ホテル・ムンバイのレビュー・感想・評価
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もう一つ何かが足りない…
事実をもとに撮った作品だそうだ。緊迫感はそれなりなあるが、演出が上手くないのかお座なりな印象である。「ホテル・ルワンダ」の二番煎じのようにも見える。この手の作品にありがちな男女の愛、家族の愛の描き方は陳腐だ。あまりにも使い古した演出でもある。まぁ、こんなものかという感想以上のものは何もない。
「ダイ・ハード」ではない。
恐ろしい映画だった… 誰かが呟いているのを見たが、決して「ダイ・ハード」のような映画ではない。 訳の分からない暴力から逃れるためのアクションか表面的に似ていたとしても、そこには恐怖しかない。テロリズムの恐ろしさを叩き込んで来る作品だった… そしてテロの指導者のいう「奴らは人間じゃない」という台詞で、人を殺させようとする人間がいうレトリックはいつも同じなのだなとあらためて思わせられた。気を付けなければ…
心が掴まれる感覚
2008年インドのムンバイで起こった同時多発テロを 題材にタージマハルホテルを占拠された事件を描く。 史実に基づいているので過度な脚色は出来ない分 映画としての描き方は限定的となる。 現在においてはホテルムンバイは再度 運営を再開しているものの、いざ海外のホテルに 宿泊してこんな事件が起こったらと思うと 圧倒的な恐怖に支配される。 この事件の背景には印パ対立問題や 宗教問題など複雑な糸が絡みつく。 印パ対立の根元には米ソの問題も絡むし テロの少年達が白人達を人質にするのも そういった問題があるからであり、 歴史の陰の部分が祖父以前の代からの 因縁を持たせ若い人間たちを不幸に陥れていく。 これは舞台の印パだけでなく、我が国に関しても 決して外れていないのだと思う。 この映画において最もピュアな存在の人間が これからの未来において、どう感じて生きるのか。 製作陣の希望を担っているように感じた。 印パ対立において希望を描いた「バジュランギおじさんと小さな迷子」を 鑑賞しておくとズシンと来た心を救ってくれると思う。
準備するものしないもの
ホテルマン(サービスマン)の矜持なんてものは見えないに越した事はないし、見せない。それでも気が付くものはあるのだが、ほとんど触れない部分。それが危機管理であり、対処訓練である。自分もサービスマンであるが故に、事件の当時からソコを想像して震えたものだ。勿論、怖いからではなく。 さて、この映画。「危機管理」の明暗と、暗い人間を纏める難しさが溢れていて、ドラマとしては苛々したりもするが、それもリアルだったと感じた。主人公とあの女性の行動が正に明暗。それらを感じとるだけでも観て良いのではないのだろうか。個人的には粛々と職務を遂行していている料理長と、緩急で煽られる恐怖が素晴らしかった。 日本は宗教的に偏りが少ないので起こる可能性は低いのだが、何も揉め事は宗教だけではない。明日は我が身である。
すごい迫力と緊張感
これが実話とは、こんなに簡単にテロリストが出てきて、実行犯もこんな理由でマシンガンぶっぱなして、大悪は陰で操る 頭が悪くても武器を持てば怪物です 逃れるのはかなり困難 勇気のある人々は尊敬します 果たして自分はできるか?
犠牲者も可哀想だがテロリストの青年たちも哀れ
演出が平板なためサスペンスも感動も盛り上がらない。途中で挟まれる時間経過や実際の報道ニュースもサスペンスを間延びさせている。救助側の描写ももう少し欲しいところ。ただ犯人の青年・少年たちが単なる悪でなく、哀れさを感じさせるように描写されているのが新味といえば新味か。あれだけ人を殺せば神の元へなど行ける筈もないのに。彼らの描写に、誤った原理主義の恐ろしさとテロリズムの温床の根深さがかいま見える。ただ映画としては焦点がばらけて散漫な印象になってしまった。
パニックもの x テロ x オーストラリア映画 = 駄作
時間とお金の、全くの無駄だった。 インドが舞台なので観に行ったのだが、実は、オーストラリア・アメリカ合作であることに、早く気付くべきだった。 一皮むけば、ただのバイオレンス系ドラマであり、「インドにおけるテロ」を真面目に扱った映画かと思って観に行った自分が馬鹿だった。 重要な役の多くが“白人”か、そのパートナー。(つまり、明白に“白人”目線の映画。) “白人”につくして、命まで捧げる(!)、“インド人”スタッフ。(主役には、貧困階級のインド人らしさが全くないという、嘘くささ。) 狂信的で残虐なテロリストで、最後は射殺される“イスラム教徒”。(ピザのシーンでは侮辱的な描写がなされる。本当に史実に基づいているのか?) 「実話を元に」という触れ込みだが、“西側陣営”の白人本位のステレオ・タイプな設定である。(東側の“ロシア人”の描き方に注目。) しょせん想像を膨らまして、虚構をたっぷり交えて作ったエンタメにすぎないわりには、見所のないガンファイト。 ダラダラと長いだけの、閉じ込めパニック。(昔から使い古されてきた衣装戸棚のシーンは、長すぎてうんざり。) 音響効果を期待して劇場に行ったのだが、自動小銃がウルサいだけで、期待外れ。 ただもう、呆れた。
