ホテル・ムンバイのレビュー・感想・評価
全241件中、61~80件目を表示
絶対に許せない、屈しない
神の名をかたる悪魔。
ホテル再建こそ、この糞悪魔達への絶対に屈しない意志の現れ。
しかし救われる人の方が圧倒的大多数だろうが"祈りが全ての元凶"と思わざるを得ない。
どこかで…
見たような気がしたのは同じ題材を扱ったジェノサイドホテルを見たから。その分、少し驚きが減ってしまった。。救助隊員と偽り、部屋を空けさせ、銃撃していくのは衝撃的。お客様は神様ですって、警察でも、軍隊でもない、ホテルマンが命を賭けて、客の生命を守るのは決してできることではない。名実ともに一流ホテルである。また、テロリストは何も知らない、家族思いだったり、貧乏な少年たちであることも描いており、虚しさを感じる。裏で糸を引く首謀者が本当に許せない。
引き込まれる2時間
鑑賞する少し前に「ホテルを題材にした映画で英雄として描かれた人物を逮捕」のニュースを見て、この映画だと完全に勘違いしていた…
「英雄って料理長?違うか、給仕のほうか。何にしろほぼ嘘とか残念だわ」と思いながら鑑賞してしまった……それは『ホテル・ルワンダ』だった!しまったやらかした!!印象が全然違う!!!
…世の中で起こるテロの実行犯が少年だった、といった話は目にしていても。
こうして作品としてじっくりみると、やるせないなぁ…
どの人も、ほぼなんのためらいもなく、次から次へと射殺したり爆弾投げたり。
しかもなんかよく分からない首謀者の指示で。お金のためにやった少年もいるけど、それは一生振り込まれることもない…。
観てるときは被害者たちのほうに注目したり「無事でいて」と思うけど、終わって感想書こうとするとテロリストに対する感想が湧き出てしまう。
ザーラ、生き残って良かった…。目の前で夫が殺されてしまったけど、大切な娘(泣き声で犯人に見つからなくて本当に良かった)とともに強く生きてほしい(涙)。サリーほんとにありがとう(涙)
アルジュンの靴の描写、意味あるようであんま無いな?という点だけ気になった。
料理長役のアヌパム・カーさん、インドの国民的俳優さんなんですよね。「ニュー・アムステルダム 」で観てたので、彼の母国インドが舞台の映画で拝見できてなんだかすごく嬉しかった。
ドンパチだけじゃない丁寧に描かれた秀作
実際の事件を元に作られた映画。ハリウッド的なアクションでは、主役側の人間模様、愛憎+ドンパチですが、今作ではテロリスト側の背景や巻き込まれる人々の人間模様まで丁寧に描かれ、極上の映画に仕上がっています。
リアルタイムで起きているテロの現実
2008年にインドで起きたテロをもとに作られた作品。
12年前の出来事なのに9.11ほどその当時はリアルに感じていなかったのは、
起きた場所がインドだったということが原因なのか。
現実には、このテロも9.11の延長線上にあるように思う。
テロリストであるイスラム原理主義の若者たちも貧困がゆえにテロリストとして生きるしか道がなく、ものすごく高い志を持ってテロを行なっているわけではない。
黒幕的にいるリーダーは、彼らを洗脳して、捨て駒のように動かしているだけなのだ。
意味のない殺戮の中で、命をかけて自分たちのお客様を守ろうとしたホテルマンの行動は、
人としての崇高な志を感じる。
同様にこのテロを映画化した、ジェノサイドホテルも違った視点でこの事実を伝えているので、あわせて観るとより理解が深まるかも。
祈りから始まった事…
もしもインドに行く機会が有れば、無理してでも一泊はタージ・マハルホテルに宿泊してみたい!
どこまでが史実なのかは分からないが、テロリスト含む各キャラクター描写が素晴らしく、特に嫌なヤツと見せ掛けて良い面も見せる演出(ロシア人、コック長、チクリばばあ)が有るので、皆助かって欲しい!と手に汗握る中、意外な人物が亡くなってゆく救い用の無さ、この加減がフィクションとして上手いですね。
ホテルが宗教テロ集団に掌握されたと知り、生き残る為に脱出を決意したグループの一人が
「皆で祈ろう」
と言った所
「祈り(宗教)から始まった事だろ!」
この皮肉なセリフには痺れました…
ラストのその後の実写では素直に感動!!
