテイメントにもなっててとても良い映画だったと
思います。
心を動かすもの
テロリストの襲撃を受けたことを知った調理場の従業員たちの姿が美しかった。
「小さな子どもがまだ3人いるんです」とその場を離れたがった一人を誰も責めることなく、「お客様は神様ですから」と、多くの従業員が宿泊客を匿うために残った。
よく聞くこのセリフが安っぽさを感じさせないのは、このシチュエーションで、従業員が自発的に口にした言葉だからだ。決して「お客様」目線の言葉ではないのだ。
そして、この「神様」という言葉は、テロ行為を先導するものやそれに付き従うものたちへの、最高の皮肉にもなっていて、とても深い。
特に、足に銃撃を受けて苦しむ人質監視役の若いテロリストは、ホテル従業員の揺るぎない「神」への献身と見事なまでに対照的であった。
「神」の代弁者であるテロ作戦の指導者は、回線の向こうで敵意を扇動し、残酷で気まぐれな指示を出し続けるが、一向に故郷の家族への金銭的保障は進めてくれない。
この若者にアメリカ人の夫を目の前で殺され、深い絶望の淵でイスラムの経典を唱え始めたイスラム系の女性の人質も、なんのためらいもなく「殺せ」と命じる。
結局彼は、信じていたはずの「神」が自己矛盾を起こしていることに、深く絶望しながら短い生涯を終えることになる。
調理場の従業員も、若いテロリストも、心を動かされて「神への献身」を決断する。
彼らの運命を分けたのは、その根源に欲望や損得勘定の有無があったかどうかの違いではなかったか。そんなことを思った。
信仰は、報われること、救われることを期待して深まるものではない。
燃えるホテル・ムンバイは、無償の愛に支えられた人々と、私利私欲や狭隘な自尊心を満たそうとする人々とが対立する世界の象徴だ。
どっと疲れる作品。
2008年、イスラム原理主義の過激派が起こしたホテル・ムンバイでのテロをほぼ再現したもの。
イスラム過激派の思想・・・西洋文化によって自分たちが置き去りにされ、敵対心を持つようになり、西洋人を中心とした富裕層を殺すことが目的だった。アンチテーゼを作り出し、思考停止にし、洗脳することによって殺すことが聖戦だと思い込ませる。日本人から見ると、イスラムは怖いと思ってしまいがちだが、決してそんなことはない。むしろイスラムの方々は助け合いの精神が他の民族よりもあり、優しい。
格式あるホテルだからこそ、お客様は神様のもといかに安全に避難させようと奔走したのかが伝わってくる。そこには自分のことしか考えていない外国人もいたし、避難している中で疑心暗鬼になって周りが信じられなくなった老女もいたが、普段から心がけている心からの接客によって落ち着きを取り戻し、一丸となって脱出の機会をうかがう。
犠牲になった大半が従業員というのもこれまた悲しい。
テロの犠牲者の立場だけではなく、テロ側のことも垣間見ることができて、双方の考えていること、心理戦も分かり、なおさら緊迫感が伝わってくる。見終わったあと、どっと疲れた。
恐怖、絶望、不信、焦燥。負の感情がヒシヒシと伝わってくる。
鑑賞中の恐怖感と絶望感、鑑賞後の虚無感と疲労感。こんなにも、負の感情に包まれた作品は今まで見たことありませんでした。。スゴい作品だと思いますが、2回目を見たいという気にはなりません。あまりにも、重すぎる・・。そして、これが実際に起こってしまった出来事だと言うことに絶句してしまいます。テロリストたちの襲撃シーンは忘れたくても忘れられない。よくある「撃つぞ!おとなしくしろ!」などの脅し文句など一切ない、見つかった瞬間に撃ち殺される恐怖。そんな恐怖を突然味あわされる絶望。そういった感情がヒシヒシと伝わってくる。そんな中でも宿泊客の安否を優先するホテル従業員たちの行動に言葉にならない尊敬の念を感じました。特に、さっきまで銃撃にさらされてたフロント係の女性が怯えながらすぐに客室に次々と電話し始めたシーンはとても印象的でした。
ただ思うことは、この作品ではムンバイの人々がこのテロ被害を乗り越えて立ち上がる話を描いたシーンが短すぎるように感じました。「テロとの戦い」は、「報復」ではなく、「乗り越えて前に進むこと」だと個人的には思います。そういう意味で、ムンバイの人々のこの悲劇の後、立ち上がり前に進んでいこうとする姿はもっとしっかり時間を取って、入れてほしかった・・。他作品で恐縮ですが、「パトリオットデイ」ではきちんとそこがクローズアップされていたから悲劇のストーリーだけれども、最後のシーンでは涙したし、鑑賞後は希望を感じることができた。しかし、この作品の鑑賞後に感じることは、やるせない気持ちとテロリストへの憎悪でした。「憎しみの連鎖」はそれこそこういうテロ組織が狙っていること、そういう意味でそういう感情のまま、この作品が終わってしまったのは非常に残念です・・。
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