「豚肉のピザなんて食うな!」「ピザじゃありません。ピッツァです!」
2008年にインド、ムンバイで起こった同時多発テロ。若きテロリストたちは5つ星ホテルのタージマハル・ホテルを占拠するのだが、そこにはヒーローなんていない。ビルでのテロと言えば真っ先に『ダイハード』を思い浮かべるのですが、そこにはマクレーン刑事がいるわけでもなく、「お客様は神様です」という信念を持ったホテルマンたちが必死で客を避難させるだけなのです。 洗脳されたイスラム原理主義と思われる若きテロリスト。ことあるごとに「神は偉大なり」と唱えるところなんかは皮肉にも対照的だ。彼らにとってはアラーと先輩たちだけが拠り所であり、人の痛みなんて解らず、他宗教者、欧米人を虫けらの如く殺しまくる。 特殊部隊は1200キロ離れたデリーにしかいないため、到着するまで何とか隠れて持たさなければならない。緊迫感ある展開と臨場感が半端ないため、最後の脱出シーンで失禁しそうになるくらい背筋が凍りつく思いになるかもしれません。『ユナイテッド93』でも経験した緊張感と、自分まで死んでしまうかのような絶望感。もう涙無しでは見れなくなる! 「テロには屈しない」という言葉は、為政者が発言するのと民間人が言うのでは意味、重みが違うと思います。この作品ではまさしく民間レベルでの抵抗劇。個々の命の重みを理解出来るからこそ行動出来たものなのだろう。
まるでドキュメンタリー
まるで、ドキュメンタリー。11年前、こんな事件があったような…なかったような…。記憶も曖昧で、完全に、平和ボケです。 テロの話なので、無惨な殺害シーンが続きます。そんな中、誇りを持って働いている従業員の姿は、感動しました。「お客さまは神様です。」って、日本の言葉だと思ってましたが、違うんですね。 首謀者は、まだ、捕まっていないとのこと。人の命を粗末に扱ったテロリストは許せないけど、彼らも、ある意味、被害者。彼らも、きちんと教育をうけていたら、命を落とさずに済んだはずなのに…。 犠牲者の方のことを考えると、悼まれないです。自然災害ならまだしも、テロを防げる世の中になってほしいですね。いろいろ考えてしまいました。
五つ星ホテルのリアルなヒーローたち
2008年11月26日夜から11月29日朝にかけて、インドのムンバイで発生した、同時多発テロの現場の一つの、五つ星高級ホテル、タージマハル・ホテルを舞台ににした脱出劇。 ムンバイでテロが起きたと言う事は覚えていましたが、これほどの規模の同時多発テロだったんですね。ムンバイと言えば国際都市で、様々な国籍の人たちが居たわけですが、逆に、そう言うムンバイであるからテロの舞台として選ばれたのでしょうね。 事実を下にした作品なので、劇映画の様にテロリストをバッタバッタと倒していくヒーローがいるわけでは無いですが、宿泊客を守ろうとしたホテルの従業員は“リアル”ヒーローかも。 作品を見ていると、めっちゃたくさんの人が亡くなったのではないかと思いますが、実際に亡くなったのは32人。32人でも、少なくない数ですが、もっと犠牲になっても良かったからねぇ。それも、ホテルの構造を知り尽くして、宿泊客を守ったホテルマンたちの努力の賜物でしょうか。 ところで、事実を下にしているとはいえ、映画の話なので、どこまで本当の事なのか判りませんが、ムンバイの警察はダメ過ぎる。って言うか、インド政府もダメ過ぎる。これほどのテロなのに、特殊部隊がやってくるのは12時間も過ぎてからなんて・・・。インドは、あれほどの規模の国なんだから、要所要所に特殊部隊の配備は要るんじゃないんでしょうかね。
当事者ではない者にできること