正義の反対は正義。世界の分断に立ち向かう強さ
インドが熱い。
これぞインド映画の真骨頂か。勢いのあるインド映画をこれまで観れていなかったが、伏線が分かりやすくテーマもしっかりとしていて正統派な映画と感じた。
文明が開花してきていると同時に、伝統的でまだ発展途上な部分も残っているので、その二面性が面白い。その映像を見ているとディープな世界にまた触れたく旅行がしたくなる。
どストレートに、格差社会・人種差別・宗教戦争と、世の中を分断するテーマが詰め込まれていた。現実の社会と造られた虚構の豊かな社会の狭間でもがきながらも、強く生きていく人たちが描かれている。
結局お金が諸悪の根源。いつからこんな世の中になってしまったか。生きる前にはみな平等であるはずなのに。
人を助けるために神に背いてターバンを取るシーンが象徴的だった。宗教は人を生きる悩みから救うけど、往々にして排他的によそ者を受け入れられず過激派は暴力行為にまで至る。
でも、テロリストも怖いし、歌うし、家族がいる。そのリアルは忘れてはならない。正義の反対は正義なんだ。
この映画を通して改めて自爆テロの虚しさを痛感する。事実に基づいたストーリーで、有事でも本職を全うしたホテルマンたちの勇敢さに賛辞を送りたい。
宗教って何なんだろう
イスラム過激派による実際に起きたテロを映画化したもの。いつ殺されるかドキドキだった。ジハード・・・次の世界で幸福になる?少年を戦闘員にして無差別殺人ってどうして?宗教って何なんだろうと思う。
憎しみの対立の果て
2001年9月のアメリカ同時テロなら、何が起きたか世界中の人が知っているのに、2008年11月のインド・ムンバイの同時テロのことを、私はすっかり忘れていました。
同時に10カ所がイスラム系のテロリスト集団に襲われ、数百人の死者を出した凶悪犯罪のことを、映画を観てから調べて、これは大変な事件だったのだなと感じています。
この映画は、顧客を守ろうと身を張って頑張り抜いた「タージマハル・ホテル・ムンバイ」の従業員たちを最初から最後まで描いた2時間の作品です。
作り物でない証拠に、せっかく警察の第一陣が2階の警備員室に到達して、敵の動きを把握できる場所を占拠したのに、その有利さをほとんど活用もできずに殺されていってしまったり。
そこに残った主人公も、その有利さを何一つ活用できずに震えていたり。
こんな間抜けな話、作り物の話としては成立するはずがないのですが、これこそが史実なのかも知れません。
とはいえ、映画の観客としては、割り切れない(不完全燃焼)こと、おびただしく、むしろ「作り物だ」と観客が最初から知っている「パニック映画」だったなら、それはもう最高の作品だったろうと思います。
来年、大きなイベントが開催されるわが国において、テロが起きない保証はなく、予防接種的な効果を含め、観ておく価値が十二分にある映画でした。
宗教に名を借りて憎悪をかき立て、自分の手は汚さずに純真な「信者たち」に犯罪を犯させる。
このような者を、なぜ天は罰されないのでしょうか。
神など、存在しない、なによりの証拠なのかも知れません。
もっとも、高度に政治的な作為を感じる映画でもあります。
このインド映画が出てきた時というのは、インド・カシミール州のイスラム系住民の自治権が剥奪されたのとほぼ同時だったのですから。
100人もの客がホテルの奥にあるチェンバーズから脱出します
映画「ホテル・ムンバイ」(アンソニー・マラス監督)から。
ハイジャックや爆破、銃殺など、多くのテロ事件が、
事実に基づいて映画化されるけれど、作品にしやすいのか、
犯人たちの動機が、単なる宗教や差別などの問題だけなのか、
どうして繰り返して起こるのか、私には理解できない。
自分たちの想定した敵に対して、一心不乱に突っ込むなら、
どうぞ、勝手におやりください、と言えるけれど、
それまで普通に真面目に生きてきた一般人をターゲットとした
無差別の殺人については、何度同じようなテロ作品を観ても、
感情移入もできなければ、解りたいとも思わない。
さらに、こういった事件の被害を拡大させるのは、
金持ちのわがままか、現場にいないマスコミ、と決まっている。
「落ち着いて静かにしてましょう。ここが犯人にバレないように」
そう説明しているのに、その静けさを破るのは、
「家族に会いたい、開けて」「ドアを開けろ」と威張り散らす
金持ちの人たち。
外に連絡を取るのは「居場所がばれる」と心配していたのに、
「私は客だぞ!」と大声をあげ、罵倒する。
それを受けたマスコミも「脱出作戦の情報が入りました。
「100人もの客がホテルの奥にあるチェンバーズから脱出します」
テレビを見ていたテロの首謀者が、実行犯に無線連絡、
「チェンバーズに行け、大勢が逃げる」と。
そして、逃げ遅れた何人かが銃殺されてしまうシーン。
本来なら、テロ事件の犯人を憎みたいのに、逆になってしまった。
もしかしたら、監督が伝えたかったのは、
金持ちとマスコミに対する警鐘かもしれないな。(汗)
直視不能。
死者100人超、負傷者290人。
2008年、タージマハル・パレス・ホテルでのテロ事件が題材。
途中まで観て、恐ろしさのあまり中座。
2ケ月後、心落ち着けてラストまで鑑賞。
ほとんど直視不能。
テロリストにホテルを占領され、逃げ惑う人々や、毅然と誘導する従業員たちの恐怖をリアルに描いた作品。
テロリストとしてマインドコントロールされた若者たち。
神の為とは言え、それが正しい行いだったのか、特殊部隊に追い詰められ、死にゆく顔は悲しく歪む。
その表情から、特攻隊が頭をよぎったのは私だけだろうか。
憎むべきは、政治や宗教、権力保持のために手段を選ばない大人たち。
恐ろしく悲しい作品でした。
二本立て二本目。98%救いなし。ここまで悲惨な映画はそうはない。怖...
二本立て二本目。98%救いなし。ここまで悲惨な映画はそうはない。怖いな、オーストラリア映画。
神、神、神、神、うるさいねん、テロリスト。君たちの神は、異教徒は皆殺しと教えているのか?
人類の叡智が及ばぬもの。それを「神」として尊崇の念を持つことは大切。◯◯教、◯◯教、◯◯教というものは「神」ではない。それは利権を欲した人間が創り出したもの。目を覚ませ!テロリストたち。自分自身で考えよ!
とにもかくにもこの映画、ずっと緊張しっぱなし、本当に怖い。実話ベースなのがすごい。本当はもっとずっと想像を絶する恐怖だったんでしょうね。日本は幸せですね。しかし遠くない将来、日本でも…もうオリンピックとか中止でいいんじゃないでしょうか(笑)
社会性、エンタメ性ともに高いレベルの傑作!
2008年に実際に起こったムンバイ同時多発テロを題材に、ホテルに閉じ込められた宿泊客とホテルマン達の脱出劇を描いた本作は、凄惨な現実を直視させられ、ドスンと腹にくる出色の出来でした。
デヴ・パテル演じるシク教徒の主人公アルジュンを中心に、様々な人物の心情を捉える優れた群像劇であると同時に、彼らの行末には全編にわたってハラハラさせられ、高いエンタメ性も保証しています。
ホテルに閉じ込められた不安の中、ある宿泊客が「イスラム過激派を連想させるため、ターバンを取ってくれ」とアルジュンに命じますが、彼が「ターバンはシク教徒にとって高貴さと勇気の象徴であり、如何に神聖な伝統であるか」をその女性に説く場面はとても感動的。
そんな彼だからこそ、客が怪我した際には率先してターバンを脱ぎ、包帯がわりに巻いてあげるシーンが美しく輝くのです。
「信仰上どうしても譲れない信念」と、「信仰を後回しにしてでも為すべきこと」がどちらも丁寧に描かれていることには非常に好感が持てました。
インド国内のシク教徒の割合はわずか2%ほどらしく、日本人にもあまり馴染みのない彼らの宗教観を垣間見られる点でも、一見の価値ありです。
その一方、テロを引き起こす少年兵達にも、彼らなりののっぴきならない事情があり、主人公と同様の純粋な信仰心を持っていることが分かります。彼らを私たちと等価な一人の人間として描き、単純に悪役扱いしないフェアな視線には思わずグッときました。
そんな彼らを安全圏からコントロールし、テロを生み出す張本人となっている男が、誰よりも宗教を蔑ろにし、都合の良いように利用する姿には憤りを感じずにはいられません。
「デヴ・パテル主演作にハズレ無し」をまたしても証明してみせた本作は、私たちに信仰の尊さを教えてくれると同時に、今世界中で起きている分断を想起せざるを得ない、社会的意義も高い素晴らしい作品です!