映画的演出がどの程度なのか知る由もありませんが、以下のことは事実なのだと受け止めています。 ・多数の死傷者が出たこと ・ホテル従業員の多くの方が自らの意思でホテル内に留まったこと ・テロの首謀者は身の危険が自分に及ぶことのない場所にいて、客観的な判断力が身につくような教育を受ける機会のない貧しい少年たちを洗脳した挙句、捨て駒前提の実行犯に仕立て上げたこと ・ムンバイというインドでも有数の大都市であっても、テロ対応が可能な組織や体制が未整備だったこと。 それらの事実のひとつひとつについて、想像力を働かせることが、とても大事なことだと痛切に感じました。 犠牲者やその家族の無念、ホテルに残った従業員の崇高さ。これらについては誰もが思うことだと思いますが、〝生き残ってしまった〟ことで自分を責めてしまう人、ホテルから先に逃げた人たちが感じてしまうであろう罪悪感、についても考えてみたい。 このような痛ましい事件や事故が発生すると、事象そのものは収束したとしても、必ず二次的な精神的被害者が生まれてしまいます。心身が受けた傷について、死傷者との比較という文脈では語ることのできない困難な問題です。 事件の当事者ではない人間ができることは、想像力を働かせて、そういう傷みを抱えている人も存在するのだということに思いを致すことかもしれません。〝寄り添う〟という行為は勿論、それだけではないはずですが、たぶんそういうことも大事なこととして含まれると思います。 テロの首謀者は、若者を実行犯に仕立てる為に、イスラム教について都合よく勝手な解釈をしているだけで、イスラム教の教義や考え方がテロを促している、という危険な誤解は決してしてはいけないことだと思います。 憎むべきは、宗教的権威を振りかざしてテロをばら撒く一部のリーダー的な確信犯。 ただ、イスラム教圏の多くが、自然環境が厳しく(砂漠や乾燥で農作物の育成が難しい)、経済・教育環境も不安定(石油の富の多くは一部に偏っているし、製造業や小売業・サービス業といった雇用を多く生み出す産業も少ない…結果的に仕事ができる層の人たちという人材育成、すなわち教育という制度作りが不十分)であり、子供たちが洗脳されやすい状況にあることも否定できない。 それでも、そのようなことを想像しながら、世界のニュースに触れ、政治家の言動を気にすることに何らかの意味がある、と私は思います。
観るべき一作
話題にあがってはいないものの、かなりの衝撃作だった。テロとは日本は無縁だと日々過ごしてきた中で、日本人の危機意識が如何に低いものなのかを思い知らされた。ホテルの従業員一同が体を張って命を削る思いで、テロリストからお客を守り抜く姿は、とても勇敢だった。逆にテロリストが何故生まれるかも少しわかった気がした。r15指定なだけ、かなり衝撃的な内容となっているが、是非色んな人にオススメしたい一作となっている。
実話だから響く
実際の事件を題材にしているので、興味深く観賞。同じく実話の人質事件を描いた「アルゴ」という映画を思い出しました。 ずーっとドキドキハラハラ!恐怖感!人質になった人達の人間模様や、テロリストたちの気持ちも上手く描かれているなー、と思いました。ホテルの従業員さん達は本当に素晴らしい人達。役者さんの演技も、特にテロリストの少年たちの演技がよかったです。ちょっと切なかったです。
「インドの9・11」
ニュース情報や知識として知っていても、この映画を見た後ではその時の残酷さ、悲惨さがより身近に伝わり、なんともいえない気分になりました。 ハンディカメラのブレを使用した映像もドキュメンタリーっぽい臨場感で、自分も逃げまどうホテル客のひとりに感じたほど。 ますます外国人が増えている日本、こんな悲劇が世界の常識なら、いつまでも平和ボケしていてはいけないと、強く思った作品でした。
時に映画は、重要なニュースとなり得る
ただただ凄惨な事件でしかない。 事件の詳細知らずに鑑賞したけど、金銭的な貧富の差、情報の貧富の差がもたらした惨劇だろう。 前提として、何があろうと殺人は許されない。「神は偉大」と唱えればなんでも許されるわけではない。何がジハードだ、とも思う。ただ、日本で平和に過ごす自分には決して理解できない現実があるのだと思う。 殺戮された客、従業員は被害者だが、首謀者に操られテロを起こした青年たちもまた、被害者であろう。その点において、この事件は救いがない、悲しい事件だ。 「お客様は神様です」って日本でもよく言うけど、レベルが違すぎて、不謹慎ながら笑ってしまった。
感動し、涙したが、ずしっと重苦しい思いが湧き上がってきた
テロリストの少年が怒りの感情も発せず、無機質に機関銃で無関係の人を殺していく。まるで、伸びた雑草を電動ノコギリで刈っているようであった。 貧しい少年を洗脳して殺人マシーンに仕立てたテロリストの幹部に激しく憤りを感じた。無垢な少年テロリストの命も、関係のない罪なき人の命も目的のために奪ってしまう。何重にも罪深い。 救いなのは、利他の心を持つ人たちであった。陣頭指揮しながらも、家族のいる部下を思いやる料理長。貧弱な装備で突入した地元警察の警察官、脅されも客を守るために銃でうたれることを選択したロビーの女性スタッフ。 全編にわたって緊張感が続き、テロの恐ろしさを感じる映画だった。助かった人に安堵し、犠牲になった人の魂が救われることを祈った。
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