映画の醍醐味。
ニュースだと自分には関係ないと思ってた事件が、
自分にも起こりうる事だと、
同じ地球で起こってる事だと体験させてくれる。
素晴らしい映画だったと思います。
演出は多分に入ってると思うけど、
そのヒーローチックな演出が自分をその場に
引き込んでくれる気がした。
演出は入ってるけど、
被害者側の過剰な正義感だけではなくて、
被害者側にも悪い奴はいるし、
(乳首のサイズを聞くって強烈だった)
加害者側にも生い立ちや立場、宗教の解釈なども
描かれてて映画的演出は入ってるけど、
リアリティもあった。
アーミーハマーと言う端正な、見るからにヒーロー面の
なんとかしてくれそうなキャラの死が、
この事件の重大さを分からせてくれた気がします。
現実にヒーローはいないし、普通に生きててもある日事件に巻き込まれて死ぬ。助けての声は届かないし、
ベラベラ喋ってピンチを脱出したり、
アクションシーンなんて起こらない。
この不条理さが現実なんだなと痛いほど分かりました。
あの場にいたら、自分も何も出来ずただただ誰かに従い
逃げるだけだったろうな。
巻き込まれたら最後。
とても辛い話だったけど、
エンターテイメントにもなっててとても良い映画だったと
思います。
緊張感が伝わってきて、怖かった…
実話だということだが、私はよく知らなかった。逃げてしまった人もいるけれど、あの状況下でお客様を守ろうとしていた従業員たちには頭が下がる。一方で、無知な若者たちを利用して、恐ろしい事件を起こさせた電話で指示していた者には強い憤りを覚える。インドの状況はよく知らなかったが、貧富の差が激しい。スラムのような街から、舞台となった超リッチなホテルまである。そのことも、事件が起きた背景にあるのだろう。大都市なのに、テロに対してあまりにも無防備だった。また、占拠したのは、20名にも満たない若者たちなのに、地元の警察がなす術がなかったことは、非常に残念だ。もっと早く対応していれば、犠牲者ももっと少なくて、済んだのではないだろうか? 改めて、テロ行為の恐ろしさが身に染みる映画だった。
心を動かすもの
テロリストの襲撃を受けたことを知った調理場の従業員たちの姿が美しかった。
「小さな子どもがまだ3人いるんです」とその場を離れたがった一人を誰も責めることなく、「お客様は神様ですから」と、多くの従業員が宿泊客を匿うために残った。
よく聞くこのセリフが安っぽさを感じさせないのは、このシチュエーションで、従業員が自発的に口にした言葉だからだ。決して「お客様」目線の言葉ではないのだ。
そして、この「神様」という言葉は、テロ行為を先導するものやそれに付き従うものたちへの、最高の皮肉にもなっていて、とても深い。
特に、足に銃撃を受けて苦しむ人質監視役の若いテロリストは、ホテル従業員の揺るぎない「神」への献身と見事なまでに対照的であった。
「神」の代弁者であるテロ作戦の指導者は、回線の向こうで敵意を扇動し、残酷で気まぐれな指示を出し続けるが、一向に故郷の家族への金銭的保障は進めてくれない。
この若者にアメリカ人の夫を目の前で殺され、深い絶望の淵でイスラムの経典を唱え始めたイスラム系の女性の人質も、なんのためらいもなく「殺せ」と命じる。
結局彼は、信じていたはずの「神」が自己矛盾を起こしていることに、深く絶望しながら短い生涯を終えることになる。
調理場の従業員も、若いテロリストも、心を動かされて「神への献身」を決断する。
彼らの運命を分けたのは、その根源に欲望や損得勘定の有無があったかどうかの違いではなかったか。そんなことを思った。
信仰は、報われること、救われることを期待して深まるものではない。
燃えるホテル・ムンバイは、無償の愛に支えられた人々と、私利私欲や狭隘な自尊心を満たそうとする人々とが対立する世界の象徴だ。
全241件中、61~80件目を表示